2020年度書評一覧

『映像学』 [第104号、2020年7月] から(評者:渡邉大輔氏)

映画観客とは何者か
メディアと社会主体の近現代史

映画観客とは何者か

藤木秀朗著『映画観客とは何者か』が、『映像学』(第104号、2020年7月、日本映像学会)で紹介されました。民衆・国民・東亜民族・大衆・市民 ——。映画館でシネマを観る「数」であるにとどまらず、映画や社会と多様な関係をとりむすぶ人々のあり様を、大正期から現在まで、社会主体をめぐる言説に注目することで、変容する政治やメディア環境との交渉のうちに浮かび上がらせた、映画観客100年史。

藤木秀朗 著
価格 6,800円
A5判・上製・680頁
ISBN978-4-8158-0938-6 C3074
在庫有り


「沖縄タイムス」 [2020年10月31日付] から(評者:小野まさ子氏)

黒船来航と琉球王国

黒船来航と琉球王国

上原兼善著『黒船来航と琉球王国』が、「沖縄タイムス」(2020年10月31日付)で紹介されました。ペリーはまず沖縄にやって来た。—— 19世紀、次々と現れる列強の、布教をふくむ開国要求にさらされ、「鎖国」の防波堤とされた琉球の人々。彼らはいかに対応したのか。幕府や薩摩藩の姿勢は? 東アジアの変動のなか、外圧と内圧の狭間におかれた〈境域〉の経験から、琉球と欧米との交渉過程を初めてトータルに描きます。浦賀中心では見えない、新たな開国史。

“…… 方策を誤れば、欧米諸国の武力による侵略もあり得る、幕・薩の意向を諾々と受け入れては王国の存続が危ない。さまざまな事例に対して、琉球王国の政策者たちが、苦慮しつつも取ったスリリングな対応が、著者による綿密な史料の読み解きによって、明らかになっている。”(「沖縄タイムス」2020年10月31日付、第15面)

上原兼善 著
価格 6,300円
A5判・上製・370頁
ISBN978-4-8158-0995-9 C3021
在庫有り


『図書新聞』 [2020年11月14日号、第3471号] から(評者:直野章子氏)

ヒロシマ
グローバルな記憶文化の形成

ヒロシマ

ラン・ツヴァイゲンバーグ著『ヒロシマ』(若尾祐司・西井麻里奈・髙橋優子・竹本真希子訳)が、『図書新聞』(2020年11月14日号、第3471号、武久出版発行)で紹介されました。原爆とホロコーストの交点へ ——。かつて「75年間は草木も生えない」と言われた都市は復興を遂げ、平和記念公園は「穏やかな」聖地と化した。どのようにして? 追悼・記念や観光をめぐる記憶の政治、証言とトラウマ、絡み合う犠牲者言説などに注目し、世界のなかのヒロシマの位置を問い直す挑戦作。

ラン・ツヴァイゲンバーグ 著
若尾祐司・西井麻里奈・髙橋優子・竹本真希子 訳
価格 4,800円
A5判・上製・424頁
ISBN978-4-8158-0994-2 C3021
在庫有り


『カナダ研究年報』 [第40号、2020年] から(評者:丹羽卓氏)

チャールズ・テイラーの思想

チャールズ・テイラーの思想

ルース・アビィ著/梅川佳子訳『チャールズ・テイラーの思想』が、『カナダ研究年報』(第40号、2020年、日本カナダ学会)で紹介されました。多文化社会から宗教、AIまで、「哲学的人間学」の全景 ——。多様性と統合への渇望とのあいだで思考し、「承認の政治」やコミュニタリアニズムなど現代の思想を牽引してきた哲学者テイラー。自己論や道徳論から、言語論、認識論、政治哲学、宗教論まで、その巨大な思想の全体を体系的に理解するために最善の入門書。

ルース・アビィ 著
梅川佳子 訳
価格 4,500円
A5判・上製・332頁
ISBN978-4-8158-0947-8 C3010
在庫有り


『防衛学研究』 [第63号、2020年9月] から(評者:五十嵐隆幸氏)

台湾外交の形成
日華断交と中華民国からの転換

台湾外交の形成

清水麗著『台湾外交の形成』が、『防衛学研究』(第63号、2020年9月、日本防衛学会)で紹介されました。「一つの中国」という原則と、国際社会での地位存続との板挟みのなかで、台湾は何を選択してきたのか。安全保障をめぐる米国との交渉、国連の中国代表権問題、日中国交回復とその裏での対日断交などを、台湾側の動向を軸にたどり、今日の台湾外交の真の根源を浮き彫りにする画期的著作。

“…… 本書は、民主化が緒に就いたばかりの1990年代台湾で、外交史料が公開されるのか否かも見通しがつかないなか、断片的な資料とインタビューなどに基づき執筆した博士論文を軸とし、その後公開が進んだ資料と照らし合わせて加筆・修正を重ねた研究書である。筆者は、外交の当事者として生き抜いた方々の話をうかがう機会に恵まれたことを幸いとして謝辞を述べているが、評者は、タイミングを逃すと二度と聞くことができない貴重な経験を求め歩んだ筆者のフットワークと、外交史料を丹念に読み込んだうえで彼らの声を生きた文字として遺し、「台湾の外交史」として完成させた著者の努力に敬意を表したい。……”(『防衛学研究』第63号、pp.152-153)

清水 麗 著
価格 5,400円
A5判・上製・344頁
ISBN978-4-8158-0935-5 C3031
在庫有り


『中国研究月報』 [2020年10月号、第74巻第10号] から(評者:高柳峻秀氏)

対日協力者の政治構想
日中戦争とその前後

対日協力者の政治構想

関智英著『対日協力者の政治構想』が、『中国研究月報』(2020年10月号、第74巻第10号、中国研究所発行)で紹介されました。日中戦争には、抗日と同時に、占領地における協力の側面もあった。しかし多様な協力者たちは戦後、漢奸として糾弾され、その歴史も未完の政治構想とともに葬り去られた。本書はこの影の側面に光を当て、戦争の全体像に迫るとともに、占領から始まった戦後日本に鋭い眼差しを投げかけます。

“…… 本書は従来専論が不足していた人物にも光を当てつつ、綿密な史料の読み込みを通して多数の興味深い事実を解明している。本書の意義は多岐に亘り、注目すべき様々な論点が示されている ……
まず、協力者の主体的な側面をその言論と活動から解明した点である。各章冒頭の挿話では、「漢奸」と一括りにできない協力者の姿や戦後との繋がりが印象的に示されている。…… 次に、協力者をめぐる戦前戦中と戦後の繋がりを解明した点である。…… 他にも、本書は西村と蘇が関与した農民自治運動と大道政府樹立運動の経緯から、日本軍が工作当初は民間有志に頼り、事態安定後に介入して彼らを排除するという軍の占領地工作の最末端の様相を解明しており(197~198頁)、日本の占領地工作を考える上で重要な論点を提示している。……”(『中国研究月報』2020年10月号、pp.30-31)

関 智英 著
価格 7,200円
A5判・上製・616頁
ISBN978-4-8158-0963-8 C3022
在庫有り


『中国研究月報』 [2020年10月号、第74巻第10号] から(評者:平川幸子氏)

台湾外交の形成
日華断交と中華民国からの転換

台湾外交の形成

清水麗著『台湾外交の形成』が、『中国研究月報』(2020年10月号、第74巻第10号、中国研究所発行)で紹介されました。「一つの中国」という原則と、国際社会での地位存続との板挟みのなかで、台湾は何を選択してきたのか。安全保障をめぐる米国との交渉、国連の中国代表権問題、日中国交回復とその裏での対日断交などを、台湾側の動向を軸にたどり、今日の台湾外交の真の根源を浮き彫りにする画期的著作。

“…… 印象に残った著者の洞察がある。それは、言説としては70年代までに確立しているのに、現状としては一向に完結しない「一つの中国」についての新たな理解である。後段部分に何かを言い添えたくなる、つまり「一つの中国、——。」(250頁)という一拍の呼吸の「間」が存在する。著者は、その無言の余白こそが、台湾外交が開拓している生存空間であり、「あいだ=現在」を創り出す作業こそが「現状維持」の本質だと指摘するのである。そのような「中間領域」を見出す能力と外交の「わざ」は、歴史的に最もしがらみの強い日本との関係の中に最も表れやすいのではないかと評者は感じた。……”(『中国研究月報』2020年10月号、pp.34-35)

清水 麗 著
価格 5,400円
A5判・上製・344頁
ISBN978-4-8158-0935-5 C3031
在庫有り


『林業経済』 [2020年10月号、第864号] から(評者:椙本歩美氏)

エコロジーの世紀と植民地科学者
イギリス帝国・開発・環境

エコロジーの世紀と植民地科学者

水野祥子著『エコロジーの世紀と植民地科学者』が、『林業経済』(2020年10月号、第864号、林業経済研究所編集発行)で紹介されました。新たな知はどこで生まれ、何をもたらしたのか。—— 20世紀における科学・開発・環境の関係を問い、生態環境をめぐる知の生成と帝国ネットワークによる循環から、植民地開発の思想と実践、国際開発援助への展開をたどり、植民地科学者を軸に「エコロジーの世紀」の成り立ちを描く力作。

