2024年度書評一覧

『日本文学』 [2024年4月号、第73巻第4号] から(評者:片岡美有季氏)

口述筆記する文学
書くことの代行とジェンダー

口述筆記する文学

田村美由紀著『口述筆記する文学』が、『日本文学』(2024年4月号、第73巻第4号、日本文学協会発行)で紹介されました。谷崎潤一郎をはじめ、口述筆記を行った作家は実は多い。だが、ディスアビリティやケアが絡み合う空間で、筆記者、特に女性の役割は不可視化されてきた。大江健三郎、多和田葉子、桐野夏生らの作品をも取り上げ、書くことの代行に伴う葛藤とジェンダー・ポリティクスを鋭く分析した力作。

“…… これまで不可視化されてきた口述筆記者の存在や言説に焦点を当てることで、男性ジェンダーがヘゲモニーを握ってきた日本近代文学の制度性そのものを問い直し、近代的な「創造性神話」の解体を試みている ……”(p.99)

田村美由紀 著
税込6,380円/本体5,800円
A5判・上製・318頁
ISBN978-4-8158-1129-7 C3095
在庫有り


『科学史研究』 [2024年4月号、第Ⅲ期第63巻] から(評者:由井秀樹氏)

ツベルクリン騒動
明治日本の医と情報

ツベルクリン騒動

月澤美代子著『ツベルクリン騒動』が、『科学史研究』(2024年4月号、第Ⅲ期第63巻、日本科学史学会発行)で紹介されました。欧米では「フィーバーからスキャンダルへ」と化した、コッホによる「結核新治療薬」。日本社会はそれをどのように受け止めたのか。多様な医療雑誌による「情報」の伝達・普及・切り分けを軸に、近代日本の医学・医療の風土が形成される転換期の実相を描き、今日への示唆に富む労作。

“…… 頁をめくってみると、緻密かつ厳密な記述でありながら、ミステリー小説さながらの論の展開、…… 緻密な記述に関しては、特に分析対象とした医療情報誌そのものの情報について、刊行年や発行部数のような基本的な情報のみならず、編集人の情報も含めた医療情報誌の性格も詳細に検討され、情報媒体間での伝えられる情報の違い —— とくに、どの媒体において何が語られなかったか、という点の検討 —— について丁寧に目配りがされており、研究の方法論としても大変勉強になった。……”(p.117)

月澤美代子 著
税込6,930円/本体6,300円
A5判・上製・504頁
ISBN978-4-8158-1101-3 C3021
在庫有り


『現代化学』 [2024年5月号、638号] から

準結晶の科学
構造と物性

準結晶の科学

佐藤憲昭・石政勉著『準結晶の科学』が、『現代化学』(2024年5月号、638号、東京化学同人発行)で紹介されました。周期的ではない規則性を持つ不思議な物質、準結晶。合金やセラミックス・高分子など多様な系で生じる、この物質の全体像を、構造解析や物性の基礎から、強相関電子系との関わりなど最新の成果まで、丁寧に解説。準周期的な構造が、磁性や超伝導などの物性とどう関係するのか?

佐藤憲昭・石政 勉 著
税込5,940円/本体5,400円
A5判・上製・358頁
ISBN978-4-8158-1140-2 C3042
在庫有り


『史学雑誌』 [第133編第3号、2024年3月] から(評者:高橋典幸氏)

狩猟と権力
日本中世における野生の価値

狩猟と権力

中澤克昭著『狩猟と権力』が、『史学雑誌』(第133編第3号、2024年3月号、史学会発行)で紹介されました。日本の歴史において、狩猟はつねに権力と結びついていた。なぜ「野生のキャプチャー」がそれほど大きな政治性を帯びたのか。古代から近世まで、天皇・公家や武士たちが実践した鷹狩・巻狩などを通観し、殺生禁断や、暴力と儀礼をつなぐ広範な狩猟文化を探究する中から、列島の人間と動物の関係を問い直します。

“…… 近年、歴史学の分野でも人間と自然との関係に大きな関心が集まりつつある。人間にとって自然は脅威であるとともに、さまざまな恵みをもたらしてくれるものでもあった。狩猟はまさにそうした恵みを獲得する営みであるが、それは日々の生活の糧ばかりではなく、権力にとっては政治的な資源を手にすることをも意味した。本書はまさにその標題どおり、「狩猟と権力」の関係、権力にとっての「野生の価値」を追究した一書といえよう。”(p.88)

