内 容
明治の新体詩から、「大東亜戦争」下における戦争詩を経て、湾岸戦争詩論争まで、日本の近代詩を〈声〉と〈書くこと〉の相克の歴史として捉え直し、戦争詩の示す表現の必然性を、朗読やラジオ放送に関わる豊富な新資料とともに明らかにした画期的労作。付CD「戦争詩朗読放送の記録」。
目 次
序 章
第Ⅰ部
第1章 〈声〉と〈書くこと〉
——『新体詩抄』/ 蒲原有明 / 民衆詩派
第2章 近代詩の縫い目
—— 口語自由詩の時代
第Ⅱ部
第3章 短歌滅亡論と詩形
—— 子規と朔太郎
第4章 賢治神話と〈書く〉こと
——『春と修羅』の受容
第5章 韻律の闇
—— 佐藤一英の詩学
第6章 中間者と言霊
——〈晩年〉の立原道造
第7章 メディアと文学の間
—— 1930年代の大宅壮一・大熊信行
第Ⅲ部
第8章 戦争詩論の前提
第9章 声の祝祭
—— 戦争詩の時代
第10章 朗読詩放送と戦争詩
第11章 銃後/前線の詩人たち
第12章 モダニストと勤労詩
—— 戦時期の近藤東
第Ⅳ部
第13章 『荒地』と『列島』
—— 戦後詩の十年
第14章 鉄路のうたごえ
—— 近藤東の戦後と国鉄詩
第15章 何もしないよりずっと……
—— 湾岸戦争と現代詩
注
ポスト・フェストゥム …… 祭りのあと/あとの祭り
初出一覧
付録 朗読詩放送の記録
雑誌名・団体名索引
人名・書名索引
付録CD 戦争詩朗読放送の記録
受 賞
書 評
『図書新聞』(2015年3月28日号、第3200号、評者:清都正明氏)
『昭和文学研究』(第37集、1998年9月、評者:澤正宏氏、小関和弘氏)
『文藝年鑑』(平成十年版、1998年7月、評者:曾根博義氏)