2006年度以前の書評

「朝日新聞」 [2007年3月18日付] から

瞽女と瞽女唄の研究

瞽女と瞽女唄の研究

ジェラルド・グローマ―著『瞽女と瞽女唄の研究』が、「朝日新聞」(2007年3月18日付)で紹介されました。20年にわたる徹底的な史資料の調査によって実現した、瞽女と瞽女唄をめぐる初の本格的な総合研究。日本各地に活躍した瞽女の社会的あり方を歴史的に明らかにするとともに、瞽女が携わっていた芸能と音楽を多角的に分析し、「瞽女文化」の知られざる世界をこれまでになく明確に描き出します。

ジェラルド・グローマ― 著
価格 30,000円
菊判・上製・研究篇778頁+史料篇958頁
ISBN978-4-8158-0558-6 C3021
在庫有り


『パセオフラメンコ』 [2007年3月号、第273号] から(評者:佐藤奈津子氏)

寛容の文化
ムスリム、ユダヤ人、キリスト教徒の中世スペイン

寛容の文化

マリア・ロサ・メノカル著/足立孝訳『寛容の文化』が、『パセオフラメンコ』(2006年5月号、第594号、パセオ)で紹介されました。「世界の宝飾」と呼ばれた輝ける土地の記憶 ——。700年以上にわたる三宗教の共存のただなかで形成された「寛容の文化」を、美しいタペストリーを織り上げるかのごとく再構成し、地中海・ヨーロッパ世界の歴史と文化の新たな相貌を浮かび上がらせる。それが今日の世界に示唆するものは、われわれの心をゆさぶらずにはおかないであろう。

“…… 読み終わる頃には、中世ヨーロッパに対して異なるイメージを持つことになる。忽然と湧いた文化は、スペインの艶やかな独自性を形成するだけでなく、後のヨーロッパの知的根源ともなった。大音楽家ズィルヤーブがバクダッドを後にし、コルドバを終の棲家としたのもその頃である。さまざまな影響を受けつつフラメンコ音楽の下地が形を見せ始める時期であることも読み取れよう。アンダルシアの歴史の底知れぬ魅力に興奮することは間違いない。”(『パセオフラメンコ』2007年3月号、p.93)

マリア・ロサ・メノカル 著
足立 孝 訳
価格 3,800円
A5判・上製・336頁
ISBN978-4-8158-0518-0 C3022
在庫有り


「読売新聞」 [2007年2月25日付] から(評者:林道郎氏)

踊る身体の詩学
モデルネの舞踊表象

踊る身体の詩学

山口庸子著『踊る身体の詩学』が、「読売新聞」(2007年2月25日付)で紹介されました。新しく、根源的なもののイメージとしてのダンス。—— ダンカンやヴィグマンら舞踊家たちと、ニーチェ、リルケからユダヤ系女性詩人にいたる文学者たちとの交点で、言語と身体、全体性や聖性をめぐる想像力の爆発的展開を捉え、20世紀にさまざまな芸術や運動の一大結節点となった「踊る身体」の宇宙論的表象を読み解きます。

“…… モダンダンスのユートピア志向が、詩の世界を超えて、さらに同時期の社会改良運動やファシズムにおける集団的身体と深く結びついていたことを照らしだす。ヘレラウやアスコーナといった山岳リゾートに現れた、芸術を核とする「新しい共同体」が、その交流の場となっていた事情が明らかにされ、ワイマール時代の熱狂的ダンス・ブームが都市文化と全体主義イデオロギーの絡みあいの上に転変していくさまにも光があてられる。……3人のユダヤ系女性詩人を論じた第Ⅲ部では、逆に、ナチ支配のもとで負の刻印を押された身体が、理想主義的に昇華されず、生々しく傷ついたものとして世界に突きつけられる三様の舞踊イメージが論じられる。アウシュヴィッツに送られ消息を絶ったゲルトルート・コルマルの章がとりわけ印象に残った。……”(「読売新聞」2007年2月25日付、第25面)

山口庸子 著
価格 5,200円
A5判・上製・390頁
ISBN978-4-8158-0550-0 C3073
在庫有り


『月刊中国図書』 [第19巻第1号、2007年1月] から(評者:二階堂善弘氏)

モンゴル時代の出版文化

モンゴル時代の出版文化

宮紀子著『モンゴル時代の出版文化』が、『月刊中国図書』(第19巻第1号、2007年1月、内山書店発行)で紹介されました。これまで「暗黒時代」とされてきたモンゴル時代(元朝)の文化政策と出版活動を、東アジアへの広範な影響も視野にいれ、多領域にわたる一次資料にもとづきながら、書物・言語・挿絵・地図等にそくして再検討、漢文化とイスラームの知識が融合し、かつてない活況を呈した時代の実像を描きだします。

宮 紀子 著
税込10,450円/本体9,500円
A5判・上製・754頁
ISBN978-4-8158-0526-5 C3022
在庫有り


「中日新聞」 [2007年1月16日付] から

踊る身体の詩学
モデルネの舞踊表象

踊る身体の詩学

山口庸子著『踊る身体の詩学』が、「中日新聞」(2007年1月16日付)で紹介されました。新しく、根源的なもののイメージとしてのダンス。—— ダンカンやヴィグマンら舞踊家たちと、ニーチェ、リルケからユダヤ系女性詩人にいたる文学者たちとの交点で、言語と身体、全体性や聖性をめぐる想像力の爆発的展開を捉え、20世紀にさまざまな芸術や運動の一大結節点となった「踊る身体」の宇宙論的表象を読み解きます。

山口庸子 著
価格 5,200円
A5判・上製・390頁
ISBN978-4-8158-0550-0 C3073
在庫有り


『論座』 [2007年1月号、「2006年 わたしが選んだこの3冊」] から(評者:長山靖生氏)

感覚の近代
声・身体・表象

感覚の近代

坪井秀人著『感覚の近代』が、『論座』(2007年1月号、朝日新聞社発行)で紹介されました。公と私のあわいに浮かびあがる〈感覚〉という問題系をとらえ、眼差す・触れる・嗅ぐことから歌い踊る身体まで、日本の近代化のなかで変容していく感覚表象を通じて、文学・映画・写真・歌謡・舞踊など様々な芸術ジャンルを、文化的=政冶的文脈に再配置しつつ横断的に読み解く新たな批評の実践。

“近代以降の文学表現のなかで、身体感覚はいかに意識され、表現されてきたか。…… 視覚、触覚、嗅覚、聴覚といった人間の感覚の側からの追究はもちろんのこと、映画やラジオといった新時代の機械文明の側からの接触についても、細かな検証がなされてゆく。扱われている作家も、中原中也、柳田國男、村山知義、太宰治、高村光太郎といった比較的メジャーな対象から、海野十三のような戦前の科学小説家、さらには綴り方や雑誌への投稿文、唱歌にいたるまでと幅広い。……”(p.300)

坪井秀人 著
価格 5,400円
A5判・上製・548頁
ISBN978-4-8158-0533-3 C3095
在庫有り


『東洋史研究』 [第65巻第3号、2006年12月] から(評者:高橋文治氏)

モンゴル時代の出版文化

モンゴル時代の出版文化

宮紀子著『モンゴル時代の出版文化』が、『東洋史研究』(第65巻第3号、2006年12月、東洋史研究会発行)で紹介されました。これまで「暗黒時代」とされてきたモンゴル時代(元朝)の文化政策と出版活動を、東アジアへの広範な影響も視野にいれ、多領域にわたる一次資料にもとづきながら、書物・言語・挿絵・地図等にそくして再検討、漢文化とイスラームの知識が融合し、かつてない活況を呈した時代の実像を描きだします。

宮 紀子 著
税込10,450円/本体9,500円
A5判・上製・754頁
ISBN978-4-8158-0526-5 C3022
在庫有り


JAPANESE BOOK NEWS [第50号、2006年冬] から

感覚の近代
声・身体・表象

感覚の近代

坪井秀人著『感覚の近代』が、JAPANESE BOOK NEWS(第50号、2006年冬、国際交流基金発行)で紹介されました。公と私のあわいに浮かびあがる〈感覚〉という問題系をとらえ、眼差す・触れる・嗅ぐことから歌い踊る身体まで、日本の近代化のなかで変容していく感覚表象を通じて、文学・映画・写真・歌謡・舞踊など様々な芸術ジャンルを、文化的=政冶的文脈に再配置しつつ横断的に読み解く新たな批評の実践。

坪井秀人 著
価格 5,400円
A5判・上製・548頁
ISBN978-4-8158-0533-3 C3095
在庫有り


『日本近代文学』 [第75集、2006年11月] から(評者:中山昭彦氏)

感覚の近代
声・身体・表象

感覚の近代

坪井秀人著『感覚の近代』が、『日本近代文学』(第75集、2006年11月、日本近代文学会発行)で紹介されました。公と私のあわいに浮かびあがる〈感覚〉という問題系をとらえ、眼差す・触れる・嗅ぐことから歌い踊る身体まで、日本の近代化のなかで変容していく感覚表象を通じて、文学・映画・写真・歌謡・舞踊など様々な芸術ジャンルを、文化的=政冶的文脈に再配置しつつ横断的に読み解く新たな批評の実践。

坪井秀人 著
価格 5,400円
A5判・上製・548頁
ISBN978-4-8158-0533-3 C3095
在庫有り


『論座』 [2006年9月号] から(評者:佐藤健二氏)

感覚の近代
声・身体・表象

感覚の近代

坪井秀人著『感覚の近代』が、『論座』(2006年9月号、朝日新聞社発行)で紹介されました。公と私のあわいに浮かびあがる〈感覚〉という問題系をとらえ、眼差す・触れる・嗅ぐことから歌い踊る身体まで、日本の近代化のなかで変容していく感覚表象を通じて、文学・映画・写真・歌謡・舞踊など様々な芸術ジャンルを、文化的=政冶的文脈に再配置しつつ横断的に読み解く新たな批評の実践。

“…… この一冊に詞華集の味わいを与えているのは、その種の言葉の表に現れた技量ではない。具体的な歌謡や朗読の史実を論じているようでいて、むしろ消え残る「響きのなごり」と「共鳴」の見えない力に希望を託す、著者坪井秀人の「悲しいけれど自由」なまなざしそのものが、じつは研ぎ澄まされた詩人のものだからだろう。…… 野心的な著作である。「感覚」という「まさにすぐれて政治的な問題系」が、一見ばらばらな論考の諸編を貫いている。…… われらが近代における感覚の曲折の歴史をたどり、「視覚中心主義の体制」が生じてきた文化の文脈を問う。そのことによって、文学研究もまた書かれたテクストの特権化において自ら病んだ、「異種混淆的であるべき文化領域を細分化して個別ジャンルの専門的知見をもてあそぶ類のフェティシズム的快楽」から距離を取ろうという。意欲的な現状批判であり、文学史への挑戦である。……”(p.308)

坪井秀人 著
価格 5,400円
A5判・上製・548頁
ISBN978-4-8158-0533-3 C3095
在庫有り


『昭和文学研究』 [第53集、2006年9月] から(評者:澤正宏氏)

感覚の近代
声・身体・表象

感覚の近代

坪井秀人著『感覚の近代』が、『昭和文学研究』(第53集、2006年9月、昭和文学会発行)で紹介されました。公と私のあわいに浮かびあがる〈感覚〉という問題系をとらえ、眼差す・触れる・嗅ぐことから歌い踊る身体まで、日本の近代化のなかで変容していく感覚表象を通じて、文学・映画・写真・歌謡・舞踊など様々な芸術ジャンルを、文化的=政冶的文脈に再配置しつつ横断的に読み解く新たな批評の実践。

坪井秀人 著
価格 5,400円
A5判・上製・548頁
ISBN978-4-8158-0533-3 C3095
在庫有り


『UP』 [2006年8月号、第406号] から(評者:成田龍一氏)

感覚の近代
声・身体・表象

感覚の近代

坪井秀人著『感覚の近代』が、『UP』(2006年8月号、第406号、東京大学出版会発行)で紹介されました。公と私のあわいに浮かびあがる〈感覚〉という問題系をとらえ、眼差す・触れる・嗅ぐことから歌い踊る身体まで、日本の近代化のなかで変容していく感覚表象を通じて、文学・映画・写真・歌謡・舞踊など様々な芸術ジャンルを、文化的=政冶的文脈に再配置しつつ横断的に読み解く新たな批評の実践。

“…… 個々の論文はなによりも手堅さを感じさせ、慎重にテクストが選択され、テクストを取り巻く文脈がていねいに分析される。同時に、個々の論文の集成により、「感覚の近代」の問題領域とその論理があきらかにされ、多方面から感覚に言及し、さまざまな文脈からの論点が相互に響きあい、反響しあっている。
また、本書では、詩や小説などの文学作品が基本的な資料として用いられているが、写真、映画や(譜面を用いての)音楽が取り上げられ、意図的に資料の横断がなされている。東京の都市空間を論じたときに、石川天涯『東京学』を持ち出すのは常套であるが、レコードやラジオ、テレビなどのあらたなテクノロジーに注目して、近代性のもとでの感覚が重ねて考察される。……”(p.52)

坪井秀人 著
価格 5,400円
A5判・上製・548頁
ISBN978-4-8158-0533-3 C3095
在庫有り


『図書新聞』 [2006年7月29日号、第2784号、特集「2006年上半期読書アンケート」] から(評者:安田敏朗氏)

感覚の近代
声・身体・表象

感覚の近代

坪井秀人著『感覚の近代』が、『図書新聞』(2006年7月29日号、第2784号、図書新聞発行)の特集「2006年上半期読書アンケート」で紹介されました。公と私のあわいに浮かびあがる〈感覚〉という問題系をとらえ、眼差す・触れる・嗅ぐことから歌い踊る身体まで、日本の近代化のなかで変容していく感覚表象を通じて、文学・映画・写真・歌謡・舞踊など様々な芸術ジャンルを、文化的=政冶的文脈に再配置しつつ横断的に読み解く新たな批評の実践。

“…… 近代日本における声や身体といった感覚をめぐる問題系がきわめて政治的であることが、あらためて示されている。”(第3面)

坪井秀人 著
価格 5,400円
A5判・上製・548頁
ISBN978-4-8158-0533-3 C3095
在庫有り


『週刊読書人』 [2006年7月28日号、特集「2006年上半期の収穫から 40人へのアンケート」] から(評者:石原千秋氏、中村三春氏)

感覚の近代
声・身体・表象

感覚の近代

坪井秀人著『感覚の近代』が、『週刊読書人』(2006年7月28日号、読書人発行)の特集「2006年上半期の収穫から 40人へのアンケート」で紹介されました。公と私のあわいに浮かびあがる〈感覚〉という問題系をとらえ、眼差す・触れる・嗅ぐことから歌い踊る身体まで、日本の近代化のなかで変容していく感覚表象を通じて、文学・映画・写真・歌謡・舞踊など様々な芸術ジャンルを、文化的=政冶的文脈に再配置しつつ横断的に読み解く新たな批評の実践。

