内 容
「世界の宝飾」と呼ばれた輝ける土地の記憶 ——。700年以上にわたる三宗教の共存のただなかで形成された「寛容の文化」を、美しいタペストリーを織り上げるかのごとく再構成し、地中海・ヨーロッパ世界の歴史と文化の新たな相貌を浮かび上がらせる。それが今日の世界に示唆するものは、われわれの心をゆさぶらずにはおかないであろう。
目 次
まえがき(ハロルド・ブルーム)
Ⅰ 序 論
Ⅱ 第一級の土地の簡潔な歴史
Ⅲ 記憶の宮殿
モスクと棗椰子
786年、コルドバ
母なることば
855年、コルドバ
偉大なワズィール、大いなる都市
949年、コルドバ
記憶の庭園
1009年、コルドバの南、マディーナ・アルザフラー
流浪の勝利者
1041年、アルゴーナの戦場、コルドバとグラナダのはざまで
愛と愛の歌
1064年8月、セビーリャ西方、ウエルバへの道すがら、ニエブラ
1064年8月、ピレネーの麓、サラゴーサへの道すがら、バルバストロ
丘の上の教会
1085年、トレード
ロンドンのアンダルス人
1106年、ウエスカ
船と駱駝の旅
1140年、アレクサンドリア
修道院長とクルアーン
1142年、クリュニー
贈り物
1236年、シチリア
1236年、コルドバ
1236年、グラナダ
パリの焚書
1277年、パリ
別世界のヴィジョン
1305年、アビラ
カスティーリャ宮廷の外国人高官
1364年、セビーリャ
1364年、トレード
アルハンブラにて
1492年、グラナダ
ラ・マンチャの何処かで
1605年
エピローグ
アンダルスの破片
あとがき
謝 辞
訳者あとがき
参考文献
索 引
書 評
『パセオフラメンコ』(2007年3月号、第273号、評者:佐藤奈津子氏)
『歴史と地理』(2006年5月号、第594号、評者:塚原直人氏)
『史学雑誌』(2006年4月号、第115編第4号、評者:黒田祐我氏)