2013年度書評一覧
『アジア経済』 [Vol.55 No.1、2014年3月] から (評者: 宮田敏之 氏)
香港 「帝国の時代」 のゲートウェイ
久末亮一著 『香港 「帝国の時代」 のゲートウェイ』 が、『アジア経済』 (Vol.55 No.1、2014年3月、アジア経済研究所) で紹介されました。19世紀半ば以来、中国から東南アジアやアメリカに広がる空間で、ヒト・モノ・カネ・情報の流れを接続・調節する 「場」 であった香港。銀号など華人による金融活動に焦点をあて、一つの経済圏の歴史と、現在にいたる香港の存在理由を、初めて実証的に明らかにした力作。
久末亮一 著
価格 5,700円
A5判・上製・310頁
ISBN978-4-8158-0709-2 C3033
在庫有り
『ふらんす』 [2014年4月号] から (評者: 宮下志朗 氏)
美食家の誕生
グリモと 〈食〉 のフランス革命
橋本周子著 『美食家の誕生』 が、『ふらんす』 (2014年4月号、白水社刊) で紹介されました。大革命後のフランス美食文化の飛躍をもたらした 〈食べ手〉 による美食批評は、レストランガイドの起源となる一方、それにとどまらない深遠な美食観を宿していました。『美食家年鑑』 の著者グリモを通して、〈よく食べる〉 とはどのようなことかを探究した美味しい力作。
橋本周子 著
価格 5,600円
A5判・上製・408頁
ISBN978-4-8158-0755-9 C3022
在庫有り
「日本経済新聞」 [2014年3月23日付] から
ポンドの譲位
ユーロダラーの発展とシティの復活
金井雄一著 『ポンドの譲位』 が、「日本経済新聞」 (2014年3月23日付) で紹介されました。ポンドはなす術もなく凋落したのか。ユーロダラーの発展と国際金融市場シティの隆盛も視野に、戦後ポンドの役割を再評価、基軸通貨交代の知られざる意義を描出。福祉国家化による国内均衡優先へと舵をきったイギリスの政策転換をも捉えて、一面的な衰退史像を大きく書き換えます。
『イングランド銀行金融政策の形成』、『ポンドの苦闘』 に続く三部作の完結編。
金井雄一 著
価格 5,500円
A5判・上製・336頁
ISBN978-4-8158-0759-7 C3033
在庫有り
『美術手帖』 [2014年4月] から
山下清と昭和の美術
「裸の大将」 の神話を超えて
服部正・藤原貞朗著 『山下清と昭和の美術』 が、『美術手帖』 (2014年4月、美術出版社刊) で紹介されました。「特異児童」 や 「日本のゴッホ」 など、次々と綽名=イメージを与えられてきた美術家・山下清。その貼絵が大衆に愛され続ける一方、芸術の世界にも福祉の世界にも落ち着く場所のなかった彼の存在を通して、昭和の美術と福祉と文化の歴史を新たに問い直します。
服部 正・藤原貞朗 著
価格 5,600円
A5判・上製・536頁
ISBN978-4-8158-0762-7 C3071
在庫有り
「日本経済新聞」 [2014年3月9日付] から (評者: 宮下規久朗 氏)
“創始者の言説を社会に位置づけ”
美食家の誕生
グリモと 〈食〉 のフランス革命
橋本周子著 『美食家の誕生』 が、「日本経済新聞」 (2014年3月9日付) に掲載されました。大革命後のフランス美食文化の飛躍をもたらした 〈食べ手〉 による美食批評は、レストランガイドの起源となる一方、それにとどまらない深遠な美食観を宿していました。『美食家年鑑』 の著者グリモを通して、〈よく食べる〉 とはどのようなことかを探究した美味しい力作。
橋本周子 著
価格 5,600円
A5判・上製・408頁
ISBN978-4-8158-0755-9 C3022
在庫有り
『日本労働研究雑誌』 [No.644 2014年2・3月] から (評者: 鶴 光太郎 氏)
日本経済の長い近代化
統治と市場、そして組織1600~1970
中林真幸編 『日本経済の長い近代化』 が、『日本労働研究雑誌』 (No.644 2014年2・3月、労働政策研究・研修機構) に掲載されました。最先端の経済学の成果にもとづき、日本経済の400年にわたる超長期の近代化過程を新たなヴィジョンで描き出します。米など近世期の財市場、江戸から明治にかけての金融市場、そして明治以降の労働市場へ、時間差をもって継起的に進化した市場経済化のプロセスを鮮やかに示す必読の著作。
中林真幸 著
価格 5,600円
A5判・上製・398頁
ISBN978-4-8158-0725-2 C3033
在庫有り
『STELLA』 [第32号] から (評者: 加藤靖恵 氏)
プルーストと創造の時間
中野知律著 『プルーストと創造の時間』 が、『STELLA』 (第32号、九州大学フランス語フランス文学研究会) に掲載されました。科学的な実証知が勃興し、旧来の人文教養が失墜した世紀末の憂鬱の只中で、それでも 「文学に賭ける」 決断を下したプルースト。作家が格闘した、『失われた時を求めて』 誕生以前の文の地形を明らかにすることを通して、その出現の意味を探る労作です。
中野知律 著
価格 6,600円
A5判・上製・492頁
ISBN978-4-8158-0754-2 C3098
在庫有り
『社会経済史学』 [第79巻第4号、2014年2月] から(評者:川越修氏)
ドイツ社会保険史
社会国家の形成と展開
福澤直樹著『ドイツ社会保険史』が、『社会経済史学』(第79巻第4号、2014年2月、社会経済史学会発行)で紹介されました。19世紀末、世界最初の導入から東西統一後の今日まで、年金・医療・労災保険において先進的施策を生み出してきたドイツ社会保険の通史を初めて描出。社会保険発祥の国が直面した、制度・市場・国家・社会・財政などの難題を余すところなく捉え、現代日本にも多くの示唆を与える成果。
福澤直樹 著
税込7,260円/本体6,600円
A5判・上製・338頁
ISBN978-4-8158-0701-6 C3033
在庫有り
『史学雑誌』 [第123巻第2号、2014年2月] から(評者:秋葉淳氏)
オスマン帝国と立憲政
青年トルコ革命における政治、宗教、共同体
藤波伸嘉著『オスマン帝国と立憲政』が、『史学雑誌』(第123巻第2号、2014年2月、史学会発行)で紹介されました。近代的な立憲主義のもとで、多民族多宗教の統合をいかにして果たすのか ——。個人に基礎をおく憲法体制と民族的宗教的少数集団の権利主張、共和主義と共同体主義、公と私が鋭く対立する中での国民統合・憲政運用という、今なお解きがたい問題に果敢に挑戦したオスマン立憲政のアクチュアルな試みを、膨大な史料から政治史的・思想史的に跡づけ、近現代の世界史像に修正をせまる、気鋭による力作。
藤波伸嘉 著
税込7,260円/本体6,600円
A5判・上製・460頁
ISBN978-4-8158-0683-5 C3031
在庫有り
『歴史学研究』 [No.916、2014年3月] から (評者: 青木 洋 氏)
近代日本の研究開発体制
沢井実著 『近代日本の研究開発体制』 が、『歴史学研究』 (No.916、2014年3月、歴史学研究会編) に掲載されました。東アジアの後発工業国がキャッチアップを実現するべく、第1次大戦から高度成長期までの約半世紀、科学技術の軍事動員を経つつ(軍)官産学の連携をはかり研究開発を行ってきた歴史を、圧倒的な実証によって描きます。
沢井 実 著
価格 8,400円
菊判・上製・622頁
ISBN978-4-8158-0714-6 C3021
在庫有り
『歴史学研究』 [No.916、2014年3月] から (評者: 川島 真 氏)
外交官の誕生
近代中国の対外態勢の変容と在外公館
箱田恵子著 『外交官の誕生』 が、『歴史学研究』 (No.916、2014年3月、歴史学研究会編) に掲載されました。科挙官僚の帝国で、いかにして近代外交の担い手は生まれたのか ——。清末の公使館や領事館の開設はゴールではない。在外公館を孵化器に職業外交官が形成されていく過程を、個々の外交交渉のみならず、人事の実態を含めて把握することで、近代中国外交の展開と特質を浮き彫りにします。
箱田恵子 著
価格 6,200円
A5判・上製・384頁
ISBN978-4-8158-0687-3 C3022
在庫有り
『史学雑誌』 [第123編 第1号、2014年1月] から (評者: 吉井文美 氏)
「大東亜共栄圏」 経済史研究
山本有造著 『「大東亜共栄圏」 経済史研究』 が、『史学雑誌』 (第123編 第1号 2014年1月、史学会編) で紹介されました。日本帝国50年の歴史を通じて形成された植民地経済の構造と特質をふまえて、その最後の姿となった 「大東亜共栄圏」 の全容を初めて客観的に描き出します。マクロ的数量データをもとに、交易や金融の実証的分析から、アジア各地に大きな影響を及ぼした円域経済の実態を捉えた、必読の成果。
著者の 『日本植民地経済史研究』 『「満洲国」 経済史研究』 に続く、日本帝国史研究3部作の最後を飾る著作。
山本有造 著
価格 5,500円
A5判・上製・306頁
ISBN978-4-8158-0680-4 C3033
在庫有り
『アートコレクターズ』 [2014年2月号] から
絵画の臨界
近代東アジア美術史の桎梏と命運
稲賀繁美著 『絵画の臨界』 が、『アートコレクターズ』 (2014年2月号、生活の友社) で紹介されました。「海賊史観」 による世界美術史に向けて——。近代以降の地政学的変動のなかで、絵画はいかなる役割を背負い、どのような運命に翻弄されてきたのか。浮世絵から植民地藝術、現代美術まで、「日本美術」 「東洋美術」 の輪郭を歴史的に捉え、国境を跨ぐイメージと文化の相互作用を考察。
稲賀繁美 著
価格 9,500円
A5判・上製・786頁
ISBN978-4-8158-0749-8 C3071
在庫有り
『美術の窓』 [2014年3月号] から
絵画の臨界
近代東アジア美術史の桎梏と命運
稲賀繁美著 『絵画の臨界』 が、『美術の窓』 (2014年3月号、生活の友社) で紹介されました。「海賊史観」 による世界美術史に向けて——。近代以降の地政学的変動のなかで、絵画はいかなる役割を背負い、どのような運命に翻弄されてきたのか。浮世絵から植民地藝術、現代美術まで、「日本美術」 「東洋美術」 の輪郭を歴史的に捉え、国境を跨ぐイメージと文化の相互作用を考察。
稲賀繁美 著
価格 9,500円
A5判・上製・786頁
ISBN978-4-8158-0749-8 C3071
在庫有り
『ロシア史研究』 [第93号] から (評者: 藤本和貴夫 氏)
中東鉄道経営史
ロシアと 「満洲」 1896-1935
麻田雅文著 『中東鉄道経営史』 が、『ロシア史研究』 (第93号、ロシア史研究会) で紹介されました。「満洲」 を通るロシアの 「植民地化会社」 として、露・中・日・仏・米が角逐する国際政治の焦点となった中東鉄道。海運とも連動する鉄道経営と、収用地や警備隊による植民地経営が一体となった、その全体像を解明。西洋史・東洋史・日本史を横断する跨境的な東北アジア近現代史を描きます。
麻田雅文 著
価格 6,600円
A5判・上製・536頁
ISBN978-4-8158-0711-5 C3022
在庫有り
『出版ニュース』 [2014年2月中旬号] から
シェイクスピア時代の読者と観客
山田昭廣著 『シェイクスピア時代の読者と観客』 が、『出版ニュース』 (2014年2月中旬号、出版ニュース社) で紹介されました。英国史上未曾有の 「演劇熱」 を、推定観客数や戯曲の刊行点数などから捉えるとともに、当時の戯曲本への書き込みを読み解き、読者のリアルな反応を探る。文化史および社会史の両面から、読者と観客の生きた姿に迫る労作。
山田昭廣 著
価格 5,800円
A5判・上製・338頁
