2022年度書評一覧

『図書新聞』 [2022年5月28日号、第3544号] から(評者:大橋厚子氏)

世界史のなかの東南アジア(上下巻)
歴史を変える交差路

世界史のなかの東南アジア

アンソニー・リード著『世界史のなかの東南アジア』(太田淳・長田紀之監訳、上下巻)が、『図書新聞』(2022年5月28日号、第3544号、武久出版発行)で紹介されました。世界史を動かし続けた東南アジアを、先史から現代に至る全体史として描くとともに、豊かな多様性を生み出す人びとの姿に迫る決定版。

アンソニー・リード 著
太田 淳・長田紀之 監訳
税込各3,960円/本体各3,600円
A5判・上製・上398頁+下386頁
ISBN 上:978-4-8158-1051-1 下:978-4-8158-1052-8
C3022
在庫有り


『日経サイエンス』 [2022年6月号] から

世界の発光生物
分類・生態・発光メカニズム

世界の発光生物

大場裕一著『世界の発光生物』が、『日経サイエンス』(2022年6月号、日経サイエンス社発行)の「新刊Guide」で紹介されました。発光バクテリアからツキヨタケ、ホタル、そしてチョウチンアンコウなどの脊椎動物まで ——。現在知られているすべての発光生物について、第一人者が分子生物学的知見を含めて紹介。光る生き物たちを通して見える世界と、そこに至る進化の道筋を描き出します。

“「世界の発光生物を知られるかぎり余すところなく紹介すること」が本書の目的。その発光メカニズムとは? 光る目的とは? その名がよく知られているチョウチンアンコウでさえ深海中での行動を見た人は誰もおらず、発光の目的もメカニズムも推測なのだそうだ。細菌から条鰭類(魚類の大部分)まで分子生物学の知見を含めて解説する。”(『日経サイエンス』2022年6月号、p.111)

大場裕一 著
税込5,940円/本体5,400円
A5判・上製・456頁
ISBN978-4-8158-1057-3 C3045
在庫有り


「読売新聞」 [2022年5月15日付、読書面「始まりの1冊」] から

近代中国と海関

近代中国と海関

岡本隆司著『近代中国と海関』の自著紹介が、「読売新聞」(2022年5月15日付)読書面の「始まりの1冊」に掲載されました。【内容】中国と西洋との交渉の場であったばかりでなく、西洋人が管理運営にも携わった海関制度を軸として、16世紀末から20世紀初にわたる中国の国家構造とその変遷を解明した力作。西洋側にとっての通商問題が、中国の財政体制と政治構造の文脈に置き換えられていく過程の叙述は本書の圧巻である。西洋近代モデルに対する実証的な批判は、ひとり中国のみならず広くアジア研究の活性化をも促すであろう。

岡本隆司 著
税込10,450円/本体9,500円
A5判・上製・700頁
ISBN978-4-8158-0357-5 C3022
在庫有り


『図書新聞』 [2022年5月21日号、第3543号] から(評者:小松志朗氏)

グローバル・ヘルス法
理念と歴史

グローバル・ヘルス法

西平等著『グローバル・ヘルス法』が、『図書新聞』(2022年5月21日号、第3543号、武久出版発行)で紹介されました。国際的な保健協力が目指す「健康」とは何か。その実現のために、どのような法や制度が創出されてきたのか。従来の国際法学を超えて、「社会医学」と「生物医学」の対抗関係を軸に、現在の世界保健機関(WHO)にいたるグローバルな「健康」体制のあり方を問い直す。パンデミックの時代に必読の書。

“…… 国際社会における感染症対策の考え方もコロナを機に変わり得るし、すでに変わった部分もある。本書はその変化を正しく理解・評価するための手がかりを与えてくれる。タイトルにあるグローバル・ヘルス法とは、「ヘルスという規範的理念を、現にある世界において実現することを目的とする制度」であり、当然感染症が射程に入る。この制度の歴史的発展の過程を、本書は豊富な資料と的確な視点により鮮やかに描き出す。…… コロナのパンデミックは複雑な現象であり、日々のニュースを追うだけで精一杯という人は少なくないだろう。膨大な情報に振り回されず問題の本質をつかむには、本書のような優れた専門書を読むに限る。……”(『図書新聞』2022年5月21日号、第4面)

西 平等 著
税込5,940円/本体5,400円
A5判・上製・350頁
ISBN978-4-8158-1056-6 C3032
在庫有り


『週刊読書人』 [2022年4月15日号、第3436号] から(評者:河島思朗氏)

ホメロスの逆襲
それは西洋の古典か

ホメロスの逆襲

小川正廣著『ホメロスの逆襲』が、『週刊読書人』(2022年4月15日号、第3436号、読書人発行)で紹介されました。最古・最大の「西洋古典」とされるホメロス。だが、創造と受容のいずれも西洋の枠組みには収まっていなかった。実際に西方に伝わったものとその行方を明確にする一方、オリエントの神話・宗教からビザンツの年代記やオスマンの歴史書まで探査し、巨大な実像を初めて捉えた画期的労作。

“…… 紀元前8世紀頃、ホメロスと呼ばれる詩人が叙事詩『イリアス』と『オデュッセイア』を作りあげた。西洋に現存する最古の文学作品であり、2つあわせて2万7千行以上の長さをもつ。この叙事詩は西洋文明の幕開けを彩る記念碑であり、西洋に通底する文化の源流に位置づけられている。しかし本書は、この叙事詩が西洋の古典になっていく過程を紐解くことで、ホメロスを「西洋」という枠組みから解き放とうとする。「それは西洋の古典か」という副題に表される問いが「逆襲」の出発点となるのだ。…… 古代から現代へと貫かれた太い縦軸に、各時代背景や作品解釈という横軸を丁寧に折り重ねながら「逆襲の軌跡」をたどる大著だ。”(『週刊読書人』2022年4月15日号、第3面)

小川正廣 著
税込9,900円/本体9,000円
A5判・上製・634頁
ISBN978-4-8158-1050-4 C3098
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『国際法外交雑誌』 [第120巻第4号、2022年1月] から(評者:豊田哲也氏)

法と力
戦間期国際秩序思想の系譜

法と力

西平等著『法と力』が、『国際法外交雑誌』(第120巻第4号、2022年1月、国際法学会発行)で紹介されました。「国際法 vs 現実政治」を超えて ——。第一次大戦後の国際法学の中から「国際政治学」的思考は誕生した。〈国際紛争は裁判可能なのか〉という連盟期の最重要課題を軸に、法と力の関係をダイナミックに捉える諸学説の系譜をたどることで、モーゲンソーやE・H・カーらの思想を新たに位置づけ直す力作。