水野祥子 著
価格 5,400円
A5判・上製・268頁
ISBN978-4-8158-0971-3 C3022
在庫有り


「NHK出版新書を探せ!」 [第8回、2020年10月28日] から

戦争違法化運動の時代
「危機の20年」のアメリカ国際関係思想

戦争違法化運動の時代

『戦争違法化運動の時代』の著者である三牧聖子先生のインタビューが、「NHK出版新書を探せ!」(NHK出版・本がひらく)に掲載されました(第8回 アメリカ例外主義に別れを告げて —— 三牧聖子さん(国際政治学者)の場合〔前編〕)。「現実主義」対「理想主義」をこえて ——。国際関係を権力闘争に還元する見方も、「悪」の侵略国に対する「善」なる制裁という見方も説得力を失った。合衆国における戦争違法化思想をトータルに跡づけ、忘却された戦間期のラディカルな展開を再考することで、国際秩序の新たな可能性を探ります。

三牧聖子 著
価格 5,800円
A5判・上製・358頁
ISBN978-4-8158-0782-5 C3031
在庫有り


「朝日新聞」 [2020年10月24日付] から(評者:戸邉秀明氏)

黒船来航と琉球王国

黒船来航と琉球王国

上原兼善著『黒船来航と琉球王国』が、「朝日新聞」(2020年10月24日付)で紹介されました。ペリーはまず沖縄にやって来た。—— 19世紀、次々と現れる列強の、布教をふくむ開国要求にさらされ、「鎖国」の防波堤とされた琉球の人々。彼らはいかに対応したのか。幕府や薩摩藩の姿勢は? 東アジアの変動のなか、外圧と内圧の狭間におかれた〈境域〉の経験から、琉球と欧米との交渉過程を初めてトータルに描きます。浦賀中心では見えない、新たな開国史。

上原兼善 著
価格 6,300円
A5判・上製・370頁
ISBN978-4-8158-0995-9 C3021
在庫有り


「読売新聞」 [2020年10月25日付] から(評者:加藤聖文氏)

闘う村落
近代中国華南の民衆と国家

闘う村落

蒲豊彦著『闘う村落』が、「読売新聞」(2020年10月25日付)で紹介されました。互いに武力闘争を繰り返す城塞化した村落 ——。それは王朝交替や辛亥革命などを経ても変わらぬ、明末以来の基層社会の姿であり、共産主義へと向かう農民運動の凄惨な暴力に極まる。宣教師文書を駆使しつつ、初めてその生成・展開・終焉を跡づけ、新たな中国史像を提示した渾身の力作。

“なんて刺激的なタイトルだろう。本書は、何百年にもわたって闘いに明け暮れた中国広東省東部の農民世界に迫った意欲的な研究だ。…… 華南地方は日本の戦国時代さながらのなかで激動の近代を迎える。しかし、彼らはどこまでもしたたかだ。欧米の進出に合わせて、村落はキリスト教会を取り込み、北京の中央集権化に対抗する。植民地化など表面的なものに過ぎない。そして、清末に社会が不安定になると、新しい時代の思潮に触れた青年層の村落を超えた連帯が生まれる。
しかし、歴史は一直線には進まない。封印されたかに見えた械闘は、1920年代の国民党と共産党の対立激化を機に一気に噴き出る。本書の圧巻はここだ。1927年、中国史上初の共産党による地方革命政府「海陸豊ソヴィエト」は、まさに械闘の本場で誕生したが、覆い隠されていた械闘を革命の名の下によみがえらせ、大殺戮をもたらした。その対象は、地主や資産家だけではなく、身体障害者やハンセン病患者にも向けられた。万国旗のようにつるした生首の下で開かれた「人頭会議」は、青年たちの理想からあまりにもかけ離れている。……”(「読売新聞」2020年10月25日付、第11面)

蒲 豊彦 著
価格 7,200円
A5判・上製・504頁
ISBN978-4-8158-0998-0 C3022
在庫有り


『アジア・アフリカ地域研究』 [2020年 第20-1号] から(評者:生方史数氏)

反転する環境国家
「持続可能性」の罠をこえて

反転する環境国家

佐藤仁著『反転する環境国家』が、『アジア・アフリカ地域研究』(2020年 第20-1号、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科編集・発行)で紹介されました。国家に依存した自然保護の急速な展開は何をもたらしたのか ——。東南アジアをフィールドに、灌漑や森林、漁業資源をめぐって起こる思いがけない「人の支配」への転化や、開発と保護の連鎖する関係をあぶりだし、その解決策を現場の人々のしたたかな戦略や日本の経験に見出します。環境論の新たな地平を拓く著者の到達点。

“…… 本書の特徴は、何といってもその枠組みである。地域研究者がこれまでみてきたような、国家主導の開発や環境対策が地域に与える負の側面が、ブラックボックスにされがちな国家の側から分析されている。なかでも開発国家と環境国家の連鎖への注目は特筆に値する。著者が述べるとおり、どちらも「現場に何らかの不足を見出し、外からその不足を埋め合わせるための資源を持ち込むという開発国家のエートス」(p.284)を保持するからである。かくして開発主義から生じた問題は、「持続可能な開発」のもとでさらなる開発主義へとつながる。筆者はここ数年ベトナムでPFES(森林環境サービスへの支払)の研究を行なってきたが、この点は全く同感である。また、自然環境への働きかけという一見非政治的な国家のふるまいが、その非政治的装いゆえに非常に政治的な結果を生み出しているという「環境対策の隠れた政治性」を、多彩な理論と現場の情報を駆使して明らかにしている点も、本書の大きな魅力である。たとえば、水力社会や社会的財の概念を援用して、環境の統治が人の支配に転用される点を論じるくだりや、本書第2部で示される反転のさまざまなバリエーションの解釈は鮮やかで説得力がある。さらには、第3部でそれまでに検討した内容を実践的提言に的確に結び付けている点も、著者の真摯な姿勢を感じさせる。……”(『アジア・アフリカ地域研究』2020年第20-1号、pp.147-148)

佐藤 仁 著
価格 3,600円
四六判・上製・366頁
ISBN978-4-8158-0949-2 C3031
在庫有り


『アジア・アフリカ地域研究』 [2020年 第20-1号] から(評者:近藤有希子氏)

ジェノサイド再考
歴史のなかのルワンダ

ジェノサイド再考

鶴田綾著『ジェノサイド再考』が、『アジア・アフリカ地域研究』(2020年 第20-1号、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科編集・発行)で紹介されました。1994年の悲劇を導いた力学は、「多数派部族による少数派の虐殺」という標準的な解釈では捉えきれない。脱植民地化から体制の転換を経て内戦へと向かう複雑な過程を、旧宗主国や国連の動向、冷戦などの国際的な文脈に置きなおして丹念にたどり、その深奥から理解を一新する意欲作。

“…… 本書は、多数派民族集団の「フトゥ」による少数派の「トゥチ」に対する大量殺戮として、これまで、ともすると安易な単純化のもとに描かれてきたルワンダのジェノサイドを取り上げて、その「標準的な説明」(p.1)の刷新に向けて、果敢に取り組んだ労作である。著者をして「停滞」(p.5)した印象を抱かせるルワンダの歴史研究に対して、著者はいくつかの分析視角を携えて挑戦している。ひとつに、著名な歴史家の提言にもあるように、歴史のダイナミズムや当時のモメンタムを捉え損なわないようにすること。ひとつに、トゥチやフトゥ、ベルギー人といった集団間関係の考究とともに、集団内の関係や対立にも目を向けること。ひとつに、国内・国際・ローカルという各層の政治レベルの交錯に敏感であること。…… 著者はあくまで歴史を「実証」(p.28)することにこだわり、それを手放すことなく、紙資料をもとに堅実に記述を積み重ねていく。そのことによって、「トゥチ」「フトゥ」「ベルギー」「国連」など、一枚岩ではない集団の解体を試みる。主として扱う資料は異なるものの、基本的にそのような姿勢は人類学を学ぶ評者と軌を一にする。なにより、1950年代および1960年代のルワンダで、政党間の対立に限らない、協力的な関係の生成する可能性をうかがわせた描写は、現在のルワンダの権威主義的な体制を前にしては見いだせないものであり、刹那であるが鮮やかな躍動感を感じさせるものであった。……”(『アジア・アフリカ地域研究』2020年第20-1号、p.152,154)

鶴田 綾 著
価格 6,300円
A5判・上製・360頁
ISBN978-4-8158-0931-7 C3031
在庫有り


『史学雑誌』 [2020年9月号、第129編第9号] から(評者:嘉藤慎作氏)

インド経済史
古代から現代まで

インド経済史

ティルタンカル・ロイ著/水島司訳『インド経済史』が、『史学雑誌』(2020年9月号、第129編第9号、史学会編集・発行)で紹介されました。古代以来、有数の巨大経済でありながら看過されてきた、独自の発展のダイナミズムとは何か。地理・気候から商品・技術・知識まで、インドの固有性と世界経済との接続の効果を縦横に論じ、アジアとヨーロッパを結ぶ経済の全体像を浮かび上がらせた、地域史からのグローバル・ヒストリー。現代の興隆への道筋をも示します。