ISBN978-4-8158-0748-1 C3098
在庫有り
『出版ニュース』 [2014年2月中旬号] から
プルーストと創造の時間
中野知律著 『プルーストと創造の時間』 が、『出版ニュース』 (2014年2月中旬号、出版ニュース社) で紹介されました。科学的な実証知が勃興し、旧来の人文教養が失墜した世紀末の憂鬱の只中で、それでも 「文学に賭ける」 決断を下したプルースト。作家が格闘した、『失われた時を求めて』 誕生以前の文の地形を明らかにすることを通して、その出現の意味を探る労作。
中野知律 著
価格 6,600円
A5判・上製・492頁
ISBN978-4-8158-0754-2 C3098
在庫有り
『英語年鑑』 [2014年版] から (評者: 長畑明利 氏)
「二重国籍」 詩人 野口米次郎
堀まどか著 『「二重国籍」 詩人 野口米次郎』 が、『英語年鑑』 (2014年版、研究社) の 「英語学・英米文学・英語教育各界の回顧と展望」 で紹介されました。〈沈黙〉 の言葉を英語でつづり日本文化の紹介や諸芸術の融合を試みながら、「戦時メガフォン」 として文学史から消された 「世界的詩人」 の生涯・思想・作品を、初めてトータルに明らかにした知的伝記。東西の文化翻訳への志はなぜ挫折しなければならなかったのか。
堀 まどか 著
価格 8,400円
A5判・上製・592頁
ISBN978-4-8158-0697-2 C3095
在庫有り
「毎日新聞」 [2014年2月9日付] から
マルコ・ポーロ/ルスティケッロ・ダ・ピーサ
世界の記
「東方見聞録」 対校訳
『マルコ・ポーロ/ルスティケッロ・ダ・ピーサ 世界の記』 (高田英樹訳) が、「毎日新聞」 (2014年2月9日付) に掲載されました。「東方見聞録」 の名で知られるマルコ・ポーロの書 『世界の記』 は、時代の根本史料でありながら様々な版によって内容が異なる。本書は、最も基本的なフランク-イタリア語版、セラダ手稿本、ラムージォ版の三版を全訳・対校し異同を示した世界初の試みであり、全ての探究の基盤となろう。
高田英樹 訳
価格 18,000円
菊判・上製・824頁
ISBN978-4-8158-0756-6 C3022
在庫有り
『経営史学』 [第48巻 第3号] から (評者: 中原裕美子 氏)
圧縮された産業発展
台湾ノートパソコン企業の成長メカニズム
川上桃子著 『圧縮された産業発展』 が、『経営史学』 (第48巻 第3号、経営史学会) に掲載されました。ノートパソコン生産の世界シェア90%以上という驚異的な発展 ——。低コストの下請企業としてグローバルな産業内分業に組み込まれた後発の台湾メーカーが、先進国企業との相互作用の中から急激な成長をとげたメカニズムを、粘り強いインタビュー調査と明快な分析枠組みによって解きあかします。
川上桃子 著
価格 4,800円
A5判・上製・244頁
ISBN978-4-8158-0703-0 C3033
在庫有り
『生物科学』 [第65巻 第3号] から (評者: 浅川満彦 氏)
ダム湖・ダム河川の生態系と管理
日本における特性・動態・評価
谷田一三・村上哲生編 『ダム湖・ダム河川の生態系と管理』 が、『生物科学』 (第65巻 第3号、日本生物科学者協会) に掲載されました。陸水学・生態学・土木工学・環境科学などを総合した視点から、下流河川や周辺植生を含めた環境にダムが与える影響をトータルに把握し、その緩和策を探る初の成書。新規ダム建設の可否の議論のためにも、また既存ダムの運用やダム河川の管理のためにも、有用な知見を与えます。
谷田一三・村上哲生 編
価格 5,600円
A5判・上製・340頁
ISBN978-4-8158-0640-8 C3045
在庫有り
『みすず』 [2014年1・2月合併号] から
「2013年読書アンケート」 より
『みすず』 (2014年1・2月合併号) の 「2013年読書アンケート」 で以下の図書が紹介されました。
【山内昌之氏による紹介】
東長 靖 著
『イスラームとスーフィズム —— 神秘主義・聖者信仰・道徳』
【野崎歓氏による紹介】
中野知律 著
『プルーストと創造の時間』
【苅部直氏による紹介】
J・G・A・ポーコック 著/犬塚 元 監訳
『島々の発見 —— 「新しいブリテン史」 と政治思想』
『アジア研究』 [第58巻 第4号] から (評者: 吉岡英美 氏)
圧縮された産業発展
台湾ノートパソコン企業の成長メカニズム
川上桃子著 『圧縮された産業発展』 が、『アジア研究』 (第58巻 第4号、アジア政経学会) に掲載されました。ノートパソコン生産の世界シェア90%以上という驚異的な発展 ——。低コストの下請企業としてグローバルな産業内分業に組み込まれた後発の台湾メーカーが、先進国企業との相互作用の中から急激な成長をとげたメカニズムを、粘り強いインタビュー調査と明快な分析枠組みによって解きあかします。
川上桃子 著
価格 4,800円
A5判・上製・244頁
ISBN978-4-8158-0703-0 C3033
在庫有り
『アジア研究』 [第58巻 第4号] から (評者: 唐成 氏)
現代中国の財政金融システム
グローバル化と中央-地方関係の経済学
梶谷懐著 『現代中国の財政金融システム』 が、『アジア研究』 (第58巻 第4号、アジア政経学会) に掲載されました。現代中国の経済発展に果たした、積極果敢な楽観主義者としての地方政府の決定的役割を解明、独自の中央-地方関係に基づく財政金融システムが構造的に生みだしてきた問題と、それが世界経済に及ぼす影響を描き出します。グローバル不均衡や人民元改革問題にも新たな光をあてる画期的成果。
梶谷 懐 著
価格 4,800円
A5判・上製・258頁
ISBN978-4-8158-0678-1 C3033
在庫有り
『歴史と経済』 [第222号、2014年1月] から (評者: 春日 豊 氏)
戦後日本の資源ビジネス
原料調達システムと総合商社の比較経営史
田中彰著 『戦後日本の資源ビジネス』 が、『歴史と経済』 (第222号、2014年1月、政治経済学・経済史学会) に掲載されました。資源メジャーの台頭、新興国向け需要の急拡大のもと、日本の原料資源調達はどのような方向を目指すべきか? 総合商社を軸とした戦後資源調達方式の成功を新たな視点で実証するとともに、曲がり角を迎えた戦後日本の資源調達システムの再構築へのヒントを、歴史的視野で提示します。
田中 彰 著
価格 5,700円
A5判・上製・330頁
ISBN978-4-8158-0688-0 C3033
在庫有り
「毎日新聞」 [2014年1月26日付] から (評者: 三浦雅士 氏)
“資本主義はなぜ、格差と貧困を生み続けるのか”
近代世界システム (全4巻)
I. ウォーラーステイン著 『近代世界システム』 (全4巻、川北稔訳) が、「毎日新聞」 (2014年1月26日付) で紹介されました。著者の最高傑作 『近代世界システム』 シリーズ待望の新刊・第Ⅳ巻、およびウォーラーステインによる新たな序文を付した新版です。
I. ウォーラーステイン 著
川北 稔 訳
価格 各4,800円
在庫有り
『図書新聞』 [2014年2月1日号] から (評者: 玉木俊明 氏)
“近代世界システムの見取図を提示 —— ウォーラーステインの意気込みと新しい意図”
近代世界システム (全4巻)
I. ウォーラーステイン著 『近代世界システム』 (全4巻、川北稔訳) が、『図書新聞』 (2014年2月1日号、図書新聞) で紹介されました。著者の最高傑作 『近代世界システム』 シリーズ待望の新刊・第Ⅳ巻、およびウォーラーステインによる新たな序文を付した新版です。
I. ウォーラーステイン 著
川北 稔 訳
価格 各4,800円
在庫有り
「日本経済新聞」 [2014年1月19日付] から (評者: 中兼和津次 氏)
“現代につながる変遷を俯瞰”
中国経済史
岡本隆司編 『中国経済史』 が、「日本経済新聞」 (2014年1月19日付) に掲載されました。現在だけを見ていては中国はわからない。世界経済の中核であり続けたダイナミックな経済、しかし経済学の標準理論では歯が立たない。そのしくみを歴史から解き明かし、中国経済が今日抱える矛盾の由来をも示します。先史時代から改革開放までを一望する、わが国初の画期的通史。
岡本隆司 編
価格 2,700円
A5判・並製・354頁
ISBN978-4-8158-0751-1 C3033
在庫有り
『図書新聞』 [2014年1月18日号] から (評者: 小林章夫 氏)
“一次資料の丹念な探索に基づく優れた研究 —— 戯曲本の書き込みの綿密な検討が著者の真髄を示す”
シェイクスピア時代の読者と観客
山田昭廣著 『シェイクスピア時代の読者と観客』 が、『図書新聞』 (2014年1月18日号、図書新聞) に掲載されました。英国史上未曾有の 「演劇熱」 を、推定観客数や戯曲の刊行点数などから捉えるとともに、当時の戯曲本への書き込みを読み解き、読者のリアルな反応を探る。文化史および社会史の両面から、読者と観客の生きた姿に迫る労作。
山田昭廣 著
価格 5,800円
A5判・上製・338頁
ISBN978-4-8158-0748-1 C3098
在庫有り
「日本経済新聞」 [2014年1月5日付] から (評者: 奥村洋彦 氏)
日本経済の歴史
列島経済史入門
中西聡編 『日本経済の歴史』 が、「日本経済新聞」 (2014年1月5日付) に掲載されました。日本列島でくりひろげられた経済社会の営みを、環境史や生活史などの新たな視点も交えて解説、「国家」 の枠組みを超えた多様な経済の展開過程が、いかにして現代社会へとつながるのかをわかりやすく描き出します。古代・中世から21世紀までを一望する新しいスタンダード・テキスト。
好評テキスト 『世界経済の歴史』 (金井雄一・中西聡・福澤直樹編) の姉妹編。
中西 聡 編
価格 2,800円
A5判・並製・364頁
ISBN978-4-8158-0733-7 C3033
在庫有り
『西洋史学』 [第252号、2013年] から(評者:服部伸氏)
科学と表象
「病原菌」の歴史
田中祐理子著『科学と表象』が、『西洋史学』(第252号、2013年、日本西洋史学会)で紹介されました。細菌学の成立とともに、その歴史も誕生した。「では細菌は?」との問いに、沈黙はできない。四人の「父」それぞれの認識のみならず、その衝突と対立、いや孤立をすら思考し、そこに浮かび上がる歴史の力を批判的に捉えた斬新な著作。
田中祐理子 著
価格 5,400円
A5判・上製・332頁
ISBN978-4-8158-0727-6 C3010
在庫有り
『週刊読書人』 [2013年12月20日号] から
「2013年回顧総特集」 より
『週刊読書人』 (2013年12月20日号) の 「2013年回顧総特集」 で以下の図書が紹介されました。
【貫成人氏による紹介】
将基面貴巳 著
『ヨーロッパ政治思想の誕生』
【塚本昌則氏による紹介】
吉田 裕 著
『バタイユ 聖なるものから現在へ』
【髙木勇夫氏による紹介】
マティアス・ゲルツァー 著/長谷川博隆 訳
『ローマ政治家伝』 (全3巻)
【阿部安成氏による紹介】
池内 敏 著
『竹島問題とは何か』
【真野宏子氏による紹介】
木俣元一 著
『ゴシックの視覚宇宙』
【横山輝雄氏による紹介】
田中祐理子 著
『科学と表象 —— 「病原菌」 の歴史』
「朝日新聞」 [2013年12月22日付] から(評者:水野和夫氏)
“真骨頂の「自由貿易は保護主義」”
近代世界システムⅣ
中道自由主義の勝利 1789-1914