中澤克昭 著
税込7,480円/本体6,800円
A5判・上製・484頁
ISBN978-4-8158-1106-8 C3021
在庫有り


「読売新聞」 [2024年4月21日付] から(評者:岡美穂子氏)

ユーラシア東方の多極共存時代
大モンゴル以前

ユーラシア東方の多極共存時代

古松崇志著『ユーラシア東方の多極共存時代』が、「読売新聞」(2024年4月21日付)で紹介されました。遊牧王朝と中国王朝、なぜ数百年間も併存できたのか ——。モンゴル帝国による統合以前のユーラシア東方では、複数の国家が並び立っていた。契丹(遼)と北宋の盟約による「澶淵体制」、さらには金(女真)の時代の国際関係に焦点を当て、考古資料も活用しつつ、外交・儀礼・信仰から歴史編纂まで東洋史・中国史像を刷新します。

“…… 本書の著者が定義づける「ユーラシア東方」という地理的な概念は、中華王朝とその周縁という歴史観を刷新するものである。その範囲は広大な草原地帯、さらには中央アジアへと繋がっている。一種のナショナリズム的な歴史観で自分たちと関係の深いところのみユーラシア史を見てしまう習性からは、実は学者たちも逃れられていなかったという指摘は胸に刺さる。……”(第10面)

古松崇志 著
税込14,300円/本体13,000円
A5判・上製・836頁
ISBN978-4-8158-1150-1 C3022
在庫有り


『現代史研究』 [第69号、2023年12月] から(評者:中野隆生氏)

失業を埋めもどす
ドイツ社会都市・社会国家の模索

失業を埋めもどす

森宜人著『失業を埋めもどす』が、『現代史研究』(第69号、2023年12月、現代史研究会発行)で紹介されました。失業はいかにして発見され、社会政策の中心課題になったのか。繰り返し大量失業に悩まされたドイツにおいて、都市が国家に先駆けてセーフティネット構築をはかる姿を初めて解明、慈善団体や国家との対抗/連携の過程も鮮やかに捉えて、労働をめぐるモダニティの大転換を、現代も視野に描き出します。

森 宜人 著
税込7,480円/本体6,800円
A5判・上製・396頁
ISBN978-4-8158-1103-7 C3022
在庫有り


『現代史研究』 [第69号、2023年12月] から(評者:伊豆田俊輔氏)

ニュースピークからサイバースピークへ
ソ連における科学・政治・言語

ニュースピークからサイバースピークへ

スラーヴァ・ゲローヴィチ著『ニュースピークからサイバースピークへ』(大黒岳彦訳/金山浩司校閲・解説)が、『現代史研究』(第69号、2023年12月、現代史研究会発行)で紹介されました。統制的国家において、科学はいかにふるまうのか? 空疎なイデオロギー話法を乗り越える、厳密で普遍的な科学言語として期待されたサイバネティックス。この「自由の道具」が、数学・生物学・生理学・言語学などソ連科学界を席巻した末に、社会の科学的管理をめざして体制化していく道程をヴィヴィッドに描きだす。それは彼方の世界か、あるいは我らの鏡か?

スラーヴァ・ゲローヴィチ 著
大黒岳彦 訳/金山浩司 校閲・解説
税込6,930円/本体6,300円
A5判・上製・358頁
ISBN978-4-8158-1115-0 C3022
在庫有り


『週刊エコノミスト』 [2024年4月16・23日合併号] から(評者:井上寿一氏)

日本の国連外交
戦前から現代まで

日本の国連外交

潘亮著『日本の国連外交』が、『週刊エコノミスト』(2024年4月16・23日合併号、毎日新聞出版発行)で紹介されました。時代やテーマによる分断をこえ、複雑多岐にわたる国連外交の軌跡を一貫した視座で把握。連盟以降の国際秩序をめぐる構想から、「東西の架け橋」役や紛争調停の実態、組織運営・予算・PKOへの貢献まで、冷戦や国内世論といった文脈も含めトータルに論じ尽くす、未到の通史。二国間外交だけでは見えてこない、もうひとつの日本の姿を浮き彫りにします。

潘 亮 著
税込9,900円/本体9,000円
A5判・上製・806頁
ISBN978-4-8158-1148-8 C3031
在庫有り


『経済科学』 [第71巻第3・4号、2024年3月] から(評者:田中英明氏)