“…… 従来の議論の中心であった土地制度ではなく、交易を主題として通史を試みた本書の意義は大きく、これに邦語でアクセスできることは南アジアの経済史を学ぶ者にとって喜ばしいことである。また、本書は、グローバル・ヒストリーを実践するあり方の一つとして、特定地域の歴史を叙述する手法を提示するものでもあり、グローバル・ヒストリーに関心のある方にも手に取っていただきたい一冊である。”(『史学雑誌』2020年9月号、p.89)

ティルタンカル・ロイ 著
水島 司 訳
価格 4,200円
A5判・上製・340頁
ISBN978-4-8158-0964-5 C3022
在庫有り


「朝日新聞」 [2020年10月17日付] から

イスラーム・ガラス

イスラーム・ガラス

真道洋子著/桝屋友子監修『イスラーム・ガラス』が、「朝日新聞」(2020年10月17日付)読書欄の「おすすめ」で紹介されました。歴史を彩る「世界の華」——。古来のガラス文化を統合して成立し、近代芸術にも大きな影響を与えたイスラーム・ガラス。その器形や成形・装飾技法から、美術工芸としての展開、さらには日本をはじめ世界各地への伝播まで、多数のカラー図版とともに豊かな物質文化の全体像を映し出します。

“…… ガラス器の美しい色や形を伝える写真、歴史秘話も随所にちりばめられ、専門外の読者が手にとってもガラス文化の奥深さに包まれる一冊だ。…… 専門的な記述もあるが、好きなところだけを拾って読むのもいい。例えば化粧や薔薇水用のガラス瓶。アイラインを描く棒がついている。アイラインは「邪視を防ぐ」呪術的な目的もあったとか。次々と興味が広がり旅に出たくなった。”(「朝日新聞」2020年10月17日付、第26面、久田貴志子氏)

真道洋子 著/桝屋友子 監修
価格 7,200円
A5判・上製・496頁
ISBN978-4-8158-1001-6 C3072
在庫有り


『中国研究月報』 [2020年9月号、第74巻第9号] から(評者:殷晴氏)

関羽と霊異伝説
清朝期のユーラシア世界と帝国版図

関羽と霊異伝説

太田出著『関羽と霊異伝説』が、『中国研究月報』(2020年9月号、第74巻第9号、一般社団法人中国研究所発行)で紹介されました。三国志の英雄はなぜ中国を代表する神となったのか。民間信仰の広がりと近世国家による統治の不可分の関係を示すとともに、帝国版図の拡大にはたしたその役割を、ユーラシア諸民族とのせめぎあいや現地の神々との習合も視野に描き出します。古代から今日にいたる関羽信仰の全貌を捉えた力作。

“…… 関聖帝君が暗闇を切り裂く明かりの中に顕れて闇の世界を照らし出す戦いの場面(78~80頁)や、道光帝が自ら鳥銃を構えて白蓮教の紙人紙馬をばたばたと打ち落とす情景(166頁)など、色鮮やかな霊異の世界が生き生きと描かれ、読者に驚きを与える。軍事行動と言えば、普通は血なまぐさい刀や矛が思い浮かべられるが、その向こう側にこのような多彩な世界が広がっていることが、著者の史料を駆使する手腕と筆さばきによって、我々の目の前に示されたのである。むろん、本書の魅力は、読み応えのある細部のみならず、それらを宗教と王朝の統治体制との関係という大きな枠組みのもとに統合した点にも存在する。…… 本書は、上奏文、上諭、地方志、碑文といった多様な史料の緻密な読解に基づき、清朝皇帝が関羽の加護を宣伝することで統治の正当化を図ろうとしていたこと、関羽の加護のもとにあるという認識は人々の一体感を生み出す精神的紐帯であったこと、関帝廟は版図へ組み込んだことの証としての役割を果たしていたこと、といった論点を明快に提示している。関羽信仰に注目することで、清朝支配の特徴を深く考察できるようになるという著者の着眼は傑出したものと言えよう。さらに、他地域や近現代との比較を常に念頭に置いているという点も、本書の大きな特徴である。本書はあくまで漢文史料に依拠したものであるが、先行研究と自身の分析を統合することで、チベット・モンゴルの宗教信仰をも視野にいれており、また近世東アジアにおける王権と宗教の関係についても巨視的な見通しを示した。このような研究スケールの大きさは、前著と共通する著者の一貫した作風と言える。今後は、キリスト教世界、イスラーム世界との比較研究も期待できよう。……”(『中国研究月報』2020年9月号、pp.28-29)

太田 出 著
価格 5,400円
A5判・上製・324頁
ISBN978-4-8158-0961-4 C3022
在庫有り


『中国研究月報』 [2020年9月号、第74巻第9号] から(評者:小林亮介氏)

中国の誕生
東アジアの近代外交と国家形成

中国の誕生

岡本隆司著『中国の誕生』が、『中国研究月報』(2020年9月号、第74巻第9号、一般社団法人中国研究所発行)で紹介されました。東アジア在来秩序を揺るがした明治日本の登場から、琉球、ヴェトナム、朝鮮、チベット、モンゴルへと続く属国・藩部の危機と再編を通して、現代中国の原型が浮かび上がる過程を詳述、万国公法などの翻訳概念の変容を手がかりに、誰も描きえなかった「中国」誕生の全体像に迫った渾身作。

“…… 500頁を超える大著を読み終えて特に印象深いのは、近代西洋概念の東アジア「漢語圏」への流入が、「非漢語圏」をも含めた清朝と周辺諸国・諸民族との関係を大きく規定していった経緯である。本書が「内陸アジア史」として括る満洲史・モンゴル史・チベット史などの分野では、儒教的価値観による潤色を受けた漢語文献よりも、満洲語・モンゴル語・チベット語などの言語で書かれた文献が、「非漢語圏」の人々の視点・立場を分析するための史料として重視される。そうした手法から清朝の秩序や民族間関係を照射してきた研究の価値と意義は、著者が本書の序論で強調している点でもある。しかし、19世紀後半以降の清朝では、李鴻章に代表される漢人官僚が著しく存在感を高めたこと、満洲人の「漢語化」(p.422)が進んだことは事実であるにもかかわらず、「「藩部」の研究は、「互市」論と同様、時間・空間を限定していて、ほぼ清代・18世紀まで、草原オアシス世界の外には」(p.10)あまり出ようとしなかった。「清朝・「中国」の歴史は、「明清史」・満洲・藩部・「近代史」、いずれの研究成果が欠けても、全体像は描けない」(p.13)という問題意識に立脚した本研究の成果は、それらの「棲み分け」のバリアに挑み、各分野の架橋を試みた点で意義深いものである。19世紀以降の漢人たちの意識・言動、及びそれを規定する漢語の政治概念が、西洋由来の概念や和製漢語との邂逅を通じていかに変質し、清朝の秩序・対外関係に対する考え方をどう変貌させ、政治外交の実務レベルにおいてどのような影響を与えたのかを論じる本書は、チベット・モンゴル・新疆/東トルキスタンの命運を考える上でも極めて重要になるだろう。……本書の緻密な論証は、漢語の翻訳概念と現実の乖離、そしてそれがチベットを含めた東アジアの秩序に新たな事態を生み出していった経緯を、徹底して示してくれるものである。20世紀初頭までに形成されていたこの「名・実のギャップ」の「途方も」ない大きさ(p.426)が引き起こす問題は、少なからず今日にも受け継がれていよう。……”(『中国研究月報』2020年9月号、pp.41-42)

岡本隆司 著
価格 6,300円
A5判・上製・562頁
ISBN978-4-8158-0860-0 C3022
在庫有り


『経営史学』 [第55巻第2号、2020年9月] から(評者:高橋雄造氏)

日本の電子部品産業
国際競争優位を生み出したもの

日本の電子部品産業

中島裕喜著『日本の電子部品産業』が、『経営史学』(第55巻第2号、2020年9月、経営史学会編集・発行)で紹介されました。大手家電メーカーの落日やモジュール化の波に直面してなお、圧倒的な国際競争力を獲得できたのはなぜか。戦後復興期の組立ラジオの隆盛から今日まで、荒波の中で培われた多様な顧客への志向と、部品の汎用性をめぐる戦略の決定的役割を捉え、グローバルサプライヤーへの軌跡を示します。

