内 容
「気候とは何か」といった初歩の初歩から、脱炭素に向けて世界がとるべき対策まで、温暖化に関する科学と政治・経済をバランスよく記述。懐疑論への応答も随所に交えながら、問題の全体像を、理解に必要な深さまで明快に語る、「文系」「理系」双方へ向けたスタンダードかつ最良の書。
目 次
はじめに
第1章 気候問題序論
1.1 気候とは何か
1.2 気候変化とは何か
1.3 地球の座標系
1.4 この教科書が信用できる理由
1.5 本章のまとめ
用 語
問 題
第2章 気候は変化しているのか
2.1 気温偏差
2.2 最近の気候変化
2.3 地球の歴史にわたる気候
2.4 本章のまとめ
用 語
問 題
第3章 放射とエネルギー収支
3.1 温度とエネルギー
3.2 電磁波
3.3 黒体放射
3.4 エネルギー収支
3.5 本章のまとめ
用 語
問 題
第4章 単純な気候モデル
4.1 気候システムのエネルギー源
4.2 宇宙空間へのエネルギー損失
4.3 温室効果
4.4 他の惑星を用いた私たちの理論の検証
4.5 本章のまとめ
用 語
問 題
第5章 炭素循環
5.1 温室効果ガスと大気の組成
5.2 大気圏-陸域生物圏-海洋圏間の炭素交換
5.3 大気圏-岩石圏間の交換
5.4 人間は炭素循環にどのような影響を及ぼしているのか
5.5 炭素循環についてよくある質問
5.6 二酸化炭素の長期的な行方
5.7 メタン
5.8 その他の温室効果ガス
5.9 本章のまとめ
用 語
問 題
第6章 強制力、フィードバック、気候感度
6.1 気候システムにおける時間差
6.2 放射強制力
6.3 気候感度
6.4 遅いフィードバック
6.5 本章のまとめ
用 語
問 題
第7章 気候はなぜ変化するのか
7.1 最近の温暖化の背景
7.2 最初の容疑者 —— プレートテクトニクス
7.3 太陽
7.4 地球の軌道
7.5 非強制変動
7.6 温室効果ガス
7.7 まとめてみよう
7.8 本章のまとめ
用 語
問 題
第8章 未来の気候変化の予測
8.1 排出量を制御する要素
8.2 これらの要素は過去にどのように変化してきたか
8.3 排出シナリオ
8.4 未来の気候の予測
8.5 気候は予測可能か
8.6 本章のまとめ
用 語
問 題
第9章 気候変化による影響
9.1 なぜ気候変化を気にするべきなのか
9.2 物理的な影響
9.3 こうした気候変化がもたらす影響
9.4 急激な気候変化
9.5 まとめてみよう
9.6 本章のまとめ
用 語
問 題
第10章 指数関数的増加
10.1 指数関数的増加とは何か
10.2 72の法則
10.3 破局は意外と近い
10.4 割引計算
10.5 まとめてみよう —— 炭素の社会的費用
10.6 本章のまとめ
用 語
問 題
第11章 気候変化政策の基礎知識
11.1 適応
11.2 緩和
11.3 太陽放射管理
11.4 二酸化炭素除去
11.5 まとめてみよう
11.6 本章のまとめ
用 語
問 題
第12章 緩和政策
12.1 気候変化の経済学的根拠
12.2 従来の規制
12.3 市場ベースの規制
12.4 情報と自主的な方法
12.5 アプローチのまとめ
12.6 本章のまとめ
用 語
問 題
第13章 気候科学と政治の小史
13.1 気候科学の始まり
13.2 環境保護主義の登場
13.3 1970年代と1980年代 —— オゾン層破壊と酸性雨
13.4 1970年代と1980年代 —— 自由市場の台頭
13.5 1970年代の気候科学
13.6 すべてが変わった年 —— 1988年
13.7 気候変動枠組条約 —— 最初の気候変化条約
13.8 京都議定書
13.9 ジョージ・W・ブッシュ時代 —— 2001~2009年
13.10 オバマ時代 —— 2009~2017年
13.11 パリ協定
13.12 トランプの時代 —— 2017~2021年
13.13 未来 —— 2021年とその先
13.14 本章のまとめ
用 語
問 題
第14章 全体のまとめ
—— 気候変化に対処する長期的な政策
14.1 不確実性のもとでの意思決定 —— 排出量を削減するべきか
14.2 長期的な目標の選択
14.3 温暖化を1.5℃または2℃に抑えるために
14.4 いくつかの最終的な考察
14.5 本章のまとめ
用 語
問 題
定量的問題の解答抜粋
参考文献
監訳者解説
訳者あとがき
索 引
書 評
『週刊読書人』(2023年9月22日号、第3507号、評者:松下和夫氏)
関連書
『20世紀環境史』 J・R・マクニール 著/海津正倫・溝口常俊 監訳