“…… 本書の数々の鋭い指摘の中でも特に目を引くのは、当時の最新の学問である労働法学が国際法学に与えていた影響の大きさの指摘である。モーゲンソーが労働法学者ジンツハイマー(1875-1945)から直接の影響を受けていた経緯が興味深く、また、E.H.カーの名著『危機の二十年』の随所に労使関係と国際関係のアナロジーが見られるとの指摘(本書159-160頁)や、ブライアリが国際裁判の機能的限界を論じる際に国内法における労使紛争を念頭において論じているとの指摘(本書158-159頁)も興味深い。…… 本書の指摘する国際政治学的思考の本質とその思想史的位置付けは、国際法学と国際政治学との関係性を考えていく上で重要であり、また、戦間期の国際法学を、単に国連憲章制定の前史としてではなく、当時の文脈の中で理解するために欠かすべからざる論点を提示していると言えるであろう。……”(『国際法外交雑誌』第120巻第4号、pp.118-119)

西 平等 著
税込7,040円/本体6,400円
A5判・上製・398頁
ISBN978-4-8158-0919-5 C3032
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Japanese Yearbook of International Law [第63号、2021年3月] から(評者:小畑郁氏)

法と力
戦間期国際秩序思想の系譜

法と力

西平等著『法と力』が、Japanese Yearbook of International Law(第63号、2021年3月、国際法協会日本支部発行)で紹介されました。「国際法 vs 現実政治」を超えて ——。第一次大戦後の国際法学の中から「国際政治学」的思考は誕生した。〈国際紛争は裁判可能なのか〉という連盟期の最重要課題を軸に、法と力の関係をダイナミックに捉える諸学説の系譜をたどることで、モーゲンソーやE・H・カーらの思想を新たに位置づけ直す力作。

西 平等 著
税込7,040円/本体6,400円
A5判・上製・398頁
ISBN978-4-8158-0919-5 C3032
在庫有り


「中日新聞」 [2022年5月2日付、夕刊文化・芸能欄] から

世界の発光生物
分類・生態・発光メカニズム

世界の発光生物

大場裕一著『世界の発光生物』が、「中日新聞」(2022年5月2日付)夕刊の文化・芸能欄で紹介されました。発光バクテリアからツキヨタケ、ホタル、そしてチョウチンアンコウなどの脊椎動物まで ——。現在知られているすべての発光生物について、第一人者が分子生物学的知見を含めて紹介。光る生き物たちを通して見える世界と、そこに至る進化の道筋を描き出します。

“ホタルやキノコ類、チョウチンアンコウなど、光を発する「発光生物」。現在世界で知られる約7000種を、第一人者でもある中部大教授の著者が網羅的に紹介する。分類別に、生態や発光の仕組み、何のために光るのか、遺伝子解析から明らかになった進化の筋道などを解説する。日本は世界的に見ても種類が豊富だという。”(「中日新聞」2022年5月2日付夕刊、第5面)

大場裕一 著
税込5,940円/本体5,400円
A5判・上製・456頁
ISBN978-4-8158-1057-3 C3045
在庫有り


「朝日新聞」 [2022年5月7日付] から(評者:犬塚元氏)

グローバル・ヘルス法
理念と歴史

グローバル・ヘルス法

西平等著『グローバル・ヘルス法』が、「朝日新聞」(2022年5月7日付)読書面で紹介されました。国際的な保健協力が目指す「健康」とは何か。その実現のために、どのような法や制度が創出されてきたのか。従来の国際法学を超えて、「社会医学」と「生物医学」の対抗関係を軸に、現在の世界保健機関(WHO)にいたるグローバルな「健康」体制のあり方を問い直す。パンデミックの時代に必読の書。

西 平等 著
税込5,940円/本体5,400円
A5判・上製・350頁
ISBN978-4-8158-1056-6 C3032
在庫有り


『図書新聞』 [2022年4月2日号、第3537号] から(評者:小野寺史郎氏)

愛国とボイコット
近代中国の地域的文脈と対日関係

愛国とボイコット

吉澤誠一郎著『愛国とボイコット』が、『図書新聞』(2022年4月2日号、第3537号、武久出版発行)で紹介されました。中国ナショナリズムの実像 ——。時に暴力をともなう激しい対日ボイコットはなぜ繰り返されたのか。たんなる外交懸案の解決でも自国工業の振興でもない、それぞれの運動が生じた異なる地域事情と利害・思想を詳らかにするとともに、それらが愛国主義へとつながっていくメカニズムを捉えた力作。

“本書は近代中国のナショナリズム研究をリードしてきた著者による待望の新著である。本書が扱うのは、1908年の第二辰丸事件から1925年の五卅運動に至る「都市を中心に起こった大衆的な愛国運動」(1頁)である。…… 日中英米の外交文書を博捜し、様々な新事実やエピソードを通じて、個々の運動の具体的な様相を明らかにすることを目指す。本書が特に重視するのは、学生・商工業者・労働者といった担い手、運動を論評した知識人、運動を政権奪取の手段として採用した国民党や共産党、さらにはその時々の中国政府や租界工部局、運動の対象となった日本の商人や外交官といった、立場や地域の違いによる運動への関わり方の違いである。……”(『図書新聞』2022年4月2日号、第4面)

吉澤誠一郎 著
税込4,950円/本体4,500円
A5判・上製・314頁
ISBN978-4-8158-1048-1 C3022
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『図書新聞』 [2022年3月12日号、第3534号] から(評者:川平敏文氏)

詩文と経世
幕府儒臣の十八世紀

詩文と経世

山本嘉孝著『詩文と経世』が、『図書新聞』(2022年3月12日号、第3534号、武久出版発行)で紹介されました。江戸時代の漢詩文制作はどのように政治と結びつき、古来の言葉に何が託されたのか。これまで注目されてこなかった幕府儒臣に焦点を当て、漢詩・漢文書簡・建議などの多彩な表現を読み解くとともに、武家の学問論や民間の技芸論をも視野に入れて、近世日本における「文」の行方を問い直します。

“近世の漢詩文研究に、また新しい才能が生まれた。そんな感慨をまずは記しておきたい。…… これまで文学・思想史研究において、18世紀の漢詩文といえば、伊藤仁斎に始まる古義学派、荻生徂徠に始まる徂徠学派の時代という印象が強く、鳩巣ら朱子学派の影は非常に薄かった。本書は逆にそれを中心に据える。画期的な視点の転換と言えるであろう。…… ”(『図書新聞』2022年3月12日号、第5面)

山本嘉孝 著
税込6,930円/本体6,300円
A5判・上製・440頁
ISBN978-4-8158-1043-6 C3095
在庫有り


『図書新聞』 [2022年3月5日号、第3533号] から(評者:櫻井康人氏)

