内 容
進学、就職、転職、結婚、出産など、人生の岐路で大きな決断を迫られたとき、人は合理的に選択することができるのか。何かを選ぶことで、今とはまったく違う自分に変わってしまうかもしれないというのに ——。誰しもが悩む「変容の経験」、その実存的な問いを分析哲学の視点から考える注目作。
著者紹介
L.A. ポール
(Laurie Ann Paul)
プリンストン大学にて博士号を取得。イェール大学、アリゾナ大学などで教鞭を執り、現在、ノースカロライナ大学チャペルヒル校教授。形而上学、心の哲学、科学哲学、認知科学の哲学、形式認識論などの領域を中心に活躍する気鋭の哲学者。著書に、本書 Transformative Experience のほか、Causation: A User’s Guide(Ned Hallとの共著)などがある。
目 次
第1章 ヴァンパイアになる
第2章 変容的な選択
経験は最良の教師である
規範的な基準
主観的な熟慮
変容的な決断
第3章 人生の選択
感覚能力
子をもつ選択をすること
時間的に広がりのある自己
第4章 新たなものの衝撃
補 論 意思決定
一人称的な選択
根本的同定問題
インフォームド・コンセント
合理的な依存
不確定な価値
フィンク的な選好
あいまいな信憑度
階層ベイズ・モデル
気づきがないこと
結論 啓示
謝 辞
訳者あとがき
注
参考文献
索 引
書評等
「好書好日 じんぶん堂」(2020年12月28日付、宮台由美子氏)
『図書新聞』(第3323号、2017年10月21日付、評者:久木田水生氏)
関連書
『世界の複数性について』 デイヴィッド・ルイス 著/出口康夫 監訳/佐金 武・小山 虎・海田大輔・山口 尚 訳
『愛・セックス・結婚の哲学』 R・ハルワニ 著/江口 聡・岡本慎平 監訳
『フィクションとは何か』 ケンダル・ウォルトン 著/田村 均 訳