2026年度書評一覧
「朝日新聞」 [2026年5月16日付] から(評者:酒井啓子氏)
アメリカはなぜイスラエルを支援するのか
揺れ動くまなざしの歴史

佐藤雅哉著『アメリカはなぜイスラエルを支援するのか』が、「朝日新聞」(2026年5月16日付)で紹介されました。宗教、メディア、ビジネス界から記憶の政治まで —— アメリカ社会で広く創出され続けるイスラエルへの好意的感情は現実の政治を動かし、「特別な関係」を根底で支えてきた。異論や批判との衝突のなかで絶えず編み直されるイメージの力学を、特定の勢力や時代に還元することなく包括的に描き出した刮目の書。
佐藤雅哉 著
税込5,940円/本体5,400円
A5判・上製・346頁
ISBN978-4-8158-1226-3 C3022
『西洋史学論集』 [第63号、2026年3月] から(評者:髙田京比子氏)
ヴェニスのユダヤ人
ゲットーと地中海の500年

リッカルド・カリマーニ著『ヴェニスのユダヤ人』(藤内哲也監訳/大杉淳子訳)が、『西洋史学論集』(第63号、2026年3月、九州西洋史学会発行)で紹介されました。隔離か、共生か ——。差別と寛容の狭間で、豊かな文化を育んだヴェネツィアのユダヤ人たち。16世紀から現代にいたるヨーロッパ・地中海世界の激動の歴史のなかで、金融業や商業、さらには政治・宗教・思想など多様な領域で活躍した「シャイロックたち」と、水の都が織りなす500年の物語。
リッカルド・カリマーニ 著
藤内哲也 監訳/大杉淳子 訳
税込6,930円/本体6,300円
A5判・上製・392頁
ISBN978-4-8158-1156-3 C3022
『理論と動態』 [第18号、2026年3月] から(評者:永田貴聖氏)
在日フィリピン人社会
1980~2020年代の結婚移民と日系人

高畑幸著『在日フィリピン人社会』が、『理論と動態』(第18号、2026年3月、社会理論・動態研究所発行)で紹介されました。バブル期に毎年数万人の流入をみたエンターテイナー世代から、ブラジル人に代わり急増する日系人まで、いまや幅広い世代と領域に広がり日本社会の一部となったフィリピン人たち。外国人労働者の先駆でもある一大エスニック集団の暮らしと語りに密着し、全体像を活き活きと描き出します。
高畑 幸 著
税込6,380円/本体5,800円
A5判・上製・326頁
ISBN978-4-8158-1153-2 C3036
『理論と動態』 [第18号、2026年3月] から(評者:稲葉奈々子氏)
強制送還の国際社会学
「ヒスパニック」系移民とアメリカのゆくえ

飯尾真貴子著『強制送還の国際社会学』が、『理論と動態』(第18号、2026年3月、社会理論・動態研究所発行)で紹介されました。「史上最大」とも称される国外追放政策は、移民社会に何をもたらすのか。米国とメキシコをつなぐ画期的な調査を通して、取締り・収容から帰国後のさらなる困難、分断される家族、再移動の試みまで、一国に限定された視野では捉えきれない強制送還の全容を力強く描き出し、移民論の新領域を拓く。
飯尾真貴子 著
税込7,480円/本体6,800円
A5判・上製・334頁
ISBN978-4-8158-1190-7 C3036
『アメリカ太平洋研究』 [第26号、2026年3月] から(評者:戸田山祐氏)
強制送還の国際社会学
「ヒスパニック」系移民とアメリカのゆくえ

飯尾真貴子著『強制送還の国際社会学』が、『アメリカ太平洋研究』(第26号、2026年3月、東京大学大学院総合文化研究科グローバル地域研究機構アメリカ太平洋地域研究センター発行)で紹介されました。「史上最大」とも称される国外追放政策は、移民社会に何をもたらすのか。米国とメキシコをつなぐ画期的な調査を通して、取締り・収容から帰国後のさらなる困難、分断される家族、再移動の試みまで、一国に限定された視野では捉えきれない強制送還の全容を力強く描き出し、移民論の新領域を拓く。
飯尾真貴子 著
税込7,480円/本体6,800円
A5判・上製・334頁
ISBN978-4-8158-1190-7 C3036
『経済理論』 [第424号、2026年3月] から(評者:藤木剛康氏)
中国革命の方法
共産党はいかにして権力を樹立したか