I.ウォーラーステイン著『近代世界システムⅣ』(川北稔訳)が、「朝日新聞」(2013年12月22日付)に掲載されました。「長い19世紀」に確立し、現代世界をも決定づける中道自由主義のインパクトと、それに対抗する反システム運動の勃興を詳述、近代世界システムにおける自由主義国家の成立とその広範な影響を初めてとらえ、19世紀史を書き換えます。著者のライフワークにして最高傑作、待望の新刊。
I. ウォーラーステイン 著
川北 稔 訳
価格 4,800円
A5判・上製・432頁
ISBN978-4-8158-0746-7 C3022
在庫有り
「日本経済新聞」 [2013年12月22日付] から (評者: 小川 進 氏)
“トヨタ生産方式の独自性にせまる”
ものづくりを超えて
模倣からトヨタの独自性構築へ
和田一夫著 『ものづくりを超えて』 が、「日本経済新聞」 (2013年12月22日付) に掲載されました。よく知られた 「かんばん方式」 の背後にあるものを徹底的に探ることからはじめ、多様な顧客ニーズへの対応や、遅れた海外展開まで、トヨタの巨大な生産システムを支える、一貫した 「情報」 への取り組みを明らかにし、企業にとっての独自性とは何かをあらためて問いかけた渾身の力作。
従来のトヨタ生産方式のイメージを大きく覆した力作 『ものづくりの寓話』 (日経・経済図書文化賞受賞作) の完結編。
和田一夫 著
価格 5,700円
A5判・上製・542頁
ISBN978-4-8158-0742-9 C3034
在庫有り
「読売新聞」 [2013年12月22日付] から (評者: 宇野重規 氏)
島々の発見
「新しいブリテン史」 と政治思想
J・G・A・ポーコック著 『島々の発見』 (犬塚元監訳) が、「読売新聞」 (2013年12月22日付) の “読書委員が選ぶ 「2013年の3冊」” で紹介されました。歴史のポストモダニズムに抗しつつ、大西洋・太平洋を含む 「群島」 の視点から、多元・多層的な 「新しいブリテン史」 を構想し、グローバルヒストリーにも重い問いを投げかける、政治思想史の碩学によるもう一つの代表作。
J・G・A・ポーコック 著
犬塚 元 監訳
安藤裕介・石川敬史・片山文雄・古城 毅・中村逸春 訳
価格 6,000円
A5判・上製・480頁
ISBN978-4-8158-0752-8 C3022
在庫有り
「読売新聞」 [2013年12月22日付] から (評者: 岡田温司 氏)
ゴシックの視覚宇宙
木俣元一著 『ゴシックの視覚宇宙』 が、「読売新聞」 (2013年12月22日付) の “読書委員が選ぶ 「2013年の3冊」” で紹介されました。西洋中世において爆発的に拡大したイメージの世界は、何を顕わにし、それを観る者にいかなる経験や認識をもたらしたのか。黙示録写本、ステンドグラス、聖遺物など、イメージが切り拓いた多様な視覚宇宙を探究し、「見えるようになること」 を根底から問い直したゴシック美術論。
「…… 『見えないもの』 がいかに見えるものとなるかというテーマに、気鋭の中世美術史家が挑んだ意欲作。ゴシック美術の広がりと深みに引き込まれていく。……」 (「読売新聞」 2013年12月22日付より)
木俣元一 著
価格 6,600円
A5判・上製・486頁
ISBN978-4-8158-0724-5 C3071
在庫有り
「読売新聞」 [2013年12月22日付] から (評者: 杉山正明 氏)
海の近代中国
福建人の活動とイギリス・清朝
村上衛著 『海の近代中国』 が、「読売新聞」 (2013年12月22日付) の “読書委員が選ぶ 「2013年の3冊」” で紹介されました。貿易、海賊・海難、移民など、清末中国の 「海の歴史」 に注目し、福建人の活動とイギリスの役割を焦点に、漢文・英文史料を博捜することで、アヘン戦争の再定義を含め、中国を新たな時代へと突き動かした力を多角的に明らかにします。海と陸、近世と近代を接続し、歴史像を刷新した労作。
「…… 中国近代史は新しい星を生んだ。時は清朝末期。迫りくる英国、そしてアヘン戦争。漢文・欧文を博捜し、時代史を活写する手腕は見事。」 (「読売新聞」 2013年12月22日付より)
村上 衛 著
価格 8,400円
A5判・上製・692頁
ISBN978-4-8158-0719-1 C3022
在庫有り
『社会思想史研究』 [No.37 2013年] から (評者: 野原慎司 氏)
アダム・スミス 法学講義 1762~1763
『アダム・スミス 法学講義 1762~1763』 (水田洋・篠原久・只腰親和・前田俊文訳) が、『社会思想史研究』 (No.37 2013年、社会思想史学会) に掲載されました。1762-63年にグラスゴー大学で行われたアダム・スミスの法学講義を手稿から再現。司法=正義と統治の歴史を描き出し、自由で公正な社会を展望した壮大な文明史論にして、『道徳感情論』 から 『国富論』 にいたるスミス思想を体系的に把握するためには欠かせない文献。本邦初訳。
水田 洋・篠原 久・只腰親和・前田俊文 訳
価格 6,600円
A5判・上製・450頁
ISBN978-4-8158-0699-6 C3032
在庫有り
『社会思想史研究』 [No.37 2013年] から (評者: 石川敬史 氏)
アメリカ啓蒙の群像
スコットランド啓蒙の影の下で 1723-1801
田中秀夫著 『アメリカ啓蒙の群像』 が、『社会思想史研究』 (No.37 2013年、社会思想史学会) に掲載されました。フランクリンからジェファスンにいたる 「アメリカ建国の父たち」 に焦点を合わせ、大西洋を越えた思想的交流を跡づけることによって、「アメリカ啓蒙」 の実像を明らかにした労作。「スコティッシュ・モーメント」 はアメリカにいかなる影響を及ぼしたのか。
田中秀夫 著
価格 9,500円
A5判・上製・782頁
ISBN978-4-8158-0685-9 C3030
在庫有り
『生物物理』 [Vol.53 2013年12月] から (評者: 金子邦彦 氏)
大沢流 手づくり統計力学
大沢文夫著 『大沢流 手づくり統計力学』 が、『生物物理』 (Vol.53 2013年12月、日本生物物理学会) に掲載されました。分子の気持ちを自分の手で体験しよう —— 本書は、サイコロとチップのゲームを楽しみながら、統計力学の真髄を直感的に納得することを目指します。高校生でも研究者でも面白い、今までにない入門書。生体内の現象に統計力学を応用した、最新の生物物理の話題も解説します。
大沢文夫 著
価格 2,400円
A5判・並製・164頁
ISBN978-4-8158-0674-3 C0042
在庫有り
『固体物理』 [Vol.48 2013年] から
磁性と超伝導の物理
重い電子系の理解のために
佐藤憲昭・三宅和正著 『磁性と超伝導の物理』 が、『固体物理』 (Vol.48 2013年、アグネ技術センター) に掲載されました。超伝導状態は磁性不純物で容易に壊されることから、磁性と超伝導は一見相容れないが、ある種の物質では両者が共存し、相関すらしています。本書は、このメカニズムを理解するために、磁性と超伝導を統一的に把握。レアアースをはじめとするf 電子系物質に、実験・理論双方から迫ります。
佐藤憲昭・三宅和正 著
価格 5,700円
A5判・並製・400頁
ISBN978-4-8158-0726-9 C3042
在庫有り
『日本歴史』 [2013年12月号] から (評者: 中村尚史 氏)
近代日本の研究開発体制
沢井実著 『近代日本の研究開発体制』 が、『日本歴史』 (2013年12月号、吉川弘文館) に掲載されました。ナショナル・イノベーション・システムを歴史的視野で考えるために——。東アジアの後発工業国がキャッチアップを実現するべく、第1次大戦から高度成長期までの約半世紀、科学技術の軍事動員を経つつ (軍) 官産学の連携をはかり研究開発を行ってきた歴史を、圧倒的な実証によって描きます。
沢井 実 著
価格 8,400円
菊判・上製・622頁
ISBN978-4-8158-0714-6 C3021
在庫有り
『看護』 [2013年12月号] から
高齢者の痛みケア
イボンヌ・ダーシィ著 『高齢者の痛みケア』 (波多野敬・熊谷幸治郎監訳/山口佳子訳) が、『看護』 (2013年12月号、日本看護協会出版会) に掲載されました。高齢者の痛みをどうケアするか? 痛みのとらえ方や鎮痛薬の用い方、痛みを緩和するための補完的方法等について述べた、医療や介護の場でただちに使える実践的な一冊。医師や看護従事者、リハビリスタッフ、介護・福祉関係者、患者家族、医療系学生など、高齢者の痛みにかかわるすべての人に。
イボンヌ・ダーシィ 著
波多野 敬・熊谷幸治郎 監訳
山口佳子 訳
価格 2,700円
A5判・並製・218頁
ISBN978-4-8158-0732-0 C3047
在庫有り
「日本経済新聞」 [2013年11月20日付] から
“世界資本主義の行方 —— 新覇権国の登場が左右”
近代世界システム (全4巻)
I. ウォーラーステイン著 『近代世界システム』 (全4巻) の訳者である川北稔先生のインタヴューが、「日本経済新聞」 (2013年11月20日付、夕刊) に掲載されました。『近代世界システム』 に関するコメントも含まれています。著者の最高傑作シリーズ待望の新刊・第Ⅳ巻、およびウォーラーステインによる新たな序文を付した新版です。
I. ウォーラーステイン 著
川北 稔 訳
価格 各4,800円
在庫有り
『歴史と経済』 [第221号・2013年10月] から (評者: 安秉直 氏)
帝国主義日本の対外戦略
石井寛治著 『帝国主義日本の対外戦略』 が、『歴史と経済』 (第221号・2013年10月、政治経済学・経済史学会) に掲載されました。日本の経済人はなぜアジア太平洋戦争を阻止できなかったのか —— 長年の研究にもとづき、近代の植民地帝国の形成から、在華紡路線・満鉄路線の対抗をへて、盧溝橋事件へと至る歴史を丹念に跡付け、新たな全体像を描きます。碩学による日本帝国主義史の決定版。
石井寛治 著
価格 5,600円
A5判・上製・336頁
ISBN978-4-8158-0707-8 C3033
在庫有り
『歴史と経済』 [第221号・2013年10月] から (評者: 平本 厚 氏)
近代日本の研究開発体制
沢井実著 『近代日本の研究開発体制』 が、『歴史と経済』 (第221号・2013年10月、政治経済学・経済史学会) に掲載されました。ナショナル・イノベーション・システムを歴史的視野で考えるために ——。東アジアの後発工業国がキャッチアップを実現するべく、第1次大戦から高度成長期までの約半世紀、科学技術の軍事動員を経つつ (軍) 官産学の連携をはかり研究開発を行ってきた歴史を、圧倒的な実証によって描きます。
沢井 実 著
価格 8,400円
菊判・上製・622頁
ISBN978-4-8158-0714-6 C3021
在庫有り
『歴史と経済』 [第56巻第1号、2013年10月] から(評者:加来祥男氏)
ドイツ社会保険史
社会国家の形成と展開
福澤直樹著『ドイツ社会保険史』が、『歴史と経済』(第56巻第1号、2013年10月、政治経済学・経済史学会発行)で紹介されました。19世紀末、世界最初の導入から東西統一後の今日まで、年金・医療・労災保険において先進的施策を生み出してきたドイツ社会保険の通史を初めて描出。社会保険発祥の国が直面した、制度・市場・国家・社会・財政などの難題を余すところなく捉え、現代日本にも多くの示唆を与える成果。
福澤直樹 著
税込7,260円/本体6,600円
A5判・上製・338頁
ISBN978-4-8158-0701-6 C3033
在庫有り
『歴史評論』 [2013年12月号] から (評者: 須永徳武 氏)
鮎川義介と経済的国際主義
満洲問題から戦後日米関係へ