中央銀行はお金を創造できるか
信用システムの貨幣史

中央銀行はお金を創造できるか

金井雄一著『中央銀行はお金を創造できるか』が、『経済科学』(第71巻第3・4号、2024年3月、名古屋大学大学院経済学研究科発行)で紹介されました。社会に深く浸透している経済学の「常識」が、いかに貨幣の実態を捉えそこね、不合理な判断や施策を生み出してきたか、イギリス金融史の精緻な分析をもとに鋭く実証。近代的貨幣の生成プロセスを「信用」の次元から描き直すことで、MMT にもつながる素朴な認識を覆し、政策の指針を示します。

金井雄一 著
税込5,940円/本体5,400円
A5判・上製・234頁
ISBN978-4-8158-1125-9 C3033
在庫有り


「朝日新聞」 [2024年4月6日付] から(評者:隠岐さや香氏)

科学ジャーナルの成立

科学ジャーナルの成立

アレックス・シザール著『科学ジャーナルの成立』(柴田和宏訳/伊藤憲二解説)が、「朝日新聞」(2024年4月6日付)で紹介されました。学術雑誌の歴史から、科学のあり方を問い直す ——。科学ジャーナルはいつ誕生し、いかにしてその地位を確立したのか。科学者はなぜ論文を投稿するようになったのか。19世紀イギリス・フランスの学協会やメディアを中心に、商業化、オープン化、査読、不正など現代の学術ジャーナルにも通ずる課題の根源を解き明かします。

アレックス・シザール 著
柴田和宏 訳/伊藤憲二 解説
税込6,380円/本体5,800円
A5判・上製・376頁
ISBN978-4-8158-1145-7 C3022
在庫有り


『アジア・アフリカ地域研究』 [第23-2号、2024年3月] から(評者:畔柳理氏)

グローバル開発史
もう一つの冷戦

グローバル開発史

サラ・ロレンツィーニ著『グローバル開発史』(三須拓也・山本健訳)が、『アジア・アフリカ地域研究』(第23-2号、2024年3月、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科発行)で紹介されました。開発はなぜ、いかにしてなされたのか。米・ソ・欧・中の対抗関係を軸にした実践と、国際機関や私的アクターの国境をこえた活動を描き出し、旧植民地・途上国との相克も視野に、20世紀初頭の「開発」の誕生から冷戦後までの、無数の思惑が交錯する複雑な歴史を初めてトータルに把握します。

サラ・ロレンツィーニ 著
三須拓也・山本 健 訳
税込3,740円/本体3,400円
A5判・上製・384頁
ISBN978-4-8158-1090-0 C3022
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『アジア・アフリカ地域研究』 [第23-2号、2024年3月] から(評者:松井真子氏)

オスマン帝国の世界秩序と外交

オスマン帝国の世界秩序と外交

鈴木董著『オスマン帝国の世界秩序と外交』が、『アジア・アフリカ地域研究』(第23-2号、2024年3月、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科発行)で紹介されました。イスラム的世界帝国の理念・現実・変容 ——。ナショナルな主権国家とは異なる秩序観に基づき、多様な人々を包摂した大帝国。そのダイナミックな「国際」関係や対外交渉行動を描くとともに、近代の西欧国際体系との関係を、外交使節や公館、革命や大戦への対応などから論じた、碩学の労作。原初から終焉までの600年余を文明史的視角から一望します。

鈴木 董 著
税込5,940円/本体5,400円
A5判・上製・324頁
ISBN978-4-8158-1117-4 C3022
在庫有り


『アジア経済』 [第65巻1号、2024年3月] から(評者:金子文夫氏)

「満洲国」以後
中国工業化の源流を考える

「満洲国」以後

松本俊郎編『「満洲国」以後』が、『アジア経済』(第65巻第1号、2024年3月、アジア経済研究所発行)で紹介されました。戦後の混乱と破壊を乗りこえ、社会主義化の最前線かつ最大の生産拠点へと成長した中国東北。鞍山や瀋陽といった巨大都市の内外で、帝国支配の「遺産」が時代をこえて幾重にも再編されるプロセスを初めて実証。改革開放後の変容も視野に、歴史を貫く流れを比類なき密度で描きます。

松本俊郎 編
税込6,380円/本体5,800円
A5判・上製・358頁
ISBN978-4-8158-1114-3 C3033
在庫有り


『経済学史研究』 [65巻2号、2024年1月] から(評者:服部茂幸氏)