〈叫び〉の中世
キリスト教世界における救い・罪・霊性

〈叫び〉の中世

後藤里菜著『〈叫び〉の中世』が、『図書新聞』(2022年3月5日号、第3533号、武久出版発行)で紹介されました。中世ヨーロッパは叫び声に満ちていた ——。修道士や「敬虔な女性たち」の内心の叫びから、異界探訪譚が語る罪人の悲鳴、さらには少年十字軍や鞭打ち苦行運動に伴う熱狂まで、キリスト教世界に響き渡る多様な〈声〉に耳を傾け、霊性史・感情史の新生面を切り拓く気鋭の力作。

“歴史を紐解く手段は様々であるが、〈叫び〉という感情を切り口にすれば、歴史により肉迫できるであろうことは想像に難くない。ただし、それを実践することは口で言うほど容易いことではなく、幅広い史料調査と史料の深い読みが必要となり、並大抵のことではなしえない。しかし、本書はそのような骨の折れる作業を克服し、従来の研究とは異なった角度から中世ヨーロッパ世界の実像とその変容を、より深く、より色鮮やかに描くことに成功している。…… トピックごとに背景・解説が加えられており、門外漢に理解しやすくなるように配慮されている点も本書の価値を高めている。……”(『図書新聞』2022年3月5日号、第5面)

後藤里菜 著
税込5,940円/本体5,400円
A5判・上製・364頁
ISBN978-4-8158-1040-5 C3022
在庫有り


『週刊読書人』 [2022年2月11日号、第3427号] から(評者:中道寿一氏)

政治的暴力の共和国
ワイマル時代における街頭・酒場とナチズム

政治的暴力の共和国

原田昌博著『政治的暴力の共和国』が、『週刊読書人』(2022年2月11日号、第3427号、読書人発行)で紹介されました。苛烈な暴力を許容する社会はいかにして生まれたのか ——。議会制民主主義を謳うワイマル共和国。だが、街頭は世論を左右する新たな公共圏として、ナチスや共産党のプロパガンダの場となり、酒場を拠点とした「暴力のサブカルチャー」が形成されていく。実像を初めて描きだした力作。

“本書は、膨大かつ綿密な資料収集の下に、克明にまとめられた専門書であるが、文句なく「面白い」。400頁を超える浩瀚な歴史研究書であるが、当時の状況を明瞭に想起させ、重苦しい緊張感を与えながら、一気に読み進めさせる、気迫に満ちた書物である。……「世界で最も民主的な憲法」の下、政治的暴力が常時行使され、「暴力それ自体が異常だと感じない感覚の麻痺」により、暴力が「政治的変化の手段として社会的に受容」されたこと、そして、「労働者獲得を強く志向した唯一の非マルクス主義政党であり、運動」であったナチ党に人々が「魅力」を感じたことを示すことによって、「もう一つの共和国」の姿を見事に描いている。”(『週刊読書人』2022年2月11日号、第3面)

原田昌博 著
税込6,930円/本体6,300円
A5判・上製・432頁
ISBN978-4-8158-1039-9 C3022
在庫有り


『週刊読書人』 [2022年1月28日号、第3425号] から(評者:黒古一夫氏)

水上勉
文学・思想・人生

水上勉

藤井淑禎著『水上勉』が、『週刊読書人』(2022年1月28日号、第3425号、読書人発行)で紹介されました。事実と虚構のあわいに求められた道とは ——。文明を問う「社会派推理小説」によって出発した水上勉。だが、自らの生と重ねて「寺を焼き」「竹を削り」一休・良寛の境涯を跡づけつつ、遂には芸術と救済の向こうへと歩み出す。晩年の日々まで、その文業を初めて本格的に捉えた畢生の力作。

“…… その精緻な水上作品の「読み」を基にして、書誌(資料)や先行研究、年譜などを駆使して構築された作家論と言ってよく、文学研究はかくあるべし、と思わせる出来になっている。……”(『週刊読書人』2022年1月28日号、第5面)

藤井淑禎 著
税込3,520円/本体3,200円
四六判・上製・294頁
ISBN978-4-8158-1047-4 C3095
在庫有り


『社会事業史研究』 [第61号、2022年3月] から(評者:西﨑緑氏)

戦争障害者の社会史
20世紀ドイツの経験と福祉国家

戦争障害者の社会史

北村陽子著『戦争障害者の社会史』が、『社会事業史研究』(第61号、2022年3月、社会事業史学会編)で紹介されました。二度の大戦により、300万人におよぶ大量の戦争障害者を生み出したドイツで、国家に奉仕した「英雄」はどのようなその後を生きたのか。公的支援や医療の発達、義肢や盲導犬などの補助具の発展と、他方での差別や貧困、ナチへの傾倒などの多面的な実態を丁寧に描き、現代福祉の淵源を示します。

北村陽子 著
税込5,940円/本体5,400円
A5判・上製・366頁
ISBN978-4-8158-1017-7 C3022
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『外交』 [第72号、2022年3月] から

南シナ海問題の構図
中越紛争から多国間対立へ

南シナ海問題の構図

庄司智孝著『南シナ海問題の構図』が、『外交』(第72号、2022年3月号、外務省発行)で紹介されました。中国の急速な台頭により国際政治の焦点となった危機の構造を、主要な当事者であるベトナム・フィリピンやASEANの動向をふまえて解明、非対称な大国と向きあう安全保障戦略をとらえ、米中対立の枠組みにはおさまらない紛争の力学を浮かび上がらせて、危機の行方を新たに展望します。

“南シナ海問題は、米中の大国間対立のみに還元できない。中越の「陣取り合戦」が、ASEAN諸国、米国と日本・豪州などその同盟国を巻き込み、多国間対立に拡大した ——。本書は、一党独裁維持のため「全方位」外交を展開するベトナム、民主的な政権交代で路線転換したフィリピン、そして一体性に課題を抱えるASEANが、それぞれ国際的な規範を活用する自律的なアクターとして、地域秩序に与えた影響力を浮き彫りにする。”(『外交』第72号、p.147)

庄司智孝 著
税込5,940円/本体5,400円
A5判・上製・344頁
ISBN978-4-8158-1054-2 C3031
在庫有り


『日伊文化研究』 [第60号、2022年3月] から(評者:根占献一氏、加藤哲弘氏)

原典 イタリア・ルネサンス芸術論(上下巻)

原典イタリア・ルネサンス芸術論

池上俊一監修『原典 イタリア・ルネサンス芸術論』(上下巻)が、『日伊文化研究』(第60号、2022年3月、日伊協会発行)で紹介されました。美と知が交響する ——。西洋芸術が華やかに開花したそのとき、美術家や知識人は何を考え、どのような言葉を交わしていたのか。本邦初訳の貴重なテクストを多数含む待望のアンソロジー。