井口治夫著 『鮎川義介と経済的国際主義』 が、『歴史評論』 (2013年12月号、歴史科学協議会) に掲載されました。日産自動車を創業し、日産財閥を満洲に移駐してその経済開発を一手に担った男の、経済的自由主義のヴィジョンとは何か。統制経済と闘い、米国資本導入による日満の開発によって日米開戦回避のために死力を尽くした希代の経営者の活動を、日米双方の一次史料からダイナミックに描き出します。
井口治夫 著
価格 6,000円
A5判・上製・458頁
ISBN978-4-8158-0696-5 C3031
在庫有り
『西洋史学』 [No.249・2013年] から (評者: 左近幸村 氏)
中東鉄道経営史
ロシアと 「満洲」 1896-1935
麻田雅文著 『中東鉄道経営史』 が、『西洋史学』 (No.249・2013年、日本西洋史学会) に掲載されました。「満洲」 を通るロシアの 「植民地化会社」 として、露・中・日・仏・米が角逐する国際政治の焦点となった中東鉄道。海運とも連動する鉄道経営と、収用地や警備隊による植民地経営が一体となった、その全体像を解明。西洋史・東洋史・日本史を横断する跨境的な東北アジア近現代史を描きます。
麻田雅文 著
価格 6,600円
A5判・上製・536頁
ISBN978-4-8158-0711-5 C3022
在庫有り
『出版ニュース』 [2013年11月上旬号] から
ローマ政治家伝
【第Ⅰ巻】 カエサル 【第Ⅱ巻】 ポンペイウス
マティアス・ゲルツァー著/長谷川博隆訳 『ローマ政治家伝』 (第Ⅰ巻: カエサル、第Ⅱ巻: ポンペイウス) が、『出版ニュース』 (2013年11月上旬号) に掲載されました。大政治家とは何か——。徹底した史料の精査とローマ社会全体を見据えた叙述により、世界史上の転換点をそれぞれの視点から描き出します。ローマ史の大家による古典的名著。
マティアス・ゲルツァー 著
長谷川博隆 訳
価格 (第Ⅰ・Ⅱ巻ともに) 4,600円
A5判・上製 第Ⅰ巻: 432頁 第Ⅱ巻: 294頁
(第Ⅰ巻) ISBN978-4-8158-0735-1 C3022
(第Ⅱ巻) ISBN978-4-8158-0736-8 C3022
在庫有り
(第Ⅲ巻 『キケロ』 は2014年刊行予定)
『史学雑誌』 [第122編・第9号・2013年] から (評者: 松浦正孝 氏)
帝国主義日本の対外戦略
石井寛治著 『帝国主義日本の対外戦略』 が、『史学雑誌』 (第122編・第9号・2013年、公益財団法人史学会) に掲載されました。日本の経済人はなぜアジア太平洋戦争を阻止できなかったのか —— 長年の研究にもとづき、近代の植民地帝国の形成から、在華紡路線・満鉄路線の対抗をへて、盧溝橋事件へと至る歴史を丹念に跡付け、新たな全体像を描きます。碩学による日本帝国主義史の決定版。
石井寛治 著
価格 5,600円
A5判・上製・336頁
ISBN978-4-8158-0707-8 C3033
在庫有り
「日本経済新聞」 [2013年11月10日付、電子版] から
中国経済史
岡本隆司編 『中国経済史』 が、「日本経済新聞」 (2013年11月10日付、電子版) で紹介されました。現在だけを見ていては中国はわからない。世界経済の中核であり続けたダイナミックな経済、しかし経済学の標準理論では歯が立たない。そのしくみを歴史から解き明かし、中国経済が今日抱える矛盾の由来をも示します。先史時代から改革開放までを一望する、わが国初の画期的通史。
岡本隆司 編
価格 2,700円
A5判・並製・354頁
ISBN978-4-8158-0751-1 C3033
在庫有り
『週刊現代』 [2013年11月2日号] から(評者:出口治明氏)
“古典が教えてくれる人間と社会の本質”
近代世界システム(全4巻)
I.ウォーラーステイン著『近代世界システム』(全4巻、川北稔訳)が、『週刊現代』(2013年11月2日号、講談社)の「わが人生最高の10冊」で紹介されました。著者の最高傑作『近代世界システム』シリーズ待望の新刊・第Ⅳ巻、およびウォーラーステインによる新たな序文を付した新版です。
I. ウォーラーステイン 著
川北 稔 訳
価格 各4,800円
在庫有り
「日本経済新聞」 [2013年10月20日付] から (評者: 中村伊知哉 氏)
アニメ・マシーン
グローバル・メディアとしての日本アニメーション
トーマス・ラマール著 『アニメ・マシーン』 (藤木秀朗監訳/大﨑晴美訳) が、2013年10月20日付 「日本経済新聞」 に掲載されました。アニメはどのようにテクノロジーと向き合い、いかなる思考を促すのか。その映像の基盤となる物質的・技術的な原理とは何か。トランスメディアの結節点として、いかなる運動を展開するのか。これらの問いを具体的な作品に即して探究し、従来の研究・批評を刷新する画期的なアニメーション論、待望の邦訳。
「…… アニメ技術を軸とするメディア論がガタリやドゥルーズの思想を下敷きに展開される。日本のアニメを特殊な文化ではなく、普遍的な表現として扱う点は、この研究領域の成熟を示している。……」 (2013年10月20日付 「日本経済新聞」 第21面から)
トーマス・ラマール 著
藤木秀朗 監訳/大﨑晴美 訳
価格 6,300円
A5判・上製・464頁
ISBN978-4-8158-0730-6 C3074
在庫有り
「朝日新聞」 [2013年10月6日付] から (評者: 諸富 徹 氏)
税と正義
L.マーフィー/T.ネーゲル著 『税と正義』 (伊藤恭彦訳) が、2013年10月6日付 「朝日新聞」 に掲載されました。本書は、現代正義論の観点から、これまでの租税理論を根本的に再検討したうえで、課税ベース、累進性、相続、差別といった具体的論点に説きおよび、アメリカで大きな反響を呼んだ話題作です。
L.マーフィー/T.ネーゲル 著
伊藤恭彦 訳
価格 4,500円
A5判・上製・266頁
ISBN978-4-8158-0548-7 C3033
在庫有り
『経済セミナー』 [2013年10・11月号] から (評者: 谷口和弘 氏)
日本経済の長い近代化
統治と市場、そして組織1600~1970
中林真幸編 『日本経済の長い近代化』 が、『経済セミナー』 (2013年10・11月号、日本評論社) に掲載されました。最先端の経済学の成果にもとづき、日本経済の400年にわたる超長期の近代化過程を新たなヴィジョンで描き出します。米など近世期の財市場、江戸から明治にかけての金融市場、そして明治以降の労働市場へ、時間差をもって継起的に進化した市場経済化のプロセスを鮮やかに示す必読の著作。
中林真幸 編
価格 5,600円
A5判・上製・398頁
ISBN978-4-8158-0725-2 C3033
在庫有り
『社会経済史学』 [Vol.79、No.2、2013年] から (評者: 水野祥子 氏)
20世紀環境史
J.R.マクニール著 『20世紀環境史』 (海津正倫・溝口常俊監訳) が、『社会経済史学』 (Vol.79、No.2、2013年、社会経済史学会) に掲載されました。人類史上、未曾有の規模と速度で環境改変が進行した20世紀とは何だったのか。地球の各圏域 —— 岩石圏、土壌圏、大気圏、水圏、生物圏 —— で生じた変化の全容を、同時代の政治・経済・科学技術との緊密な影響関係とともに明らかにします。「歴史学と生態学の統合」 を目指すグローバル環境史の名著。
J.R.マクニール 著
海津正倫・溝口常俊 監訳
価格 5,600円
A5判・上製・416頁
ISBN978-4-8158-0677-4 C3020
在庫有り
『産業学会研究年報』 [第28号、2013年] から (評者: 苑 志佳 氏)
圧縮された産業発展
台湾ノートパソコン企業の成長メカニズム
川上桃子著 『圧縮された産業発展』 が、『産業学会研究年報』 (第28号、2013年、産業学会) に掲載されました。低コストの下請企業としてグローバルな産業内分業に組み込まれた後発の台湾メーカーが、先進国企業との相互作用の中から急激な成長をとげたメカニズムを、粘り強いインタビュー調査と明快な分析枠組みによって解きあかします。
川上桃子 著
価格 4,800円
A5判・上製・244頁
ISBN978-4-8158-0703-0 C3033
在庫有り
『日本台湾学会報』 [第15号、2013年6月] から (評者: 赤羽 淳 氏)
圧縮された産業発展
台湾ノートパソコン企業の成長メカニズム
川上桃子著 『圧縮された産業発展』 が、『日本台湾学会報』 (第15号、2013年6月、日本台湾学会) に掲載されました。低コストの下請企業としてグローバルな産業内分業に組み込まれた後発の台湾メーカーが、先進国企業との相互作用の中から急激な成長をとげたメカニズムを、粘り強いインタビュー調査と明快な分析枠組みによって解きあかします。
「…… 本書の最大の特徴は、後発企業である台湾企業、先発企業である日米ブランド企業、コアデバイスを握るインテルという三者のアクターを捕捉して、産業内分業の動態的過程を分析したことである。そのアクター間の競争と協調の関係の中、台湾企業が自らの能力構築を通じて、従来の下請け的な位置づけを脱皮し、最終的にはブランド企業に対する提案能力を持つようになったプロセスが克明に描き出されている。いわば台湾ノートパソコン企業の発展経過を3つのアクターの側面から立体的に切り出した研究であり、地域研究者の視点を保ちつつも今日の産業グローバル化の現象を明示的に意識した点で、これまでの地域研究とは明らかに一線を画している。……」 (『日本台湾学会報』 第15号 2013年6月、p.89)
川上桃子 著
価格 4,800円
A5判・上製・244頁
ISBN978-4-8158-0703-0 C3033
在庫有り
「日本経済新聞」 [2013年9月22日付] から (評者: 濱下武志 氏)
海の近代中国
福建人の活動とイギリス・清朝
村上衛著 『海の近代中国』 が、2013年9月22日付 「日本経済新聞」 に掲載されました。貿易、海賊・海難、移民など、清末中国の 「海の歴史」 に注目し、福建人の活動とイギリスの役割を焦点に、漢文・英文史料を博捜することで、アヘン戦争の再定義を含め、中国を新たな時代へと突き動かした力を多角的に明らかにします。海と陸、近世と近代を接続し、歴史像を刷新した労作。
村上 衛 著
価格 8,400円
A5判・上製・692頁
ISBN978-4-8158-0719-1 C3022
在庫有り
「日本経済新聞」 [2013年9月22日付] から (評者: 濱下武志 氏)
香港 「帝国の時代」 のゲートウェイ
久末亮一著 『香港 「帝国の時代」 のゲートウェイ』 が、2013年9月22日付 「日本経済新聞」 に掲載されました。19世紀半ば以来、中国から東南アジアやアメリカに広がる空間で、ヒト・モノ・カネ・情報の流れを接続・調節する 「場」 であった香港。銀号など華人による金融活動に焦点をあて、一つの経済圏の歴史と、現在にいたる香港の存在理由を、初めて実証的に明らかにした力作です。
久末亮一 著
価格 5,700円
A5判・上製・310頁
ISBN978-4-8158-0709-2 C3033
在庫有り
『アジア経済』 [Vol.54 No.3、2013年9月] から (評者: 田路則子 氏)
圧縮された産業発展
台湾ノートパソコン企業の成長メカニズム
川上桃子著 『圧縮された産業発展』 が、『アジア経済』 (Vol.54 No.3、2013年9月、アジア経済研究所) に掲載されました。低コストの下請企業としてグローバルな産業内分業に組み込まれた後発の台湾メーカーが、先進国企業との相互作用の中から急激な成長をとげたメカニズムを、粘り強いインタビュー調査と明快な分析枠組みによって解きあかします。