“第1部は主に近代文学が身体感覚をいかに書いたかを論じた論考がまとめられているが、いっそう刺激的なのが第2部で、近代の日本人が体全体を使って国家に共振してしまった様相が、様々な角度から論じられている。……”(石原千秋氏)
“…… 視覚・指先・肌・映画・匂い・声などの感覚を追い、近代の文化構造へと迫って秀逸である。坪井『声の祝祭 日本近代詩と戦争』からの展開も含む。情報量多く、この分野に関する1冊本の事典としても使えそう。”(中村三春氏)

坪井秀人 著
価格 5,400円
A5判・上製・548頁
ISBN978-4-8158-0533-3 C3095
在庫有り


『図書新聞』 [2006年7月22日号] から(評者:小澤純氏)

感覚の近代
声・身体・表象

感覚の近代

坪井秀人著『感覚の近代』が、『図書新聞』(2006年7月22日号、図書新聞発行)で紹介されました。公と私のあわいに浮かびあがる〈感覚〉という問題系をとらえ、眼差す・触れる・嗅ぐことから歌い踊る身体まで、日本の近代化のなかで変容していく感覚表象を通じて、文学・映画・写真・歌謡・舞踊など様々な芸術ジャンルを、文化的=政冶的文脈に再配置しつつ横断的に読み解く新たな批評の実践。

坪井秀人 著
価格 5,400円
A5判・上製・548頁
ISBN978-4-8158-0533-3 C3095
在庫有り


『出版ニュース』 [2006年6月上旬号] から

感覚の近代
声・身体・表象

感覚の近代

坪井秀人著『感覚の近代』が、『出版ニュース』(2006年6月上旬号、出版ニュース社発行)で紹介されました。公と私のあわいに浮かびあがる〈感覚〉という問題系をとらえ、眼差す・触れる・嗅ぐことから歌い踊る身体まで、日本の近代化のなかで変容していく感覚表象を通じて、文学・映画・写真・歌謡・舞踊など様々な芸術ジャンルを、文化的=政冶的文脈に再配置しつつ横断的に読み解く新たな批評の実践。

“…… 永井荷風から柳田国男、江戸川乱歩、さらには三島由紀夫といった多彩な人々の作品が「感覚表象」という観点で比較されていることは面白い試みである。視覚中心主義がどのような文化的、政治的文脈から生まれてきたのかを探る考察も興味深く、かつ面白い。”(p.23)

坪井秀人 著
価格 5,400円
A5判・上製・548頁
ISBN978-4-8158-0533-3 C3095
在庫有り


『歴史と地理』 [2006年5月号、第594号] から(評者:塚原直人氏)

寛容の文化
ムスリム、ユダヤ人、キリスト教徒の中世スペイン

寛容の文化

マリア・ロサ・メノカル著/足立孝訳『寛容の文化』が、『歴史と地理』(2006年5月号、第594号、山川出版社)で紹介されました。「世界の宝飾」と呼ばれた輝ける土地の記憶 ——。700年以上にわたる三宗教の共存のただなかで形成された「寛容の文化」を、美しいタペストリーを織り上げるかのごとく再構成し、地中海・ヨーロッパ世界の歴史と文化の新たな相貌を浮かび上がらせる。それが今日の世界に示唆するものは、われわれの心をゆさぶらずにはおかないであろう。

“…… 本書を読むと、レコンキスタを、ステレオタイプなイスラームとキリスト教徒の対立抗争とみることの愚かしさを感じさせられる。トレードを「奪還」したカスティーリャ人が建てたサン・ロマン教会はアラビア語の碑文で装飾され、彼らのイスラーム文化への敬意を具現している。一方、彼らキリスト教徒は、アラビア語で聖体拝領を行う独自な伝統を保持していたが、西欧世界との接触のなかで勢力を浸透させてきたクリュニーの典礼改革と緊張関係を続けることになる。そのクリュニー修道院長ピエールは、12世紀半ば、アラビア語文献の翻訳者を求めてアンダルスを訪れている。彼はムスリムとユダヤ人を「啓典の民」と認識し、十字軍に反対していたのであった。そして1492年1月2日、アルハンブラの占領に向かったカトリック両王が纏っていたのは、最上級のモーロ風の衣服であった。やがてムスリムとユダヤ人を追放することになる二人もまた、「寛容の文化」の末裔なのであった。
2001年9月11日後の、不寛容と不寛容がぶつかり合う世界をみるとき、本書の持つきわめて今日的なメッセージをどう受けとめていくのか考える必要があろう。”(『歴史と地理』2006年5月号、p.63)

マリア・ロサ・メノカル 著
足立 孝 訳
価格 3,800円
A5判・上製・336頁
ISBN978-4-8158-0518-0 C3022
在庫有り


『歴史と地理』 [2006年5月号、第594号] から(評者:高津孝氏)

中国出版文化史
書物世界と知の風景

中国出版文化史

井上進著『中国出版文化史』が、『歴史と地理』(2006年5月号、第594号、山川出版社)で紹介されました。春秋時代の書籍成立から印刷本の誕生をへて明末の書物普及までの、二千年にわたる書物の文化史。書物を作る・売る・読む・蔵する等、さまざまな相に光をあてるとともに、知のあり方はもちろん、帝国の政策やイデオロギーとの関係など、政治・社会との相互作用に注目し、全体像を描き出します。

“…… 本書で最も精彩を放っているのが、明代の部分で、学術史の展開と出版史の相関関係を論じて圧巻である。どのような書物も単に出版されたのではなく、ある社会的、文化的要請のもとに出版された。著者は、それを朱子学の自己展開としての明代思想の動向を論じつつ、具体的に叙述している。…… 中国思想史のダイナミックな自己展開のなかに、中国出版史の動向が位置づけられ、鮮やかである。……”(『歴史と地理』2006年5月号、pp.36-37)

井上 進 著
価格 4,800円
A5判・上製・398頁
ISBN978-4-8158-0420-6 C3022
在庫有り


「徳島新聞」 [2006年4月25日付] から(評者:葭森健介氏)

モンゴル時代の出版文化

モンゴル時代の出版文化

宮紀子著『モンゴル時代の出版文化』が、「徳島新聞」(2006年4月25日付)で紹介されました。これまで「暗黒時代」とされてきたモンゴル時代(元朝)の文化政策と出版活動を、東アジアへの広範な影響も視野にいれ、多領域にわたる一次資料にもとづきながら、書物・言語・挿絵・地図等にそくして再検討、漢文化とイスラームの知識が融合し、かつてない活況を呈した時代の実像を描きだします。

宮 紀子 著
税込10,450円/本体9,500円
A5判・上製・754頁
ISBN978-4-8158-0526-5 C3022
在庫有り


「日本経済新聞」 [2006年4月23日付] から(評者:樋口覚氏)

感覚の近代
声・身体・表象

感覚の近代

坪井秀人著『感覚の近代』が、「日本経済新聞」(2006年4月23日付)読書欄で紹介されました。公と私のあわいに浮かびあがる〈感覚〉という問題系をとらえ、眼差す・触れる・嗅ぐことから歌い踊る身体まで、日本の近代化のなかで変容していく感覚表象を通じて、文学・映画・写真・歌謡・舞踊など様々な芸術ジャンルを、文化的=政冶的文脈に再配置しつつ横断的に読み解く新たな批評の実践。

“……「猫」の観相学はガルの骨相学同様、視覚優位の鑑別であり性格判断だが、近代の紋切り型の五感の秩序を著者は切り崩し、新たな観点から嗅覚という微妙な「感覚」について詳しく論じている。匂いこそもっともはかなく、一過性のものである点では「音」に似ており、ボードレールが「夕暮の階調」とともに讃えた香水だが、その反面の巨大都市の悪臭や体臭の問題にまで筆は及んでいる。”

坪井秀人 著
価格 5,400円
A5判・上製・548頁
ISBN978-4-8158-0533-3 C3095
在庫有り


「東京新聞・中日新聞」 [2006年4月16日付] から(評者:高橋世織氏)

感覚の近代
声・身体・表象

感覚の近代

坪井秀人著『感覚の近代』が、「東京新聞・中日新聞」(2006年4月16日付)読書欄で紹介されました。公と私のあわいに浮かびあがる〈感覚〉という問題系をとらえ、眼差す・触れる・嗅ぐことから歌い踊る身体まで、日本の近代化のなかで変容していく感覚表象を通じて、文学・映画・写真・歌謡・舞踊など様々な芸術ジャンルを、文化的=政冶的文脈に再配置しつつ横断的に読み解く新たな批評の実践。

“…… 一人の詩人研究から翼を広げて、本書のように近代の思想や言語、身体感覚、メディア、芸術などを包括、横断する場へと大きく踏み出していける者はざらにはいない。…… 最終章「民謡の近代と戦後 —— 国民主義とメディア」は、著者の持ち味と力量が遺憾なく発揮されていて圧巻。田中角栄『日本列島改造論』を軸に、同時期進行のNHK番組「新日本紀行」と「プロジェクトX」との比較検証を枕に、「五木の子守唄」とメディア、盆踊りの起源、「家庭踊と皇室」など興味深いトピックスへと繋げていく手際も読み所だ。「感覚とはまさにすぐれて政治的な問題系」である、と洩らされたスタンスからも明瞭なように、本書は浩瀚のみならず気骨さえも感じられ、手応えがあった。”

坪井秀人 著
価格 5,400円
A5判・上製・548頁
ISBN978-4-8158-0533-3 C3095
在庫有り


「毎日新聞」 [2006年4月16日付] から(評者:張競氏)

感覚の近代
声・身体・表象

感覚の近代

坪井秀人著『感覚の近代』が、「毎日新聞」(2006年4月16日付)書評欄で紹介されました。公と私のあわいに浮かびあがる〈感覚〉という問題系をとらえ、眼差す・触れる・嗅ぐことから歌い踊る身体まで、日本の近代化のなかで変容していく感覚表象を通じて、文学・映画・写真・歌謡・舞踊など様々な芸術ジャンルを、文化的=政冶的文脈に再配置しつつ横断的に読み解く新たな批評の実践。

坪井秀人 著
価格 5,400円
A5判・上製・548頁
ISBN978-4-8158-0533-3 C3095
在庫有り


「山梨日日新聞」 [2006年4月2日付] から(評者:飯野正仁氏)

感覚の近代
声・身体・表象

感覚の近代

坪井秀人著『感覚の近代』が、「山梨日日新聞」(2006年4月2日付)書評欄で紹介されました。公と私のあわいに浮かびあがる〈感覚〉という問題系をとらえ、眼差す・触れる・嗅ぐことから歌い踊る身体まで、日本の近代化のなかで変容していく感覚表象を通じて、文学・映画・写真・歌謡・舞踊など様々な芸術ジャンルを、文化的=政冶的文脈に再配置しつつ横断的に読み解く新たな批評の実践。

坪井秀人 著
価格 5,400円
A5判・上製・548頁
ISBN978-4-8158-0533-3 C3095
在庫有り


「朝日新聞」 [2006年4月2日付] から

モンゴル時代の出版文化

モンゴル時代の出版文化

宮紀子著『モンゴル時代の出版文化』が、「朝日新聞」(2006年4月2日付)で紹介されました。これまで「暗黒時代」とされてきたモンゴル時代(元朝)の文化政策と出版活動を、東アジアへの広範な影響も視野にいれ、多領域にわたる一次資料にもとづきながら、書物・言語・挿絵・地図等にそくして再検討、漢文化とイスラームの知識が融合し、かつてない活況を呈した時代の実像を描きだします。

宮 紀子 著
税込10,450円/本体9,500円
A5判・上製・754頁
ISBN978-4-8158-0526-5 C3022
在庫有り


『史学雑誌』 [2006年4月号、第115編第4号] から(評者:黒田祐我氏)

寛容の文化
ムスリム、ユダヤ人、キリスト教徒の中世スペイン

寛容の文化

マリア・ロサ・メノカル著/足立孝訳『寛容の文化』が、『史学雑誌』(2006年4月号、第115編第4号、史学会)で紹介されました。「世界の宝飾」と呼ばれた輝ける土地の記憶 ——。700年以上にわたる三宗教の共存のただなかで形成された「寛容の文化」を、美しいタペストリーを織り上げるかのごとく再構成し、地中海・ヨーロッパ世界の歴史と文化の新たな相貌を浮かび上がらせる。それが今日の世界に示唆するものは、われわれの心をゆさぶらずにはおかないであろう。

“…… 著者の専門である文学や詩歌をめぐる主張は、説得力と気迫に満ち満ちており、読者の心を揺さぶらずにはおかない。中世スペイン史研究者以外にはあまり知られていない刺激的な逸話を盛り込みつつ、西洋史とイスラーム史の橋渡しとしての役割をも巧みに果たしている。そして本書の最大の特色は全編を通じての表現の卓越さにある。その意味で原文の躍動感を全く損なわず、いやむしろより流麗ですらある文章に昇華させた訳者の力量に驚嘆するほかない。読書を楽しみつつも、ある人は有益な教訓を、ある人は賛否いずれにせよ議論の題材もしくは出発点を本書に見出すことであろう。”(『史学雑誌』2006年4月号、pp.123-124)

マリア・ロサ・メノカル 著
足立 孝 訳
価格 3,800円
A5判・上製・336頁
ISBN978-4-8158-0518-0 C3022
在庫有り


「中日新聞」 [2006年3月27日付] から

モンゴル時代の出版文化

モンゴル時代の出版文化

宮紀子著『モンゴル時代の出版文化』が、「中日新聞」(2006年3月27日付)で紹介されました。これまで「暗黒時代」とされてきたモンゴル時代(元朝)の文化政策と出版活動を、東アジアへの広範な影響も視野にいれ、多領域にわたる一次資料にもとづきながら、書物・言語・挿絵・地図等にそくして再検討、漢文化とイスラームの知識が融合し、かつてない活況を呈した時代の実像を描きだします。

宮 紀子 著
税込10,450円/本体9,500円
A5判・上製・754頁
ISBN978-4-8158-0526-5 C3022
在庫有り


「京都新聞」 [2006年2月5日付] 他から

モンゴル時代の出版文化

モンゴル時代の出版文化

宮紀子著『モンゴル時代の出版文化』が、「京都新聞」(2006年2月5日付)他計7地方紙で紹介されました。これまで「暗黒時代」とされてきたモンゴル時代(元朝)の文化政策と出版活動を、東アジアへの広範な影響も視野にいれ、多領域にわたる一次資料にもとづきながら、書物・言語・挿絵・地図等にそくして再検討、漢文化とイスラームの知識が融合し、かつてない活況を呈した時代の実像を描きだします。[山陰中央新報:2006年2月3日付、京都新聞・愛媛新聞・宮崎日日新聞:2006年2月5日付、日本海新聞:2006年2月9日付、埼玉新聞:2006年2月19日付、新潟日報:2006年2月26日付]