“…… セットメーカーは不況に際して負担を部品メーカーに転嫁しようとするので、部品メーカーはこのリスクをヘッジすべく顧客の多様化を図り、電子部品の汎用性を高める。著者は、“日本の電子部品産業は長期的な産業史の展開を通して、市場と顧客の多様化のプロセスを歩んでおり、それが当該産業の競争優位を支えているのである”(268頁)と述べている。また、戦後における日本の電子部品産業の特徴として、これが軍需に頼ることなくして発展したと指摘している。産業史研究では、基幹産業を対象にして、巨大企業の動向や官の政策、また軍事技術の波及効果を追い、史料もこの方面に限られることが多い。本書では、電子部品産業という “脇役” に着目し、中小企業関係の史料を丹念に見ている。本書は、産業をリードするのは巨大企業、官の政策、軍事技術であるという史観への反証でもある。平本厚による研究(“日本における電子部品産業の形成 —— 受動電子部品”、『研究年報 経済学』(東北大学)、61巻4号、2000年ほか)と併せて、本書は日本の電子部品産業史のほぼ十全な分析となると思われる。
大阪ほか関西の事例を詳細に述べているのも本書の特色であり、東京・関東中心の話になりがちな電子工業史研究において貴重である。……”(『経営史学』第55巻第2号、pp.62-63)

中島裕喜 著
価格 5,400円
A5判・上製・388頁
ISBN978-4-8158-0942-3 C3033
在庫有り


『経営史学』 [第55巻第2号、2020年9月] から(評者:安部悦生氏)

戦争国家イギリス
反衰退・非福祉の現代史

戦争国家イギリス

デービッド・エジャトン著『戦争国家イギリス』(坂出健監訳/松浦俊輔ほか訳)が、『経営史学』(第55巻第2号、2020年9月、経営史学会編集・発行)で紹介されました。20世紀イギリスは、衰退に苦しむ福祉国家などではなかった。エキスパートが権力を握り産業界と手を結びつつ科学技術の開発に熱を上げた 「闘志あふれる」 国家を描き、現代史の神話をラディカルに破壊。ジェントルマン中心の歴史観が見過ごしてきた実像を明るみに出す野心作。

デービッド・エジャトン 著
坂出 健 監訳/松浦俊輔ほか訳
価格 5,400円
A5判・上製・470頁
ISBN978-4-8158-0874-7 C3022
在庫有り


『図書新聞』 [2020年10月10日号、第3466号] から(評者:種村剛氏)

専門知を再考する

専門知を再考する

H・コリンズ/R・エヴァンズ著『専門知を再考する』(奥田太郎監訳/和田慈・清水右郷訳)が、『図書新聞』(2020年10月10日号、第3466号、武久出版発行)で紹介されました。<専門家 vs 素人>を超えて ——。科学技術の浸透した世界で物事を決めるとき、専門家を無視することも、絶対的に信頼することもできない。では専門知とは何か。会話や「農民の知」から、査読や科学プロジェクト運営まで、専門知の多様なあり方を初めてトータルに位置づけます。対話型専門知の可能性に光をあて、現代社会に展望をひらく名著。

H・コリンズ/R・エヴァンズ 著
奥田太郎 監訳/和田 慈・清水右郷 訳
価格 4,500円
A5判・上製・220頁
ISBN978-4-8158-0986-7 C3030
在庫有り


『史学雑誌』 [2020年8月号、第129編第8号] から(評者:岸本美緒氏)

朝貢・海禁・互市
近世東アジアの貿易と秩序

朝貢・海禁・互市

岩井茂樹著『朝貢・海禁・互市』が、『史学雑誌』(2020年8月号、第129編第8号、公益財団法人史学会編集兼発行)で紹介されました。朝貢体制論を超えて ——。「天下を統べる皇帝と朝貢する蕃夷諸国」という美しい理念の外形を辛うじて保っていた明代の通商外交体制も、海と陸の辺縁からの衝撃で転換を迫られ、やがて清代には互市が広がっていく。西洋とは異なる「もう一つの自由貿易」への構造変動を、日本の役割も含めて跡づけ、新たな歴史像を実証する労作。

岩井茂樹 著
価格 5,400円
A5判・上製・432頁
ISBN978-4-8158-0984-3 C3022
在庫有り


『現代中国』 [第94号] から(評者:鄒燦氏)

対日協力者の政治構想
日中戦争とその前後

対日協力者の政治構想

関智英著『対日協力者の政治構想』が、『現代中国』(第94号、日本現代中国学会編集)で紹介されました。日中戦争には、抗日と同時に、占領地における協力の側面もあった。しかし多様な協力者たちは戦後、漢奸として糾弾され、その歴史も未完の政治構想とともに葬り去られた。本書はこの影の側面に光を当て、戦争の全体像に迫るとともに、占領から始まった戦後日本に鋭い眼差しを投げかけます。

“…… 本書の最も大きな功績は、これまでの占領地研究に看過された中国人対日協力者の政治思想や構想に光を当てて、同時代的視角から協力者の立場と言論の合理的な側面とその限界を検討したことにある。このようにして、占領地という政治空間に生まれた協力者の多種多様な人物像が生き生きと浮かび上がってきた。……
次に、本書の工夫をこらした構成と慎重な史料の処理について、感想を述べたい。登場人物に関連する戦後のエピソードを、章の冒頭に紹介する形で各章の議論を始めるという著者の手法は、非常に印象的である。このようなエピソードを交えた叙述は、本論で多用されているものの、厳密な研究書としての本書の客観性に些かも損なっていない。その客観性を担保しているのは、著者の史料処理の慎重さである。本書は、各占領地政権の刊行物、同時代の出版物、関係者の回想・伝記などを大量に利用している。このような記録を史料として駆使する場合、記録が生まれた時代背景、執筆者や語り手の置かれた政治的環境と個人的な立場に対して、十分な注意を払う必要がある。また、著者自身も指摘しているように、対日協力者の言論は必ずしも本音であるわけではない(40、67頁)。これが史料処理を一層困難にする。しかし著者は、膨大な関連文献を網羅した上で、当事者の語ったものと多方面の史料とを照合しながら丹念に分析作業を行っている。このようにして、対日協力者の本音でない発言の背後に隠された歴史の真実を掘り起こしているのである。評者は、歴史研究の客観性と歴史書としての叙述性の両方に十分な配慮を加えた著者に、敬意を表したい。……”(『現代中国』第94号、pp.111-112)

関 智英 著
価格 7,200円
A5判・上製・616頁
ISBN978-4-8158-0963-8 C3022
在庫有り


『歴史学研究』 [2020年10月号、第1001号] から(評者:樋口秀実氏)

対日協力者の政治構想
日中戦争とその前後

対日協力者の政治構想

関智英著『対日協力者の政治構想』が、『歴史学研究』(2020年10月号、第1001号、歴史学研究会編集)で紹介されました。日中戦争には、抗日と同時に、占領地における協力の側面もあった。しかし多様な協力者たちは戦後、漢奸として糾弾され、その歴史も未完の政治構想とともに葬り去られた。本書はこの影の側面に光を当て、戦争の全体像に迫るとともに、占領から始まった戦後日本に鋭い眼差しを投げかけます。

関 智英 著
価格 7,200円
A5判・上製・616頁
ISBN978-4-8158-0963-8 C3022
在庫有り


『アジア経済』 [第61巻第3号、2020年9月] から(評者:金沢謙太郎氏)

反転する環境国家
「持続可能性」の罠をこえて

反転する環境国家

佐藤仁著『反転する環境国家』が、『アジア経済』(第61巻第3号、2020年9月、ジェトロ・アジア経済研究所編集兼発行)で紹介されました。国家に依存した自然保護の急速な展開は何をもたらしたのか ——。東南アジアをフィールドに、灌漑や森林、漁業資源をめぐって起こる思いがけない「人の支配」への転化や、開発と保護の連鎖する関係をあぶりだし、その解決策を現場の人々のしたたかな戦略や日本の経験に見出します。環境論の新たな地平を拓く著者の到達点。

“…… 著者の佐藤仁は、これまで開発研究、資源論、環境政策など幅広い分野において、刺激的な論考を発表し続けてきた。「現場に身を置いて、人々の側から問題を捉え議論を組み立てていくこと」を「社会科学の仕事」(ⅷページ)と言明する著者は、豊富なフィールドワークの実践に基づいて環境政策を読み解く。経済開発と環境保護をひとつの連続としてとらえる著者の視線の先にあるのは、そこに発動する権力の動きである。経済開発も環境保護も国家を主体とした公共事業であり、両者は一連のつながりをもつ。本書はこうした視点から、環境政策のパラドクスを解き明かしていく。……
本書はその副題にあるように、持続可能性という概念に潜む罠に警鐘を鳴らすものである。現在、開発業界ではSDGsが一種の「流行語」になっているが、本書の問題意識を重ねれば、実態が伴っていないのにSDGsに対応しているかのようにみせかける「SDGsウォッシュ」やSDGsの反転の可能性にも留意する必要があろう。また、結論では、環境国家の権力構造を踏まえ「やはり、開発と社会制度のあり方そのものを見直す必要が出てくる」(293ページ)と言及されているが、今後具体的にそれをどう見直していくのかが問われることになろう。本書は、持続可能性とは何をいつまで持続することなのか、という問いについて幅広い学問的視野とアジアの人々の暮らし向きから深く探究した書物であり、今後開発と環境の問題を追究するうえで欠かせない道標になるだろう。”(『アジア経済』第61巻第3号、pp.97, 100)

佐藤 仁 著
価格 3,600円
四六判・上製・366頁
ISBN978-4-8158-0949-2 C3031
在庫有り


『組織科学』 [第54巻第1号、2020年9月] から(評者:新宅純二郎氏)