川上桃子 著
価格 4,800円
A5判・上製・244頁
ISBN978-4-8158-0703-0 C3033
在庫有り
『史学雑誌』 [第122編 第8号、2013年] から (評者: 馬 暁華 氏)
アメリカ合衆国と中国人移民
歴史のなかの 「移民国家」 アメリカ
貴堂嘉之著 『アメリカ合衆国と中国人移民』 が、『史学雑誌』 (第122編 第8号、2013年、公益財団法人史学会) に掲載されました。南北戦争後の国家と社会の再編のなか、アメリカの帝国的拡大と人種や性や労働の問題が交錯する 〈アメリカ人〉 の境界画定の動きを、アジアからの眼差しで多角的・重層的に読み解き、アメリカ史像の核心をうつ力作。
貴堂嘉之 著
価格 5,700円
A5判・上製・364頁
ISBN978-4-8158-0690-3 C3022
在庫有り
『史学雑誌』 [第122編 第8号、2013年] から (評者: 吉井文美 氏)
中東鉄道経営史
ロシアと 「満洲」 1896-1935
麻田雅文著 『中東鉄道経営史』 が、『史学雑誌』 (第122編 第8号、2013年、公益財団法人史学会) に掲載されました。「満洲」 を通るロシアの 「植民地化会社」 として、露・中・日・仏・米が角逐する国際政治の焦点となった中東鉄道。海運とも連動する鉄道経営と、収用地や警備隊による植民地経営が一体となった、その全体像を解明。西洋史・東洋史・日本史を横断する跨境的な東北アジア近現代史を描きます。
麻田雅文 著
価格 6,600円
A5判・上製・536頁
ISBN978-4-8158-0711-5 C3022
在庫有り
「朝日新聞」 [2013年9月8日付] から
ローマ政治家伝
【第Ⅰ巻】 カエサル 【第Ⅱ巻】 ポンペイウス
マティアス・ゲルツァー著/長谷川博隆訳 『ローマ政治家伝』 (第Ⅰ巻: カエサル、第Ⅱ巻: ポンペイウス) が、2013年9月8日付 「朝日新聞」 に掲載されました。大政治家とは何か——。徹底した史料の精査とローマ社会全体を見据えた叙述により、世界史上の転換点をそれぞれの視点から描き出します。ローマ史の大家による古典的名著。
マティアス・ゲルツァー 著
長谷川博隆 訳
価格 (第Ⅰ・Ⅱ巻ともに) 4,600円
A5判・上製 第Ⅰ巻: 432頁 第Ⅱ巻: 294頁
(第Ⅰ巻) ISBN978-4-8158-0735-1 C3022
(第Ⅱ巻) ISBN978-4-8158-0736-8 C3022
在庫有り
(第Ⅲ巻 『キケロ』 は2014年刊行予定)
『週刊読書人』 [2013年9月6日号] から (評者: 大清水 裕 氏)
“「政治家」 としての二つの資質 —— 古典的著作が流麗な日本語でよみがえる”
ローマ政治家伝
【第Ⅰ巻】 カエサル 【第Ⅱ巻】 ポンペイウス
マティアス・ゲルツァー著/長谷川博隆訳 『ローマ政治家伝』 (第Ⅰ巻: カエサル、第Ⅱ巻: ポンペイウス) が、『週刊読書人』 (2013年9月6日号、読書人刊) に掲載されました。大政治家とは何か——。徹底した史料の精査とローマ社会全体を見据えた叙述により、世界史上の転換点をそれぞれの視点から描き出します。ローマ史の大家による古典的名著。
マティアス・ゲルツァー 著
長谷川博隆 訳
価格 (第Ⅰ・Ⅱ巻ともに) 4,600円
A5判・上製 第Ⅰ巻: 432頁 第Ⅱ巻: 294頁
(第Ⅰ巻) ISBN978-4-8158-0735-1 C3022
(第Ⅱ巻) ISBN978-4-8158-0736-8 C3022
在庫有り
(第Ⅲ巻 『キケロ』 は2014年刊行予定)
『史学雑誌』 [第122編 第7号、2013年] から (評者: 平田 武 氏)
農民と労働者の民主主義
戦間期チェコスロヴァキア政治史
中田瑞穂著 『農民と労働者の民主主義』 が、『史学雑誌』 (第122編 第7号、2013年、公益財団法人史学会) に掲載されました。中欧の新興国として出発し議会制民主主義体制を安定化させた共和国が、経済危機と権威主義体制による競合という困難な時代を迎え、「実効力」 ある独自の民主制を構想していく過程を、はじめて実証的に分析。ヨーロッパ史のみならず、今日の民主主義のあり方を考える上でも示唆に富む労作です。
中田瑞穂 著
価格 7,600円
A5判・上製・468頁
ISBN978-4-8158-0693-4 C3031
在庫有り
『東欧史研究』 [第35号、2013年] から (評者: 中根一貴 氏)
農民と労働者の民主主義
戦間期チェコスロヴァキア政治史
中田瑞穂著 『農民と労働者の民主主義』 が、『東欧史研究』 (第35号、2013年、東欧史研究会編) に掲載されました。中欧の新興国として出発し議会制民主主義体制を安定化させた共和国が、経済危機と権威主義体制による競合という困難な時代を迎え、「実効力」 ある独自の民主制を構想していく過程を、はじめて実証的に分析。ヨーロッパ史のみならず、今日の民主主義のあり方を考える上でも示唆に富む労作です。
中田瑞穂 著
価格 7,600円
A5判・上製・468頁
ISBN978-4-8158-0693-4 C3031
在庫有り
『日本歴史』 [2013年9月号] から (評者: 渡邉恵一 氏)
地方からの産業革命
日本における企業勃興の原動力
中村尚史著 『地方からの産業革命』 が、『日本歴史』 (2013年9月号、日本歴史学会編) に掲載されました。日本史上でも稀有な 「地方の時代」 はなぜ実現したか。産業革命の原動力となった、地方からの企業勃興のメカニズムを鮮やかに示すとともに、その後の都市の時代への転換の契機をも掴み出します。斬新な視点で近代日本の工業化過程を描き直す産業革命研究の到達点にして、今日の地方再生の手がかりをも指し示す注目の成果。
中村尚史 著
価格 5,600円
A5判・上製・400頁
ISBN978-4-8158-0645-3 C3033
在庫有り
『歴史と経済』 [第220号 2013年7月号] から (評者: 橘川武郎 氏)
ものづくり日本経営史
江戸時代から現代まで
粕谷誠著 『ものづくり日本経営史』 が、『歴史と経済』 (第220号 2013年7月号、政治経済学・経済史学会編) に掲載されました。ものづくりの現場の奥深くから見えてくる日本経済発展の真の力とは何か。神話を超えて、歴史的な一貫した視点により、苦闘から隆盛への展開過程を制度やガバナンス、国際環境にも注目して解き明かします。今日の停滞局面への示唆にも富む、新たな標準をなす通史決定版。
「…… 本書の特徴としては、以下の4点をあげることができる。
第1は、日本のものづくりの発展過程を彩った、それぞれの時代における技術革新のポイントが、簡潔かつ明瞭に説明されていることである。…… 本書に掲載された設計図や写真に目を向けつつ、テンポよくそして無駄なく展開される説明を追ってゆくと、読者はいつの間にか、その時代を生きた職人や技術者の息づかいを感じとることができるような気分になる。
第2は、全編を通じて体系的な叙述がなされており、タイトルから予想される製造業の歴史を超えて、日本経営史の全体像に迫る内容となっている点である。……
第3は、日本において50年近くにわたり積み重ねられてきた経営史学のケーススタディの成果が、きちんとした形で反映されている点である。……巻末に掲載された……参考文献リストは、実証史学の現在の研究水準を形成する作品群の 『陳列館』 として、高い価値をもつ。……
第4は、興味深い個々の史実に関して、経済学や経営学に立脚した理論的説明が随所で加えられている点である。……」 (『歴史と経済』 第220号 p.68から)
粕谷 誠 著
価格 3,800円
A5判・並製・502頁
ISBN978-4-8158-0715-3 C3034
在庫有り
『日本歴史』 [2013年8月号] から (評者: 須永徳武 氏)
帝国主義日本の対外戦略
石井寛治著 『帝国主義日本の対外戦略』 が、『日本歴史』 (2013年8月号、日本歴史学会編) に掲載されました。日本の経済人はなぜアジア太平洋戦争を阻止できなかったのか —— 長年の研究にもとづき、近代の植民地帝国の形成から、在華紡路線・満鉄路線の対抗をへて、盧溝橋事件へと至る歴史を丹念に跡付け、新たな全体像を描きます。碩学による日本帝国主義史の決定版。
石井寛治 著
価格 5,600円
A5判・上製・336頁
ISBN978-4-8158-0707-8 C3033
在庫有り
『東アジア近代史』 [第16号 2013年3月] から (評者: 加藤聖文 氏)
中東鉄道経営史
ロシアと 「満洲」 1896-1935
麻田雅文著 『中東鉄道経営史』 が、『東アジア近代史』 (第16号 2013年3月、東アジア近代史学会編) に掲載されました。東清ないし東支鉄道ともよばれ、「満洲」 を通るロシアの 「植民地化会社」 として、露・中・日・仏・米が角逐する国際政治の焦点となった中東鉄道。海運とも連動する鉄道事業経営と、収用地や警備隊による植民地経営が一体となった、その全体像を初めて実証的に解明。西洋史・東洋史・日本史を横断する跨境的な東北アジア近現代史を描きだします。
麻田雅文 著
価格 6,600円
A5判・上製・536頁
ISBN978-4-8158-0711-5 C3022
在庫有り
『歴史評論』 [No.761 2013年9月号] から (評者: 武田晴人 氏)
帝国主義日本の対外戦略
石井寛治著 『帝国主義日本の対外戦略』 が、『歴史評論』 (No.761 2013年9月号、歴史科学協議会編) に掲載されました。日本の経済人はなぜアジア太平洋戦争を阻止できなかったのか —— 長年の研究にもとづき、近代の植民地帝国の形成から、在華紡路線・満鉄路線の対抗をへて、盧溝橋事件へと至る歴史を丹念に跡付け、新たな全体像を描きます。碩学による日本帝国主義史の決定版。
石井寛治 著
価格 5,600円
A5判・上製・336頁
ISBN978-4-8158-0707-8 C3033
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『教育学研究』 [第80巻 第2号 2013年6月] から (評者: 内田 良 氏)
現代日本の少年院教育
質的調査を通して
『現代日本の少年院教育』 (広田照幸・古賀正義・伊藤茂樹編) が、『教育学研究』 (第80巻 第2号 2013年6月、日本教育学会) に掲載されました。少年院ではどのような教育が行われ、少年の更生にどのように役立っているのか? 現場で工夫や改善を重ねることで独自の発展をとげてきた日本の少年院での教育実践を、本格的なフィールド調査を通して、教育学・社会学の視点から多面的に分析、従来のイメージを一新する画期的な研究。
「本書は、少年院における教育の実際を、質的調査により明らかにしたものである。このこと自体が、まずもって本書の大きな特徴であり魅力である。
『開かれた少年院』 の必要性が説かれる今日においてでさえ、少年院とはもっとも近寄りがたいフィールドの一つである。とりわけ今日、個人情報保護の要請、研究倫理向上の要請が高まっているだけに、すぐれてパーソナルで秘匿的な情報が集積される場である少年院の調査は、実施そのものが困難である。そのハードルを乗り越えて、質的調査というかたちで少年院内部の教育の実情を具体的かつ奥行きをもって描出した本書の功績は、高く評価されるべきである。……」 (『教育学研究』 第80巻 第2号 2013年6月、p.257、評者: 内田良氏)
広田照幸・古賀正義・伊藤茂樹 編
価格 5,600円
A5判・上製・396頁
ISBN978-4-8158-0705-4 C3037
在庫有り
『経済学史研究』 [55巻1号 2013年7月] から (評者: 渡辺恵一 氏)
アダム・スミス 法学講義 1762~1763