池上俊一 監修
税込各9,900円/本体各9,000円
A5判・上製・上524頁+下506頁
ISBN 上:978-4-8158-1026-9 下:978-4-8158-1027-6
C3070
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『中国研究月報』 [2022年4月号、第76巻第4号] から(評者:大野太幹氏)

東アジアのなかの満鉄
鉄道帝国のフロンティア

東アジアのなかの満鉄

林采成著『東アジアのなかの満鉄』が、『中国研究月報』(2022年4月号、第76巻第4号、中国研究所発行)で紹介されました。帝国拡大の原動力となり、世界でも最高水準を誇った満鉄の鉄道技術はいかにして伝播していったのか。見過ごされてきた本業・鉄道業の姿をはじめて解明、その経済的・技術的インパクトを数量的に位置づけるとともに、東アジア鉄道システムの形成から、戦後再編の新たな全体像を描き出します。

林 采成 著
税込8,580円/本体7,800円
A5判・上製・638頁
ISBN978-4-8158-1013-9 C3022
在庫有り


『宗教研究』 [402号、2021年12月] から(評者:佐藤弘夫氏)

神仏融合の東アジア史

神仏融合の東アジア史

吉田一彦編『神仏融合の東アジア史』が、『宗教研究』(402号、2021年12月、日本宗教学会編集兼発行)で紹介されました。日本独自の宗教現象だと考えられてきた「神仏習合」。しかし、神信仰と仏教の融合はアジア各地域で広く見られる。インド・中国から北東・東南アジアまで多岐にわたる「神仏融合」の実態を解き明かし、一国史的な認識を超えて新たに日本の宗教文化を捉え直します。

吉田一彦 編
税込7,920円/本体7,200円
A5判・上製・726頁
ISBN978-4-8158-1021-4 C3021
在庫有り


『経済史研究』 [第25号、2022年1月] から(評者:見市雅俊氏)

エコロジーの世紀と植民地科学者
イギリス帝国・開発・環境

エコロジーの世紀と植民地科学者

水野祥子著『エコロジーの世紀と植民地科学者』が、『経済史研究』(第25号、2022年1月、大阪経済大学日本経済史研究所発行)で紹介されました。新たな知はどこで生まれ、何をもたらしたのか。—— 20世紀における科学・開発・環境の関係を問い、生態環境をめぐる知の生成と帝国ネットワークによる循環から、植民地開発の思想と実践、国際開発援助への展開をたどり、植民地科学者を軸に「エコロジーの世紀」の成り立ちを描く力作。

水野祥子 著
税込5,940円/本体5,400円
A5判・上製・268頁
ISBN978-4-8158-0971-3 C3022
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『経済史研究』 [第25号、2022年1月] から(評者:彭浩氏)

朝貢・海禁・互市
近世東アジアの貿易と秩序

朝貢・海禁・互市

岩井茂樹著『朝貢・海禁・互市』が、『経済史研究』(第25号、2022年1月、大阪経済大学日本経済史研究所発行)で紹介されました。朝貢体制論を超えて ——。「天下を統べる皇帝と朝貢する蕃夷諸国」という美しい理念の外形を辛うじて保っていた明代の通商外交体制も、海と陸の辺縁からの衝撃で転換を迫られ、やがて清代には互市が広がっていく。西洋とは異なる「もう一つの自由貿易」への構造変動を、日本の役割も含めて跡づけ、新たな歴史像を実証する労作。

岩井茂樹 著
税込5,940円/本体5,400円
A5判・上製・432頁
ISBN978-4-8158-0984-3 C3022
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『芸術新潮』 [2022年5月号、第869号] から

ゴシック新論
排除されたものの考古学

ゴシック新論

木俣元一著『ゴシック新論』が、『芸術新潮』(2022年5月号、第869号、新潮社発行)で紹介されました。美術史・建築史のマスター・ナラティヴに組み込まれている「ゴシック誕生」。しかし、中世ヨーロッパ建築・彫刻の驚くべき多様さはその直線的な物語から排除されてきた。大聖堂を飾る人像円柱やマイクロアーキテクチャなどの豊かな造形に光を当て、時代様式を超えた新たなゴシック像を提示します。

“ルネサンスやマニエリスムなどの時代様式なら最初の作品など特定しようもないのに、ゴシックだけは1140年前後のサン=ドニ修道院聖堂が出発点にあげられる。「この起源創出のためのレトリックは、多くの事象を隠蔽し、排除することで成り立ってきた」と著者は指摘。ロマネスクからゴシックへの移行という図式に収まらないため、あっても見ないふりをされているものを本書は拾いあげ、分野も地域も超えた交流の豊かな成果を見出す。たとえばシャルトル大聖堂の名高い人像円柱群に対し、それらの間に設置されている装飾小円柱はこれまでガン無視の仕打ち。著者はその1本1本を、はしご車まで使って撮影し、12世紀の欧州北部で膨大に作られた装飾小円柱群の中に解き放つ。草の根を丹念に掘り起こすような探求は、地道にして根源的。”(『芸術新潮』2022年5月号、p.131)

木俣元一 著
税込8,800円/本体8,000円
A5判・上製・610頁
ISBN978-4-8158-1060-3 C3071
在庫有り


『月刊美術』 [2022年5月号、第560号] から

ゴシック新論
排除されたものの考古学

ゴシック新論

木俣元一著『ゴシック新論』が、『月刊美術』(2022年5月号、第560号、サン・アート発行)の新刊案内欄で紹介されました。美術史・建築史のマスター・ナラティヴに組み込まれている「ゴシック誕生」。しかし、中世ヨーロッパ建築・彫刻の驚くべき多様さはその直線的な物語から排除されてきた。大聖堂を飾る人像円柱やマイクロアーキテクチャなどの豊かな造形に光を当て、時代様式を超えた新たなゴシック像を提示します。

“ゴシックといえば天をつくような尖塔教会や荘厳な大聖堂をイメージするが、中世ヨーロッパ建築や彫刻の多様さは、直線的に語られがちな物語では説明し尽くせない。大聖堂を飾る人像円柱やマイクロアーキテクチャなどの造形に光を当て、時代様式を超えたゴシック像を提示する。”(『月刊美術』2022年5月号、p.160)

木俣元一 著
税込8,800円/本体8,000円
A5判・上製・610頁
ISBN978-4-8158-1060-3 C3071
在庫有り


『日本労働研究雑誌』 [2022年4月号、第741号] から(評者:市原博氏)