中央銀行はお金を創造できるか
信用システムの貨幣史

中央銀行はお金を創造できるか

金井雄一著『中央銀行はお金を創造できるか』が、『経済学史研究』(65巻2号、2024年1月、経済学史学会編)で紹介されました。社会に深く浸透している経済学の「常識」が、いかに貨幣の実態を捉えそこね、不合理な判断や施策を生み出してきたか、イギリス金融史の精緻な分析をもとに鋭く実証。近代的貨幣の生成プロセスを「信用」の次元から描き直すことで、MMTにもつながる素朴な認識を覆し、政策の指針を示します。

金井雄一 著
税込5,940円/本体5,400円
A5判・上製・234頁
ISBN978-4-8158-1125-9 C3033
在庫有り


『経済学史研究』 [65巻2号、2024年1月] から(評者:江頭進氏)

経済学のどこが問題なのか

経済学のどこが問題なのか

ロバート・スキデルスキー著/鍋島直樹訳『経済学のどこが問題なのか』が、『経済学史研究』(65巻2号、2024年1月、経済学史学会編)で紹介されました。モヤモヤしている人のために ——。「科学」の地位を得るために、経済学は様々な数学やモデルを使ってきた。しかし、それらは本当に有効なのか。現実から離れた想定によって視野を狭めているのではないか。スタンダードな経済学の考え方を再検討し、今後に向けての処方箋を提示する話題作。

ロバート・スキデルスキー 著/鍋島直樹 訳
税込3,960円/本体3,600円
A5判・上製・288頁
ISBN978-4-8158-1088-7 C3033
在庫有り


『経済学史研究』 [65巻2号、2024年1月] から(評者:寺尾範野氏)

社会をつくった経済学者たち
スウェーデン・モデルの構想から展開へ

社会をつくった経済学者たち

藤田菜々子著『社会をつくった経済学者たち』が、『経済学史研究』(65巻2号、2024年1月、経済学史学会編)で紹介されました。不況・戦争など直面する危機を乗り越え、福祉先進国の礎を築いた経済学者たち。ケンブリッジ学派と双璧をなしたスウェーデン経済学の全体像を、彼らの政治・世論との深いかかわりとともに初めて解明、福祉国家への合意を導いた決定的役割と、現代におけるその変容までを鮮やかに描き出します。

藤田菜々子 著
税込6,930円/本体6,300円
A5判・上製・438頁
ISBN978-4-8158-1097-9 C3033
在庫有り


『経済学史研究』 [65巻2号、2024年1月] から(評者:渡辺恵一氏)

野蛮と宗教Ⅱ
市民的統治の物語

野蛮と宗教Ⅱ

J・G・A・ポーコック著/田中秀夫訳『野蛮と宗教Ⅱ』が、『経済学史研究』(65巻2号、2024年1月、経済学史学会編)で紹介されました。西洋史の大きな物語 —— 古典古代の崩壊にともなう「野蛮と宗教」の時代から、洗練された習俗・商業・主権国家に基づく「ヨーロッパ」へ —— はいかにして形成されたのか。聖史を脱して博学と哲学を統合する多様な「啓蒙の語り」を読み解き、ギボンの知的文脈と独自性に迫るライフワーク。好評の第Ⅰ巻に続く、歴史叙述をめぐる思想史。

J・G・A・ポーコック 著/田中秀夫 訳
税込7,480円/本体6,800円
A5判・上製・424頁
ISBN978-4-8158-1096-2 C3022
在庫有り


『昭和文学研究』 [第88集、2024年3月] から(評者:佐藤泉氏)

戦後表現
Japanese Literature after 1945

戦後表現

坪井秀人著『戦後表現』が、『昭和文学研究』(第88集、2024年3月、昭和文学会編)で紹介されました。アジア太平洋戦争から冷戦、昭和の終わり、湾岸・イラク戦争、ポスト3・11まで、戦争をめぐる言葉がすくい上げてきたもの、底に沈めてきたものを、詩・小説・批評を中心に精緻に読解。経験や記憶に刻まれた〈傷跡〉としての表現の重層性から、〈戦後〉概念を再審にかけます。

坪井秀人 著
税込6,930円/本体6,300円
A5判・上製・616頁
ISBN978-4-8158-1116-7 C3095
在庫有り


『西洋史学』 [第276号、2023年12月] から(評者:山中由里子氏)