『アダム・スミス 法学講義 1762~1763』 (水田洋・篠原久・只腰親和・前田俊文訳) が、『経済学史研究』 (55巻1号 2013年7月、経済学史学会) に掲載されました。1762-63年にグラスゴー大学で行われたアダム・スミスの法学講義を手稿から再現。司法=正義と統治の歴史を描き出し、自由で公正な社会を展望した壮大な文明史論にして、『道徳感情論』 から 『国富論』 にいたるスミス思想を体系的に把握するためには欠かせない文献。本邦初訳。
水田 洋・篠原 久・只腰親和・前田俊文 訳
価格 6,600円
A5判・上製・450頁
ISBN978-4-8158-0699-6 C3032
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『現代詩手帖』 [2013年8月号] から
性が語る
20世紀日本文学の性と身体
『性が語る』 の著者である坪井秀人先生と伊藤比呂美氏の対談 (「鮎川信夫賞を読む: 『性が語る』 をきっかけにして」) が、『現代詩手帖』 (2013年8月号、思潮社刊) に掲載されました。また、先般の第4回鮎川信夫賞贈呈式での受賞の言葉も紹介されています。性の政治性を問題化することをフェミニズム批評と共有しながらも、思想の道具化を排し、20世紀日本文学がとらえる性のすがたを、語る主体に焦点を当てることで、個々のテクストに即して描き出します。語り書く男性そして女性の、愉悦と葛藤を内包した声や身体を 〈私〉 へと奪還する試み。
坪井秀人 著
価格 6,000円
A5判・上製・696頁
ISBN978-4-8158-0694-1 C3095
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『図書新聞』 [2013年8月3日号] から (評者: 西村智弘 氏)
“日本のアニメの独自性と多様性”
アニメ・マシーン
グローバル・メディアとしての日本アニメーション
トーマス・ラマール著 『アニメ・マシーン』 (藤木秀朗監訳/大﨑晴美訳) が、『図書新聞』 (2013年8月3日号、図書新聞刊) に掲載されました。アニメはどのようにテクノロジーと向き合い、いかなる思考を促すのか。その映像の基盤となる物質的・技術的な原理とは何か。トランスメディアの結節点として、いかなる運動を展開するのか。これらの問いを具体的な作品に即して探究し、従来の研究・批評を刷新する画期的なアニメーション論、待望の邦訳。
「…… ラマールは、コンポジティングがつくりだす多平面的なイメージに、アニメーションの独自性と芸術性を認める。ここから彼が日本のアニメを評価する理由が明らかとなる。……さらに……コンポジティングという立脚点に基づいて、フル・アニメーションとリミテッド・アニメーションの問題、マンガとアニメの関係、アニメのもつトランスメディア的な性格などへと論を進めていく。ラマールの論述は実に周到であり、作品分析も説得的である。日本のアニメから導きだされる彼の議論の多様さには驚くべきものがある。 ……」 (『図書新聞』 2013年8月3日号、p.4、評者: 西村智弘氏)
トーマス・ラマール 著
藤木秀朗 監訳/大﨑晴美 訳
価格 6,300円
A5判・上製・464頁
ISBN978-4-8158-0730-6 C3074
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『中国研究月報』 [Vol.67, No.7, 2013年7月号] から (評者: 林 采成 氏)
中東鉄道経営史
ロシアと 「満洲」 1896-1935
麻田雅文著 『中東鉄道経営史』 が、『中国研究月報』 (Vol.67, No.7, 2013年7月号、一般社団法人中国研究所刊) に掲載されました。東清ないし東支鉄道ともよばれ、「満洲」 を通るロシアの 「植民地化会社」 として、露・中・日・仏・米が角逐する国際政治の焦点となった中東鉄道。海運とも連動する鉄道事業経営と、収用地や警備隊による植民地経営が一体となった、その全体像を初めて実証的に解明。西洋史・東洋史・日本史を横断する跨境的な東北アジア近現代史を描きだします。
麻田雅文 著
価格 6,600円
A5判・上製・536頁
ISBN978-4-8158-0711-5 C3022
在庫有り
『図書新聞』 [2013年7月20日号] から(評者:藤原辰史氏)
科学と表象
「病原菌」の歴史
田中祐理子著『科学と表象』が、『図書新聞』(2013年7月20日号、図書新聞刊)の「2013年上半期読書アンケート」に掲載されました。細菌学の成立とともに、その歴史も誕生した。「では細菌は?」との問いに、沈黙はできない。四人の「父」それぞれの認識のみならず、その衝突と対立、いや孤立をすら思考し、そこに浮かび上がる歴史の力を批判的に捉えた斬新な著作。
「…… 微生物・病原菌の科学史。このとらえがたいものをめぐる科学者たちの言説を、独特の世界観から分析する。パストゥール、コッホ、レーウェンフックの言説を追っていくことで、科学と政治の先入観の崩壊感覚を愉しめる。……」 (『図書新聞』2013年7月20日号、第6面)
田中祐理子 著
価格 5,400円
A5判・上製・332頁
ISBN978-4-8158-0727-6 C3010
在庫有り
『社会学評論』 [Vol.64, No.1, 2013年] から
「ボランティア」 の誕生と終焉
〈贈与のパラドックス〉 の知識社会学
仁平典宏著 『「ボランティア」 の誕生と終焉』 が、『社会学評論』 (Vol.64, No.1, 2013年、日本社会学会編) に掲載されました。仁平先生による、「日本社会学会第11回奨励賞」 (2012年度) 受賞の言葉となっています。人々を社会参加へと枠づける言葉は、どのような政治的・社会的文脈で生まれ、いかなる帰結をもたらしてきたのか。その言葉がまとう形はどのように作動するのか。動員モデルと意味論分析を介して日本におけるボランティア言説の展開をたどり、参加型市民社会のあり方を鋭く問いなおします。シニシズムを脱することはできるのか。
仁平典宏 著
価格 6,600円
A5判・上製・562頁
ISBN978-4-8158-0663-7 C3036
在庫有り
『週刊教育資料』 [2013年6月10日号] から
“自分の頭で考え抜く力を若者に伝えたい”
科学技術をよく考える
クリティカルシンキング練習帳
『科学技術をよく考える』 (伊勢田哲治・戸田山和久・調麻佐志・村上祐子編) が、『週刊教育資料』 (2013年6月10日号) の 「自著を語る」欄 に掲載されました。伊勢田先生による紹介文となっています。遺伝子組換え作物、乳がん検診、地震予知 …… 現代社会に生きる上で必要不可欠な科学技術と、私たちはどう向き合えばよいのか。理系人間にも文系人間にも必須の、自分の頭で考えぬく力を身につける、まったく新しいスタイルの 「練習帳」。
伊勢田哲治・戸田山和久・調 麻佐志・村上祐子 編
価格 2,800円
A5判・並製・306頁
ISBN978-4-8158-0728-3 C3040
在庫有り
『ジャパン フードサイエンス』 [Vol.52 No.6 2013年] から
科学技術をよく考える
クリティカルシンキング練習帳
『科学技術をよく考える』 (伊勢田哲治・戸田山和久・調麻佐志・村上祐子編) が、『ジャパン フードサイエンス』 (Vo.52 No.6 2013年) に掲載されました。遺伝子組換え作物、乳がん検診、地震予知 …… 現代社会に生きる上で必要不可欠な科学技術と、私たちはどう向き合えばよいのか。理系人間にも文系人間にも必須の、自分の頭で考えぬく力を身につける、まったく新しいスタイルの 「練習帳」。
伊勢田哲治・戸田山和久・調 麻佐志・村上祐子 編
価格 2,800円
A5判・並製・306頁
ISBN978-4-8158-0728-3 C3040
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『経営史学』 [第48巻第1号] から (評者: 平井岳哉 氏)
戦後日本の資源ビジネス
原料調達システムと総合商社の比較経営史
田中彰著 『戦後日本の資源ビジネス』 が、『経営史学』 (第48巻第1号、経営史学会編) に掲載されました。資源メジャーの台頭、新興国向け需要の急拡大のもと、日本の原料資源調達はどのような方向を目指すべきか? 総合商社を軸とした戦後資源調達方式の成功を新たな視点で実証するとともに、曲がり角を迎えた戦後日本の資源調達システムの再構築へのヒントを、歴史的視野で提示します。
田中 彰 著
価格 5,700円
A5判・上製・330頁
ISBN978-4-8158-0688-0 C3033
在庫有り
『歴史学研究』 [2013年7月号 No.907] から (評者: 村田勝幸 氏)
アメリカ合衆国と中国人移民
歴史のなかの 「移民国家」 アメリカ
貴堂嘉之著 『アメリカ合衆国と中国人移民』 が、『歴史学研究』 (2013年7月号 No.907、歴史学研究会編) に掲載されました。奴隷国家から移民国家へ転換したとされるアメリカ。しかし、そこには 「中国人問題」 が存在した。南北戦争後の国家と社会の再編のなか、アメリカの帝国的拡大と人種やセクシュアリティや労働の問題が交錯する 〈アメリカ人〉 の境界画定の動きを、多角的かつ重層的に読み解き、アメリカ史像の核心をうつ力作。
「…… 本書は、『移民国家アメリカ』 というイメージが予定調和的な 『国民の物語』 を非自覚的に構築してしまうことに対して警鐘を鳴らしている。それを克服する手段として、ヨーロッパ系ではなくアジアからの移民という、これまで周縁化されてきた存在に注目し、それにより 『移民国家アメリカ』 というイメージそのものが構築 (ないし捏造) されてきた歴史プロセスに多面的にアプローチすることの有用性が示されるのである。この立場からすれば、『中国人問題』 の研究は排華運動についての分析だけではなりたちえない。世界大の奴隷解放運動や再建期の政党政治、人種を隠れた争点とした労働運動、20世紀転換期アメリカの帝国的再編などが、検討を加えるべき対象として浮上する。分析枠組みとして 『人の移動のグローバル・ヒストリー・モデル』 を導入することで、一国史の枠にとらわれた既存のアメリカ移民史理解への徹底的な批判が可能になっている点は重要であろう。同時に、このモデルはアメリカのみならず中国という国家をも人の移動の管理主体として浮かび上がらせることを可能とする。……」 (『歴史学研究』 2013年7月号 No.907 p.60より 評者: 村田勝幸氏)
貴堂嘉之 著
価格 5,700円
A5判・上製・364頁
ISBN978-4-8158-0690-3 C3022
在庫有り
『出版ニュース』 [2013年6月上旬号] から
イスラームとスーフィズム
神秘主義・聖者信仰・道徳
東長靖著 『イスラームとスーフィズム』 が、『出版ニュース』 (2013年6月上旬号、出版ニュース社刊) に掲載されました。従来 「イスラーム神秘主義」 と訳され、知的エリートの深遠な思索がクローズアップされてきたスーフィズム。本書は、聖者信仰・「スーフィー教団」 など民衆的要素や歴史的・地域的展開もふまえ、その多様な姿を文献とフィールドから総合的に把握、イスラームの中核に位置づけた画期的論考です。
「…… スーフィズムの成立を辿り、スーフィズムを知的エリートの思索的営為から民衆の聖者願望までをも統合したものとしてとらえ、道徳、神秘主義といった軸で眺めると理解しやすくなることを示すとともに、神秘主義という軸を拡張していこうとすれば、スーフィズムはイスラームの所有から人類の所有に代わることになるだろうと説く。」 (『出版ニュース』 2013年6月上旬号、p.32から)