宮 紀子 著
税込10,450円/本体9,500円
A5判・上製・754頁
ISBN978-4-8158-0526-5 C3022
在庫有り


「信濃毎日新聞」 [2006年2月5日付] から

モンゴル時代の出版文化

モンゴル時代の出版文化

宮紀子著『モンゴル時代の出版文化』が、「信濃毎日新聞」(2006年2月5日付)で紹介されました。これまで「暗黒時代」とされてきたモンゴル時代(元朝)の文化政策と出版活動を、東アジアへの広範な影響も視野にいれ、多領域にわたる一次資料にもとづきながら、書物・言語・挿絵・地図等にそくして再検討、漢文化とイスラームの知識が融合し、かつてない活況を呈した時代の実像を描きだします。

宮 紀子 著
税込10,450円/本体9,500円
A5判・上製・754頁
ISBN978-4-8158-0526-5 C3022
在庫有り


『出版ニュース』 [2005年11月上旬号] から

寛容の文化
ムスリム、ユダヤ人、キリスト教徒の中世スペイン

寛容の文化

マリア・ロサ・メノカル著/足立孝訳『寛容の文化』が、『出版ニュース』(2005年11月上旬号)で紹介されました。「世界の宝飾」と呼ばれた輝ける土地の記憶 ——。700年以上にわたる三宗教の共存のただなかで形成された「寛容の文化」を、美しいタペストリーを織り上げるかのごとく再構成し、地中海・ヨーロッパ世界の歴史と文化の新たな相貌を浮かび上がらせる。それが今日の世界に示唆するものは、われわれの心をゆさぶらずにはおかないであろう。

“…… アメリカで出版されると宗教対立が渦巻く国際情勢を解決し、異文化共存のあり方を探る書として大きな話題を集めたという。”(『出版ニュース』2005年11月上旬号、p.22)

マリア・ロサ・メノカル 著
足立 孝 訳
価格 3,800円
A5判・上製・336頁
ISBN978-4-8158-0518-0 C3022
在庫有り


読売新聞 [2005年11月6日付] から(評者:池内恵氏)

寛容の文化
ムスリム、ユダヤ人、キリスト教徒の中世スペイン

寛容の文化

マリア・ロサ・メノカル著/足立孝訳『寛容の文化』が、「読売新聞」(2005年11月6日付)で紹介されました。「世界の宝飾」と呼ばれた輝ける土地の記憶 ——。700年以上にわたる三宗教の共存のただなかで形成された「寛容の文化」を、美しいタペストリーを織り上げるかのごとく再構成し、地中海・ヨーロッパ世界の歴史と文化の新たな相貌を浮かび上がらせる。それが今日の世界に示唆するものは、われわれの心をゆさぶらずにはおかないであろう。

“…… アンダルスは失われてなお(失われたからこそ?)欧米の人文主義的知識人の間で憧憬と哀惜の念を込めて振り返られてきた。本書にはアンダルス追想のエッセンスが凝縮されている。近年に欧米の知識人サークルでイスラーム世界との知的交流を図る際には「新しいアンダルスの創設」が合言葉のようになっている。アラブ諸国でも近代派・親西欧派知識人の間には、アンダルスの知的系譜にこそイスラーム文明の中から近代化を達成する萌芽があったはずだ、と思想史を読み替えていく動きがある。著者は知的好奇心と文学的興趣に応えるだけでなく、異なる価値規範を奉じた人間集団の間に共存の道を見出すという現代の国際政治の最重要課題にも提言を図っている。”(「読売新聞」2005年11月6日付、第12面から)

マリア・ロサ・メノカル 著
足立 孝 訳
価格 3,800円
A5判・上製・336頁
ISBN978-4-8158-0518-0 C3022
在庫有り


毎日新聞 [2005年10月9日付] から(評者:富山太佳夫氏)

寛容の文化
ムスリム、ユダヤ人、キリスト教徒の中世スペイン

寛容の文化

マリア・ロサ・メノカル著/足立孝訳『寛容の文化』が、「毎日新聞」(2005年10月9日付)で紹介されました。「世界の宝飾」と呼ばれた輝ける土地の記憶 ——。700年以上にわたる三宗教の共存のただなかで形成された「寛容の文化」を、美しいタペストリーを織り上げるかのごとく再構成し、地中海・ヨーロッパ世界の歴史と文化の新たな相貌を浮かび上がらせる。それが今日の世界に示唆するものは、われわれの心をゆさぶらずにはおかないであろう。

“…… 当然と言うべきなのか、それとも歴史の教訓とはこういうものと納得すべきなのか、中世のアンダルスの歴史のうちに、アメリカ帝国が世界にのさばるわれわれの時代の直面する難問を解決しようともがいたひとつの例がすけて見てるような気さえしてくる。
「ムスリムは、現代の世俗的なヨーロッパ諸国家に統合されうるだろうか。原理主義的なキリスト教徒は、彼らの子供たちを信仰の教育と同じく理性の教育に、聖書上の真実と同じく進化論的な諸理論に触れさせるべきだろうか。カトリックのクロアチア人、正教のセルビア人、ムスリムのボスニア人はバルカン半島で共存できるだろうか。寛容と不寛容はどうしたら並び立つことができるだろうか」。アメリカの研究者マリア・ロサ・メノカルはそうした問題意識を抱えながら、さらには9・11以降の情勢をにらみながら、この本を書いている。
だからこそ、この本は生き生きとしているのだ。歴史の細部がそれ本来のかがやきを取り戻すのだ。アラビア語の書物の焚書を命じ、「最も圧政的な異端審問の時代」を演出したカルロス一世をめぐるエピソードにしても、その一例としてよいだろう。…… それだけではない。著者はアンダルスに形成された寛容の文化をふまえて、ボッカチオの『デカメロン』を、セルバンテスを、さらには現代の小説家ルシュディまでも読み直してみせる。『ドン・キホーテ』の背後にある歴史のある部分がこんなにも鮮やかに浮上してくるとは、まったくの予想外であった。”(「毎日新聞」2005年10月9日付、第9面から)

マリア・ロサ・メノカル 著
足立 孝 訳
価格 3,800円
A5判・上製・336頁
ISBN978-4-8158-0518-0 C3022
在庫有り


日本経済新聞 [2005年2月13日付] から

カラヴァッジョ
聖性とヴィジョン

カラヴァッジョ

宮下規久朗著『カラヴァッジョ』が、「日本経済新聞」(2005年2月13日付)で紹介されました。血と暴力に彩られた破滅的な生涯を送りながら、深い精神性と宗教性をたたえた作品によって時代を越えて人々の心を打つカラヴァッジョ。本書は、反宗教改革期イタリアの精神風土のなか、幻視のリアリズムを実現した「呪われた画家」の芸術の本質に迫る、わが国初の本格的著作です。

“…… 著者の立場は …… 画家の人生と作品を直線的に結びつける心理的、情緒的な解釈に偏ってはならないとする点にあり、例えば、切られた首と自画像を二重写しにした先例を取り上げ、画像の面から分析する論は「呪われた画家」といったレッテルだけでは理解できない一面を明らかにする。そうした客観的な視点からこの画家をめぐる諸問題を縦横に論じている。専門的な方法を駆使し、歴史的な細部に分け入る研究書だが、一方で、作品の宗教性、精神性と無頼の生き方との不思議な矛盾そのものが今日的な関心を引き寄せるのも本書の魅力だ。”(「日本経済新聞」2005年2月13日付、第24面から)

宮下規久朗 著
価格 4,800円
A5判・上製・450頁
ISBN978-4-8158-0499-2 C3071
在庫有り


読売新聞 [2005年1月30日付] から(評者:三浦篤氏)

カラヴァッジョ
聖性とヴィジョン

カラヴァッジョ

宮下規久朗著『カラヴァッジョ』が、「読売新聞」(2005年1月30日付)で紹介されました。血と暴力に彩られた破滅的な生涯を送りながら、深い精神性と宗教性をたたえた作品によって時代を越えて人々の心を打つカラヴァッジョ。本書は、反宗教改革期イタリアの精神風土のなか、幻視のリアリズムを実現した「呪われた画家」の芸術の本質に迫る、わが国初の本格的著作です。

“……「聖性とヴィジョン」という副題が示すように、本書はこの画家にとって最も重要な宗教画の在り方を真っ向から論じている。迫真的な現実表現で目を惹きつけながら深い精神性を喚起する絵画。リアルな幻視を通して真摯な宗教感情を呼び起こす、その画面の魅力と力が浮き彫りになる。
 同時代絵画との丹念な比較検討から、カラヴァッジョの特異性を指摘する作品分析は、美術史学の方法論の模範的な適用と言えよう。制作年代やコピー・レプリカなど微妙な問題に触れ、人物の身ぶり、絵の設置場所、晩年の作品に関しても卓見を示す。
 カラヴァッジョに関する本格的な研究書としては日本初。長年、研鑽を積み重ねた筆者の愛着や思い入れが伝わってくる。”(「読売新聞」2005年1月30日付、第13面から)

宮下規久朗 著
価格 4,800円
A5判・上製・450頁
ISBN978-4-8158-0499-2 C3071
在庫有り


『リテレール別冊19』 [2004年] から

疑似科学と科学の哲学

疑似科学と科学の哲学

伊勢田哲治著『疑似科学と科学の哲学』が、『リテレール別冊19』(2004年)で紹介されました。占星術、超能力研究、東洋医学、創造科学 ……… これらはなぜ「疑似科学」と言われるのだろうか。はたして疑似科学と科学の間に線は引けるのだろうか。科学のようで科学でない疑似科学を考察することを通して、「科学とは何か」を解き明かしてゆくユニークで真っ当な科学哲学入門。

“世間は「科学」と聞いて何を思うだろう。正しいもの。難しいもの。答えが一つで、間違うとバツをつけられるもの。あるいは、偉そうなことを言いながら、未解決の問題をたくさんかかえた情けないもの。そんな過剰な期待と故のない失望のなかで、「科学」とは人間のどのような営みかを知るのは案外に難しいものだ。疑似科学というキワモノ的な材料を使い、それと科学との間に違いはあるのかという逆説的なスタイルをとりながら、疑似科学とは違う「科学」の実相を伝えてくれる科学哲学の入門書。あれこれと科学論を読み散らした人にとっても、さまざまな科学論研究の流れを整理する本として好適だ。”(『リテレール別冊19』2004年)

伊勢田哲治 著
価格 2,800円
A5判・並製・288頁
ISBN978-4-8158-0453-4 C3010
在庫有り


『週刊読書人』 [2003年12月26日号、特集「2003年回顧」] から(評者:横山輝雄氏)

疑似科学と科学の哲学

疑似科学と科学の哲学

伊勢田哲治著『疑似科学と科学の哲学』が、『週刊読書人』(2003年12月26日号)の特集「2003年回顧」で紹介されました。占星術、超能力研究、東洋医学、創造科学 ……… これらはなぜ「疑似科学」と言われるのだろうか。はたして疑似科学と科学の間に線は引けるのだろうか。科学のようで科学でない疑似科学を考察することを通して、「科学とは何か」を解き明かしてゆくユニークで真っ当な科学哲学入門。

“…… 疑似科学と本当の科学をどうやって区別するかというポパーが提起した「境界設定」問題からはじめて、クーン以降の社会構成主義などから近年にいたる科学論の議論を概括し、科学方法論のさまざまな問題を議論したものであるが、類書があまりない中で貴重である。……”(『週刊読書人』2003年12月26日号)

伊勢田哲治 著
価格 2,800円
A5判・並製・288頁
ISBN978-4-8158-0453-4 C3010
在庫有り


『GQ』 [2003年第5号] から(評者:武田徹氏)

疑似科学と科学の哲学

疑似科学と科学の哲学

伊勢田哲治著『疑似科学と科学の哲学』が、『GQ』(2003年第5号)で紹介されました。占星術、超能力研究、東洋医学、創造科学 ……… これらはなぜ「疑似科学」と言われるのだろうか。はたして疑似科学と科学の間に線は引けるのだろうか。科学のようで科学でない疑似科学を考察することを通して、「科学とは何か」を解き明かしてゆくユニークで真っ当な科学哲学入門。

伊勢田哲治 著
価格 2,800円
A5判・並製・288頁
ISBN978-4-8158-0453-4 C3010
在庫有り


中日新聞 [2003年9月14日付] から(評者:柏木博氏)

中国出版文化史
書物世界と知の風景

中国出版文化史

井上進著『中国出版文化史』が、「中日新聞」(2003年9月14日付)で紹介されました。春秋時代の書籍成立から印刷本の誕生をへて明末の書物普及までの、二千年にわたる書物の文化史。書物を作る・売る・読む・蔵する等、さまざまな相に光をあてるとともに、知のあり方はもちろん、帝国の政策やイデオロギーとの関係など、政治・社会との相互作用に注目し、全体像を描き出します。

井上 進 著
価格 4,800円
A5判・上製・398頁
ISBN978-4-8158-0420-6 C3022
在庫有り


『Amelia』 [2003年6月号] から(評者:真崎義博氏)

疑似科学と科学の哲学

疑似科学と科学の哲学

伊勢田哲治著『疑似科学と科学の哲学』が、『Amelia』(2003年6月号)で紹介されました。占星術、超能力研究、東洋医学、創造科学 ……… これらはなぜ「疑似科学」と言われるのだろうか。はたして疑似科学と科学の間に線は引けるのだろうか。科学のようで科学でない疑似科学を考察することを通して、「科学とは何か」を解き明かしてゆくユニークで真っ当な科学哲学入門。

伊勢田哲治 著
価格 2,800円
A5判・並製・288頁
ISBN978-4-8158-0453-4 C3010
在庫有り


『日経サイエンス』 [2003年5月号] から(評者:菊池聡氏)

疑似科学と科学の哲学

疑似科学と科学の哲学

伊勢田哲治著『疑似科学と科学の哲学』が、『日経サイエンス』(2003年5月号)で紹介されました。占星術、超能力研究、東洋医学、創造科学 ……… これらはなぜ「疑似科学」と言われるのだろうか。はたして疑似科学と科学の間に線は引けるのだろうか。科学のようで科学でない疑似科学を考察することを通して、「科学とは何か」を解き明かしてゆくユニークで真っ当な科学哲学入門。

“…… 占星術と天文学、反進化論、超能力、代替医療などツボを押さえたわかりやすい例を豊富に取り上げながら、科学の特質を描き出した良質の科学哲学の入門書である。世の中の怪しげなものを批判するにせよ、受け入れるにせよ、ぜひ読んでおきたい。科学と疑似科学の境界設定が、いかに奥が深く、難しいかが理解できるだろう。……”(『日経サイエンス』2003年5月号)