日本の電子部品産業
国際競争優位を生み出したもの

日本の電子部品産業

中島裕喜著『日本の電子部品産業』が、『組織科学』(第54巻第1号、2020年9月、組織学会編集)で紹介されました。大手家電メーカーの落日やモジュール化の波に直面してなお、圧倒的な国際競争力を獲得できたのはなぜか。戦後復興期の組立ラジオの隆盛から今日まで、荒波の中で培われた多様な顧客への志向と、部品の汎用性をめぐる戦略の決定的役割を捉え、グローバルサプライヤーへの軌跡を示します。

“…… 著者は、日本の電子部品メーカーが汎用部品化を巧みに活用してきたことが成功要因のひとつであると考えており、「電子部品の『市販部品』としての汎用性は、部品メーカーによる独自技術の開発と市場開拓の努力の積み重ねによって、戦略的に獲得された」(308頁)と主張する。そのプロセスを一貫した歴史的なストーリーとして描いていることが本書を際立って魅力的にしている。…… ストーリー展開を楽しみながら読むことができ、かつ、個別の章は著者が丹念に集めた資料にもとづく分析が展開されている。改めて、歴史研究の良書とはこういうものなのだなと、学生時代にチャンドラーを読んだときのようなワクワク感を思い出した。……”(『組織科学』第54巻第1号、pp.74-75)

中島裕喜 著
価格 5,400円
A5判・上製・388頁
ISBN978-4-8158-0942-3 C3033
在庫有り


「琉球新報」 [2020年9月20日付] から(評者:栗野慎一郎氏)

黒船来航と琉球王国

黒船来航と琉球王国

上原兼善著『黒船来航と琉球王国』が、「琉球新報」(2020年9月20日付)で紹介されました。ペリーはまず沖縄にやって来た。—— 19世紀、次々と現れる列強の、布教をふくむ開国要求にさらされ、「鎖国」の防波堤とされた琉球の人々。彼らはいかに対応したのか。幕府や薩摩藩の姿勢は? 東アジアの変動のなか、外圧と内圧の狭間におかれた〈境域〉の経験から、琉球と欧米との交渉過程を初めてトータルに描きます。浦賀中心では見えない、新たな開国史。

上原兼善 著
価格 6,300円
A5判・上製・370頁
ISBN978-4-8158-0995-9 C3021
在庫有り


「BOOKウォッチ」 [2020年9月26日] から

黒船来航と琉球王国

黒船来航と琉球王国

上原兼善著『黒船来航と琉球王国』が、「BOOKウォッチ」(2020年9月26日)で紹介されました。ペリーはまず沖縄にやって来た。—— 19世紀、次々と現れる列強の、布教をふくむ開国要求にさらされ、「鎖国」の防波堤とされた琉球の人々。彼らはいかに対応したのか。幕府や薩摩藩の姿勢は? 東アジアの変動のなか、外圧と内圧の狭間におかれた〈境域〉の経験から、琉球と欧米との交渉過程を初めてトータルに描きます。浦賀中心では見えない、新たな開国史。

上原兼善 著
価格 6,300円
A5判・上製・370頁
ISBN978-4-8158-0995-9 C3021
在庫有り


『文藝春秋』 [2020年10月号] から(評者:佐久間文子氏)

歴史家と少女殺人事件
レティシアの物語

歴史家と少女殺人事件

イヴァン・ジャブロンカ著/真野倫平訳『歴史家と少女殺人事件』が、『文藝春秋』(2020年10月号、文藝春秋発行)で紹介されました。18歳の女性が誘拐・殺害された「三面記事」事件。だが、大規模な捜査と政治の介入によって、それはスキャンダラスな国家的事件となった。作者=歴史家は自ら調査を進め、被害者の生の物語を語り始める。そこから明らかになる「真実」とは ——。メディシス賞、ル・モンド文学賞受賞作。フランスでテレビドラマ化。

“…… 失踪現場から始まり、最後にまた事件の夜に戻っていく。調査の過程を明らかにしながら徐々に真実に迫る構成は、上質のミステリを読むようにゾクゾクさせられる。トルーマン・カポーティ『冷血』やノーマン・メイラー『死刑執行人の歌』を想わせるが、著者自身も言うように、それらと違うのは、本書が加害者ではなく被害者の人生の物語として書かれている点だ。事件の被害者として初めて何千万もの人間にその名を知られることになったレティシアは、それまでどのように生きてきたのか。『私にはいなかった祖父母の歴史』で、ユダヤ人収容所で命を落とした祖父母の人生をたどった著者は、同じ熱意で、自分の言葉をあまり持たない内気な少女の短い一生を描く。……”(『文藝春秋』2020年10月号、p.373)

イヴァン・ジャブロンカ 著
真野倫平 訳
価格 3,600円
四六判・上製・400頁
ISBN978-4-8158-0993-5 C3022
在庫有り


『週刊読書人』 [2020年9月18日号、第3357号] から(評者:福間聡氏)

世俗の時代(上下巻)

世俗の時代

チャールズ・テイラー著/千葉眞監訳『世俗の時代』(上下巻)が、『週刊読書人』(2020年9月18日号、第3357号、読書人発行)で紹介されました。近現代の特徴の一つとされる「世俗化」。しかし、人々は様々なかたちで信仰や霊性とともに生きている。では、神信仰はいかにして力を失い、個人の選択肢の一つとなったのか。壮大な歴史的展望のもとに宗教・思想・哲学の曲折に満ちた展開を描き出す記念碑的大著、ついに邦訳。

チャールズ・テイラー 著
千葉 眞 監訳
価格 各8,000円
A5判・上製・上548頁+下502頁
ISBN 上:978-4-8158-0988-1 下:978-4-8158-0989-8 C3010
在庫有り


「朝日新聞」 [2020年9月19日付] から(評者:本田由紀氏)

ヒロシマ
グローバルな記憶文化の形成

ヒロシマ

ラン・ツヴァイゲンバーグ著『ヒロシマ』(若尾祐司・西井麻里奈・髙橋優子・竹本真希子訳)が、「朝日新聞」(2020年9月19日付)で紹介されました。原爆とホロコーストの交点へ ——。かつて「75年間は草木も生えない」と言われた都市は復興を遂げ、平和記念公園は「穏やかな」聖地と化した。どのようにして? 追悼・記念や観光をめぐる記憶の政治、証言とトラウマ、絡み合う犠牲者言説などに注目し、世界のなかのヒロシマの位置を問い直す挑戦作。

ラン・ツヴァイゲンバーグ 著
若尾祐司・西井麻里奈・髙橋優子・竹本真希子 訳
価格 4,800円
A5判・上製・424頁
ISBN978-4-8158-0994-2 C3021
在庫有り


「日本経済新聞」 [2020年9月12日付] から(評者:根井雅弘氏)

スミスの倫理
『道徳感情論』を読む

スミスの倫理

竹本洋著『スミスの倫理』が、「日本経済新聞」(2020年9月12日付)で紹介されました。スミス倫理学の真の射程とは。近代における倫理のメカニズムと意義を明瞭に説き、政治・経済・社会のよき運用を支える心理学的な人間学を打ち立てた、もうひとつの主著から描き出す。『国富論』とは違った現代への示唆と、経済学にとどまらない社会科学的知への豊かな洞察を浮かび上がらせます。

竹本 洋 著
価格 5,400円
A5判・上製・262頁
ISBN978-4-8158-0990-4 C3012
在庫有り


「日刊ゲンダイ」 [2020年8月29日公開] から

歴史家と少女殺人事件
レティシアの物語

歴史家と少女殺人事件

イヴァン・ジャブロンカ著/真野倫平訳『歴史家と少女殺人事件』が、「日刊ゲンダイ」(2020年8月29日公開、日刊現代)で紹介されました。18歳の女性が誘拐・殺害された「三面記事」事件。だが、大規模な捜査と政治の介入によって、それはスキャンダラスな国家的事件となった。作者=歴史家は自ら調査を進め、被害者の生の物語を語り始める。そこから明らかになる「真実」とは ——。メディシス賞、ル・モンド文学賞受賞作。フランスでテレビドラマ化。

イヴァン・ジャブロンカ 著
真野倫平 訳
価格 3,600円
四六判・上製・400頁
ISBN978-4-8158-0993-5 C3022
在庫有り


「西日本新聞」 [2020年9月6日付] から

歴史としての日教組【上下巻】

歴史としての日教組

『歴史としての日教組』(上下巻)の編者・広田照幸先生のインタビュー記事が、「西日本新聞」(2020年9月6日付)に掲載されました。過剰な期待と歪んだ批判の狭間で、実像とかけ離れたイメージが作られてきた日教組。膨大な非公開史料や関係者へのインタビューに基づき、学術的にその歴史を徹底検証 ——。上巻では、戦後の労働運動での立ち位置から、独自の教育理念や「教師の倫理綱領」の作成まで、初期の模索を跡づけ、下巻では、1980年代の労働戦線の再編から、教育運動の転換、文部省との「歴史的和解」まで、新たな路線選択の時代に迫ります。

