内 容
アニメはどのようにテクノロジーと向き合い、いかなる思考を促すのか。その映像の基盤となる物質的・技術的な原理とは何か。トランスメディアの結節点として、いかなる運動を展開するのか。これらの問いを具体的な作品に即して探究し、従来の研究・批評を刷新する画期的なアニメーション論、待望の邦訳。
『アニメ・エコロジー』(トーマス・ラマール著/上野俊哉監訳/大﨑晴美訳)
著者紹介
トーマス・ラマール (Thomas Lamarre)
1959年生まれ。マギル大学教授。日本の小説や批評の翻訳を多数手がけ、日本のポピュラー・カルチャーを扱う学術雑誌 Mechademia の編者も務める。本書『アニメ・マシーン』によって、ヨーロッパ日本研究学会(EAJS)の出版賞を受賞し、映画メディア研究学会(SCMS)でも表彰された。
著書に、Uncovering Heian Japan: An Archaeology of Sensation and Inscription(Duke University Press, 2000),Shadows on the Screen: Tanizaki Jun’ichiro on Cinema and Oriental Aesthetics(University of Michigan Center for Japanese Studies, 2005)がある。
(所属等は邦訳初版第1刷発行時のものです)
目 次
凡 例
緒 言
序 論 アニメ・マシーン
第Ⅰ部 多平面的イメージ
第1章 シネマティズムとアニメティズム
第2章 アニメーション・スタンド
第3章 コンポジティング
第4章 ただ単にテクノロジー的なふるまい
第5章 空飛ぶ機械
第6章 フル・アニメーション
第7章 今や少女だけが私たちを救える
第8章 銃を捨てる
第Ⅱ部 分解図
第9章 相対的な運動
第10章 奥行きの構造
第11章 分配的な領域
第12章 オタクのイメージ化
第13章 複数の参照枠
第14章 内なる自然
第15章 フル・リミテッド・アニメーション
第Ⅲ部 コンピューター化された少女
第16章 列車の顔
第17章 セックスの不在
第18章 プラトニック・セックス
第19章 倒 錯
第20章 症候と幽霊のスパイラル・ダンス
第21章 創発的な位置
第22章 アニメがマンガに目を向ける
結 論 シリーズ化のパターン
日本語版に寄せて
監訳者あとがき
注
参考文献
図版一覧
索 引
書 評
日本経済新聞(2013年10月20日付、評者:中村伊知哉氏)
関連書
『アニメ・エコロジー』 トーマス・ラマール 著/上野俊哉 監訳/大﨑晴美 訳