伊勢田哲治 著
価格 2,800円
A5判・並製・288頁
ISBN978-4-8158-0453-4 C3010
在庫有り


『中央公論』 [2003年5月号] から(評者:石川文康氏)

疑似科学と科学の哲学

疑似科学と科学の哲学

伊勢田哲治著『疑似科学と科学の哲学』が、『中央公論』(2003年5月号)で紹介されました。占星術、超能力研究、東洋医学、創造科学 ……… これらはなぜ「疑似科学」と言われるのだろうか。はたして疑似科学と科学の間に線は引けるのだろうか。科学のようで科学でない疑似科学を考察することを通して、「科学とは何か」を解き明かしてゆくユニークで真っ当な科学哲学入門。

伊勢田哲治 著
価格 2,800円
A5判・並製・288頁
ISBN978-4-8158-0453-4 C3010
在庫有り


「朝日新聞」 [2003年3月9日付] から(評者:坂村健氏)

疑似科学と科学の哲学

疑似科学と科学の哲学

伊勢田哲治著『疑似科学と科学の哲学』が、「朝日新聞」(2003年3月9日付)で紹介されました。占星術、超能力研究、東洋医学、創造科学 ……… これらはなぜ「疑似科学」と言われるのだろうか。はたして疑似科学と科学の間に線は引けるのだろうか。科学のようで科学でない疑似科学を考察することを通して、「科学とは何か」を解き明かしてゆくユニークで真っ当な科学哲学入門。

“……「科学とは客観的な営み」などという神話を信じている人は、本書にまずショックを受けるだろう。「科学と疑似科学」など簡単に峻別できると考える向きは科学者にも多いが、この問題を安易に考えていると足をすくわれるという例がどんどん出てくるからだ。科学もやはり人間の営みであり、豊かな境界領域をもつ。そこに単純な二分法を当てはめようとするから、「迷信でないなら科学だ」という話になってしまう。それらしい実験を見せられて一転超能力を信じてしまうなどというのは、そういう科学者のナイーブさのゆえだ。といって「絶対的な科学も非科学もなく、すべては社会により決まる」なども暴論であろう。
本書は科学哲学の本だが、占星術や超能力といった身近(?)な例をベースにしているため親しみやすく、そこはかとないユーモアも漂っているところがいい。……「疑似科学」を否定できなくて悩んでいる科学者だけでなく、「疑似科学」さらには「相対主義」についてのスタンスを決めかねている多くの人、さらには「疑似科学」を信じている人にぜひ読んで欲しい本である。”(「朝日新聞」2003年3月9日付)

伊勢田哲治 著
価格 2,800円
A5判・並製・288頁
ISBN978-4-8158-0453-4 C3010
在庫有り


朝日新聞 [2003年2月9日付] から(評者:津野海太郎氏)

中国出版文化史
書物世界と知の風景

中国出版文化史

井上進著『中国出版文化史』が、「朝日新聞」(2003年2月9日付)で紹介されました。春秋時代の書籍成立から印刷本の誕生をへて明末の書物普及までの、二千年にわたる書物の文化史。書物を作る・売る・読む・蔵する等、さまざまな相に光をあてるとともに、知のあり方はもちろん、帝国の政策やイデオロギーとの関係など、政治・社会との相互作用に注目し、全体像を描き出します。

井上 進 著
価格 4,800円
A5判・上製・398頁
ISBN978-4-8158-0420-6 C3022
在庫有り


「中日新聞」 [2003年2月6日付] から

疑似科学と科学の哲学

疑似科学と科学の哲学

伊勢田哲治著『疑似科学と科学の哲学』が、「中日新聞」(2003年2月6日付、市民欄)で紹介されました。占星術、超能力研究、東洋医学、創造科学 ……… これらはなぜ「疑似科学」と言われるのだろうか。はたして疑似科学と科学の間に線は引けるのだろうか。科学のようで科学でない疑似科学を考察することを通して、「科学とは何か」を解き明かしてゆくユニークで真っ当な科学哲学入門。

伊勢田哲治 著
価格 2,800円
A5判・並製・288頁
ISBN978-4-8158-0453-4 C3010
在庫有り


「毎日新聞」 [2003年1月19日付] から(評者:小西聖子氏)

疑似科学と科学の哲学

疑似科学と科学の哲学

伊勢田哲治著『疑似科学と科学の哲学』が、「毎日新聞」(2003年1月19日付)で紹介されました。占星術、超能力研究、東洋医学、創造科学 ……… これらはなぜ「疑似科学」と言われるのだろうか。はたして疑似科学と科学の間に線は引けるのだろうか。科学のようで科学でない疑似科学を考察することを通して、「科学とは何か」を解き明かしてゆくユニークで真っ当な科学哲学入門。

“…… 疑似科学を分析の対象とすることで、科学哲学について基本的な解説をする、というやり方をとった。ワインの説明をするために、ぶどうジュースや梅酒がどれくらいワインに似てて、どこが違うのか考えるというわけですね。それを具体的に検討しながら、コペルニクスやニュートンの科学的発見と神秘主義の話、ダーウィンの進化論に関わる論争、ヒューム、ポパーからクーンのパラダイム論とその後まで親切に解説していく。……”(「毎日新聞」2003年1月19日付)

伊勢田哲治 著
価格 2,800円
A5判・並製・288頁
ISBN978-4-8158-0453-4 C3010
在庫有り


「読売新聞」 [2003年1月19日付] から(評者:三浦俊彦氏)

疑似科学と科学の哲学

疑似科学と科学の哲学

伊勢田哲治著『疑似科学と科学の哲学』が、「読売新聞」(2003年1月19日付)で紹介されました。占星術、超能力研究、東洋医学、創造科学 ……… これらはなぜ「疑似科学」と言われるのだろうか。はたして疑似科学と科学の間に線は引けるのだろうか。科学のようで科学でない疑似科学を考察することを通して、「科学とは何か」を解き明かしてゆくユニークで真っ当な科学哲学入門。

“哲学の諸分野の中でいま最も活況を呈しているのは、科学を対象とした「科学哲学」だろう。その中でも根本的なのが本書のテーマ「線引き問題」。科学と科学でないものとの間にどうやって一線を引くのか、という大難問だ。
その手掛かりとして本書は、あえて「疑似科学」を考察対象に据える。この戦略は見事というほかない。「トンデモ科学」の愛称で流布する諸々の言説が、いかなる点で科学になりそこねているかを分析することで、自ずと「科学」の本質を浮かび上がらせる仕掛けである。…… 現在の哲学業界に林立する20以上の学説を総動員して科学-疑似科学の線引き基準を探ってゆく論述は壮観にして明晰、スリルに満ちている。……
社会と科学の関係に目を転じた第4、5章は、政策決定者にぜひ読んでほしい教訓的な考察が満載。たとえば、ソ連の農業を遅らせる原因となったルイセンコ事件と、水俣病事件への日本政府の対応との比較から、科学的合理性と意志決定は必ずしも一致すべきでないことがわかるという。そのズレに対しても、期待効用にもとづいた統一的見通しが与えられている。
オーソドックスな啓蒙性、適度にくだけた文体、鮮やかな実例、豊富な文献表。「良書」とはまさにこのような本のことを言うのだろう。”(「読売新聞」2003年1月19日付)

伊勢田哲治 著
価格 2,800円
A5判・並製・288頁
ISBN978-4-8158-0453-4 C3010
在庫有り


読売新聞 [2002年12月22日付] から(評者:氏家幹人氏)

中国出版文化史
書物世界と知の風景

中国出版文化史

井上進著『中国出版文化史』が、「読売新聞」(2002年12月22日付)読書欄の特集「2002年 私のベスト3」で紹介されました。春秋時代の書籍成立から印刷本の誕生をへて明末の書物普及までの、二千年にわたる書物の文化史。書物を作る・売る・読む・蔵する等、さまざまな相に光をあてるとともに、知のあり方はもちろん、帝国の政策やイデオロギーとの関係など、政治・社会との相互作用に注目し、全体像を描き出します。

井上 進 著
価格 4,800円
A5判・上製・398頁
ISBN978-4-8158-0420-6 C3022
在庫有り


『歴史と地理』 [2002年11月号、第559号] から(評者:岡田健氏)

中国出版文化史
書物世界と知の風景

中国出版文化史

井上進著『中国出版文化史』が、『歴史と地理』(2002年11月号、第559号、山川出版社)で紹介されました。春秋時代の書籍成立から印刷本の誕生をへて明末の書物普及までの、二千年にわたる書物の文化史。書物を作る・売る・読む・蔵する等、さまざまな相に光をあてるとともに、知のあり方はもちろん、帝国の政策やイデオロギーとの関係など、政治・社会との相互作用に注目し、全体像を描き出します。

“…… 帯に大書してあるように「書物の中国史 —— 書籍の成立から印刷本誕生をへて一般に普及するまでの、…… 出版の諸相に光をあてるとともに、知や社会との関係に注目し、全体像を描きだす」ことを目的とした、管見の限り他に例のない、上質の教養書である。従って内容の多くが初めて目にすることで、頁をめくるたびに新鮮な驚きをおぼえた。……”(『歴史と地理』2002年11月号、p.51)

井上 進 著
価格 4,800円
A5判・上製・398頁
ISBN978-4-8158-0420-6 C3022
在庫有り


『學鐙』 [2002年7月号、第99巻第7号] から(評者:井波律子氏)

中国出版文化史
書物世界と知の風景

中国出版文化史

井上進著『中国出版文化史』が、『學鐙』(2002年7月号、第99巻第7号、丸善)で紹介されました。春秋時代の書籍成立から印刷本の誕生をへて明末の書物普及までの、二千年にわたる書物の文化史。書物を作る・売る・読む・蔵する等、さまざまな相に光をあてるとともに、知のあり方はもちろん、帝国の政策やイデオロギーとの関係など、政治・社会との相互作用に注目し、全体像を描き出します。

“…… 総じて、前出版文化史ともいうべき本書の前編では、思想家たちを担い手とする戦国末と貴族階層を担い手とする魏晋南北朝をピークとして、フィードバックの時期をさしはさみながら、じりじりと書籍世界の様相が変化するさまが、簡にして要を得た筆致でみごとに描きあげられている。また、本編では近世的士大夫が出現した宋代を皮切りに、これまた停滞期をさしはさみながら、明末に出版文化が爆発的発展を遂げ、「伝統文化の臨界点」まで達するもようが、まことにスリリングにたどられる。こうして出版と文化の相関関係が浮き彫りにされるさまは、まことにダイナミックであり、脱帽するほかない。……”(『學鐙』2002年7月号、p.41)

井上 進 著
価格 4,800円
A5判・上製・398頁
ISBN978-4-8158-0420-6 C3022
在庫有り


『日本植民地研究』 [第14号、2002年6月] から(評者:西川博史氏)

「満洲国」から新中国へ
鞍山鉄鋼業からみた中国東北の再編過程 1940〜1954

「満洲国」から新中国へ

松本俊郎著『「満洲国」から新中国へ』が、『日本植民地研究』(第14号、2002年6月、日本植民地研究会編)で紹介されました。日本の敗戦、「満洲国」の倒壊、ソ連軍の進駐、国共内戦の混乱の後、その当初の開発意図を越えて、新中国の経済建設に組み込まれた満洲鉄鋼業の物的・人的資源の連続と断絶の諸相を、多様な史料の総合と聞き取りによって実証的に解明、研究史上の空隙を埋める労作。

松本俊郎 著
価格 5,800円
A5判・上製・380頁
ISBN978-4-8158-0384-1 C3022
在庫有り


読売新聞 [2002年3月10日付] から(評者:氏家幹人氏)

中国出版文化史
書物世界と知の風景

中国出版文化史

井上進著『中国出版文化史』が、「読売新聞」(2002年3月10日付)で紹介されました。春秋時代の書籍成立から印刷本の誕生をへて明末の書物普及までの、二千年にわたる書物の文化史。書物を作る・売る・読む・蔵する等、さまざまな相に光をあてるとともに、知のあり方はもちろん、帝国の政策やイデオロギーとの関係など、政治・社会との相互作用に注目し、全体像を描き出します。

“春秋戦国から明朝末期まで、二千年以上にわたる歴史のなかで、さまざまな書物が生まれ「知の風景」が変化する様子を、著者は、多彩な史料に逸話を挿みながら興味深く描き出している。宮廷や個人の蔵書数、書物の収集や出版に要した費用などが具体的に示され、書店経営が成立し、版権の意識が生まれる過程も紹介される。社会や経済状況の変化が出版物の質と量に影響を及ぼし、学術や思想の風潮と相まって新たな時代の文化を生み出していく姿を、実証的にかつ活き活きと叙述しているのである。…… 出版物の需給関係と流通の歴史を通して辿る壮大な文化史。とりわけ興味をそそられたのは、中国の出版文化に科挙の制度が多大の貢献を果たした事実だ。支配層の地位を得ようと刻苦勉学する膨大な数の受験生を対象に「はじめての受験」とか「解答の秘訣」「頻出問題徹底解説」とでも訳せる受験マニュアルや模範解答集が大量に出版され、書店や出版業が飛躍的に発展したというのである。出版物の需要を増し読者層を広げる受験の力。出版業界と受験の親密な関係には長い歴史があったのだと、あらためて感心させられる。”(「読売新聞」2002年3月10日付から)

井上 進 著
価格 4,800円
A5判・上製・398頁
ISBN978-4-8158-0420-6 C3022
在庫有り


『出版ニュース』 [2002年3月下旬号] から

中国出版文化史
書物世界と知の風景

中国出版文化史

井上進著『中国出版文化史』が、『出版ニュース』(2002年3月下旬号、出版ニュース社)で紹介されました。春秋時代の書籍成立から印刷本の誕生をへて明末の書物普及までの、二千年にわたる書物の文化史。書物を作る・売る・読む・蔵する等、さまざまな相に光をあてるとともに、知のあり方はもちろん、帝国の政策やイデオロギーとの関係など、政治・社会との相互作用に注目し、全体像を描き出します。

井上 進 著
価格 4,800円
A5判・上製・398頁
ISBN978-4-8158-0420-6 C3022
在庫有り


『月刊 中国図書』 [2002年3月号、第14巻第3号] から

中国出版文化史
書物世界と知の風景

中国出版文化史

井上進著『中国出版文化史』が、『月刊 中国図書』(2002年3月号、第14巻第3号、内山書店)の「今月の本棚」で紹介されました。春秋時代の書籍成立から印刷本の誕生をへて明末の書物普及までの、二千年にわたる書物の文化史。書物を作る・売る・読む・蔵する等、さまざまな相に光をあてるとともに、知のあり方はもちろん、帝国の政策やイデオロギーとの関係など、政治・社会との相互作用に注目し、全体像を描き出します。