ヨーロッパ中世の想像界

ヨーロッパ中世の想像界

池上俊一著『ヨーロッパ中世の想像界』が、『西洋史学』(第276号、2023年12月、日本西洋史学会発行)で紹介されました。西洋中世の人々が生きた豊穣なる世界 ——。動植物や人間から、四大や宇宙、天使や魔女、仲間と他者、さらには楽園と煉獄まで、文学・図像・伝説・夢を彩る広大な想像界を縦横無尽に論じ、その全体構造を解明する。心性史・社会史を刷新する「イマジネールの歴史学」の集大成。

池上俊一 著
税込9,900円/本体9,000円
A5判・上製・960頁
ISBN978-4-8158-0979-9 C3022
在庫有り


『社会経済史学』 [第89巻第4号、2024年2月] から(評者:水野敦洋氏)

輸出立国の時代
日本の軽機械工業とアメリカ市場

輸出立国の時代

沢井実著『輸出立国の時代』が、『社会経済史学』(第89巻第4号、2024年2月、社会経済史学会発行)で紹介されました。戦後日本の復興を支え、高度成長を生み出した対米輸出への道は、いかにして切り拓かれていったのか? 自動車・家電に先駆けてアメリカを席捲したカメラ、ミシンなど軽機械の動向を初めて包括的に解明、労働集約型産業の変貌を現場からとらえて、今日に及ぶ発展を鮮やかに描き出します。

沢井 実 著
税込6,380円/本体5,800円
A5判・上製・296頁
ISBN978-4-8158-1099-3 C3033
在庫有り


『社会経済史学』 [第89巻第4号、2024年2月] から(評者:加来祥男氏)

失業を埋めもどす
ドイツ社会都市・社会国家の模索

失業を埋めもどす

森宜人著『失業を埋めもどす』が、『社会経済史学』(第89巻第4号、2024年2月、社会経済史学会発行)で紹介されました。失業はいかにして発見され、社会政策の中心課題になったのか。繰り返し大量失業に悩まされたドイツにおいて、都市が国家に先駆けてセーフティネット構築をはかる姿を初めて解明、慈善団体や国家との対抗/連携の過程も鮮やかに捉えて、労働をめぐるモダニティの大転換を、現代も視野に描き出します。

森 宜人 著
税込7,480円/本体6,800円
A5判・上製・396頁
ISBN978-4-8158-1103-7 C3022
在庫有り


『2023年人文地理学会大会 研究発表要旨』 [2023年11月] から(評者:原口剛氏、宮内洋平氏)

カースト再考
バングラデシュのヒンドゥーとムスリム

カースト再考

杉江あい著『カースト再考』が、『2023年人文地理学会大会 研究発表要旨』(2023年11月、人文地理学会発行)で紹介されました。宗教が異なれば社会のかたちも異なる、という図式は、本当に有効なのか。生活の場を介して、カーストを含む多様な集団が相互に交錯する過程を、宗教の別をこえてトータルに把握。物乞いや聖者など宗教横断的な主体も視野に、分裂した南アジア像が覆い隠してきたものをすくいだします。

杉江あい 著
税込7,920円/本体7,200円
A5判・上製・426頁
ISBN978-4-8158-1112-9 C3022
在庫有り


『週刊読書人』 [2024年2月23日号、第3528号] から(評者:宮間純一氏)

維新の政治と明治天皇
岩倉・大久保・木戸の「公論」主義 1862~1871

維新の政治と明治天皇

伊藤之雄著『維新の政治と明治天皇』が、『週刊読書人』(2024年2月23日号、第3528号、読書人発行)で紹介されました。国家の危機を前に、幕末・維新のリーダーたちはいかにして政治的意思決定を行ったのか。そのとき天皇のあり方はどのように変化したのか。岩倉具視・大久保利通・木戸孝允らによる「公論」主義を軸に、倒幕から廃藩までの激動の過程を一貫した視座のもとでとらえ、新たな明治維新像を示す渾身作。

伊藤之雄 著
税込10,780円/本体9,800円
A5判・上製・834頁
ISBN978-4-8158-1139-6 C3021
在庫有り

年度別書評一覧

近刊案内

2024年5月7日出来予定

中国共産党の神経系

周 俊 著
A5判・上製・478頁
税込6,930円/本体6,300円
ISBN 978-4-8158-1152-5
Cコード 3031

2024年5月10日出来予定

銀行監督の歴史

邉 英治 著
A5判・上製・416頁
税込6,930円/本体6,300円
ISBN 978-4-8158-1155-6
Cコード 3033

近刊書籍のご注文を受け付けております。ご希望の方は、上の「注文フォーム」で手続きをお願いいたします。刊行次第、商品を発送いたします。

重版案内

2024年4月1日出来

教育原理を組みなおす(第2刷)