広田照幸 編
価格 各3,800円
A5判・上製・上336頁+下326頁
ISBN 上:978-4-8158-0972-0 下:978-4-8158-0973-7 C3037
在庫有り


『WINDS(ウィンズ・風)』 [第96号、2020年8月] から

歴史としての日教組【上下巻】

歴史としての日教組

広田照幸編『歴史としての日教組』(上下巻)が、『WINDS(ウィンズ・風)』(第96号、2020年8月、福岡県人権・同和教育研究協議会編集発行)で紹介されました。過剰な期待と歪んだ批判の狭間で、実像とかけ離れたイメージが作られてきた日教組。膨大な非公開史料や関係者へのインタビューに基づき、学術的にその歴史を徹底検証 ——。上巻では、戦後の労働運動での立ち位置から、独自の教育理念や「教師の倫理綱領」の作成まで、初期の模索を跡づけ、下巻では、1980年代の労働戦線の再編から、教育運動の転換、文部省との「歴史的和解」まで、新たな路線選択の時代に迫ります。

“…… いろいろなおもしろい話が白日の下に晒されることになった。上巻では戦後の労働運動と日教組の関係がだいたい明らかになったし、「教え子を再び戦場に送るな」とか「教師の倫理綱領」なんかの生まれた事情が今回きちんと解明されている。…… このあたりを読むだけでも本書の価値はある。下巻ではあの400日抗争の実情が解明され、1989年の日教組分裂の事情、文部省との「歴史的和解」など日教組に関心のある人、日教組に偏見を持っている人、日教組に過剰な期待を持っている人にとって興味津々の史実がボロボロ出てくる。……”(『WINDS』第96号、p.68)

広田照幸 編
価格 各3,800円
A5判・上製・上336頁+下326頁
ISBN 上:978-4-8158-0972-0 下:978-4-8158-0973-7 C3037
在庫有り


『日本歴史』 [2020年9月号、第868号] から(評者:広中一成氏)

対日協力者の政治構想
日中戦争とその前後

対日協力者の政治構想

関智英著『対日協力者の政治構想』が、『日本歴史』(2020年9月号、第868号、日本歴史学会編集)で紹介されました。日中戦争には、抗日と同時に、占領地における協力の側面もあった。しかし多様な協力者たちは戦後、漢奸として糾弾され、その歴史も未完の政治構想とともに葬り去られた。本書はこの影の側面に光を当て、戦争の全体像に迫るとともに、占領から始まった戦後日本に鋭い眼差しを投げかけます。

関 智英 著
価格 7,200円
A5判・上製・616頁
ISBN978-4-8158-0963-8 C3022
在庫有り


『法制史研究』 [第69号、2019年] から(評者:山内進氏)

法と力
戦間期国際秩序思想の系譜

法と力

西平等著『法と力』が、『法制史研究』(第69号、2019年、法制史学会)で紹介されました。「国際法 vs 現実政治」を超えて——。第一次大戦後の国際法学の中から「国際政治学」的思考は誕生した。〈国際紛争は裁判可能なのか〉という連盟期の最重要課題を軸に、法と力の関係をダイナミックに捉える諸学説の系譜をたどることで、モーゲンソーやE・H・カーらの思想を新たに位置づけ直す力作。

“…… 本書は重厚で革新的な著作である。革新的な理由の第一は、国際法思想史という方法的立場をとっていることである。…… 国際法思想史という概念のもとに、国際法学と国際政治学の2つを同時に視野に収めた考察を本格的に行うことができたのは、この方法的立場のためであろう。しかも、その基軸となる対象は、戦間期の重要課題であった、そして現在もなお重要課題である「国際紛争の裁判可能性」の問題であった。本書は、その歴史的理解に画期をなす成果をあげている。これは、国際法思想史という概念によって、国際法学者はもとより、モーゲンソーやカーという国際政治学者を考察すること、そのことによって実に厚みのある分析をすることが可能となったからである。
 革新性の第二は、20世紀国際法思想史の通説的理解に欠落していたものを明示し、新しい歴史像の可能性を示したことである。著者が強調しているように、これまでの国際法史研究は、不戦条約から国際連合憲章による集団安全保障体制、戦争の違法化という大きな流れのなかに国際連盟の活動をおき、その観点から国際連盟を位置付け、違法化や集団的措置の不十分さや欠如を強調して、その失敗を語ってきた。本書は、その見方を否定はしないが、一面的であることを明らかにした。国際連盟のもとでは、それと同時に、軍縮や国際裁判の拡充、非裁判的な紛争解決手段の整備など、平和維持体制の可能性が模索されており、それが大きな力をもっていたという。その土壌のなかから国際政治思想が現れてきたというのも一つの大きな発見であった。…… 自覚的に国際法思想史が語られ、大きな成果が示されたことの意義は大きい。国際法思想史が今後さらに実り多い研究成果をもたらし、独自の魅力的な研究領域として発展するための礎石がおかれたことを高く評価したい。……”(『法制史研究』第69号、pp.263-264)

西 平等 著
価格 6,400円
A5判・上製・398頁
ISBN978-4-8158-0919-5 C3032
在庫有り


『怪と幽』 [第5号、2020年8月] から

怪を志す
六朝志怪の誕生と展開

怪を志す

『怪を志す』の著者・佐野誠子先生が、『怪と幽』(第5号、2020年8月、KADOKAWA発行)の「次代の探究者たち」に、ご自身の研究紹介を寄稿されました。【本書の内容】歴史と宗教のあしもとで ——。「怪力乱神を語らぬ」儒教の国にあって、怪異はなぜ、いかにして記録されるようになったのか。『今昔物語集』等にも影響を与えた古代中国の「志怪」について、史書の伝統や仏教伝来との関係を軸に、社会的文脈から生成過程、文体まで、初めてトータルに捉え、中国人の精神のかたちを逆照射する。

佐野誠子 著
価格 6,300円
A5判・上製・382頁
ISBN978-4-8158-0983-6 C3022
在庫有り


『年報2019(名古屋大学大学院人文学研究科)』 [2020年] から

怪を志す
六朝志怪の誕生と展開

怪を志す

『怪を志す』の著者・佐野誠子先生の自著紹介が、『年報2019』(2020年、名古屋大学大学院人文学研究科教育研究推進室)に掲載されました。【本書の内容】歴史と宗教のあしもとで ——。「怪力乱神を語らぬ」儒教の国にあって、怪異はなぜ、いかにして記録されるようになったのか。『今昔物語集』等にも影響を与えた古代中国の「志怪」について、史書の伝統や仏教伝来との関係を軸に、社会的文脈から生成過程、文体まで、初めてトータルに捉え、中国人の精神のかたちを逆照射する。

佐野誠子 著
価格 6,300円
A5判・上製・382頁
ISBN978-4-8158-0983-6 C3022
在庫有り


「読売新聞」 [2020年8月30日付] から(評者:三中信宏氏)

専門知を再考する

専門知を再考する

H・コリンズ/R・エヴァンズ著『専門知を再考する』(奥田太郎監訳/和田慈・清水右郷訳)が、「読売新聞」(2020年8月30日付)で紹介されました。<専門家 vs 素人>を超えて ——。科学技術の浸透した世界で物事を決めるとき、専門家を無視することも、絶対的に信頼することもできない。では専門知とは何か。会話や「農民の知」から、査読や科学プロジェクト運営まで、専門知の多様なあり方を初めてトータルに位置づけます。対話型専門知の可能性に光をあて、現代社会に展望をひらく名著。

“…… 本書は科学における専門知の特徴とその実在性を明快に整理した上で、この専門知がどのように形作られて広まるかを理論と実験の両面から解明しようとする。本書が提唱する専門知を分類する「周期表」は興味深い。とりわけ、ある分野を実質的に担う「貢献型専門知」を会得した “その道の専門家” との密接なやりとりを通して得られる「対話型専門知」という新たなカテゴリーが論議の核となっている。この対話型専門知をよりどころとして新たな科学論への道筋が示される。……”(「読売新聞」2020年8月30日付、第12面)

H・コリンズ/R・エヴァンズ 著
奥田太郎 監訳
和田 慈/清水右郷 訳
価格 4,500円
A5判・上製・220頁
ISBN978-4-8158-0986-7 C3030
在庫有り


「日本経済新聞」 [2020年8月29日付] から

ヒロシマ
グローバルな記憶文化の形成

ヒロシマ

ラン・ツヴァイゲンバーグ著『ヒロシマ』(若尾祐司・西井麻里奈・髙橋優子・竹本真希子訳)が、「日本経済新聞」(2020年8月29日付)で紹介されました。原爆とホロコーストの交点へ ——。かつて「75年間は草木も生えない」と言われた都市は復興を遂げ、平和記念公園は「穏やかな」聖地と化した。どのようにして? 追悼・記念や観光をめぐる記憶の政治、証言とトラウマ、絡み合う犠牲者言説などに注目し、世界のなかのヒロシマの位置を問い直す挑戦作。