井上 進 著
価格 4,800円
A5判・上製・398頁
ISBN978-4-8158-0420-6 C3022
在庫有り


京都新聞[02/3/3(日)]読書欄から(評者:稲賀繁美 氏)

日本書史

日本書史

石川九楊著『日本書史』が、京都新聞(2002/3/3付)の読書欄にて紹介されました。
 「千年をさかのぼる過去の人物の書であっても、揮毫の筆触は残る。その力動相の変容を追跡すれば、書する知識人の意識と下意識の歴史的展開は明らかにできる。これが『中國書史』に続く、著者の基本姿勢だ。かくて書は政治や文学よりも直截に精神史を解き明かすかぎとなる。
  書は文字を媒体として言葉に形を授け、文字や言葉の生成変容を促す。だが逆に言葉と文字なくしては、書は現象しえない。この相互依存は、思考と文字とを切断する構造主義言語学への根本的批判とも映る。だがフラマリオン書店の近著『エクリチュールの歴史』は、表意文字の支持体の議論の出発点とし、石川の方法論に同意する。……(中略)……
……『日本書史』の描く列島の文字体験は、自律的展開の欠如によって特徴づけられる。中国文化圏の周辺に位置し、石を刻む篆刻を知らぬまま、いきなり楷・行・草の毛筆書史に「途中乗車」した。そして近代は、知識人の書の喪失とともに「途中下車」の終局を迎える。その間十三世紀の転変を、本文七十七章は縦横に図示・細説する。……(中略)……
編集者、橘宗吾の跋文も秀抜。」(稲賀繁美 氏)

石川九楊 著
価格 15,000円
A4判・上製函入・632頁
ISBN978-4-8158-0405-3 C3071
在庫有り


毎日新聞[02/2/3(日)]読書欄から(評者:三浦雅士 氏)

日本書史

日本書史

石川九楊著『日本書史』が、毎日新聞(2002/2/3付)の読書欄にて紹介されました。
 「文字通りの大著。……(中略)……門外漢にはちょっと手が出せないようだが、さにあらず。小説のように面白く読みやすい。……(中略)……迫力ある図版の説明を拾い読みしてゆくだけでも、ああそうかと思わせられることしばしば。
  書とは何か。「いきなり結論を述べれば」と著者はのっけから言う、「文字中心言語・東アジアにおける書は、声中心言語・ヨーロッパにおける音楽に相当する」と。書は美術じゃない、音楽だというこの第一声は凄い。「日本全国、ギャラリーや美術館で連日書道展が開かれていることから、書は美術のようなものと考えられているが、書は『言葉を書く』ところに成立する表現であり、決して美術ではなく、むしろ文学のように読み、味わうものである」。……(中略)……
  著者が一貫して論じるのは「筆触」だが、「書は音楽」という思想を象徴している。敷衍すれば「書は舞踊」。書は何よりもまず身体の技であり、精神と身体の出会う場なのだ。書の歴史が、精神の歴史であるとともに身体の歴史であることが腑に落ちてくる。類いまれな日本文化史である所以だ。」(三浦雅士 氏)

石川九楊 著
価格 15,000円
A4判・上製函入・632頁
ISBN978-4-8158-0405-3 C3071
在庫有り


中日新聞 [2002年2月2日付、夕刊] から

中国出版文化史
書物世界と知の風景

中国出版文化史

井上進著『中国出版文化史』が、「中日新聞」(2002年2月2日付、夕刊)で紹介されました。春秋時代の書籍成立から印刷本の誕生をへて明末の書物普及までの、二千年にわたる書物の文化史。書物を作る・売る・読む・蔵する等、さまざまな相に光をあてるとともに、知のあり方はもちろん、帝国の政策やイデオロギーとの関係など、政治・社会との相互作用に注目し、全体像を描き出します。

井上 進 著
価格 4,800円
A5判・上製・398頁
ISBN978-4-8158-0420-6 C3022
在庫有り


週刊読書人[02/1/18(日)]読書欄から(評者:吉本隆明 氏)

日本書史

日本書史

石川九楊著『日本書史』が、週刊読書人(2002/1/18付)の読書欄にて紹介されました。
 「この本は、日本の書の移り変わりについて、古代から近代に至る道行きを書としての表現の歴史に則して解明してみせた画期的な著書だと思う。わたしが画期的だと言う意味はほかでもない。この本がはじめて書家であり、その上書の理論家でなければなしえない表現技術からする書の歴史的な移り変わりを展開しているからだ。……(中略)……
  石川九楊が書の技術的な実相に迫るため創りだしている新しい概念は、筆触・筆尖の立て方と押圧角度(スタイル)で、右肩上りと左下りなど、実作者としての微細な見識に基いていて、ただの鑑賞者に過ぎないわたしにまるで実際の書の文字を前において、ここはこの書家がこんな心理状態にあったからこんな風に上げるべきところが下がっていたり、水平であるべき線が極端に右肩上りになるのだと言った説明を受けているような如実感をおぼえ、ただ驚嘆する外なかった。こういう書の技術的な表現心理の分析が成立しているのは、文芸批評の分野だけで、書論としても、芸術論としても始めて書史について成就された著書で、画期的なものだと思った。……」(吉本隆明 氏)

石川九楊 著
価格 15,000円
A4判・上製函入・632頁
ISBN978-4-8158-0405-3 C3071
在庫有り


讀賣新聞[01/11/25(日)]読書欄から(評者:松浦寿輝 氏)

日本書史

日本書史

石川九楊著『日本書史』が、讀賣新聞(2001/11/25付)の読書欄にて紹介されました。
 「……石川九楊は、書というものの持つこうした恐ろしさと美しさとを、門外漢の私たちに初めて手に取るようにわかりやすく教えてくれた、画期的な文章家である。実作者としての経験の蓄積と卓抜な批評眼に裏づけられた石川氏の、目の覚めるような「読み」を通じて、「筆毫の尖端が紙と接触し、摩擦し、離脱する劇」がまざまざと甦り、その現場に立ち会わせてくれるのだ。
  ……既刊の『中國書史』の後を受けたこの大部の労作は、中国の書の流れに「途中乗車」し「途中下車」したわが国の書史の特異な運命を、卑下もなく驕りもなく克明に辿り返してゆく。輸入した漢字とみずから発明した仮名の二重性によって成り立っている日本語の特異な書字システムが、中国から離脱し、独自の近代化を志向してゆく困苦に満ちた道程。それが本書の膨大な記述のうねりの中から、巨大な文化史のドラマとして立ち上がってくるさまは、まことに壮観と言うほかない。……」(松浦寿輝 氏)

石川九楊 著
価格 15,000円
A4判・上製函入・632頁
ISBN978-4-8158-0405-3 C3071
在庫有り


日本経済新聞[01/11/4(日)]「アート」から

日本書史

日本書史

『日本書史』の著者・石川九楊先生が、日本経済新聞(2001/11/04付)の「アート」にて紹介されました。

 「……書家であり評論家。創作者が、なぜ評論までするのか。「書は理解されていない。要するにインフラ(基盤)整備やね」。軽くいなしながら、書を理解するにはその歴史を知ることが不可欠と力を込めた。……(中略)……
  既存の観念に照らすと石川氏の書は奇怪に見える。太い線、細い線、引っかき傷のような線や点が紙面全体にちりばめられ、一見すると絵画だ。啓示を受けたのは明治の政治家、副島種臣の書だった。
  それは中国・清代に、西洋文化と中国文化がぶつかり合う中から生まれた書方を原原形とする。筆先が微動し、字画は紙の奥に向かって亀裂を生じたような表情を見せる。ひび割れた時代の姿である。
 時代そのものを表現する書。そのために創作と評論が密接な関係を持ち、常に批判にさらされる緊張状態に自らを置く。石川氏にとって書と評論はこの先も、「車の両輪」である。」

石川九楊 著
価格 15,000円
A4判・上製函入・632頁
ISBN978-4-8158-0405-3 C3071
在庫有り


『史林』 [第83巻第6号、2000年11月] から(評者:江川温氏)

ロマネスク世界論

ロマネスク世界論

池上俊一著『ロマネスク世界論』が、『史林』(第83巻第6号、2000年11月、史学研究会発行)で紹介されました。ヨーロッパがはじめてヨーロッパとなった時代 —— その心的世界の構造を、現実社会とのダイナミックな連関の下、思考・感覚・感情・霊性・想像の五つの側面とその相互作用から解明した全体史の試み。魂と肉体、個人と共同体、声と文字、理性と感情、自然と超自然が、イメージの深い象徴=認識作用によって結びつけられ、宇宙的交響を生み出したロマネスク世界を一望します。

池上俊一 著
価格 6,500円
A5判・上製・586頁
ISBN978-4-8158-0362-9 C3022
在庫有り


産經新聞[01/10/14(日)]読書欄から(評者:高橋 亨 氏)

日本書史

日本書史

石川九楊著『日本書史』が、産經新聞(01/10/14付)の読書欄にて紹介されました。

  「石川九楊はもっとも根源的(ラディカル)な書家であり、『中国書史』に続くこの大著をものした理論家であり、批評家である。現代文明に対する思索の眼によって、書と文字の根源から革命を挑発し続けている。
  東アジアの漢字文明圏において、書はかつて文明の根源であった。日本書史とは「途中乗車し、途中下車した書史」であり、自律的展開を欠く中に「和様と唐様という異質な二重複線の書史が生じ」たという限界ははじめに示される。これは、中国の書の根源にある「天」の思想を欠くために、革命がないまま万世一系の流儀に堕してしまう日本文化への批判の表明である。
  しかしながら、「小さく、ささやか」で「いささか歪んだ」日本書史における美の達成もまた、情熱をこめて解読されている。具体的な作例に即して、その微妙な「筆触」(書きぶり)の特性を解読した「漢委奴国王」の金印から貫名海屋まで全七十七章の記述を豊富な図版とともに読むことは楽しい。「書く」とは「掻く」こと刻むことだという原理から、書の速度と深度と力、そして筆の角度文字の構成による差異が説明されている。
  空海・嵯峨天皇・橘逸勢の三筆たるゆえんが、「奇怪な雑書体」にあり、そこに内包された「中国への異和」が「和様」へと展開していくという読みをはじめ、既成の常識や権威にとらわれない批評は、挑発性にあふれスリルに満ちている。
  本書であらためて確認された「和様」の最高の達成が「女手」(平仮名)である。その「女手」の生成が『古今集』をはじめとする和歌の伝統を形成し、『源氏物語』を生んだのであった。そこでは「和様」化に潜在する「漢」との緊張関係が重要である。石川の論は平安朝文学史と重なりつつも多くの差異がある。石川のいう「漢語の裏側に和語を貼りつけた二重複線言語」としての日本語の可能性をふまえて文学史や文化史を再検討していくことが、私にとっての課題である。」(高橋 亨 氏)

石川九楊 著
価格 15,000円
A4判・上製函入・632頁
ISBN978-4-8158-0405-3 C3071
在庫有り


『古代文化』 [2001年8月号、第53巻第8号] から

ネイションとエスニシティ
歴史社会学的考察

ネイションとエスニシティ

A・D・スミス著『ネイションとエスニシティ』(巣山靖司・高城和義他訳)が、『古代文化』(2001年8月号、第53巻第8号、古代学協会編集兼発行)で紹介されました。近代的なネイションの底にあるものは何か?—— ネイションやナショナリズムはまもなく乗り越えられるという楽観的な進化論を再検討するとともに、現在ふたたび生命力を示しているエスニックな要素の起源を探り、前近代的な文化とアイデンティティの運命を明らかにした名著。

“…… 政治組織・国家体制ではなく民族的な集団の見地からの社会集団論は、文化というものが時として政治に大きくかかわってくることを明らかにしてくれる。そのあたりの批判と論証は非常に説得力があり、興味深い。”(『古代文化』2001年8月号、p.52)

A.D. スミス 著
巣山靖司・高城和義他 訳
価格 4,200円
A5判・上製・384頁
ISBN978-4-8158-0355-1 C3036
在庫有り


『英語青年』 [2001年6月号] から(評者:上野直子氏)

男同士の絆
イギリス文学とホモソーシャルな欲望

男同士の絆

イヴ・K・セジウィック著『男同士の絆』(上原早苗・亀澤美由紀訳)が、『英語青年』(2001年6月号、研究社発行)で紹介されました。シェイクスピアからディケンズにいたるイギリス文学の代表的テクストを読み解くことによって、近代における欲望のホモソーシャル/ヘテロセクシュアルな体制と、その背後に潜む「女性嫌悪」「同性愛恐怖」を掴み出し、文学・ジェンダー研究に新生面を拓いた画期的著作。

“…… 近代のジェンダー配置をつぶさに眺めるため、セジウィックは分離主義的な発想や二元論的な対立概念に疑問を投げかける。キーコンセプトの「ホモソーシャルな欲望」自体がその姿勢を表れであろう。「ホモソーシャル」な社会・文化のほとんどは「ホモフォビア(同性愛嫌悪)」を特徴としている。しかし本書では「ホモソーシャル」と「ホモセクシュアル」の2つは潜在的な連続体として想定されているのである。また現代アメリカに限っていえば、この連続体が男性間では深く断絶しているのに対し、女同士の間ではさほどでもないとの指摘も興味深い。
さらにセジウィックの読みが生き生きとおもしろいのは、彼女がこの普遍的ともみえるパラダイムを歴史の変化のなかに据えているからだろう。この方法は、ラディカル・フェミニズムの、性差こそ人間の生の根本構造であると考える超歴史的姿勢と、マルクス主義フェミニズムの、経済・政治構造が生のありようを決定すると捉える歴史重視の考え方とをつなぐ試みともなっている。家父長制における「強制的異性愛」、「ホモフォビア」、「女性支配」の具体的なありさまは時代や文化によって違うのだし、「ホモソーシャル」と「ホモセクシュアル」の断絶の様子もまた、時代により階級により相貌が異なるのである。本書で扱う作品の多くが、18世紀中葉からほぼ百年間のものであるのも、その時期がブルジョワジーを中心とする資本主義体制や、核家族と呼ばれる新しい家族形態が確立されていった歴史の大きな転換期だったからに他ならない。
とすると、現在様々な文化圏で、「ホモソーシャルな関係」は、あるいはその男や女の生のすがたは、どのように変化し、また変化しえないでいるのだろうか。『男同士の絆』は百年以上も前の文学作品を分析しながら、同時に読者を自らの今についての内省へと誘うのである。”(『英語青年』2001年6月号、p.65)

イヴ・K・セジウィック 著
上原早苗・亀澤美由紀 訳
価格 3,800円
A5判・上製・394頁
ISBN978-4-8158-0400-8 C3098
在庫有り


『論座』 [2001年5月号] から(評者:大橋洋一氏)

