内 容
人類史上、未曾有の規模と速度で環境改変が進行した20世紀とは何だったのか。地球の各圏域 —— 岩石圏、土壌圏、大気圏、水圏、生物圏 —— で生じた変化の全容を、同時代の政治・経済・科学技術との緊密な影響関係とともに明らかにする。「歴史学と生態学の統合」を目指すグローバル環境史の名著。
著訳者紹介
【著 者】
J・R・マクニール
(John Robert McNeill)
1954年にシカゴに生まれる。デューク大学で博士号を取得し、現在はジョージタウン大学教授。主に環境史の分野で精力的に研究を続けている。本書 Something New Under the Sun: An Environmental History of the Twentieth-Century World(2000)で World History Association book prize を受賞。他の主な著書として、The Mountains of the Mediterranean World: An Environmental History(1992)、Mosquito Empires: Ecology and War in the Greater Caribbean, 1620-1914(2010)などがある。
(所属等は初版第1刷発行時のものです。)
【監訳者】
海津正倫 溝口常俊
【訳 者】
岡本耕平 高橋 誠 横山 智
目 次
序
日本語版への序文
謝 辞
はじめに
第1章 プロローグ —— 浪費の世紀の特徴
1 1500年以後の経済成長
2 紀元前一万年以後の人口増加
3 紀元前一万年以後のエネルギー史
4 結 論
第Ⅰ部 地球圏のミュージック
第2章 岩石圏と土壌圏 —— 地殻
1 地殻の基本原理
2 土壌錬金術
3 土壌汚染
4 地球を動かすもの
5 結 論
第3章 大気圏Ⅰ —— 都市の歴史
1 大気の基本原理
2 1900年以前の大気汚染
3 1900年以後の大気汚染
4 石炭都市
5 スモッグ都市
6 巨大都市
7 回復する都市
8 結 論
第4章 大気圏Ⅱ —— 地域史とグローバル史
1 1870年以後の地域的な大気汚染
2 日本の大気
3 酸性雨
4 大気汚染のさらなる結果
5 気候変動と成層圏のオゾン
6 宇宙汚染
7 結 論
第5章 水圏Ⅰ —— 水利用と水汚染の歴史
1 水の基本原理
2 世界の水使用と供給
3 都市の水
4 河川の水
5 湖と富栄養化
6 海と大洋
7 結 論
第6章 水圏Ⅱ —— 枯渇、ダム、分流
1 地下水
2 ダムと分水
3 洪水制御と湿地排水
4 海岸線
5 結 論
第7章 生物圏Ⅰ —— 被食者と捕食者
1 微生物相 —— 生物圏の最初の支配者
2 土地利用と農業
3 結 論
第8章 生物圏Ⅱ —— 森林、魚類、侵入
1 森 林
2 捕鯨と漁業
3 生物学的侵入
4 生物多様性と六度目の絶滅
5 結 論
第Ⅱ部 変化のエンジン
第9章 人口増加と都市の拡大
1 人口増加
2 移 住
3 都市の足跡と代謝
4 結 論
第10章 エネルギー、技術、経済
1 エネルギー体制と環境
2 技術的変化と環境
3 経済変動と環境
4 結 論
第11章 アイデアと政治
1 ビッグ・アイデア
2 環境保護思想
3 国際政治と戦争
4 環境政治と政策
5 結 論
第12章 エピローグ —— ではどうするか
訳者あとがき
注
参考文献
図表一覧
索 引
書 評
『社会経済史学』(第79巻第2号、2013年、評者:水野祥子氏)
『週刊読書人』(2011年12月23日号、評者:髙木勇夫氏)
訳者の既刊書
関連書
『現代気候変動入門』 アンドリュー・E・デスラー 著/神沢 博 監訳/石本美智 訳
『東アジアモンスーン域の湖沼と流域』 坂本 充・熊谷道夫 編