三品英憲著『中国革命の方法』が、『経済理論』(第424号、2026年3月、和歌山大学経済学会発行)で紹介されました。国家による社会のコントロールはいかに深化し、共産党への忠誠競争をかき立てたのか。国共内戦期、土地改革のうねりの中で農村の権力構造が激しく流動するさまに着目、エスカレートする暴力と従軍への圧力を捉え、今日の中国のルーツをなす大転換を、史料への鋭いまなざしと臨場感あふれる筆致で描く。
三品英憲 著
税込8,800円/本体8,000円
A5判・上製・544頁
ISBN978-4-8158-1167-9 C3031
『週刊読書人』 [2026年5月8日号、第3636号] から(評者:溝渕正季氏)
アメリカはなぜイスラエルを支援するのか
揺れ動くまなざしの歴史

佐藤雅哉著『アメリカはなぜイスラエルを支援するのか』が、『週刊読書人』(2026年5月8日号、第3636号、読書人発行)で紹介されました。宗教、メディア、ビジネス界から記憶の政治まで —— アメリカ社会で広く創出され続けるイスラエルへの好意的感情は現実の政治を動かし、「特別な関係」を根底で支えてきた。異論や批判との衝突のなかで絶えず編み直されるイメージの力学を、特定の勢力や時代に還元することなく包括的に描き出した刮目の書。
佐藤雅哉 著
税込5,940円/本体5,400円
A5判・上製・346頁
ISBN978-4-8158-1226-3 C3022
『歴史学研究』 [2026年5月号、第1074号] から(評者:齋藤由佳氏)
猫を愛でる近代
啓蒙時代のペットとメディア

貝原伴寛著『猫を愛でる近代』が、『歴史学研究』(2026年5月号、第1074号、歴史学研究会編)で紹介されました。かつては害獣対策はもちろん、薬用や祝祭の犠牲にも供されていた猫。なぜ、どのようにして「愛らしいペット」になったのか ——。啓蒙期フランスの科学・文学・美術を通して、「文明」の伴侶としての猫観の誕生に迫り、「ネコ好き」社会をもたらした、人々の感情の大転換を跡づける。
貝原伴寛 著
税込6,930円/本体6,300円
A5判・上製・498頁
ISBN978-4-8158-1172-3 C3022
『歴史評論』 [2026年5月号、第913号] から(評者:稲垣春樹氏)
善意の帝国
イギリスのフィランスロピーと南アフリカ

大澤広晃著『善意の帝国』が、『歴史評論』(2026年5月号、第913号、歴史科学協議会発行)で紹介されました。国内の弱者をこえ、奴隷や先住民にも救いの手を伸ばそうとした帝国大の「善意」。救済・福祉・支配がかさなりあうその姿とは? 植民地における人道主義の活動とイデオロギーを克明に跡づけ、非白人への屈折したまなざしや人種隔離との両義的関係を析出。大西洋に広がる慈善のネットワークも視野に、チャリティの可能性と限界、そして現代への遺産に迫る。
大澤広晃 著
税込7,480円/本体6,800円
A5判・上製・466頁
ISBN978-4-8158-1174-7 C3022
『イギリス哲学研究』 [第48号、2025年3月] から(評者:蝶名林亮氏)
道徳はなぜ価値判断の問題になるのか
ヘアの道徳哲学と好敵手たち

冨田絢矢著『道徳はなぜ価値判断の問題になるのか』が、『イギリス哲学研究』(第48号、2025年3月、日本イギリス哲学会発行)で紹介されました。我々がもつべき生き方の自由と、普遍的規範を求める理性 ——。価値観の林立する現代において溝を深めるこの2つは、果たして調停しうるのか。ヘアの哲学を軸にサールやトゥールミンらの議論も検討し、共同の学びに焦点を置いた倫理を提示、Why-be-moral? 問題に新たな答えを与える野心作。
冨田絢矢 著
税込6,380円/本体5,800円
A5判・上製・334頁
ISBN978-4-8158-1143-3 C3012
『国際安全保障』 [第53巻第4号、2026年3月] から(評者:竹本周平氏)
新冷戦をこえて
ヨーロッパデタントから冷戦の終焉へ

髙坂博史著『新冷戦をこえて』が、『国際安全保障』(第53巻第4号、2026年3月、国際安全保障学会発行)で紹介されました。過去最多の核弾頭、止まない第三世界への介入 —— 新冷戦のピークにあって、対立の最前線に立つヨーロッパ諸国はいかにして冷戦の終わりへの扉をひらくことができたのか。米ソ両超大国を動かした外交の苦闘の過程を、人道・経済にとどまらない軍事の領域に分け入って解明した注目の力作。
髙坂博史 著
税込7,480円/本体6,800円
A5判・上製・324頁
ISBN978-4-8158-1191-4 C3031
「読売新聞」 [2026年4月12日付] から(評者:君塚直隆氏)
アヘンの近世
オランダ東インド会社と海域アジア