男同士の絆
イギリス文学とホモソーシャルな欲望

男同士の絆

イヴ・K・セジウィック著『男同士の絆』(上原早苗・亀澤美由紀訳)が、『論座』(2001年5月号、朝日新聞出版発行)で紹介されました。シェイクスピアからディケンズにいたるイギリス文学の代表的テクストを読み解くことによって、近代における欲望のホモソーシャル/ヘテロセクシュアルな体制と、その背後に潜む「女性嫌悪」「同性愛恐怖」を掴み出し、文学・ジェンダー研究に新生面を拓いた画期的著作。

“…… 本書の衝撃は、副題にいう「ホモソーシャルな欲望」にある。つまり「ホモセクシュアル」(男性同性愛)とは一線を画す、非エロスの体制であるはずの「ホモソーシャル」関係のなかに、著者は「欲望」をみる。友情が同性愛と区別できない可能性をみるのである。
エロスとしての同性間の友情。これについては、同性愛者ではない男女でも容認するだろう(事実、著者のセジウィックは異性愛者である)。また一方で、友情の純粋さや精神性を汚すものとして、エロス+友情関係に「パニくってしまう」老若男女も多い。著者のいう「ホモセクシュアル・パニック」は、自己の同性愛的要素を認知した衝撃から、同性愛差別と抑圧が生まれる過程を見事に記述している。……
英国の文学史を語りながら、西洋の文化史や社会史へと展開し、認識基盤のパラダイム転換を迫る本書の魅力、それも日本や東洋の文化にも適用可能な本書の議論の魅力を、ここで詳細に紹介する余裕はないが、わたしたちには遅れてやってきた本書とその「ホモソーシャル」概念こそ、今世紀に威力を発揮する重要なツールであるということは確実に言えるだろう。”(『論座』2001年5月号、p.319)

イヴ・K・セジウィック 著
上原早苗・亀澤美由紀 訳
価格 3,800円
A5判・上製・394頁
ISBN978-4-8158-0400-8 C3098
在庫有り


「琉球新報」 [2001年4月1日付] 他から(評者:伏見憲明氏)

男同士の絆
イギリス文学とホモソーシャルな欲望

男同士の絆

イヴ・K・セジウィック著『男同士の絆』(上原早苗・亀澤美由紀訳)が、「琉球新報」(2001年4月1日付)、「茨城新聞」(2001年3月31日付)で紹介されました。シェイクスピアからディケンズにいたるイギリス文学の代表的テクストを読み解くことによって、近代における欲望のホモソーシャル/ヘテロセクシュアルな体制と、その背後に潜む「女性嫌悪」「同性愛恐怖」を掴み出し、文学・ジェンダー研究に新生面を拓いた画期的著作。

“…… 男性間の親密さの連続性が、近代社会においていかに同性愛と反同性愛、そして女性嫌悪の体制へと配置されていったのかを、18、19世紀のイギリス文学のテキストを読み解くことで、明らかにしようとしている。
女性間では割合、連続的に友愛と同性愛が認識されるのに対して、男性間のそれは明らかに断絶したものとされている。が、古代ギリシャで男性間の情緒が連続的であったことを考慮するだけで、その断絶が歴史を通じてのものであったり、生物学的な本質であったり、ということにはならない。ならばいかにして、そういった非対称性が男女のジェンダーで生じたのか。それを著者は「ホモソーシャル」というキーワードを用いて分析している。
本書は一見、難解な論文集ではあるが、序章の理論的な枠組みをしっかり押さえることで、後は絢爛な文体の推理小説を読み進めるかのごとく、スリリングな思考体験を読者にもたらしてくれる。”(「琉球新報」2001年4月1日付他)

イヴ・K・セジウィック 著
上原早苗・亀澤美由紀 訳
価格 3,800円
A5判・上製・394頁
ISBN978-4-8158-0400-8 C3098
在庫有り


『學鐙』 [2000年2月号] から(評者:佐藤彰一氏)

ロマネスク世界論

ロマネスク世界論

池上俊一著『ロマネスク世界論』が、『學鐙』(2000年2月号、丸善発行)で紹介されました。ヨーロッパがはじめてヨーロッパとなった時代 —— その心的世界の構造を、現実社会とのダイナミックな連関の下、思考・感覚・感情・霊性・想像の五つの側面とその相互作用から解明した全体史の試み。魂と肉体、個人と共同体、声と文字、理性と感情、自然と超自然が、イメージの深い象徴=認識作用によって結びつけられ、宇宙的交響を生み出したロマネスク世界を一望します。

池上俊一 著
価格 6,500円
A5判・上製・586頁
ISBN978-4-8158-0362-9 C3022
在庫有り


「東京大学 教養学部報」 [2000年1月12日付号] から(評者:山上浩嗣氏)

ロマネスク世界論

ロマネスク世界論

池上俊一著『ロマネスク世界論』が、「東京大学 教養学部報」(2000年1月12日号、東京大学教養学部発行)で紹介されました。ヨーロッパがはじめてヨーロッパとなった時代 —— その心的世界の構造を、現実社会とのダイナミックな連関の下、思考・感覚・感情・霊性・想像の五つの側面とその相互作用から解明した全体史の試み。魂と肉体、個人と共同体、声と文字、理性と感情、自然と超自然が、イメージの深い象徴=認識作用によって結びつけられ、宇宙的交響を生み出したロマネスク世界を一望します。

池上俊一 著
価格 6,500円
A5判・上製・586頁
ISBN978-4-8158-0362-9 C3022
在庫有り


『週刊読書人』 [1999年12月24日号、第2316号、特集「1999年回顧」] から(評者:髙木勇夫氏)

ネイションとエスニシティ
歴史社会学的考察

ネイションとエスニシティ

A・D・スミス著『ネイションとエスニシティ』(巣山靖司・高城和義他訳)が、『週刊読書人』(1999年12月24日号、第2316号、読書人発行)の特集「1999年回顧」で紹介されました。近代的なネイションの底にあるものは何か?—— ネイションやナショナリズムはまもなく乗り越えられるという楽観的な進化論を再検討するとともに、現在ふたたび生命力を示しているエスニックな要素の起源を探り、前近代的な文化とアイデンティティの運命を明らかにした名著。

A.D. スミス 著
巣山靖司・高城和義他 訳
価格 4,200円
A5判・上製・384頁
ISBN978-4-8158-0355-1 C3036
在庫有り


朝日新聞 [1999年12月19日付付、読書欄特集「今年の3点」] から(評者:黒田日出男氏)

ロマネスク世界論

ロマネスク世界論

池上俊一著『ロマネスク世界論』が、「朝日新聞」(1999年12月19日付)の読書欄特集「今年の3点」で紹介されました。ヨーロッパがはじめてヨーロッパとなった時代 —— その心的世界の構造を、現実社会とのダイナミックな連関の下、思考・感覚・感情・霊性・想像の五つの側面とその相互作用から解明した全体史の試み。魂と肉体、個人と共同体、声と文字、理性と感情、自然と超自然が、イメージの深い象徴=認識作用によって結びつけられ、宇宙的交響を生み出したロマネスク世界を一望します。

池上俊一 著
価格 6,500円
A5判・上製・586頁
ISBN978-4-8158-0362-9 C3022
在庫有り


『出版ニュース』 [1999年11月下旬号] から

ロマネスク世界論

ロマネスク世界論

池上俊一著『ロマネスク世界論』が、『出版ニュース』(1999年11月下旬号、出版ニュース社発行)で紹介されました。ヨーロッパがはじめてヨーロッパとなった時代 —— その心的世界の構造を、現実社会とのダイナミックな連関の下、思考・感覚・感情・霊性・想像の五つの側面とその相互作用から解明した全体史の試み。魂と肉体、個人と共同体、声と文字、理性と感情、自然と超自然が、イメージの深い象徴=認識作用によって結びつけられ、宇宙的交響を生み出したロマネスク世界を一望します。

池上俊一 著
価格 6,500円
A5判・上製・586頁
ISBN978-4-8158-0362-9 C3022
在庫有り


『週刊読書人』 [1999年11月12日付号] から(評者:谷川渥氏)

ロマネスク世界論

ロマネスク世界論

池上俊一著『ロマネスク世界論』が、『週刊読書人』(1999年11月12日号、読書人発行)で紹介されました。ヨーロッパがはじめてヨーロッパとなった時代 —— その心的世界の構造を、現実社会とのダイナミックな連関の下、思考・感覚・感情・霊性・想像の五つの側面とその相互作用から解明した全体史の試み。魂と肉体、個人と共同体、声と文字、理性と感情、自然と超自然が、イメージの深い象徴=認識作用によって結びつけられ、宇宙的交響を生み出したロマネスク世界を一望します。

池上俊一 著
価格 6,500円
A5判・上製・586頁
ISBN978-4-8158-0362-9 C3022
在庫有り


「毎日新聞」 [1999年10月17日付] から(評者:富山太佳夫氏)

ネイションとエスニシティ
歴史社会学的考察

ネイションとエスニシティ

A・D・スミス著『ネイションとエスニシティ』(巣山靖司・高城和義他訳)が、「毎日新聞」(1999年10月17日付)で紹介されました。近代的なネイションの底にあるものは何か?—— ネイションやナショナリズムはまもなく乗り越えられるという楽観的な進化論を再検討するとともに、現在ふたたび生命力を示しているエスニックな要素の起源を探り、前近代的な文化とアイデンティティの運命を明らかにした名著。

“…… ネイション、ナショナリズムをめぐる百科全書的な一冊である。記述はきわめて明晰で、問題のありかがよくわかるのが特色。しかもそのわかりやすさは、問題をつきつめて考えた成果であると言ってよいだろう。むしろやっかいなのは出発点における交通整理かもしれない。英和辞典によると、ネイションの訳は「民族、国民、国家」、ナショナリズムの訳は「民族意識、愛国主義、国家主義」、エスニシティの訳は「民族的結合、民族意識」などということになる。まずこの多義性をなんとかうまく処理しなければならないが、著者はこの難題を回避することなく、たとえばエスニシティの問題を、その構成要件から、うまく説明してみせる。
しかしこの本の読みどころは、そうした細部の教育的な配慮よりも、中心の課題そのものにある —— いわゆるナショナリズムは本当に西欧近代の産物であるのか、それは前近代的なものを本当に超克したのか、またそのナショナリズムを現代において超克することができるのか、今世界の各地で起きている民族紛争をどう理解するのか。……”(「毎日新聞」1999年10月17日付、第11面から)

A.D. スミス 著
巣山靖司・高城和義他 訳
価格 4,200円
A5判・上製・384頁
ISBN978-4-8158-0355-1 C3036
在庫有り


中日新聞 [1999年10月10日付、夕刊] から

ロマネスク世界論

ロマネスク世界論

池上俊一著『ロマネスク世界論』が、「中日新聞」(1999年10月10日付、夕刊)で紹介されました。ヨーロッパがはじめてヨーロッパとなった時代 —— その心的世界の構造を、現実社会とのダイナミックな連関の下、思考・感覚・感情・霊性・想像の五つの側面とその相互作用から解明した全体史の試み。魂と肉体、個人と共同体、声と文字、理性と感情、自然と超自然が、イメージの深い象徴=認識作用によって結びつけられ、宇宙的交響を生み出したロマネスク世界を一望します。

池上俊一 著
価格 6,500円
A5判・上製・586頁
ISBN978-4-8158-0362-9 C3022
在庫有り


朝日新聞 [1999年10月10日付] から(評者:黒田日出男氏)

ロマネスク世界論

ロマネスク世界論

池上俊一著『ロマネスク世界論』が、「朝日新聞」(1999年10月10日付)で紹介されました。ヨーロッパがはじめてヨーロッパとなった時代 —— その心的世界の構造を、現実社会とのダイナミックな連関の下、思考・感覚・感情・霊性・想像の五つの側面とその相互作用から解明した全体史の試み。魂と肉体、個人と共同体、声と文字、理性と感情、自然と超自然が、イメージの深い象徴=認識作用によって結びつけられ、宇宙的交響を生み出したロマネスク世界を一望します。

“見事な推理が展開された本や考え抜かれた著書を読むと、わたしはその美しさに素直に感動する。この大著は実に美しい本だ。これが読後感である。その美しさの本領は、本書が首尾一貫して方法的な構えを貫いていることにある。…… 叙述は明晰であり、構成は見事である。まず、建築・彫刻、音楽、文学にロマネスク期の思考が探究され、美意識が明らかにされ、次にロマネスク思想の主要論題が検討される。かくて準備は整った。そこから困難な感覚へと踏み込み、触覚と聴覚がとりわけ大きな役割を果たしていたと、ロマネスク期の感覚を特徴づける。次は感情であり、さらに霊性の章、想像の章へとロマネスクの心的世界を紡ぎだしていく。そして最終章。心的世界と社会的現実がしっかりと結び合わされている。……”(「朝日新聞」1999年10月10日付から)

池上俊一 著
価格 6,500円
A5判・上製・586頁
ISBN978-4-8158-0362-9 C3022
在庫有り


日本経済新聞 [1999年10月3日付] から(評者:饗庭孝男氏)

ロマネスク世界論

ロマネスク世界論

池上俊一著『ロマネスク世界論』が、「日本経済新聞」(1999年10月3日付)で紹介されました。ヨーロッパがはじめてヨーロッパとなった時代 —— その心的世界の構造を、現実社会とのダイナミックな連関の下、思考・感覚・感情・霊性・想像の五つの側面とその相互作用から解明した全体史の試み。魂と肉体、個人と共同体、声と文字、理性と感情、自然と超自然が、イメージの深い象徴=認識作用によって結びつけられ、宇宙的交響を生み出したロマネスク世界を一望します。

“…… 歴史学が心的世界と社会的現実とのむすびつきに測鉛を下すことは、事実や出来事の有機的経緯の心性の深い地層に分け入ることであろう。著者の眼目はそこにあった。歴史を有機体と見、その時間を区切り、ダイナミックに活性化し、未だ形体や概念の構造体となり切らないロマネスク期こそ上記にのべてきた歴史の十分な対象となりうると著者は考えたに違いない。しかも、史的な部分として、この前にプレ=ロマネスク、後にゴシックを置いてロマネスクを浮き彫りにする。この書の試みは画期的であり、長く読まれるべきものであろう。”(「日本経済新聞」1999年10月3日付から)

池上俊一 著
価格 6,500円
A5判・上製・586頁
ISBN978-4-8158-0362-9 C3022
在庫有り


毎日新聞 [1999年10月3日付] から

ロマネスク世界論

ロマネスク世界論

池上俊一著『ロマネスク世界論』が、「毎日新聞」(1999年10月3日付)で紹介されました。ヨーロッパがはじめてヨーロッパとなった時代 —— その心的世界の構造を、現実社会とのダイナミックな連関の下、思考・感覚・感情・霊性・想像の五つの側面とその相互作用から解明した全体史の試み。魂と肉体、個人と共同体、声と文字、理性と感情、自然と超自然が、イメージの深い象徴=認識作用によって結びつけられ、宇宙的交響を生み出したロマネスク世界を一望します。

