内 容
シェイクスピアからディケンズにいたるイギリス文学の代表的テクストを読み解くことによって、近代における欲望のホモソーシャル/ヘテロセクシュアルな体制と、その背後に潜む「女性嫌悪」「同性愛恐怖」を掴み出し、文学・ジェンダー研究に新生面を拓いた画期的著作。
【ALL REVIEWS】『論座』書評(2001年5月号、評者:大橋洋一氏)
著者紹介
イヴ・K・セジウィック
(Eve Kosofsky Sedgwick)
イェール大学大学院修了(Ph.D.)。デューク大学教授を経て、現在ニューヨーク市立大学大学院教授(英文学)。本書でホモソーシャル理論を打ち出し、国際的に高い評価を得る。本書の他に、The Epistemology of Closet(1990)(邦訳『クローゼットの認識論』青土社)、Tendencies(1993)、Fat Art, Thin Art(1994)などがある。
(所属などは本邦訳刊行時のものです。)
目 次
まえがき
謝 辞
序 章
1 ホモソーシャルな欲望
2 性の政治学と性の意味
3 性か歴史か?
4 本書が論じるもの
第1章 ジェンダーの非対称性と性愛の三角形
第2章 恋する白鳥
—— シェイクスピア『ソネット集』の例
第3章 『田舎女房』
—— 男性のホモソーシャルな欲望の解剖モデル集
第4章 『センチメンタル・ジャーニー』
—— セクシュアリズムと世界市民
第5章 ゴシック小説に向けて
—— テロリズムとホモセクシュアル・パニック
第6章 代行された殺人
——『義とされた罪人の手記と告白』
第7章 テニスンの『王女』
—— 七人兄弟にひとりの花嫁
第8章 『アダム・ビード』と『ヘンリー・エズモンド』
—— ホモソーシャルな欲望と女性の歴史性
第9章 ホモフォビア・女性嫌悪・資本
——『我らが共通の友』の例
第10章 後門から階段を上って
——『エドウィン・ドルードの謎』と帝国のホモフォビア
結 び 20世紀に向けて
—— ホイットマンのイギリス人読者たち
注
訳者あとがき
参考文献
索 引
書 評
『CLASSY』(2023年1月14日配信、紹介者:上野千鶴子氏)
100分de名著 2023新春スペシャル「100分 de フェミニズム」(2023年1月2日放送、Eテレ、紹介者:上野千鶴子氏)
『現代思想』(2018年4月号、第46巻第6号、評者:森山至貴氏)
『合本 AERAの1000冊』(AERA MOOK、2015年10月30日発行、評者:斎藤美奈子氏)
『みすず』(2010年1・2月号、2009年読書アンケート、評者:小谷真理氏)
朝日新聞(2008年8月17日付、夏の読書特集、評者:石原千秋氏)
関連書
『シェイクスピアはどのようにしてシェイクスピアとなったか』 山田昭廣 著