技能形成の戦後史
工場と学校をむすぶもの

技能形成の戦後史

沢井実著『技能形成の戦後史』が、『日本労働研究雑誌』(2022年4月号、第741号、労働政策研究・研修機構発行)で紹介されました。高度成長期の高校進学率上昇が職業教育・職業訓練に与えたインパクトとは? 企業内養成施設、公共職業訓練所、工業高校、各種学校などで起こった劇的な変遷を分析。「役に立つ」「即戦力」を歴史的に問い直し、実践に根ざした教養教育を考えます。

沢井 実 著
税込5,940円/本体5,400円
A5判・上製・258頁
ISBN978-4-8158-1038-2 C3033
在庫有り


『金融経済研究』 [第45号、2022年3月] から(評者:浅井良夫氏)

郵政民営化の政治経済学
小泉改革の歴史的前提

郵政民営化の政治経済学

伊藤真利子著『郵政民営化の政治経済学』が、『金融経済研究』(第45号、2022年3月、日本金融学会編)で紹介されました。戦後日本の発展と軌を一にし、隠れた福祉・再分配機能をはたした郵便貯金が、その巨大化の過程で抱え込んだ問題の核心とは。金融財政史の展開から民営化論の虚実を捉え直し、熱狂と混迷を生み出した小泉改革の歴史的位置を、政治手法やイデオロギーをめぐる議論をこえて初めて描き出します。

“…… 本書の貢献はどのような点にあるだろうか? その第1は、郵貯という戦後金融史の大きな欠落の1つを埋めたことにあると言えよう。…… 本書により、小泉改革期も含めた高度成長開始以降60年間余の郵貯の全容が明らかにされたことは、金融研究者に益するところが大きい。第2に、戦後郵貯を右肩上がりの単調な歩みとして描くのでなく、そこにダイナミックな時代の変化を見いだしている点が、歴史的説明として説得的である。…… 第3に、小泉の郵政民営化における郵貯問題を詳細に記録した点も、貢献として挙げることができよう。……”(『金融経済研究』第45号、p.103)

伊藤真利子 著
税込5,940円/本体5,400円
A5判・上製・358頁
ISBN978-4-8158-0968-3 C3033
在庫有り


『週刊東洋経済』 [2022年4月30日・5月7日合併号、特集「世界激震! 先を知るための読書案内」] から(評者:服部倫卓氏)

黒海地域の国際関係

黒海地域の国際関係

六鹿茂夫編『黒海地域の国際関係』が、『週刊東洋経済』(2022年4月30日・5月7日合併号、東洋経済新報社発行)の特集「世界激震! 先を知るための読書案内」で紹介されました。世界政治のフォーカルポイント ——。西欧・ロシア・中東の狭間に位置し、歴史上つねに国際政治の焦点だった黒海。冷戦後の EU/NATO とロシアの綱引きの中、紛争や跨境性を伴いつつトルコ、ウクライナ、ジョージア、バルカン諸国等が織りなす地域の動態を、外交・経済から宗教まで多面的に分析、その全体像を描き出した本邦初の著作。

“…… NATO、EU が拡大を遂げ、ロシアも巻き返しを図り、その両者がぶつかり合うことになったのが、黒海地域であった。この本には、黒海というエリアをさまざまな角度から分析した論考が載録されている。筆者も「輸送・商品・エネルギーの経済関係 —— ロシアとウクライナの角逐を中心に」を寄稿した。ロシアとウクライナが軍事的に衝突したら国際経済にどのような打撃が及ぶか、そのヒントを示した内容になっている。”(『週刊東洋経済』2022年4月30日・5月7日合併号、p.62)

六鹿茂夫 編
税込6,930円/本体6,300円
A5判・上製・422頁
ISBN978-4-8158-0863-1 C3031
在庫有り


『現代化学』 [2022年5月号、第614号] から

世界の発光生物
分類・生態・発光メカニズム

世界の発光生物

大場裕一著『世界の発光生物』が、『現代化学』(2022年5月号、第614号、東京化学同人発行)の「BOOK & INFORMATION」で紹介されました。発光バクテリアからツキヨタケ、ホタル、そしてチョウチンアンコウなどの脊椎動物まで ——。現在知られているすべての発光生物について、第一人者が分子生物学的知見を含めて紹介。光る生き物たちを通して見える世界と、そこに至る進化の道筋を描き出します。

大場裕一 著
税込5,940円/本体5,400円
A5判・上製・456頁
ISBN978-4-8158-1057-3 C3045
在庫有り


『ミステリマガジン』 [2022年5月号、第67巻第3号] から(評者:嵩平何氏)

水上勉
文学・思想・人生

水上勉

藤井淑禎著『水上勉』が、『ミステリマガジン』(2022年5月号、第67巻第3号、早川書房発行)の「HMM BOOK REVIEW」で紹介されました。事実と虚構のあわいに求められた道とは ——。文明を問う「社会派推理小説」によって出発した水上勉。だが、自らの生と重ねて「寺を焼き」「竹を削り」一休・良寛の境涯を跡づけつつ、遂には芸術と救済の向こうへと歩み出す。晩年の日々まで、その文業を初めて本格的に捉えた畢生の力作。

“…… 丹念な読み解きを活かし、私小説的な手法を通じて人間に肉薄する水上文学から、その虚実のあわいを探ろうとする貴重な試み。初期は社会派に傾倒していた水上を、筆者の専門の一つである清張との対比を用いて、その特異性を浮き彫りにさせていく。……”(『ミステリマガジン』2022年5月号、p.209)

藤井淑禎 著
税込3,520円/本体3,200円
四六判・上製・294頁
ISBN978-4-8158-1047-4 C3095
在庫有り


『アジア研究』 [第68巻第1号、2022年1月] から(評者:高原明生氏)

毛沢東論
真理は天から降ってくる

毛沢東論

中兼和津次著『毛沢東論』が、『アジア研究』(第68巻第1号、2022年1月、アジア政経学会発行)で紹介されました。その男は中国に何をもたらしたのか ——。大躍進政策や文化大革命によって大量の犠牲者を出しながら、現在なお大陸で英雄視される稀代の指導者。「秦の始皇帝+マルクス」とも言われる、その思想と行動を冷静かつ大胆に分析。中国経済研究をリードしてきた碩学が、現代中国の核心に迫ります。

中兼和津次 著
税込3,960円/本体3,600円
四六判・上製・438頁
ISBN978-4-8158-1023-8 C3022
在庫有り


『軍事史学』 [第57巻第4号、2022年3月] から(評者:池田直隆氏)

大陸反攻と台湾
中華民国による統一の構想と挫折

大陸反攻と台湾

五十嵐隆幸著『大陸反攻と台湾』が、『軍事史学』(第57巻第4号、2022年3月、軍事史学会編)で紹介されました。米中両大国のはざまで見落とされてきた台湾の「大陸反攻」をはじめて解明。大陸奪還と中国統一を目標に展開された軍事・外交政策の実像とその変容を、「蔣経国日記」など最新の資料から浮き彫りにするとともに、今日の東アジア国際政治の最大の焦点となっている台湾海峡危機の全体像を歴史的視野で描き出します。