“ロマネスクとは、10世紀以降に南仏、スペイン、イタリアなど地中海沿岸を中心に形づくられ次第に北へ伝播していった教会建築の様式を指すが、著者はその時代をヨーロッパの文化と社会の形成期と考える。しかし、ゴシックと比べるならやや影が薄く、一部のロマンチストの好奇に充ちた視線を引きつけてきたにすぎない。
著者は、この2つをヨーロッパ文明の二本の脚として改めて見直す。ギリシア=ローマの理知、キリスト教の霊性と倫理、ゲルマンの習俗、ケルトの夢想がそこに融解しているのだ。著者の問題意識はすこぶる鮮明である。それはあらゆる面で閉塞した隘路に陥った現代において、なにがしかの解放の希望をロマネスクに託したいということなのだ。そこに全体としての人間や社会を見いだし、人類の希望の一端を託したいというモチーフは見事である。そして、著者の抱負はほぼ叶えられたといってよいだろう。挿入された絵画をゆっくり眺めながら読むと時間のうつろいを忘れるほどだ。間違いない力作である。”(「毎日新聞」1999年10月3日付、第8面から)

池上俊一 著
価格 6,500円
A5判・上製・586頁
ISBN978-4-8158-0362-9 C3022
在庫有り


「読売新聞」 [1999年9月5日付] から(評者:竹田いさみ氏)

ネイションとエスニシティ
歴史社会学的考察

ネイションとエスニシティ

A・D・スミス著『ネイションとエスニシティ』(巣山靖司・高城和義他訳)が、「読売新聞」(1999年9月5日付)で紹介されました。近代的なネイションの底にあるものは何か?—— ネイションやナショナリズムはまもなく乗り越えられるという楽観的な進化論を再検討するとともに、現在ふたたび生命力を示しているエスニックな要素の起源を探り、前近代的な文化とアイデンティティの運命を明らかにした名著。

“…… 日本がバブル経済へと邁進し、経済のグローバル化が喧伝された時代に、エスニシティ(民族)を切り口に、ネイションの本質に迫った本書は、国家形成の根源的な問いを突き付ける。…… ナショナリズムを近代の所産であるとの説を退け、エトニがネイションの変質していく姿を、古代・中世から近現代へと至るヨーロッパ史を駆使して縦横無尽に描く。民族紛争は続くのであり、経済のグローバル化によってナショナリズムが克服されることもない。エスニックな暴力とテロの循環を断ち切るためには、民族対立の内在的意味を理解する必要があると説く。連邦形成による民族共存に一つの可能性を見る。”(「読売新聞」1999年9月5日付から)

A.D. スミス 著
巣山靖司・高城和義他 訳
価格 4,200円
A5判・上製・384頁
ISBN978-4-8158-0355-1 C3036
在庫有り


『図書新聞』 [1999年8月28日号、第2451号] から(評者:加藤一夫氏)

ネイションとエスニシティ
歴史社会学的考察

ネイションとエスニシティ

A・D・スミス著『ネイションとエスニシティ』(巣山靖司・高城和義他訳)が、『図書新聞』(1999年8月28日号、第2451号、図書新聞発行)で紹介されました。近代的なネイションの底にあるものは何か?—— ネイションやナショナリズムはまもなく乗り越えられるという楽観的な進化論を再検討するとともに、現在ふたたび生命力を示しているエスニックな要素の起源を探り、前近代的な文化とアイデンティティの運命を明らかにした名著。

“…… 21世紀目前の今日、ナショナリズムをめぐる問題はいぜんとして国際社会の重要な論点になっており、周知のように「コソボ問題」をめぐって現在様々な論議が続いている。そうした状況で、この本を読めば、民族問題解決には根源的なるものの理解が重要であることが分かる。その点で本書は、原書刊行から13年たつにもかかわらず、まったく古さを感じさせず、むしろ今日の問題を考えるうえで重要な参考文献になっている。”(『図書新聞』1999年8月28日号、第5面から)

A.D. スミス 著
巣山靖司・高城和義他 訳
価格 4,200円
A5判・上製・384頁
ISBN978-4-8158-0355-1 C3036
在庫有り


「中日新聞」 [1999年8月14日付、夕刊] から

ネイションとエスニシティ
歴史社会学的考察

ネイションとエスニシティ

A・D・スミス著『ネイションとエスニシティ』(巣山靖司・高城和義他訳)が、「中日新聞」(1999年8月14日付、夕刊)で紹介されました。近代的なネイションの底にあるものは何か?—— ネイションやナショナリズムはまもなく乗り越えられるという楽観的な進化論を再検討するとともに、現在ふたたび生命力を示しているエスニックな要素の起源を探り、前近代的な文化とアイデンティティの運命を明らかにした名著。

“民族国家やナショナリズムは近代化の産物で、間もなく乗り越えられるとの見方がある一方、旧ユーゴや南アジアでは民族紛争が続く、本書はこうした楽観的な進化論を再検討。西洋における近代以前のエスニックな要素を分析、近代の民族国家の形成へと関連付け、民族の歴史に由来する紛争の根源と運命を明らかにする。……”(「中日新聞」1999年8月14日付、夕刊、第4面から)

A.D. スミス 著
巣山靖司・高城和義他 訳
価格 4,200円
A5判・上製・384頁
ISBN978-4-8158-0355-1 C3036
在庫有り


「東京新聞・中日新聞」 [1999年7月11日付] から

ネイションとエスニシティ
歴史社会学的考察

ネイションとエスニシティ

A・D・スミス著『ネイションとエスニシティ』(巣山靖司・高城和義他訳)が、「東京新聞・中日新聞」(1999年7月11日付)で紹介されました。近代的なネイションの底にあるものは何か?—— ネイションやナショナリズムはまもなく乗り越えられるという楽観的な進化論を再検討するとともに、現在ふたたび生命力を示しているエスニックな要素の起源を探り、前近代的な文化とアイデンティティの運命を明らかにした名著。

“コソボ紛争に見る、ネイションとナショナリズムは焦眉の急の問題。この近代的な難題に対し、著者はナショナリズムの中のエスニックな要素を重視、前近代から継続する民族的同一性と共同体への考察抜きに真の解明はないという。自ら「エスノ・シンボリック的分析法」と称するこの思考は、想像的なものと現実性とをにらみ合わせるもので、今日、刺激的な視点と言える。……”(「中日新聞」1999年7月11日付、第9面から)

A.D. スミス 著
巣山靖司・高城和義他 訳
価格 4,200円
A5判・上製・384頁
ISBN978-4-8158-0355-1 C3036
在庫有り

『昭和文学研究』 [第37集、1998年9月] から(評者:澤正宏氏、小関和弘氏)

声の祝祭
日本近代詩と戦争

声の祝祭

坪井秀人著『声の祝祭』が、『昭和文学研究』(第37集、1998年9月、昭和文学会発行) で紹介されました。明治の新体詩から、「大東亜戦争」下における戦争詩を経て、湾岸戦争詩論争まで、日本の近代詩を〈声〉と〈書くこと〉の相克の歴史として捉え直し、戦争詩の示す表現の必然性を、朗読やラジオ放送に関わる豊富な新資料とともに明らかにした画期的労作。付CD「戦争詩朗読放送の記録」。

“…… とりわけ本書は、タイトルにもみられるように、詩史における「音声性」への言及に研究の深まりをみせており、従来の、言葉の意味、流派、イデオロギーなどを重視してきた詩史の観点とは別種の歴史を展開させる観点で、それを書き換えている。坪井のこの詩史の脱構築では、例えば、「民衆詩派-プロレタリア詩-戦争詩-戦後勤労詩(サークル詩)」を繋いでみせた点などにまったく新しい見解がうかがえるのである。……”(澤正宏氏、pp.130-131)
“…… 緻密さだけだったら、これまでの研究書の中にも匹敵するものは数多くあると思われます。そうした書物の水準からこの本を屹立させているのは、作品の価値評定を明確に示し …… ある場合には、詩句を書きあらためて見せたりもして、原作の表現効果を探ったり、また、立原道造が命長らえて優れた〈戦争詩〉を書いたならば、と仮想したりもする坪井さんのスタンスなのです。……「鑑賞」という、訳の分からない個人的述懐の文体に埋没するくらいしか作品評価のポジションを持てなかった、かつての近代詩研究の枠と、「客観性」「中立性」を前提とする泥沼から坪井さんは、鮮やかに抜け出しています。これは十分に計算された戦略に他ならず、こうした文体の中で、坪井さんは研究ないしは批評について、さらにはことばの力ということについて考えているのです。……”(小関和弘氏、pp.143-144)

坪井秀人 著
価格 7,600円
A5判・上製・432頁
ISBN978-4-8158-0328-5 C3095
在庫有り


『文藝年鑑』 [平成十年版、1998年7月] から(評者:曾根博義氏)

声の祝祭
日本近代詩と戦争

声の祝祭

坪井秀人著『声の祝祭』が、『文藝年鑑』(平成十年版、1998年7月、日本文藝家協会編/新潮社発行) で紹介されました。明治の新体詩から、「大東亜戦争」下における戦争詩を経て、湾岸戦争詩論争まで、日本の近代詩を〈声〉と〈書くこと〉の相克の歴史として捉え直し、戦争詩の示す表現の必然性を、朗読やラジオ放送に関わる豊富な新資料とともに明らかにした画期的労作。付CD「戦争詩朗読放送の記録」。

“…… 従来、文学者の戦争責任の追求という枠のなかでしか取り上げられてこなかった戦争詩を、結局は「活字」が「声」に、「視覚」が「聴覚」に屈服して行かざるを得なかった日本近代詩史の帰結として、新体詩、民衆詩、モダニズム詩に遡って表現史的に明らかにしようとした画期的な試みである。見事なのは、戦争詩への批評が日本近代詩史全体に対する批評になっていることだけではない。著者を戦争詩の研究に駆り立てたのは、湾岸戦争への現代詩人たちの反応や、最近の詩壇における朗読の流行に対するきわめてアクチュアルな問題意識だったらしい。さらに本書の根底には、活字の持つ力を十分にわきまえながら、ふとした機会に「声」と「音」が発するアウラに圧倒され、身体が勝手に反応してしまうという自分自身にうろたえ、そういう自己を他者として突き放し、批判しつくそうとする烈しい自己否定の情熱が渦巻いている。付録として戦争詩朗読放送の克明なデータやCDまで添えるという徹底ぶりも、おそらくその情熱に促されてのことであったろう。……”(pp.95-96)

坪井秀人 著
価格 7,600円
A5判・上製・432頁
ISBN978-4-8158-0328-5 C3095
在庫有り


『比較文学』 [第40巻、1998年3月] から(評者:中村三春氏)

声の祝祭
日本近代詩と戦争

声の祝祭

坪井秀人著『声の祝祭』が、『比較文学』(第40巻、1998年3月、日本比較文学会発行) で紹介されました。明治の新体詩から、「大東亜戦争」下における戦争詩を経て、湾岸戦争詩論争まで、日本の近代詩を〈声〉と〈書くこと〉の相克の歴史として捉え直し、戦争詩の示す表現の必然性を、朗読やラジオ放送に関わる豊富な新資料とともに明らかにした画期的労作。付CD「戦争詩朗読放送の記録」。

“…… まさに瞠目すべき書物と言うべきである。…… 戦争詩の朗読に関しては、まず全然と言ってよいほど等閑視されてきている。著者は、そのほぼ唯一の例外である研究書としての、櫻本富雄『空白と責任 戦時下の詩人たち』(未来社)などの先蹤を足掛かりとし、その課題を飛躍的に展開した。埋もれたテクストの掘り起こしと朗読放送などの事実関係の調査から始め、時局の展開と創作・朗読の実態との関連を求め、詩を書くこと、読むこと、朗読することという詩的アクションが、いかなる形態で遂行されたのかを、執拗に、また精細に追究してゆく。その作業は徹底的であり、全く間然するところがない。……”(pp.98-99)

坪井秀人 著
価格 7,600円
A5判・上製・432頁
ISBN978-4-8158-0328-5 C3095
在庫有り


『論座』 [1998年3月号] から(評者:成田龍一氏)

声の祝祭
日本近代詩と戦争

声の祝祭

坪井秀人著『声の祝祭』が、『論座』(1998年3月号、朝日新聞社発行) で紹介されました。明治の新体詩から、「大東亜戦争」下における戦争詩を経て、湾岸戦争詩論争まで、日本の近代詩を〈声〉と〈書くこと〉の相克の歴史として捉え直し、戦争詩の示す表現の必然性を、朗読やラジオ放送に関わる豊富な新資料とともに明らかにした画期的労作。付CD「戦争詩朗読放送の記録」。

“…… 坪井が提示したのは、「声」による共同性のたちあげである。「ことばの祭り」としての「声」であり、「声」による「心情的規範」の形成であった。坪井は、朗読と「無意味=倫理」の結合をここに見いだしているが、これは現在論じられている「声」をめぐる議論とは対極的な論点となる。いま展開されている、戦争の語り方のなかでは、「声」は「顔」とともに、個別性を知覚する手がかりであり、当事者(=被害者)のもつ「声」と「顔」に直面することによる倫理を訴える。
双方の見解は、ともに、「声」の魅力や超越性に由来していようが、坪井の作業によって、「声」のもつ両義性が確認されたことは、「声」をめぐる議論を奥行きの深いものとしたといいうる。加えて、戦争の語り方をめぐって「声」の両義性が明らかにされたことは、「戦争詩」の時代=戦時期が近代詩や「日本」の経験にとって決定的であったことを示唆している。すなわち、坪井の著作は、これまでともすれば、逸脱の時期とされ、表現史としては「空白」の時期とされてきた「戦争詩」の時期を、近代のなかに位置づけ、その意味を解析してみせたところにも求められよう。……”(p.271)

坪井秀人 著
価格 7,600円
A5判・上製・432頁
ISBN978-4-8158-0328-5 C3095
在庫有り


『季刊「銀花」』 [第113号、1998年] から

声の祝祭
日本近代詩と戦争

声の祝祭

坪井秀人著『声の祝祭』が、『季刊「銀花」』(第113号、1998年、文化出版局発行) で紹介されました。明治の新体詩から、「大東亜戦争」下における戦争詩を経て、湾岸戦争詩論争まで、日本の近代詩を〈声〉と〈書くこと〉の相克の歴史として捉え直し、戦争詩の示す表現の必然性を、朗読やラジオ放送に関わる豊富な新資料とともに明らかにした画期的労作。付CD「戦争詩朗読放送の記録」。

“…… 明治期以降の詩表現の展開の中に、この「声の祝祭」への必然性を見据え、戦後詩へのひそかな継承にも目を凝らす著者は、個々人の戦争協力責任云々等といったモノサシ以前の、人間と詩のスリリングなまでのかかわりを浮かび上がらせていく。単なる研究書の枠を大きく踏み越えたインパクトを放つ ……”(p.135)