大久保翔平著『アヘンの近世』が、「読売新聞」(2026年4月12日付)で紹介されました。浸透するアヘン、社会問題の出現 ——。グローバル経済の拡大期、海域アジアで始まったアヘンの取引は、地域と世界に何をもたらしたのか。現地人や華人・西洋人が参加する生産・流通から、新たな消費形態の登場、植民地統治の本格化と結びついた当局による規制まで、アヘン戦争以前のドラッグ経済を初めてトータルに描いた意欲作。
大久保翔平 著
税込7,920円/本体7,200円
A5判・上製・488頁
ISBN978-4-8158-1223-2 C3022
『We learn』 [2026年4月号、第861号] から
「生保レディ」の現代史
保険大国の形成とジェンダー

金井郁・申琪榮著『「生保レディ」の現代史』が、『We learn』(2026年4月、第861号、日本女性学習財団発行)で紹介されました。なぜ女性が担ってきたのか —— 9割に迫る驚異的な加入率を実現し、高度成長の基盤となった日本の生命保険産業。その発展を最前線で支えた女性営業職に着目し、大量採用・大量離職から成果給までその実像を初めて解明。外資系男性営業職もとらえたジェンダー分析により、「非効率」として見過ごされてきた労働のあり方をつぶさに捉え、保険大国への歩みに新たな光を当てます。
金井 郁・申 琪榮 著
税込5,940円/本体5,400円
A5判・上製・352頁
ISBN978-4-8158-1214-0 C3033
『アジア・アフリカ地域研究』 [第25-2号、2026年3月] から(評者:水野祥子氏)
善意の帝国
イギリスのフィランスロピーと南アフリカ

大澤広晃著『善意の帝国』が、『アジア・アフリカ地域研究』(第25-2号、2026年3月、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科発行)で紹介されました。国内の弱者をこえ、奴隷や先住民にも救いの手を伸ばそうとした帝国大の「善意」。救済・福祉・支配がかさなりあうその姿とは? 植民地における人道主義の活動とイデオロギーを克明に跡づけ、非白人への屈折したまなざしや人種隔離との両義的関係を析出。大西洋に広がる慈善のネットワークも視野に、チャリティの可能性と限界、そして現代への遺産に迫ります。
大澤広晃 著
税込7,480円/本体6,800円
A5判・上製・466頁
ISBN978-4-8158-1174-7 C3022
『アジア・アフリカ地域研究』 [第25-2号、2026年3月] から(評者:神田さやこ氏)
モンスーン経済
水と気候からみたインド史

ティルタンカル・ロイ著/小林和夫訳『モンスーン経済』が、『アジア・アフリカ地域研究』(第25-2号、2026年3月、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科発行)で紹介されました。水への安定したアクセスなしに、熱帯アジアの持続的な経済発展はありえなかった —— 飢饉やコレラとの闘い、井戸をめぐるカースト間の対立、失業と停滞を生む乾季への対処など、成長のボトルネックとなった過酷な環境との交渉に焦点をあて、西洋とは異なる新たな発展モデルを提示します。
ティルタンカル・ロイ 著
小林和夫 訳
税込3,960円/本体3,600円
四六判・上製・240頁
ISBN978-4-8158-1176-1 C3022
『史学研究』 [第323号、2026年3月] から(評者:丸田孝志氏)
中国革命の方法
共産党はいかにして権力を樹立したか

三品英憲著『中国革命の方法』が、『史学研究』(第323号、2026年3月、広島史学研究会発行)で紹介されました。国家による社会のコントロールはいかに深化し、共産党への忠誠競争をかき立てたのか。国共内戦期、土地改革のうねりの中で農村の権力構造が激しく流動するさまに着目、エスカレートする暴力と従軍への圧力を捉え、今日の中国のルーツをなす大転換を、史料への鋭いまなざしと臨場感あふれる筆致で描きます。
三品英憲 著
税込8,800円/本体8,000円
A5判・上製・544頁
ISBN978-4-8158-1167-9 C3031
『図書新聞』 [2026年4月4日号、第3730号] から(評者:水上拓哉氏)
AI・ロボットからの倫理学入門