“被爆地、広島の街の戦後の復興へ向けた複雑な経過を跡づけるとともに、ホロコーストの現場、アウシュビッツとの連帯の模索とその結末を記したドキュメント風の論考となっている。広島は終戦直後から平和へのメッセージと観光振興をリンクさせた政策を図ってきた。同時に悲惨な戦争被害の地として、宗教者らを中心にアウシュビッツの関係者らへの働きかけも進み、やがては、広島近郊の自治体に記念館の誘致も進められた。しかし、歴史を振り返る姿勢の違いや、イスラエルをめぐる国際政治の力学などから頓挫した経緯があるのだという。戦後75年を経て、記憶をどう次の世代へ正確に伝えるのか。重い課題を突きつける一冊である。”(「日本経済新聞」2020年8月29日付、第25面)

ラン・ツヴァイゲンバーグ 著
若尾祐司・西井麻里奈・髙橋優子・竹本真希子 訳
価格 4,800円
A5判・上製・424頁
ISBN978-4-8158-0994-2 C3021
在庫有り


『図書新聞』 [2020年9月5日号、第3462号] から(評者:楠和樹氏)

エコロジーの世紀と植民地科学者
イギリス帝国・開発・環境

エコロジーの世紀と植民地科学者

水野祥子著『エコロジーの世紀と植民地科学者』が、『図書新聞』(2020年9月5日号、第3462号、武久出版発行)で紹介されました。新たな知はどこで生まれ、何をもたらしたのか。—— 20世紀における科学・開発・環境の関係を問い、生態環境をめぐる知の生成と帝国ネットワークによる循環から、植民地開発の思想と実践、国際開発援助への展開をたどり、植民地科学者を軸に「エコロジーの世紀」の成り立ちを描く力作。

“…… 前著『イギリス帝国からみる環境史 —— インド支配と森林保護』(岩波書店、2006年)で19世紀後半から第一次大戦時までのインドにおける林学と森林政策の展開を取り上げた著者は、本書でおもな舞台をアフリカへと移すとともに生態学を中心とする科学知へと対象を広げ、戦間期から第二次世界大戦後までのその生成過程を描き出すことで、日本語圏ではほとんど類書のない領域を切り拓いている。…… 本書の議論はイギリス帝国史、開発学、環境史、科学史など幅広い分野にまたがっていることから、読者の多様な学問的関心を喚起するに違いない。と同時に、本書の射程はそれだけにとどまらないだろう。「大加速(Great Acceleration)」を経て、「エコロジーの世紀」の次の時代を生きる、人間の生物学的存在としての側面とその地球環境に与える影響の大きさに日々向き合っている読者にも、示唆に富んだ知見をもたらしてくれる書である。”(『図書新聞』2020年9月5日号、第3面)

水野祥子 著
価格 5,400円
A5判・上製・268頁
ISBN978-4-8158-0971-3 C3022
在庫有り


『週刊読書人』 [2020年8月21日号、第3353号] から(評者:菅谷憲興氏)

歴史家と少女殺人事件
レティシアの物語

歴史家と少女殺人事件

イヴァン・ジャブロンカ著/真野倫平訳『歴史家と少女殺人事件』が、『週刊読書人』(2020年8月21日号、第3353号、読書人発行)で紹介されました。18歳の女性が誘拐・殺害された「三面記事」事件。だが、大規模な捜査と政治の介入によって、それはスキャンダラスな国家的事件となった。作者=歴史家は自ら調査を進め、被害者の生の物語を語り始める。そこから明らかになる「真実」とは ——。メディシス賞、ル・モンド文学賞受賞作。フランスでテレビドラマ化。

イヴァン・ジャブロンカ 著
真野倫平 訳
価格 3,600円
四六判・上製・400頁
ISBN978-4-8158-0993-5 C3022
在庫有り


『西洋史学』 [第269号、2020年6月] から(評者:伊東剛史氏)

農の科学史
イギリス「所領知」の革新と制度化

農の科学史

並松信久著『農の科学史』が、『西洋史学』(第269号、2020年6月、日本西洋史学会編集兼発行)で紹介されました。ローカルな知は科学となるのか ——。農業は古来、多くの地域で主要産業であった。工業化が進む中、諸科学と葛藤しつつ「農学」を成立させていく多元的な知と制度の展開を、啓蒙時代から20世紀まで、イギリス社会の文脈で描く。科学史と農業史を架橋し、間文化的な示唆を与える労作。

並松信久 著
価格 6,300円
A5判・上製・480頁
ISBN978-4-8158-0853-2 C3061
在庫有り


『西洋史学』 [第269号、2020年6月] から(評者:伊川健二氏)

イエズス会士と普遍の帝国
在華宣教師による文明の翻訳

イエズス会士と普遍の帝国

新居洋子著『イエズス会士と普遍の帝国』が、『西洋史学』(第269号、2020年6月、日本西洋史学会編集兼発行)で紹介されました。カトリック拡大のため東方に渡った宣教師らが、巨大な清朝に見出したものは何か。中国古来の世界像や学術は、キリスト教の教義や勃興する科学と結びつくのか。共通言語から統治体制や歴史編纂まで、新たな帝国像を描き出した18世紀のアミオを軸に、多言語史料から「文明の翻訳」の実相を捉える力作。

新居洋子 著
価格 6,800円
A5判・上製・414頁
ISBN978-4-8158-0889-1 C3022
在庫有り


『ヒストリア』 [2020年6月号] から(評者:村上友章氏)

海軍技術者の戦後史
復興・高度成長・防衛

海軍技術者の戦後史

沢井実著『海軍技術者の戦後史』が、『ヒストリア』(2020年6月号、大阪歴史学会編)で紹介されました。戦後日本の復興と発展に、海軍技術者たちが果たした役割とは何か。造船、自動車、新幹線開発、土木などで高度成長を下支えした技術継受の全体像を復元、防衛生産も視野にその質的・量的インパクトを客観的に叙述するとともに、技術者たちの敗戦経験の歴史的特質をも浮き彫りにします。

“…… 本書の最大の意義は、可能な限り渉猟した資料を基に、旧海軍技術者の陰影に富んだ戦後の全体像を示した点にあろう。著者が指摘するように、従来、「ちょうど水が高いところから低いところに流れるように、復員した優秀な元軍事関連技術者が民間部門に就職することによって民間部門の技術が大きく向上した」(240頁)という単純な成功物語が人口に膾炙されてきた。だが、こうした通説に違和感を持つ著者は、本書において、海軍技術者らの再就職先が、その職能や職階(造船、造機、施設、そして機関科将校)によって、かなり多様であり、その軌跡も一筋縄にはいかなかったことを見事に明らかにする。本書の白眉は、各章に掲載された、種々の文献から著者が整理した旧海軍技術者たちの様々な履歴リストである。そのバラエティに富む再就職先の一つ一つを眺めれば興味は尽きない。
 一方、著者は代表的な海軍技術者一人一人の個性や履歴も丁寧に紹介しており、本書からは、それぞれの職能集団の中ですら、彼らの進路に相当の幅があったことが理解できる。その中には、靖国神社宮司としてA級戦犯合祀を断行した松平永芳(海軍機関科学校45期生)のような意外な人物も含まれる。このように取り上げる人物が多岐にわたるだけに、その個々のエピソードに様々な分野の研究者を惹きつける有益な情報が含まれていることも、本書の魅力であろう。……”(『ヒストリア』2020年6月号、p.91)

沢井 実 著
価格 4,500円
A5判・上製・256頁
ISBN978-4-8158-0943-0 C3021
在庫有り


「日本経済新聞」 [2020年8月8日付] から(評者:小倉孝誠氏)

歴史家と少女殺人事件
レティシアの物語

歴史家と少女殺人事件

イヴァン・ジャブロンカ著/真野倫平訳『歴史家と少女殺人事件』が、「日本経済新聞」(2020年8月8日付)で紹介されました。18歳の女性が誘拐・殺害された「三面記事」事件。だが、大規模な捜査と政治の介入によって、それはスキャンダラスな国家的事件となった。作者=歴史家は自ら調査を進め、被害者の生の物語を語り始める。そこから明らかになる「真実」とは ——。メディシス賞、ル・モンド文学賞受賞作。フランスでテレビドラマ化。

“…… 産業の空洞化、社会的不平等、教育制度の欠陥、若者たちの社会への不適応など、日本社会にも共通した問題が、レティシアの物語を通じて炙り出される。…… 事件の謎が解決されていくさまは、あたかも上質の推理小説の趣があり、独特の語り口をもったノンフィクション文学である。……”(「日本経済新聞」2020年8月8日付、第26面)

イヴァン・ジャブロンカ 著
真野倫平 訳
価格 3,600円
四六判・上製・400頁
ISBN978-4-8158-0993-5 C3022
在庫有り


『東アジア近代史』 [第24号、2020年6月] から(評者:島田大輔氏)

対日協力者の政治構想
日中戦争とその前後

対日協力者の政治構想

関智英著『対日協力者の政治構想』が、『東アジア近代史』(第24号、2020年6月、東アジア近代史学会発行)で紹介されました。日中戦争には、抗日と同時に、占領地における協力の側面もあった。しかし多様な協力者たちは戦後、漢奸として糾弾され、その歴史も未完の政治構想とともに葬り去られた。本書はこの影の側面に光を当て、戦争の全体像に迫るとともに、占領から始まった戦後日本に鋭い眼差しを投げかけます。