“…… 本書は、中華民国(台湾)が大陸奪還・中国統一を目標に展開した軍事・外交政策の実像と変容を解明し、台湾海峡危機の起源と本質に迫るものである。…… 中国語の一次史料(近年公開された「蔣経国日記」も含まれる)、研究文献と広範に渉猟すると同時に、当事者へのインタビューを実施した。巻末参考文献に掲げられた膨大なリストが、その努力の跡を物語っている。…… アメリカが台湾海峡の現状維持、すなわち事実上「二つの中国」固定に舵を切った後も、中華民国という主権国家が(実現可能性は低くとも)大陸反攻の旗を掲げ続けた経緯を検証することによって、我々は台湾史、更には米中関係史、日中関係史にも影響する新たな知見を得ることが出来るだろう。……”(『軍事史学』第57巻第4号、pp.158-159)

五十嵐隆幸 著
税込5,940円/本体5,400円
A5判・上製・400頁
ISBN978-4-8158-1034-4 C3031
在庫有り


『軍事史学』 [第57巻第4号、2022年3月] から(評者:諸橋英一氏)

海のロシア史
ユーラシア帝国の海運と世界経済

海のロシア史

左近幸村著『海のロシア史』が、『軍事史学』(第57巻第4号、2022年3月、軍事史学会編)で紹介されました。第一次グローバリゼーションのもと、東アジアの海とヨーロッパの海を結んだ長距離航路と、義勇艦隊が果たした役割とは。政治と経済が混然一体となった海洋戦略により、極東を含む帝国の辺境を統合、国際的経済闘争への参入を試みる姿を捉え、ロシア史をグローバルヒストリーに位置づけます。

“…… 大陸国家として描かれるのが常であるロシアを、海という観点から捉える斬新な試みは、緻密な実証的手法によって堅固な研究成果へ結実したといえる。…… ロシア史を専門とする者だけでなく、日本を含む周辺諸国を研究する者にとっても非常に興味深い視点を提供する示唆に富む1冊である。”(『軍事史学』第57巻第4号、p.166)

左近幸村 著
税込6,380円/本体5,800円
A5判・上製・354頁
ISBN978-4-8158-1008-5 C3022
在庫有り


『軍事史学』 [第57巻第4号、2022年3月] から(評者:浜井和史氏)

戦争障害者の社会史
20世紀ドイツの経験と福祉国家

戦争障害者の社会史

北村陽子著『戦争障害者の社会史』が、『軍事史学』(第57巻第4号、2022年3月、軍事史学会編)で紹介されました。二度の大戦により、300万人におよぶ大量の戦争障害者を生み出したドイツで、国家に奉仕した「英雄」はどのようなその後を生きたのか。公的支援や医療の発達、義肢や盲導犬などの補助具の発展と、他方での差別や貧困、ナチへの傾倒などの多面的な実態を丁寧に描き、現代福祉の淵源を示します。

“…… 本書がもたらした貢献は多岐にわたるが、とりわけ19世紀から第二次世界大戦後に至るまでの長期間におよぶ戦争障害者援護の流れを通観して描き切ったことが重要である。ドイツ帝国期、ヴァイマル期、ナチ期、そして東西ドイツに分割された戦後と、政治体制が大きく変転するなかで、障害者に対する支援は変容を遂げながらも持続し、社会政策として整備されてきた。そうした歴史的な経験と蓄積があいまって福祉国家の形成につながったということを本書全体から読み取ることができる。……”(『軍事史学』第57巻第4号、p.168)

北村陽子 著
税込5,940円/本体5,400円
A5判・上製・366頁
ISBN978-4-8158-1017-7 C3022
在庫有り


『中国研究月報』 [2022年3月号、第76巻第3号] から(評者:毛里和子氏)

毛沢東論
真理は天から降ってくる

毛沢東論

中兼和津次著『毛沢東論』が、『中国研究月報』(2022年3月号、第76巻第3号、中国研究所発行)で紹介されました。その男は中国に何をもたらしたのか ——。大躍進政策や文化大革命によって大量の犠牲者を出しながら、現在なお大陸で英雄視される稀代の指導者。「秦の始皇帝+マルクス」とも言われる、その思想と行動を冷静かつ大胆に分析。中国経済研究をリードしてきた碩学が、現代中国の核心に迫ります。

中兼和津次 著
税込3,960円/本体3,600円
四六判・上製・438頁
ISBN978-4-8158-1023-8 C3022
在庫有り


『アジア経済』 [第63巻第1号、2022年3月] から(評者:加藤聖文氏)

満鉄経営史
株式会社としての覚醒

満鉄経営史

平山勉著『満鉄経営史』が、『アジア経済』(第63巻第1号、2022年3月、アジア経済研究所編集兼発行)で紹介されました。満州経営の全方位的担い手とみなされた巨大植民地企業が、国策会社化の挫折と満州国成立後の解体的再編をへて、鉄道を主軸とした市場志向の企業として覚醒する姿を、株式市場への対応からとらえ、終戦まで異例の高収益企業であり続けたメカニズムを解明、日本帝国主義の先兵とする満鉄理解を大きく書き換えます。

“…… 全体を通じて本書は、満鉄史研究のなかではじめて経営史の視点から満鉄の実像を分析するものであり、いわば満鉄は「国策会社」か「株式会社」なのか、それを問うた意欲的な研究成果といえよう。これまで満鉄を「国策会社」としての側面に縛られがちであったことに対して、「株式会社」としての側面に着目して、社員や株式といった切り口からその実態解明に迫った点は満鉄史研究の新しい分野を開拓したと評価できる。……”(『アジア経済』第63巻第1号、p.87)

平山 勉 著
税込10,450円/本体9,500円
A5判・上製・504頁
ISBN978-4-8158-0945-4 C3021
在庫有り


「中日新聞」 [2022年4月8日付、夕刊、「大波小波」(文化・芸能欄)] から

ホメロスの逆襲
それは西洋の古典か

ホメロスの逆襲

小川正廣著『ホメロスの逆襲』が、「中日新聞」(2022年4月8日付)夕刊の「大波小波」(文化・芸能欄)で紹介されました。最古・最大の「西洋古典」とされるホメロス。だが、創造と受容のいずれも西洋の枠組みには収まっていなかった。実際に西方に伝わったものとその行方を明確にする一方、オリエントの神話・宗教からビザンツの年代記やオスマンの歴史書まで探査し、巨大な実像を初めて捉えた画期的労作。