松下晴彦・伊藤彰浩・服部美奈 編
A5判・並製・336頁
税込2,970円/本体2,700円
ISBN 978-4-8158-1045-0
Cコード 3037

2024年4月1日出来

現代アート入門(第2刷)

デイヴィッド・コッティントン 著/松井裕美 訳
四六判・並製・224頁
税込2,970円/本体2,700円
ISBN 978-4-8158-1009-2
Cコード 3070

2024年4月1日出来

科学技術をよく考える(第6刷)

伊勢田哲治・戸田山和久・調 麻佐志・村上祐子 編
A5判・並製・306頁
税込3,080円/本体2,800円
ISBN 978-4-8158-0728-3
Cコード 3040

2024年1月19日出来

アメリカの人種主義(第2刷)

竹沢泰子 著
A5判・上製・516頁
税込4,950円/本体4,500円
ISBN 978-4-8158-1118-1
Cコード 3022

2023年12月22日出来

進化倫理学入門(第2刷)

スコット・ジェイムズ 著
児玉 聡 訳
A5判・上製・336頁
税込4,950円/本体4,500円
ISBN 978-4-8158-0896-9
Cコード 3012

2023年11月30日出来

派閥の中国政治(第2刷)

李 昊 著
A5判・上製・396頁
税込6,380円/本体5,800円
ISBN 978-4-8158-1131-0
Cコード 3031

2023年11月17日出来

消え去る立法者(第3刷)

王寺賢太 著
A5判・上製・532頁
税込6,930円/本体6,300円
ISBN 978-4-8158-1120-4
Cコード 3010

2023年10月27日出来

統計学を哲学する(第5刷)

大塚 淳 著
A5判・並製・248頁
税込3,520円/本体3,200円
ISBN 978-4-8158-1003-0
Cコード 3010

2023年10月23日出来

質的研究の考え方(第7刷)

大谷 尚 著
菊判・並製・416頁
税込3,850円/本体3,500円
ISBN 978-4-8158-0944-7
Cコード 3036

2023年8月28日出来

対華二十一ヵ条要求とは何だったのか(第4刷)

奈良岡聰智 著
A5判・上製・488頁
税込6,050円/本体5,500円
ISBN 978-4-8158-0805-1
Cコード 3021

2023年8月24日出来

世界史のなかの東南アジア【上巻】(第2刷)

アンソニー・リード 著
太田 淳・長田紀之 監訳
A5判・上製・398頁
税込3,960円/本体3,600円
ISBN 978-4-8158-1051-1
Cコード 3022

2023年8月21日出来

客観性(第4刷)

ロレイン・ダストン/ピーター・ギャリソン 著
瀬戸口明久・岡澤康浩・坂本邦暢・有賀暢迪 訳
A5判・上製・448頁
税込6,930円/本体6,300円
ISBN 978-4-8158-1033-7
Cコード 3010

2023年8月10日出来

宇宙機の熱設計(第3刷)

大西 晃 他編
B5判・上製・332頁
税込19,800円/本体18,000円
ISBN 978-4-8158-1042-9
Cコード 3053

2023年7月28日出来

中央銀行はお金を創造できるか(第2刷)

金井雄一 著
A5判・上製・234頁
税込5,940円/本体5,400円
ISBN 978-4-8158-1125-9
Cコード 3033

2023年6月21日出来

キュビスム芸術史(第2刷)

松井裕美 著
A5判・上製・692頁
税込7,480円/本体6,800円
ISBN 978-4-8158-0937-9
Cコード 3071

2023年6月15日出来

科学アカデミーと「有用な科学」(第3刷)

隠岐さや香 著
A5判・上製・528頁
税込8,140円/本体7,400円
ISBN 978-4-8158-0661-3
Cコード 3040

2023年5月25日出来

統計力学の形成(第3刷)

稲葉 肇 著
A5判・上製・378頁
税込6,930円/本体6,300円
ISBN 978-4-8158-1036-8
Cコード 3040

2023年5月24日出来

明代とは何か(第2刷)

岡本隆司 著
A5判・上製・324頁
税込4,950円/本体4,500円
ISBN 978-4-8158-1086-3
Cコード 3022

2023年5月12日出来

消え去る立法者(第2刷)

王寺賢太 著
A5判・上製・532頁
税込6,930円/本体6,300円
ISBN 978-4-8158-1120-4
Cコード 3010

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