坪井秀人 著
価格 7,600円
A5判・上製・432頁
ISBN978-4-8158-0328-5 C3095
在庫有り


「中日新聞」 [1997年12月21日付] から

声の祝祭
日本近代詩と戦争

声の祝祭

坪井秀人著『声の祝祭』が、「中日新聞」(1997年12月21日付)読書欄の、紀田順一郎氏と川村湊氏との対談の中で紹介されました。明治の新体詩から、「大東亜戦争」下における戦争詩を経て、湾岸戦争詩論争まで、日本の近代詩を〈声〉と〈書くこと〉の相克の歴史として捉え直し、戦争詩の示す表現の必然性を、朗読やラジオ放送に関わる豊富な新資料とともに明らかにした画期的労作。付CD「戦争詩朗読放送の記録」。

坪井秀人 著
価格 7,600円
A5判・上製・432頁
ISBN978-4-8158-0328-5 C3095
在庫有り


「東京新聞」 [1997年11月23日付、著者インタビュー] から

声の祝祭
日本近代詩と戦争

声の祝祭

『声の祝祭』(坪井秀人著)の著者インタビューが、「東京新聞」(1997年11月23日付)読書欄に掲載されました(「著者に聞く」)。明治の新体詩から、「大東亜戦争」下における戦争詩を経て、湾岸戦争詩論争まで、日本の近代詩を〈声〉と〈書くこと〉の相克の歴史として捉え直し、戦争詩の示す表現の必然性を、朗読やラジオ放送に関わる豊富な新資料とともに明らかにした画期的労作。付CD「戦争詩朗読放送の記録」。

“……「僕らの世代はもちろん戦争体験はありません。しかし、ポストモダンの諸理論やポスト植民地主義のような新しい知の方法を、日本の文学の表現史に活用することで見えてくるものがあるように思います。そして、その成果が戦争体験者との対話になり、民族主義の噴出など冷戦以降の世界状況を解く力になればと思いました」……”(第9面)

坪井秀人 著
価格 7,600円
A5判・上製・432頁
ISBN978-4-8158-0328-5 C3095
在庫有り


『現代詩手帖』 [1997年11月号] から(評者:横木徳久氏)

声の祝祭
日本近代詩と戦争

声の祝祭

坪井秀人著『声の祝祭』が、『現代詩手帖』(1997年11月号、思潮社発行)で紹介されました。明治の新体詩から、「大東亜戦争」下における戦争詩を経て、湾岸戦争詩論争まで、日本の近代詩を〈声〉と〈書くこと〉の相克の歴史として捉え直し、戦争詩の示す表現の必然性を、朗読やラジオ放送に関わる豊富な新資料とともに明らかにした画期的労作。付CD「戦争詩朗読放送の記録」。

坪井秀人 著
価格 7,600円
A5判・上製・432頁
ISBN978-4-8158-0328-5 C3095
在庫有り


『出版ニュース社』 [1997年11月上旬号] から

声の祝祭
日本近代詩と戦争

声の祝祭

坪井秀人著『声の祝祭』が、『出版ニュース』(1997年11月上旬号、出版ニュース社発行)で紹介されました。明治の新体詩から、「大東亜戦争」下における戦争詩を経て、湾岸戦争詩論争まで、日本の近代詩を〈声〉と〈書くこと〉の相克の歴史として捉え直し、戦争詩の示す表現の必然性を、朗読やラジオ放送に関わる豊富な新資料とともに明らかにした画期的労作。付CD「戦争詩朗読放送の記録」。

坪井秀人 著
価格 7,600円
A5判・上製・432頁
ISBN978-4-8158-0328-5 C3095
在庫有り


『図書新聞』 [1997年10月25日号] から(評者:吉田文憲氏)

声の祝祭
日本近代詩と戦争

声の祝祭

坪井秀人著『声の祝祭』が、『図書新聞』(1997年10月25日号、図書新聞発行)で紹介されました。明治の新体詩から、「大東亜戦争」下における戦争詩を経て、湾岸戦争詩論争まで、日本の近代詩を〈声〉と〈書くこと〉の相克の歴史として捉え直し、戦争詩の示す表現の必然性を、朗読やラジオ放送に関わる豊富な新資料とともに明らかにした画期的労作。付CD「戦争詩朗読放送の記録」。

坪井秀人 著
価格 7,600円
A5判・上製・432頁
ISBN978-4-8158-0328-5 C3095
在庫有り


「北海道新聞」 [1997年10月19日付] から(評者:村井紀氏)

声の祝祭
日本近代詩と戦争

声の祝祭

坪井秀人著『声の祝祭』が、「北海道新聞」(1997年10月19日付)で紹介されました。明治の新体詩から、「大東亜戦争」下における戦争詩を経て、湾岸戦争詩論争まで、日本の近代詩を〈声〉と〈書くこと〉の相克の歴史として捉え直し、戦争詩の示す表現の必然性を、朗読やラジオ放送に関わる豊富な新資料とともに明らかにした画期的労作。付CD「戦争詩朗読放送の記録」。

坪井秀人 著
価格 7,600円
A5判・上製・432頁
ISBN978-4-8158-0328-5 C3095
在庫有り


「毎日新聞」 [1997年10月5日付] から(評者:富山太佳夫氏)

声の祝祭
日本近代詩と戦争

声の祝祭

坪井秀人著『声の祝祭』が、「毎日新聞」(1997年10月5日付)で紹介されました。明治の新体詩から、「大東亜戦争」下における戦争詩を経て、湾岸戦争詩論争まで、日本の近代詩を〈声〉と〈書くこと〉の相克の歴史として捉え直し、戦争詩の示す表現の必然性を、朗読やラジオ放送に関わる豊富な新資料とともに明らかにした画期的労作。付CD「戦争詩朗読放送の記録」。

“…… やはり最も興味深いのは、本全体の約4割をしめる、大東亜戦争下における戦争詩を論じた部分だろう。…… 著者はただ単に過去の責任追及のためにそれを取りあげるのではなく、それが戦時下の日本で具体的にどのように利用されたのかを解明しようとする。そのためにラジオの朗読詩放送に着目し、ときには番組表の分析を試みるのだ。…… この本は文学研究と歴史学とカルチュラル・スタディーズの融合点に向かっているように思う。新鮮で、大胆で、そして鋭敏な批評だ。”(第9面)

坪井秀人 著
価格 7,600円
A5判・上製・432頁
ISBN978-4-8158-0328-5 C3095
在庫有り


『現代詩手帖』 [1997年10月号] から(評者:絓秀実氏)

声の祝祭
日本近代詩と戦争

声の祝祭

坪井秀人著『声の祝祭』が、『現代詩手帖』(1997年10月号、思潮社発行)で紹介されました。明治の新体詩から、「大東亜戦争」下における戦争詩を経て、湾岸戦争詩論争まで、日本の近代詩を〈声〉と〈書くこと〉の相克の歴史として捉え直し、戦争詩の示す表現の必然性を、朗読やラジオ放送に関わる豊富な新資料とともに明らかにした画期的労作。付CD「戦争詩朗読放送の記録」。

“…… 圧巻は、戦争詩の発掘とその精緻な分析であり、それが戦後へと接続していくことの見事な論証である。本書の出現によって、詩壇的なジャーゴンとしての「戦後詩」は、ほぼ無効と化したと言って良い。…… 現代の詩人・詩論家が正面から応接することの必須な、第一級の問題作である。……”(p.135)

坪井秀人 著
価格 7,600円
A5判・上製・432頁
ISBN978-4-8158-0328-5 C3095
在庫有り


『現代詩手帖』 [1997年10月号] から(評者:添田馨氏)

声の祝祭
日本近代詩と戦争

声の祝祭

坪井秀人著『声の祝祭』が、『現代詩手帖』(1997年10月号、思潮社発行)で紹介されました。明治の新体詩から、「大東亜戦争」下における戦争詩を経て、湾岸戦争詩論争まで、日本の近代詩を〈声〉と〈書くこと〉の相克の歴史として捉え直し、戦争詩の示す表現の必然性を、朗読やラジオ放送に関わる豊富な新資料とともに明らかにした画期的労作。付CD「戦争詩朗読放送の記録」。

“…… 研究書としては稀な批評水準の高さを誇る一冊である。なかでも見事なのは、声(オーラリティ)と書くこと(リテラシー)の相克の原理を隠れた軸にしてなされる文学史への再アクセスの手つきだ。……”(p.196)

坪井秀人 著
価格 7,600円
A5判・上製・432頁
ISBN978-4-8158-0328-5 C3095
在庫有り


「読売新聞」 [1997年8月31日] から

声の祝祭
日本近代詩と戦争

声の祝祭

坪井秀人著『声の祝祭』が、「読売新聞」(1997年8月31日付)で紹介されました。明治の新体詩から、「大東亜戦争」下における戦争詩を経て、湾岸戦争詩論争まで、日本の近代詩を〈声〉と〈書くこと〉の相克の歴史として捉え直し、戦争詩の示す表現の必然性を、朗読やラジオ放送に関わる豊富な新資料とともに明らかにした画期的労作。付CD「戦争詩朗読放送の記録」。

坪井秀人 著
価格 7,600円
A5判・上製・432頁
ISBN978-4-8158-0328-5 C3095
在庫有り


「中日新聞」 [1997年8月30日、夕刊] から

声の祝祭
日本近代詩と戦争

声の祝祭

坪井秀人著『声の祝祭』が、「中日新聞」(1997年8月30日付、夕刊)で紹介されました。明治の新体詩から、「大東亜戦争」下における戦争詩を経て、湾岸戦争詩論争まで、日本の近代詩を〈声〉と〈書くこと〉の相克の歴史として捉え直し、戦争詩の示す表現の必然性を、朗読やラジオ放送に関わる豊富な新資料とともに明らかにした画期的労作。付CD「戦争詩朗読放送の記録」。

坪井秀人 著
価格 7,600円
A5判・上製・432頁
ISBN978-4-8158-0328-5 C3095
在庫有り


「朝日新聞」 [1997年8月15日、地方版] から

声の祝祭
日本近代詩と戦争

声の祝祭

坪井秀人著『声の祝祭』が、「朝日新聞」(1997年8月15日付、地方版)で紹介されました。明治の新体詩から、「大東亜戦争」下における戦争詩を経て、湾岸戦争詩論争まで、日本の近代詩を〈声〉と〈書くこと〉の相克の歴史として捉え直し、戦争詩の示す表現の必然性を、朗読やラジオ放送に関わる豊富な新資料とともに明らかにした画期的労作。付CD「戦争詩朗読放送の記録」。

坪井秀人 著
価格 7,600円
A5判・上製・432頁
ISBN978-4-8158-0328-5 C3095
在庫有り


年度別書評一覧

近刊案内

2024年4月16日出来予定

愛・セックス・結婚の哲学

R・ハルワニ 著
江口 聡・岡本慎平 監訳
A5判・上製・576頁
税込6,930円/本体6,300円
ISBN 978-4-8158-1154-9
Cコード 3010

2024年4月16日出来予定

在日フィリピン人社会

高畑 幸 著
A5判・上製・330頁
税込6,380円/本体5,800円
ISBN 978-4-8158-1153-2
Cコード 3036

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重版案内

2023年4~5月

2023年 春の一斉増刷

2024年1月19日出来

アメリカの人種主義(第2刷)

竹沢泰子 著
A5判・上製・516頁
税込4,950円/本体4,500円
ISBN 978-4-8158-1118-1
Cコード 3022

2023年12月22日出来

進化倫理学入門(第2刷)

スコット・ジェイムズ 著
児玉 聡 訳
A5判・上製・336頁
税込4,950円/本体4,500円
ISBN 978-4-8158-0896-9
Cコード 3012

2023年11月30日出来

派閥の中国政治(第2刷)

李 昊 著
A5判・上製・396頁
税込6,380円/本体5,800円
ISBN 978-4-8158-1131-0
Cコード 3031

2023年11月17日出来

消え去る立法者(第3刷)

王寺賢太 著
A5判・上製・532頁
税込6,930円/本体6,300円
ISBN 978-4-8158-1120-4
Cコード 3010

2023年10月27日出来

統計学を哲学する(第5刷)

大塚 淳 著
A5判・並製・248頁
税込3,520円/本体3,200円
ISBN 978-4-8158-1003-0
Cコード 3010

2023年10月23日出来

質的研究の考え方(第7刷)

大谷 尚 著
菊判・並製・416頁
税込3,850円/本体3,500円
ISBN 978-4-8158-0944-7
Cコード 3036

2023年8月28日出来

対華二十一ヵ条要求とは何だったのか(第4刷)

奈良岡聰智 著
A5判・上製・488頁
税込6,050円/本体5,500円
ISBN 978-4-8158-0805-1
Cコード 3021

2023年8月24日出来

世界史のなかの東南アジア【上巻】(第2刷)

アンソニー・リード 著
太田 淳・長田紀之 監訳
A5判・上製・398頁
税込3,960円/本体3,600円
ISBN 978-4-8158-1051-1
Cコード 3022

2023年8月21日出来

客観性(第4刷)

ロレイン・ダストン/ピーター・ギャリソン 著
瀬戸口明久・岡澤康浩・坂本邦暢・有賀暢迪 訳
A5判・上製・448頁
税込6,930円/本体6,300円
ISBN 978-4-8158-1033-7
Cコード 3010

2023年8月10日出来

宇宙機の熱設計(第3刷)

大西 晃 他編
B5判・上製・332頁
税込19,800円/本体18,000円
ISBN 978-4-8158-1042-9
Cコード 3053

2023年7月28日出来

中央銀行はお金を創造できるか(第2刷)

金井雄一 著
A5判・上製・234頁
税込5,940円/本体5,400円
ISBN 978-4-8158-1125-9
Cコード 3033

2023年6月21日出来

キュビスム芸術史(第2刷)

松井裕美 著
A5判・上製・692頁
税込7,480円/本体6,800円
ISBN 978-4-8158-0937-9
Cコード 3071

2023年6月15日出来

科学アカデミーと「有用な科学」(第3刷)

隠岐さや香 著
A5判・上製・528頁
税込8,140円/本体7,400円
ISBN 978-4-8158-0661-3
Cコード 3040

2023年5月25日出来

統計力学の形成(第3刷)

稲葉 肇 著
A5判・上製・378頁
税込6,930円/本体6,300円
ISBN 978-4-8158-1036-8
Cコード 3040

2023年5月24日出来

明代とは何か(第2刷)

岡本隆司 著
A5判・上製・324頁
税込4,950円/本体4,500円
ISBN 978-4-8158-1086-3
Cコード 3022

2023年5月12日出来

消え去る立法者(第2刷)

王寺賢太 著
A5判・上製・532頁
税込6,930円/本体6,300円
ISBN 978-4-8158-1120-4
Cコード 3010

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