“…… これはすべての読書人必読の書であると改めて思う。西洋古典とりわけラテン文学の最高峰ウェルギリウスを専門とする著者が、学者生命のすべてを注ぎ込んだと言ってもいい傑作だ。人文知が軽んじられる現代日本にあって、強烈なレジスタンス精神を見せてくれた。……”(「中日新聞」夕刊2022年4月8日付、第5面)

小川正廣 著
税込9,900円/本体9,000円
A5判・上製・634頁
ISBN978-4-8158-1050-4 C3098
在庫有り


『日本歴史』 [2022年3月号、第886号] から(評者:立本紘之氏)

近代日本の科学論
明治維新から敗戦まで

近代日本の科学論

岡本拓司著『近代日本の科学論』が、『日本歴史』(2022年3月号、第886号、日本歴史学会編集/吉川弘文館発行)で紹介されました。科学の営みや社会との関係をめぐる言説は、維新から対米戦までの歴史の流れに呼応し、劇的に変転した。本書は、文明開化、教養主義の時代を経て、科学を標榜し革命を起こしたマルクス主義の衝撃と、それを契機に誕生した日本主義的科学論をふくむ多様な議論の展開を、初めて一望します。

岡本拓司 著
税込6,930円/本体6,600円
A5判・上製・552頁
ISBN978-4-8158-1019-1 C3010
在庫有り


『史学雑誌』 [第131編第1号、2022年1月] から(評者:草生久嗣氏)

ヨーロッパ中世の想像界

ヨーロッパ中世の想像界

池上俊一著『ヨーロッパ中世の想像界』が、『史学雑誌』(第131編第1号、2022年1月、史学会編集兼発行)で紹介されました。西洋中世の人々が生きた豊穣なる世界 ——。動植物や人間から、四大や宇宙、天使や魔女、仲間と他者、さらには楽園と煉獄まで、文学・図像・伝説・夢を彩る広大な想像界を縦横無尽に論じ、その全体構造を解明する。心性史・社会史を刷新する「イマジネールの歴史学」の集大成。

池上俊一 著
税込9,900円/本体9,000円
A5判・上製・960頁
ISBN978-4-8158-0979-9 C3022
在庫有り


『西洋史学』 [第272号、2022年] から(評者:橋本順光氏)

中国芸術というユートピア
ロンドン国際展からアメリカの林語堂へ

中国芸術というユートピア

範麗雅著『中国芸術というユートピア』が、『西洋史学』(第272号、2022年、日本西洋史学会編集兼発行)で紹介されました。中華文人の生活芸術か、想像された国民芸術か ——。第二次世界大戦前、中英の協力により一大展覧会が開かれた。様々な出版や外交を伴い東西文化交流の転換点となったイベントを軸に、日本の影響深いウェイリーらの研究から、在英中国知識人の活動、パール・バックの後押しした林語堂の傑作まで、中国芸術とは何かを問いかける。

範 麗雅 著
税込12,100円/本体11,000円
菊判・上製・590頁
ISBN978-4-8158-0909-6 C3070
在庫有り


「読売新聞」 [2022年3月27日付] から(評者:牧野邦昭氏)

塩と帝国
近代日本の市場・専売・植民地

塩と帝国

前田廉孝著『塩と帝国』が、「読売新聞」(2022年3月27日付)読書欄で紹介されました。帝国日本の経済と生命を支えた一次産品、塩の生産・流通・消費の動態をトータルに解明、植民地塩の内地への浸透プロセスを専売や瀬戸内塩業も視野にとらえて、忘れられた塩の経済圏の全体像を示すとともに、戦後へとつながる食料、資源の対外依存構造のルーツを描き出します。

“…… 身近な塩の生産・流通・制度・消費を多くの資料や統計により詳細に分析した本書を通じて、私たちは近代および現代の日本を捉えなおすことができる。”(「読売新聞」2022年3月27日付、第12面)

前田廉孝 著
税込8,800円/本体8,000円
A5判・上製・484頁
ISBN978-4-8158-1055-9 C3033
在庫有り


『化学』 [2022年4月号、通巻851号] から

世界の発光生物
分類・生態・発光メカニズム

世界の発光生物

大場裕一著『世界の発光生物』が、『化学』(2022年4月号、通巻851号、化学同人発行)の新刊紹介欄に掲載されました。発光バクテリアからツキヨタケ、ホタル、そしてチョウチンアンコウなどの脊椎動物まで ——。現在知られているすべての発光生物について、第一人者が分子生物学的知見を含めて紹介。光る生き物たちを通して見える世界と、そこに至る進化の道筋を描き出します。

大場裕一 著
税込5,940円/本体5,400円
A5判・上製・456頁
ISBN978-4-8158-1057-3 C3045
在庫有り


『経済研究』 [第73巻第1号、2022年1月] から(評者:小野有人氏)

戦前日本のユニバーサルバンク
財閥系銀行と金融市場

戦前日本のユニバーサルバンク

粕谷誠著『戦前日本のユニバーサルバンク』が、『経済研究』(第73巻第1号、2022年1月、一橋大学経済研究所編/岩波書店発行)で紹介されました。証券市場が高度に発達した戦前日本において、三井、三菱、住友など財閥系銀行はいかにしてその隔絶した地位を築きえたのか。見過ごされてきた証券・国際業務を軸に、近世来の両替商がユニバーサルバンクへと発展する姿を鮮やかに示し、巨大銀行と金融市場の関係に新たな光を投げかけます。

粕谷 誠 著
税込6,930円/本体6,300円
A5判・上製・390頁
ISBN978-4-8158-1004-7 C3033
在庫有り


「UTokyo BiblioPlaza」 [2022年3月17日公開、自著紹介] から

外交と移民
冷戦下の米・キューバ関係

外交と移民

上英明著『外交と移民』の自著紹介が、「UTokyo BiblioPlaza」(2022年3月17日公開、東京大学)に掲載されました。人の移動がもたらす力 ——。ワシントン、ハバナ、そしてマイアミ。衝撃はキューバ危機だけではなかった。移民とその社会が生みだす三つ巴のダイナミズムを捉え、グローバルな冷戦の現場と、アメリカ、キューバの国内政治の連関を、アクセス困難な史料から鮮やかに描きだした俊英の力作。

上 英明 著
税込5,940円/本体5,400円
A5判・上製・366頁
ISBN978-4-8158-0948-5 C3022
在庫有り


「UTokyo BiblioPlaza」 [2022年3月1日公開、自著紹介] から

近代日本の科学論
明治維新から敗戦まで

近代日本の科学論

岡本拓司著『近代日本の科学論』の自著紹介が、「UTokyo BiblioPlaza」(2022年3月1日公開、東京大学)に掲載されました。科学の営みや社会との関係をめぐる言説は、維新から対米戦までの歴史の流れに呼応し、劇的に変転した。本書は、文明開化、教養主義の時代を経て、科学を標榜し革命を起こしたマルクス主義の衝撃と、それを契機に誕生した日本主義的科学論をふくむ多様な議論の展開を、初めて一望します。