東長 靖 著
価格 5,600円
A5判・上製・314頁
ISBN978-4-8158-0721-4 C3014
在庫有り
『中国研究月報』 [Vol.67 No.5 2013年5月号] から (評者: 小林克也 氏)
現代中国の財政金融システム
グローバル化と中央-地方関係の経済学
梶谷懐著 『現代中国の財政金融システム』 が、『中国研究月報』 (Vol.67 No.5 2013年5月号、中国研究所刊) に掲載されました。現代中国の経済発展に果たした、積極果敢な楽観主義者としての地方政府の決定的役割を解明、独自の中央-地方関係に基づく財政金融システムが構造的に生みだしてきた問題と、それが世界経済に及ぼす影響を描き出します。グローバル不均衡や人民元改革問題にも新たな光をあてる画期的成果。
梶谷 懐 著
価格 4,800円
A5判・上製・258頁
ISBN978-4-8158-0678-1 C3033
在庫有り
『週刊読書人』 [2013年6月14日号] から(評者:廣野喜幸氏)
科学と表象
「病原菌」の歴史
田中祐理子著『科学と表象』が、『週刊読書人』(2013年6月14日号、読書人刊)に掲載されました。細菌学の成立とともに、その歴史も誕生した。「では細菌は?」との問いに、沈黙はできない。四人の「父」それぞれの認識のみならず、その衝突と対立、いや孤立をすら思考し、そこに浮かび上がる歴史の力を批判的に捉えた斬新な著作。
田中祐理子 著
価格 5,400円
A5判・上製・332頁
ISBN978-4-8158-0727-6 C3010
在庫有り
『東京大学 アメリカ太平洋研究』 [Vol.13 2013年] から (評者: 戸田山 祐 氏)
アメリカ合衆国と中国人移民
歴史のなかの 「移民国家」 アメリカ
貴堂嘉之著 『アメリカ合衆国と中国人移民』 が、『東京大学 アメリカ太平洋研究』 (Vol.13 2013年、東京大学アメリカ太平洋地域研究センター刊) に掲載されました。奴隷国家から移民国家へ転換したとされるアメリカ。しかし、そこには 「中国人問題」 が存在した。南北戦争後の国家と社会の再編のなか、アメリカの帝国的拡大と人種やセクシュアリティや労働の問題が交錯する 〈アメリカ人〉 の境界画定の動きを、多角的かつ重層的に読み解き、アメリカ史像の核心をうつ力作。
「…… 本書はアンテベラム期から世紀転換期までのアメリカ史を、国際労働力移動の変遷というグローバルな視点と、国内での 「アメリカ人」 の境界の形成というナショナルな視点の双方から描いた希有な研究であり、驚くほど広範な問題領域を扱っている …… 内容および方法の両面からも、近現代史研究全般に裨益するところはきわめて大きいものであり、アメリカ史研究者はもちろん、他地域を対象とする研究者にも広く読まれることを願いたい。」 (『東京大学 アメリカ太平洋研究』 Vol.13 2013年 pp.153-154より 評者: 戸田山祐氏)
貴堂嘉之 著
価格 5,700円
A5判・上製・364頁
ISBN978-4-8158-0690-3 C3022
在庫有り
『CAPS ニューズレター』 [No.117 2013年1月] から (評者: 中野由美子 氏)
アメリカ合衆国と中国人移民
歴史のなかの 「移民国家」 アメリカ
貴堂嘉之著 『アメリカ合衆国と中国人移民』 が、『CAPS ニューズレター』 (No.117 2013年1月、成蹊大学アジア太平洋研究センター刊) に掲載されました。奴隷国家から移民国家へ転換したとされるアメリカ。しかし、そこには 「中国人問題」 が存在した。南北戦争後の国家と社会の再編のなか、アメリカの帝国的拡大と人種やセクシュアリティや労働の問題が交錯する 〈アメリカ人〉 の境界画定の動きを、多角的かつ重層的に読み解き、アメリカ史像の核心をうつ力作。
「…… 当時流行していた絵入り新聞、週刊新聞 『ハーパーズ・ウィークリー』 に掲載された政治風刺画など、数多くの視覚資料に興味を引かれるのではないだろうか。トマス・ナストという風刺画家を 「道先案内人」 として、当時の人種・エスニック関係史、とりわけアフリカ系アメリカ人、アイルランド系移民、中国人移民の関係についての考察が加えられているのである。緻密な法制度分析に加えて、当時の政治風刺画を史料として用いた中国人移民の表象分析 (主に第4章) のセクションで、「歴史のなかの想像力」 (25頁) による学問的な地平が広がっていく。政治風刺画と史料として用いるという方法論的な挑戦は、前半部分の堅実な法制度分析や排斥運動の事例研究と組み合わせることによって一層の輝きを放っているといえるだろう。このような重層的な分析こそが本書の最大の魅力である。」 (『CAPS ニューズレター』 No.117 2013年1月 p.13より 評者: 中野由美子氏)
貴堂嘉之 著
価格 5,700円
A5判・上製・364頁
ISBN978-4-8158-0690-3 C3022
在庫有り
『産業学会研究年報』 [第28号 2013年] から (評者: 堀井伸浩 氏)
戦後日本の資源ビジネス
原料調達システムと総合商社の比較経営史
田中彰著 『戦後日本の資源ビジネス』 が、『産業学会研究年報』 (第28号 2013年、産業学会刊) に掲載されました。資源メジャーの台頭、新興国向け需要の急拡大のもと、日本の原料資源調達はどのような方向を目指すべきか? 総合商社を軸とした戦後資源調達方式の成功を新たな視点で実証するとともに、曲がり角を迎えた戦後日本の資源調達システムの再構築へのヒントを、歴史的視野で提示します。
「…… 本書では日本の総合商社が鉄鋼企業と協力し、またオーストラリアやブラジルといった生産国と長年の交渉と権益取得による開発輸入の経験などを通じて作り上げた長期契約方式による大量資源調達システムの優位性が最近までは確かに発揮されていたことが説得的に示されている。しかし中国が日本の鉄鋼生産量を遥かに凌駕するようになり、また80年代以降の価格低迷状況の下、鉄鉱石生産ビジネスからアメリカ資本の撤退が相次ぎ、気がつけばサプライヤーの寡占化が進んだ結果、鉄鉱石価格の高騰を招くとともに長期契約の下でのベンチマーク制からスポット市場価格を参照しての価格形成方式に転換した経緯と要因が明瞭に分析されている。……」 (『産業学会研究年報』 第28号 2013年、p.150)
田中 彰 著
価格 5,700円
A5判・上製・330頁
ISBN978-4-8158-0688-0 C3033
在庫有り
『比較文学』 [第55巻 2012年] から(評者:木村朗子氏)
性が語る
20世紀日本文学の性と身体
坪井秀人著『性が語る』が、『比較文学』(第55巻、2012年、日本比較文学会発行)で紹介されました。性の政治性を問題化することをフェミニズム批評と共有しながらも、思想の道具化を排し、20世紀日本文学がとらえる性のすがたを、語る主体に焦点を当てることで、個々のテクストに即して描き出します。語り書く男性そして女性の、愉悦と葛藤を内包した声や身体を〈私〉へと奪還する試み。
坪井秀人 著
価格 6,000円
A5判・上製・696頁
ISBN978-4-8158-0694-1 C3095
在庫有り
『出版ニュース』 [2013年5月中・下旬号] から
ゴシックの視覚宇宙
木俣元一著 『ゴシックの視覚宇宙』 が、『出版ニュース』 (2013年5月中・下旬号、出版ニュース社) に掲載されました。西洋中世において爆発的に拡大したイメージの世界は、何を顕わにし、それを観る者にいかなる経験や認識をもたらしたのか。黙示録写本、ステンドグラス、聖遺物など、イメージが切り拓いた多様な視覚宇宙を探究し、「見えるようになること」 を根底から問い直したゴシック美術論。
木俣元一 著
価格 6,600円
A5判・上製・486頁
ISBN978-4-8158-0724-5 C3071
在庫有り
『美術手帖』 [2013年6月号] から (評者: 近藤亮介 氏)
ゴシックの視覚宇宙
木俣元一著 『ゴシックの視覚宇宙』 が、『美術手帖』 (2013年6月号、美術出版社) に掲載されました。西洋中世において爆発的に拡大したイメージの世界は、何を顕わにし、それを観る者にいかなる経験や認識をもたらしたのか。黙示録写本、ステンドグラス、聖遺物など、イメージが切り拓いた多様な視覚宇宙を探究し、「見えるようになること」 を根底から問い直したゴシック美術論。
「…… 特に、『レヴェラティオ (覆いを取り去ること)』 をキーワードに、ただ 『見る』 のではなく 『見えるようになること』 と救済プロセスとの連関を問う第1部は、視覚におけるゴシック的発想の核心を突く。」 (『美術手帖』 2013年6月号 p.222より 評者: 近藤亮介氏)
木俣元一 著
価格 6,600円
A5判・上製・486頁
ISBN978-4-8158-0724-5 C3071
在庫有り
『日本歴史』 [2013年5月号] から (評者: 藤岡健太郎 氏)
日本帝国と委任統治
南洋群島をめぐる国際政治 1914-1947
等松春夫著 『日本帝国と委任統治』 が、『日本歴史』 (2013年5月号、吉川弘文館) に掲載されました。帝国主義と新外交の狭間で生み出された、国際連盟による委任統治制度は、列強がせめぎあう太平洋に何をもたらしたのか。「仮装された植民地」 として日本が支配した 「南洋群島」 を軸に、20世紀前半の国際政治と日本の対外政策の展開を鮮明に描き出します。
「…… 日本のみならず國際聯盟、英米豪などの史料を博捜することで、さまざまなアクターが南洋群島をめぐる諸問題についてどのように考え、行動していたかを解き明かしている。第四章などに示されているように、南洋群島をめぐる動きが、ヨーロッパ情勢と相互に影響していることも明らかにされている。こうした点で本書は、当時の国際政治において、南洋群島が持っていた大きな意味を明らかにすることに成功しているといえよう。 ……」 (『日本歴史』 2013年5月号 p.125より 評者: 藤岡健太郎氏)
等松春夫 著
価格 6,000円
A5判・上製・336頁
ISBN978-4-8158-0686-6 C3031
在庫有り
『日本歴史』 [2013年5月号] から (評者: 上村雅洋 氏)
近世米市場の形成と展開
幕府司法と堂島米会所の発展
高槻泰郎著 『近世米市場の形成と展開』 が、『日本歴史』 (2013年5月号、吉川弘文館) に掲載されました。日次データによる大坂米相場の復元により、効率的価格形成の具体的様相と、そのダイナミックな地方への波及を解明、幕府の米切手政策を軸に世界的先駆をなす市場の成立を新たな水準で描きます。幕府の政策を失敗とのみ位置づけた従来の評価を覆し、近世市場の到達点を捉え直した画期的成果。
「…… 本書の特色は、第一に、これまでの大坂米市場をめぐる戦前以来の分厚い研究蓄積・史料について、市場形成の視点から再検討を加え、その仕組みを明らかにし、大坂米市場の性格を金融市場と結びつけて明らかにした点、第二に、商人仲間の統制に加えた幕府司法による重層的な商秩序維持が、大坂米市場の形成を促進したことを検証した点、第三に、米価の日次データの詳細分析による情報と市場の密接な関係を解明した点にある。そこには、これまでの日本における法制史・制度史研究や物価史研究だけでなく、明示的ではないが、比較制度分析や経済学分析などの最新の歴史分析手法を十分に生かした試みも行われた。 ……」 (『日本歴史』 2013年5月号 pp.116-117より 評者: 上村雅洋氏)
高槻泰郎 著
価格 6,000円
A5判・上製・410頁
ISBN978-4-8158-0692-7 C3033
在庫有り
『週刊 読書人』 [2013年5月10日号] から (評者: 関 智英 氏)
