内 容
過去最多の核弾頭、止まない第三世界への介入 —— 新冷戦のピークにあって、対立の最前線に立つヨーロッパ諸国はいかにして冷戦の終わりへの扉をひらくことができたのか。米ソ両超大国を動かした外交の苦闘の過程を、人道・経済にとどまらない軍事の領域に分け入って解明した注目の力作。
目 次
用語解説
序 章 米ソ新冷戦とヨーロッパデタント
1 新冷戦を生き延びたヨーロッパデタント
2 ヨーロッパデタントの軍事的安全保障の次元
3 ヨーロッパデタントを研究する意義
4 使用する史料
5 本書の構成
第1章 ヨーロッパ軍縮会議構想の登場
—— 1977~79年
はじめに
1 ベオグラード再検討会議とヨーロッパデタントの危機
2 フランスの軍縮イニシアチブとヨーロッパ軍縮会議の登場
3 ヨーロッパ軍縮会議に対する国際社会の反応
4 ヨーロッパ共同体諸国による議論
5 ヨーロッパ共同体および NATO での支持コミュニケの発出
おわりに
第2章 ソ連のアフガニスタン侵攻とヨーロッパデタントの模索
—— 1979~80年
はじめに
1 ソ連のアフガニスタン侵攻と西側諸国の反応
2 米ソ新冷戦の幕開けとヨーロッパデタントの存続
3 東西関係のあり方をめぐる米欧間の論争
4 マドリード再検討会議の開会に向けて
おわりに
第3章 ヨーロッパ安全保障協力会議での東西対話
—— 1980~83年
はじめに
1 安全保障の議論を通じたマドリード再検討会議の進展
2 ポーランドの戒厳令とマドリード再検討会議の対応
3 ヨーロッパ軍縮会議を通じた東西の歩み寄りと妥結
おわりに
第4章 ヨーロッパ軍縮会議と東西関係の雪解けへの道
—— 1983~86年
はじめに
1 新冷戦のエスカレートとヨーロッパ軍縮会議を通じた対話の模索
2 ヨーロッパ軍縮会議の開会式と東西関係の再始動
3 ヨーロッパ軍縮会議を通じた東西関係の安定化
4 米ソの歩み寄りの「第一歩」としてのヨーロッパ軍縮会議
5 ヨーロッパによる、ヨーロッパのためのヨーロッパ軍縮会議
おわりに
終 章 新冷戦をこえて
—— ヨーロッパデタントが残したもの
1 各章の議論の概要
2 本書の研究に対する貢献
3 軍事的安全保障の次元でのヨーロッパデタントの意義
4 ヨーロッパ共同体諸国によるイニシアチブの意義
5 ヨーロッパ軍縮会議を基調とする軍備管理・軍縮交渉の意義
6 冷戦終結過程におけるヨーロッパデタントの役割とその後の展開
あとがき
注
参考文献
略語一覧
索 引
関連書
『グローバル冷戦史』 O・A・ウェスタッド 著/佐々木雄太 監訳/小川浩之・益田 実・三須拓也・三宅康之・山本 健 訳