内 容
大国が後退するとき ——。平和を維持する仕組みはいかに構想され、なぜ脆弱化したのか? 国際連盟を含む複数の安全保障観やヨーロッパ派と帝国派のせめぎ合い等のなか、西欧への関与の揺らぐイギリスの外交姿勢と諸国との交渉過程を、膨大な史料から精緻に描き出し、現在への示唆に富む気鋭による力作。
目 次
関連地図
凡 例
序 章
第1章 西欧に関する戦後構想 1916~18年
1 アスキス内閣による戦後構想策定の試み
2 ロイド・ジョージ内閣の講和準備(1) 1916年12月~17年12月
3 ロイド・ジョージ内閣の講和準備(2) 1917年12月~18年12月
第2章 パリ講和会議における西欧安全保障問題 1919年
1 国際連盟と対独軍備制限
2 ラインラント問題
3 英仏・米仏保障条約の形成
4 ベルギー問題
5 ヴェルサイユ条約の成立
第3章 フランスとベルギーへの保障の再検討 1919~20年
1 イギリス政府による対仏コミットメントの再検討
2 1839年条約の修正交渉とベルギー保障案
3 仏白軍事協定交渉へのイギリスの参加問題
第4章 英仏・英白同盟交渉の挫折 1921~23年
1 英仏同盟構想に関するイギリスの政策検討
2 フランスの同盟提案
3 カンヌ会議における英仏・英白同盟交渉
4 同盟交渉の頓挫
5 ルール危機のもとでの西欧安全保障構想
第5章 ロカルノ条約の形成 1924~25年
1 マクドナルド労働党政権期の安全保障交渉
2 第二次ボールドウィン内閣による安全保障案の模索
3 イギリス政府によるドイツ提案の受諾過程
4 西欧相互保障協定の草案作成をめぐる国際交渉
5 ロカルノ条約の成立
終 章
あとがき
注
参考文献
略語表
索 引
訂正情報
本文に誤りがあり、正誤表を作成しました。以下より正誤表ファイルをダウンロードいただけます。
書 評
『西洋史学』(第270号、2020年12月、評者:後藤春美氏)
東京財団政策研究所ウェブサイト(2020年5月20日、評者:菅原健志氏)
『国際安全保障』(第47巻第2号、2019年9月、評者:小川浩之氏)