海の近代中国
福建人の活動とイギリス・清朝
村上衛著 『海の近代中国』 が、『週刊 読書人』 (2013年5月10日号、読書人刊) に掲載されました。貿易、海賊・海難、移民など、清末中国の 「海の歴史」 に注目し、福建人の活動とイギリスの役割を焦点に、漢文・英文史料を博捜することで、アヘン戦争の再定義を含め、中国を新たな時代へと突き動かした力を多角的に明らかにする。海と陸、近世と近代を接続し、歴史像を刷新した労作。
村上 衛 著
価格 8,400円
A5判・上製・692頁
ISBN978-4-8158-0719-1 C3022
在庫有り
『アメリカ学会会報』 [No.181 2013年4月] から (評者: 山本明代 氏)
アメリカ合衆国と中国人移民
歴史のなかの 「移民国家」 アメリカ
貴堂嘉之著 『アメリカ合衆国と中国人移民』 が、『アメリカ学会会報』 (No.181 2013年4月、アメリカ学会編) に掲載されました。奴隷国家から移民国家へ転換したとされるアメリカ。しかし、そこには 「中国人問題」 が存在した。南北戦争後の国家と社会の再編のなか、アメリカの帝国的拡大と人種やセクシュアリティや労働の問題が交錯する 〈アメリカ人〉 の境界画定の動きを、多角的かつ重層的に読み解き、アメリカ史像の核心をうつ力作。
「…… 中国人の移動をグローバル・ヒストリーに位置づけ、中国人をめぐる問題を清朝とアメリカ合衆国の各々の国内政治と外交のリンケージ・ポリティックスのなかで捉えるというスケールの大きな視点とともに、風刺画など図像資料を用いて排除の力学と国民の想像力を分析するという本書が用いた方法論も示唆に富むものである。本書は、日本におけるアメリカの国民史研究と人種研究の到達点を示しており、今後アメリカ史研究の必携の書となるだろう。」 (『アメリカ学会会報』 No.181 2013年4月 p.11より 評者: 山本明代氏)
貴堂嘉之 著
価格 5,700円
A5判・上製・364頁
ISBN978-4-8158-0690-3 C3022
在庫有り
『中国経済研究』 [第10巻第1号 2013年3月] から (評者: 江崎光男 氏)
開発経済学と現代中国
中兼和津次著 『開発経済学と現代中国』 が、『中国経済研究』 (第10巻第1号 2013年3月、中国経済学会編) に掲載されました。未曾有の変貌をとげる現代中国を、社会科学の実験場とみなし、開発経済学のさまざまなモデルや仮説を準拠枠として、その 「発展」 の軌跡を検証します。はたして 「中国モデル」 は存在するのか。第一人者による透徹した中国経済論。
「…… 本書の各章が、著者自らの研究成果と豊富な邦語・英語・中国語の文献による膨大な知識 (大容量の知) に基づき、時には相反する多くの議論を秤量し、性急な断定をできるだけ避け、総合的かつバランスのとれた明快な論旨と結論を導いている。本書の全10章は開発経済学と中国経済について考慮すべき要点を尽くしている……。また、終章中国の経験が開発経済学に与え得る5つの貢献は、本書全体から抽出された貴重な提言である。特に、第1の人口規模の有効性は、本書や米国家情報会議 (NIC) 『グローバルトレンド 2030』 等の分析からも極めて同感である。……橘宗吾氏 (名古屋大学出版会) の言葉を借りれば、本書はまさに 『わが国の現代中国研究を牽引してきた第1人者による明快かつ透徹した現代中国経済論』 である。……」 (『中国経済研究』 第10巻第1号 2013年3月、p.133より 評者: 江崎光男氏)
中兼和津次 著
価格 3,800円
A5判・上製・306頁
ISBN978-4-8158-0710-8 C3033
在庫有り
『中国経済研究』 [第10巻第1号 2013年3月] から (評者: 中川涼司 氏)
圧縮された産業発展
川上桃子著 『圧縮された産業発展』 が、『中国経済研究』 (第10巻第1号 2013年3月、中国経済学会編) に掲載されました。 ノートパソコン生産の世界シェア90%以上という驚異的な発展 —— 。低コストの下請企業としてグローバルな産業内分業に組み込まれた後発の台湾メーカーが、先進国企業との相互作用の中から急激な成長をとげたメカニズムを、粘り強いインタビュー調査と明快な分析枠組みによって解きあかします。
「…… 従来の 『圧縮型発展』 論は一国を単位とするマクロ経済的な分析が主で、個別産業の段階的発展プロセスを体系的には示していない。本書は国際分業の下における産業アクター間のインタラクションを分析することで、台湾受託生産企業の量的かつ質的な発展のプロセスを鮮やかに描き出しており、成長のメカニズムをより鮮明にしている。
また、台湾PC産業発展史論としてみても、これまでの研究は、台湾企業とインテル、台湾企業とブランド企業といった2者間の関係の分析から、台湾企業の能力形成と力関係の変化を論じるものが大半であったと思われる。しかし、本書はそうではなく、①台湾企業、ブランド企業、インテルの3者の関係としてとらえ、②その関係の変化を製品技術と生産技術の変化の中での情報のやりとりと能力構築の面からとらえ、③明確な歴史段階区分をし、④分析結果を広範な文献と足で稼いだインタビューによって裏づけた、という点で出色である。 ……」 (『中国経済研究』 第10巻第1号 2013年3月、p.139より 評者: 中川涼司氏)
川上桃子 著
価格 4,800円
A5判・上製・244頁
ISBN978-4-8158-0703-0 C3033
在庫有り
「讀賣新聞」 [2013年4月28日付] から (評者: 須藤 靖 氏)
“広く深い思考の実践書”
科学技術をよく考える
クリティカルシンキング練習帳
『科学技術をよく考える』 (伊勢田哲治・戸田山和久・調麻佐志・村上祐子編) が、2013年4月28日付 「讀賣新聞」 に掲載されました。遺伝子組換え作物、乳がん検診、地震予知 …… 現代社会に生きる上で必要不可欠な科学技術と、私たちはどう向き合えばよいのか。理系人間にも文系人間にも必須の、自分の頭で考えぬく力を身につける、まったく新しいスタイルの 「練習帳」。
伊勢田哲治・戸田山和久・調 麻佐志・村上祐子 編
価格 2,800円
A5判・並製・306頁
ISBN978-4-8158-0728-3 C3040
在庫有り
「讀賣新聞」 [2013年4月14日付] から (評者: 橋爪大三郎 氏)
イスラームとスーフィズム
神秘主義・聖者信仰・道徳
東長靖著 『イスラームとスーフィズム』 が、2013年4月14日付 「讀賣新聞」 に掲載されました。従来 「イスラーム神秘主義」 と訳され、知的エリートの深遠な思索がクローズアップされてきたスーフィズム。本書は、聖者信仰・「スーフィー教団」 など民衆的要素や歴史的・地域的展開もふまえ、その多様な姿を文献とフィールドから総合的に把握、イスラームの中核に位置づけた画期的論考です。
東長 靖 著
価格 5,600円
A5判・上製・314頁
ISBN978-4-8158-0721-4 C3014
在庫有り
『大学出版』 [No.94 2013年4月] から(評者:伊藤比呂美氏)
性が語る
20世紀日本文学の性と身体
坪井秀人著『性が語る』が、『大学出版』(第94号、2013年4月、大学出版部協会発行)の「私が薦める名古屋大学出版会の本」で紹介されました。性の政治性を問題化することをフェミニズム批評と共有しながらも、思想の道具化を排し、20世紀日本文学がとらえる性のすがたを、語る主体に焦点を当てることで、個々のテクストに即して描き出します。語り書く男性そして女性の、愉悦と葛藤を内包した声や身体を〈私〉へと奪還する試み。
坪井秀人 著
価格 6,000円
A5判・上製・696頁
ISBN978-4-8158-0694-1 C3095
在庫有り
『中国21』 [Vol.38 2013年3月] から (評者: 高橋五郎 氏)
開発経済学と現代中国
中兼和津次著 『開発経済学と現代中国』 が、『中国21』 (Vol.38 2013年3月、愛知大学現代中国学会編) に掲載されました。未曾有の変貌をとげる現代中国を、社会科学の実験場とみなし、開発経済学のさまざまなモデルや仮説を準拠枠として、その 「発展」 の軌跡を検証します。はたして 「中国モデル」 は存在するのか。第一人者による透徹した中国経済論。
中兼和津次 著
価格 3,800円
A5判・上製・306頁
ISBN978-4-8158-0710-8 C3033
在庫有り
『イギリス哲学研究』 [2013年 第36号] から (評者: 新村 聡 氏)
アダム・スミス 法学講義 1762~1763
『アダム・スミス 法学講義 1762~1763』 (水田洋・篠原久・只腰親和・前田俊文訳) が、『イギリス哲学研究』 (2013年 第36号、日本イギリス哲学会刊) に掲載されました。1762-63年にグラスゴー大学で行われたアダム・スミスの法学講義を手稿から再現。司法=正義と統治の歴史を描き出し、自由で公正な社会を展望した壮大な文明史論にして、『道徳感情論』 から 『国富論』 にいたるスミス思想を体系的に把握するためには欠かせない文献。本邦初訳。
水田 洋・篠原 久・只腰親和・前田俊文 訳
価格 6,600円
A5判・上製・450頁
ISBN978-4-8158-0699-6 C3032
在庫有り
『西洋史学』 [2012年 No.247] から (評者: 松本悠子 氏)
アメリカ合衆国と中国人移民
歴史のなかの 「移民国家」 アメリカ
貴堂嘉之著 『アメリカ合衆国と中国人移民』 が、『西洋史学』 (2012年 No.247、日本西洋史学会刊) に掲載されました。奴隷国家から移民国家へ転換したとされるアメリカ。しかし、そこには 「中国人問題」 が存在した。南北戦争後の国家と社会の再編のなか、アメリカの帝国的拡大と人種やセクシュアリティや労働の問題が交錯する 〈アメリカ人〉 の境界画定の動きを、多角的かつ重層的に読み解き、アメリカ史像の核心をうつ力作。
貴堂嘉之 著
価格 5,700円
A5判・上製・364頁
ISBN978-4-8158-0690-3 C3022
在庫有り
『西洋史学』 [2012年 No.247] から (評者: 上原真依 氏)
イメージの地層
ルネサンスの図像文化における奇跡・分身・予言
水野千依著 『イメージの地層』 が、『西洋史学』 (2012年 No.247、日本西洋史学会刊) に掲載されました。奇跡像、蠟人形、幻視 …… 近代の「芸術」からはこぼれ落ちる、「迷信」 に満ちたイメージの力を無視することなく、人々がそこに残した痕跡や文化の記憶が織りなす複雑な地層を、図像・文書の丹念な解読によって辿りなおし、ルネサンスの多元性を蘇らせた 「イメージの歴史人類学」 の試み。
「…… 本書の最大の特色は、「イメージの地層」 というタイトルが端的に示しているように、聖画像などの造形物に付された処置や記憶を手がかりに、像受容の変化とその背後にあった戦略を時代横断的に分析している点にある。…… 作品のオリジナルの価値を重視する近代以降の修復においては後年の介入として除去されがちだったこれらの痕跡を、作品が生きてきた長く意味深い歴史を伝える貴重な史料として著者は捉え直す。そして、ある特定の時代にとどまらず、様々な時代における像受容のあり方、言い換えると像に込められた人々の思いという地層の断面図を明らかにしたのである。著者の試みたこの 「イメージの歴史人類学」 という手法は、伝統的な美術史研究の方法論と異なる観点から、今まで看過されてきた多元的なルネサンスの造形遺産を捉え直す新たな視座となっている。……」
水野千依 著
価格 13,000円
A5判・上製・920頁
ISBN978-4-8158-0673-6 C3071
在庫有り