内 容
日本列島でくりひろげられた経済社会の営みを、環境史や生活史などの新たな視点も交えて活写、世界経済との連関もふまえ、国家の枠をこえた多様な経済の展開過程が、いかにして現代社会へとつながるのかをわかりやすく解説した、好評のスタンダード・テキスト決定版。
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目 次
序 章 日本経済の歴史をどのような視点でみるか
第Ⅰ部 経済社会の勃興
—— 古代から中世へ
はじめに —— 宗教を基底に置く社会の「市場経済」
第1章 公領と荘園の古代
—— 自国銭貨の時代から商品貨幣の時代へ
序 東アジア世界経済のなかの古代日本社会
1 銭貨の発行と流通
2 産業構成と社会編成
3 財政構造の転換と全国的商品流通の形成
4 領域型荘園の成立
解説Ⅰ-1 商業と商人の生成
第2章 貿易と戦乱の中世
—— 中国銭貨の時代
序 ユーラシア世界経済の成立と中世日本社会
1 渡来銭の流入と手形の発達
2 朝廷・幕府・大名の経済政策
3 代銭納化の進展と荘園制の変容
4 都市工業の成長と商人仲間
5 中世海運と遠隔地間商業
6 村落・都市の成立と生活環境
解説Ⅰ-2 出土銭貨研究から見た貨幣流通
解説Ⅰ-3 荘園制研究の新展開
テーマⅠ 贈与と経済活動
第Ⅱ部 経済社会の展開
—— 近世から近代へ
はじめに —— 身分制的制約の下での「市場経済」
第3章 開発の17世紀
—— 石高制の浸透
序 17世紀の世界的危機と日本
1 石高制と三貨制度
2 小農自立と村請制
3 近世商人の登場と幕藩制的市場の全国化
4 大開墾と森林破壊
解説Ⅱ-1 石高制と商品生産
第4章 変質の18世紀
—— 領主経済の変質的拡大
序 世界経済の「大分岐」と18世紀の日本
1 貨幣改鋳と幕府の経済政策
2 手工業技術の伝播と特産物生産の進展
3 三都商人と株仲間
4 家族小経営と村落共同体
解説Ⅱ-2 琉球貿易の構造と流通ネットワーク
解説Ⅱ-3 歴史人口学と生活水準
解説Ⅱ-4 家族史研究の新展開
第5章 成長の19世紀
—— 地方主導の経済成長
序 自由貿易世界の成立と近代初頭の日本
1 銀価低落と経済政策
2 商業的農業の進展と百姓生活
3 兼業型農村工業と専業型都市工業
4 商人の活動と複層的な市場
5 消費生活と社会的危機への対応
解説Ⅱ-5 農村工業化とファッション
解説Ⅱ-6 資源循環と地域社会
テーマⅡ 環境と経済活動
第Ⅲ部 経済社会の成熟
—— 近代から現代へ
はじめに —— 近代法秩序の下での市場経済社会
第6章 苦闘の20世紀初頭~1920年代
—— 金本位制下の国際収支天井
序 帝国主義世界の成立と日本の近代
1 国際収支の天井と経済政策
2 産業革命と工業化
3 地主制の展開と植民地農業
4 交通網の変容と商品流通
5 都市化と生活環境
解説Ⅲ-1 産業革命研究の新展開
解説Ⅲ-2 ジェンダー・労働市場研究の新展開
解説Ⅲ-3 モダニズムと大衆消費社会
第7章 転換の1930年代~60年代
—— 統制経済をはさんだ経済成長
序 転換期世界経済の実相と日本社会の現代化
1 高橋財政から戦後経済政策へ
2 「内需」主導の重化学工業化
3 地主制の後退と戦後農政
4 大規模小売商と流通系列
5 大衆消費社会の実像
解説Ⅲ-4 財界論
解説Ⅲ-5 植民地と工業化
解説Ⅲ-6 高度成長と公害
第8章 国際化の1970年代~21世紀初頭
—— 輸出依存の経済とその限界
序 トランスナショナル経済の展開と現代日本
1 財政再建と金融・証券の自由化
2 「外需」主導の産業構造とその変容
3 国際化のなかの日本農業
4 流通・消費の多様化と環境問題
5 21世紀初頭の日本経済
解説Ⅲ-7 トヨタ生産方式の展開
解説Ⅲ-8 日本における社会福祉研究の新展開
テーマⅢ 科学技術と経済活動
終 章 明日への模索
—— 資源節約型環境立国へ
入門ガイド 日本経済の歴史を学ぶ
参考文献
あとがき
索 引
姉妹編『経済社会の歴史』『世界経済の歴史』
『世界経済の歴史[第2版]』 金井雄一・中西 聡・福澤直樹 編