久木田水生・神崎宣次・佐々木拓・本田康二郎著『AI・ロボットからの倫理学入門』が、『図書新聞』(2026年4月4日号、第3730号、武久出版発行)で紹介されました。AI・ロボット技術が日々進化する中で、生成AI や自動運転車、自律型兵器などが引き起こしうる倫理的問題を通し、人間の道徳を考える、知的興奮に満ちた入門書。「本書には、ロボットや AI という新しい隣人たちとつきあう上で参考となる倫理学の知恵がつまっている」 —— 伊勢田哲治。
久木田水生・神崎宣次・佐々木 拓・本田康二郎 著
税込2,970円/本体2,700円
A5判・並製・250頁
ISBN978-4-8158-1200-3 C3012
『図書新聞』 [2026年4月4日号、第3730号] から(評者:高萩智也氏)
ヒューム イングランド史Ⅰ・Ⅱ

犬塚元・壽里竜・池田和央訳『ヒューム イングランド史Ⅰ・Ⅱ』が、『図書新聞』(2026年4月4日号、第3730号、武久出版発行)で紹介されました。啓蒙の歴史叙述の最高傑作として近年注目が集まっている『イングランド史』。そのうち最初に公刊されたステュアート史を、網羅的な資料調査と綿密な校訂にもとづき初めて全訳。内戦へと向かう分断の時代を語るなかで、認識論、因果論、情念論などの哲学的分析は歴史といかに出会うのか。
犬塚 元・壽里 竜・池田和央 訳
税込各9,350円/本体各8,500円
A5判・上製・上564頁+下496頁
ISBN 上:978-4-8158-1209-6 下:978-4-8158-1210-2
C3010
『都市問題』 [2026年4月号、第117巻] から(評者:鄭黄燕氏)
「生保レディ」の現代史
保険大国の形成とジェンダー

金井郁・申琪榮著『「生保レディ」の現代史』が、『都市問題』(2026年4月号、第117巻、後藤・安田記念東京都市研究所発行)で紹介されました。なぜ女性が担ってきたのか —— 9割に迫る驚異的な加入率を実現し、高度成長の基盤となった日本の生命保険産業。その発展を最前線で支えた女性営業職に着目し、大量採用・大量離職から成果給までその実像を初めて解明。外資系男性営業職もとらえたジェンダー分析により、「非効率」として見過ごされてきた労働のあり方をつぶさに捉え、保険大国への歩みに新たな光を当てます。
金井 郁・申 琪榮 著
税込5,940円/本体5,400円
A5判・上製・352頁
ISBN978-4-8158-1214-0 C3033
「UTokyo BiblioPlaza」 [2026年3月31日公開] から
天皇の軍事輔弼体制
元帥と戦争指導の政治史

飯島直樹著『天皇の軍事輔弼体制』の自著紹介が、「UTokyo BiblioPlaza」(2026年3月31日公開、東京大学)に掲載されました。「輔弼」として知られる天皇への助言システムは、昭和期までは有効に機能し、軍統制の一大焦点となっていた。天皇-軍関係の核心を、明治の建軍から二度の大戦まで初めて統一的に解明。多角的な輔弼構造の形成と衰微を実証し、軍部の台頭や戦争責任問題にも新たな光を当てる意欲作。
飯島直樹 著
税込7,480円/本体6,800円
A5判・上製・368頁
ISBN978-4-8158-1192-1 C3021
『社会と倫理』 [第40号、2025年12月] から(評者:横路佳幸氏)
道徳はなぜ価値判断の問題になるのか
ヘアの道徳哲学と好敵手たち

冨田絢矢著『道徳はなぜ価値判断の問題になるのか』が、『社会と倫理』(第40号、2025年12月、南山大学社会倫理研究所発行)で紹介されました。我々がもつべき生き方の自由と、普遍的規範を求める理性 ——。価値観の林立する現代において溝を深めるこの2つは、果たして調停しうるのか。ヘアの哲学を軸にサールやトゥールミンらの議論も検討し、共同の学びに焦点を置いた倫理を提示、Why-be-moral? 問題に新たな答えを与える野心作。
冨田絢矢 著
税込6,380円/本体5,800円
A5判・上製・334頁
ISBN978-4-8158-1143-3 C3012
『経営史学』 [第60巻第4号、2026年3月] から(評者:老川慶喜氏)
日本帝国圏鉄道史
技術導入から東アジアへ

沢井実著『日本帝国圏鉄道史』が、『経営史学』(第60巻第4号、2026年3月、経営史学会発行)で紹介されました。帝国日本の「骨格」はいかに形成されたのか。欧米から吸収した最先端の鉄道技術が朝鮮・満洲といった外地において固有の仕方で実践され、戦後へとつながる一大鉄道ネットワークの構築に至る歩みを、技術者など人的資源の移転を軸に隅々まで捉え、比類なきスケールで鉄道史を描き直します。
沢井 実 著
税込6,380円/本体5,800円
A5判・上製・340頁
ISBN978-4-8158-1135-8 C3021