岡本拓司 著
税込6,930円/本体6,300円
A5判・上製・552頁
ISBN978-4-8158-1019-1 C3010
在庫有り


『映像学』 [107号、2022年] から(評者:成田雄太氏)

NO NUKES
〈ポスト3・11〉映画の力・アートの力

NO NUKES

ミツヨ・ワダ・マルシアーノ著『NO NUKES』が、『映像学』(107号、2022年、日本映像学会発行)で紹介されました。〈見えないもの〉とたたかう ——。大震災/原発事故後、なすべきことを問いかけ、時代のメディア環境の中で自生した、追従せざる映画やアート。「小さき声」の響く作品と向き合い、作家たちの揺れ動く言葉を聴く。新たな困難によっても上書きされない、明日への記憶のために。

ミツヨ・ワダ・マルシアーノ 著
税込4,950円/本体4,500円
A5判・上製・244頁
ISBN978-4-8158-1014-6 C3074
在庫有り


「UTokyo BiblioPlaza」 [2022年3月1日公開、自著紹介] から

宣教と適応
グローバル・ミッションの近世

宣教と適応

『宣教と適応』(齋藤晃編)の執筆者のひとりである網野徹哉先生による自著紹介が、「UTokyo BiblioPlaza」(2022年3月1日公開、東京大学)に掲載されました。異文化と出会った〈普遍〉の使者たち ——。大航海時代から啓蒙時代にかけて、アジアやアメリカに派遣されたイエズス会士らは、現地社会に適応することで布教を試みる。だが、それは今日なお解決しえない難問の蓋を開けることだった。異文化適応を軸にキリスト教の世界宣教の全体像に迫る、待望の著作。

齋藤 晃 編
税込7,480円/本体6,800円
A5判・上製・554頁
ISBN978-4-8158-0977-5 C3022
在庫有り

年度別書評一覧

近刊案内

2022年5月31日出来予定

帝国のフロンティアをもとめて

東 栄一郎 著
飯島真里子・今野裕子・佐原彩子・佃 陽子 訳
A5判・上製・430頁
税込5,940円/本体5,400円
ISBN 978-4-8158-1092-4
Cコード 3021

2022年5月31日出来予定

グローバル開発史

サラ・ロレンツィーニ 著
三須拓也・山本 健 訳
A5判・上製・384頁
税込3,740円/本体3,400円
ISBN 978-4-8158-1090-0
Cコード 3022

2022年5月31日出来予定

経済学のどこが問題なのか

ロバート・スキデルスキー 著
鍋島直樹 訳
A5判・上製・288頁
税込3,960円/本体3,600円
ISBN 978-4-8158-1088-7
Cコード 3033

h3>2022年6月10日出来予定

宇宙開発をみんなで議論しよう

呉羽 真・伊勢田哲治 編
A5判・並製・256頁
税込2,970円/本体2,700円
ISBN 978-4-8158-1091-7
Cコード 3040

近刊書籍の予約を受け付けております。予約をご希望の方は、上の「予約の受付ページへ」をクリックして受付ページへリンクしていただき、そこでご予約の手続きをお願いいたします。刊行次第、商品を発送いたします。

重版案内

40周年記念事業

創立40周年記念増刷&
リ・アーカイヴ叢書

2022年5月20日出来

質的研究の考え方

大谷 尚 著
菊判・並製・416頁
税込3,850円/本体3,500円
ISBN 978-4-8158-0944-7
Cコード 3036

2022年5月20日出来

近代世界システムⅣ

I. ウォーラーステイン 著
川北 稔 訳
A5判・上製・432頁
税込5,280円/本体4,800円
ISBN 978-4-8158-0746-7
Cコード 3022

2022年4月18日出来

科学と証拠

エリオット・ソーバー 著
松王政浩 訳
A5判・上製・256頁
税込5,060円/本体4,600円
ISBN 978-4-8158-0712-2
Cコード 3010

2022年4月18日出来

科学とモデル

マイケル・ワイスバーグ 著
松王政浩 訳
A5判・上製・324頁
税込4,950円/本体4,500円
ISBN 978-4-8158-0872-3
Cコード 3010

2022年4月18日出来

量子論に基づく無機化学[増補改訂版]

高木秀夫 著
A5判・並製・346頁
税込4,950円/本体4,500円
ISBN 978-4-8158-0907-2
Cコード 3043

2022年4月18日出来

糖鎖生物学

北島 健・佐藤ちひろ・門松健治・加藤晃一 編
A5判・上製・306頁
税込5,940円/本体5,400円
ISBN 978-4-8158-0981-2
Cコード 3045

2022年4月15日出来

移り棲む美術

三浦 篤 著
A5判・上製・574頁
税込6,380円/本体5,800円
ISBN 978-4-8158-1016-0
Cコード 3071

2022年4月15日出来

神仏融合の東アジア史

吉田一彦 編
A5判・上製・726頁
税込7,920円/本体7,200円
ISBN 978-4-8158-1021-4
Cコード 3021

2022年4月15日出来

客観性

ロレイン・ダストン/ピーター・ギャリソン 著
瀬戸口明久・岡澤康浩・坂本邦暢・有賀暢迪 訳
A5判・上製・448頁
税込6,930円/本体6,300円
ISBN 978-4-8158-1033-7
Cコード 3010

2022年4月12日出来

歴史教育の比較史

近藤孝弘 編
A5判・上製・328頁
税込4,950円/本体4,500円
ISBN 978-4-8158-1011-5
Cコード 3022

2022年4月6日出来

社会科学の考え方

野村 康 著
A5判・上製・358頁
税込3,960円/本体3,600円
ISBN 978-4-8158-0876-1
Cコード 3036

2022年4月1日出来

量子力学10講

谷村省吾 著
A5判・並製・200頁
税込2,970円/本体2,700円
ISBN 978-4-8158-1049-8
Cコード 3042

2022年4月1日出来

誇り高い技術者になろう[第2版]

黒田光太郎・戸田山和久・伊勢田哲治 編
A5判・並製・284頁
税込3,080円/本体2,800円
ISBN 978-4-8158-0706-1
Cコード 3050

2022年4月1日出来

東アジア国際政治史

川島 真・服部龍二 編
A5判・並製・398頁
税込2,860円/本体2,600円
ISBN 978-4-8158-0561-6
Cコード 3031

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