“…… 1930年代に日本の意向を受けて中国各地に作られた対日協力政権について、その構成員・関係者という「人間」(特に、経歴や思想)に主に焦点を当て、彼等が抱えていた「政治構想」「将来構想」について鋭く分析したのが、本書の最大の意義である。対日協力者については、その傀儡性、対日従属性が前提となった研究が多かったなか、後知恵、先入観を排して分析し、対日協力者の「主体性」を明らかにした。合わせて、日本、重慶政権、共産党といった「占領地外部」の勢力との相互関係(対抗、交叉、水面下の繋がり)や「言論競争」を随所で指摘しており、占領地政権を「閉じた世界」ではなく、「開かれた世界」として描いている点は興味深い(特に、第6、7、10章)。従来看過されてきた対日協力者における戦前・戦後の連続性の分析(第11、12章)も、対日協力者の問題が戦後も継続していたことを示すものであり、その意義は大きい。
そして、本書に登場する人物・事象の多くは、従来研究上では、見落とされてきた(あるいは大きく取り上げられてこなかった)ものである。著者は、こうした人物・事象を丁寧に掘り起こし、既存の研究の枠組みに対する異議申し立てを行った。本書が、対日協力者研究の裾野を広げたのは間違いない。こうした研究が可能になったのは、見落とされてきた人物・事象を見つけ出す著者の感性と、徹底的な史料収集の賜物であろう。対日協力者たちの思想変遷を明らかにするために、諸種のメディアを活用し、著作、署名記事、声明などを網羅的に収集した努力は特筆に値する。……”(『東アジア近代史』第24号、p.197)

関 智英 著
価格 7,200円
A5判・上製・616頁
ISBN978-4-8158-0963-8 C3022
在庫有り


『植民地文化研究』 [第19号、2020年7月] から(評者:三木直大氏)

対日協力者の政治構想
日中戦争とその前後

対日協力者の政治構想

関智英著『対日協力者の政治構想』が、『植民地文化研究』(第19号、2020年7月、植民地文化学会発行)で紹介されました。日中戦争には、抗日と同時に、占領地における協力の側面もあった。しかし多様な協力者たちは戦後、漢奸として糾弾され、その歴史も未完の政治構想とともに葬り去られた。本書はこの影の側面に光を当て、戦争の全体像に迫るとともに、占領から始まった戦後日本に鋭い眼差しを投げかけます。

関 智英 著
価格 7,200円
A5判・上製・616頁
ISBN978-4-8158-0963-8 C3022
在庫有り


『日本植民地研究』 [第32号、2020年7月] から(評者:齊藤直氏)

満鉄経営史
株式会社としての覚醒

満鉄経営史

平山勉著『満鉄経営史』が、『日本植民地研究』(第32号、2020年7月、日本植民地研究会編集兼発行)で紹介されました。満州経営の全方位的担い手とみなされた巨大植民地企業が、国策会社化の挫折と満州国成立後の解体的再編をへて、鉄道を主軸とした市場志向の企業として覚醒する姿を、株式市場への対応からとらえ、終戦まで異例の高収益企業であり続けたメカニズムを解明、日本帝国主義の先兵とする満鉄理解を大きく書き換えます。

“…… 国策会社を対象とした先行研究のなかには、国策会社のイメージを先験的に定めたうえで、そのイメージに適合する部分のみを対象として局地的な分析を行い、国策会社の本質を提示したかのように振舞う研究も存在する。しかし、残念ながら、そうした姿勢で行われた研究では、部分的な史実の解明という点での貢献は期待できても、国策会社の本質に迫ることは困難である。そうした先行研究とは異なり、本書は、従来は等閑視されてきた内部組織や資本市場に関する分析を丹念に行うことを通じて、満鉄の国策会社としての性格が変容を余儀なくされる経緯を解明している。「国策会社」を自明視、絶対視しないからこその分析視角であり、それが本書の存在感を際立たせている。本書は、その分析内容においては「国策会社」を相対化したが、そうであるがゆえに、国策会社研究を生産的に進展させる大きな力を持っていると考えられるのである。”(『日本植民地研究』第32号、pp.98-99)

平山 勉 著
価格 9,500円
A5判・上製・504頁
ISBN978-4-8158-0945-4 C3021
在庫有り


「朝日新聞」 [2020年7月29日付、文芸時評] から(評者:小野正嗣氏)

歴史家と少女殺人事件
レティシアの物語

歴史家と少女殺人事件

イヴァン・ジャブロンカ著/真野倫平訳『歴史家と少女殺人事件』が、「朝日新聞」(2020年7月29日付)の「文芸時評」(小野正嗣氏)で紹介されました。18歳の女性が誘拐・殺害された「三面記事」事件。だが、大規模な捜査と政治の介入によって、それはスキャンダラスな国家的事件となった。作者=歴史家は自ら調査を進め、被害者の生の物語を語り始める。そこから明らかになる「真実」とは ——。メディシス賞、ル・モンド文学賞受賞作。フランスでテレビドラマ化。

“…… 驚くべき書物だ。…… 作家が自由に想像力を駆使する歴史小説とも事実報道に徹するジャーナリズムとも違う。フランスの福祉、教育、司法・警察の諸制度など社会背景を克明に分析し、数多くの関係者へのインタビューを重ね、ときに小説的想像力に依拠しつつ、ジャブロンカが行おうとしているのは、犯人ばかりか政治や里父など男性的・父権的な暴力によっても不当に蹂躙された少女の命の尊厳を、その輝きを取り戻すことなのだ。……”(「朝日新聞」2020年7月29日付、第21面)

イヴァン・ジャブロンカ 著
真野倫平 訳
価格 3,600円
四六判・上製・400頁
ISBN978-4-8158-0993-5 C3022
在庫有り


『東方』 [第473号、2020年8月] から(評者:山口早苗氏)

対日協力者の政治構想
日中戦争とその前後

対日協力者の政治構想

関智英著『対日協力者の政治構想』が、『東方』(第473号、2020年8月、東方書店発行)で紹介されました。日中戦争には、抗日と同時に、占領地における協力の側面もあった。しかし多様な協力者たちは戦後、漢奸として糾弾され、その歴史も未完の政治構想とともに葬り去られた。本書はこの影の側面に光を当て、戦争の全体像に迫るとともに、占領から始まった戦後日本に鋭い眼差しを投げかけます。

“…… 第一に挙げるべきは、本書の狙い通り、対日協力者の具体的な活動を丁寧に腑分けし分析することで、戦争・占領に向き合う彼らの主体性が十分に明らかになった点である。…… 第二に、本書の文体である。本書は一章ずつ異なる人物や組織を取り上げているが、著者の巧みな筆致により、人物の一人一人の人生が詳細に、生き生きと再現される。こうした文体は一般読者にも親しみやすく、また読み物としても非常に良質な印象を受ける。…… 第三に、戦後までタイムスパンを広げることで、これまで見えてこなかった対日協力者の別の姿が浮かび上がってくる点である。……”(『東方』第473号、pp.27-28)

関 智英 著
価格 7,200円
A5判・上製・616頁
ISBN978-4-8158-0963-8 C3022
在庫有り


『日本台湾学会報』 [第22号、2020年6月] から(評者:福田円氏)

台湾外交の形成
日華断交と中華民国からの転換

台湾外交の形成

清水麗著『台湾外交の形成』が、『日本台湾学会報』(第22号、2020年6月、日本台湾学会編)で紹介されました。「一つの中国」という原則と、国際社会での地位存続との板挟みのなかで、台湾は何を選択してきたのか。安全保障をめぐる米国との交渉、国連の中国代表権問題、日中国交回復とその裏での対日断交などを、台湾側の動向を軸にたどり、今日の台湾外交の真の根源を浮き彫りにする画期的著作。

“…… 本書は、従来の台湾政治外交研究では位置付けが定まっていなかった蔣経国時代の外交に明確な像を与えた点において、大きな意義をもつ。…… 第二に、本書は1960年代から1970年代の台湾外交、とりわけ対日政策の展開を、関係者へのインタビュー、民主化以降継続して公開されてきた台湾の公文書、および自らが発掘した個人の史料などに依拠して、詳細に描いているという点において価値が高い。…… 第三に、…… 中華民国/台湾の政治外交史は、蔣介石、蔣経国、李登輝などの権力者に焦点を当てた叙述がなされがちであるが、著者は外交官や国民党エリート間の立場の相違や論争に焦点を当てている。…… 最後に、本書は単線的な日中台関係史の理解や、日本人の単純化された中国・台湾理解に警鐘を鳴らすものとして、今後の日中台関係史研究はもちろんのこと、日中、日台関係にかかわる政策研究や論争においても参照される価値があるだろう。……”(『日本台湾学会報』第22号、pp.140-141)

清水 麗 著
価格 5,400円
A5判・上製・344頁
ISBN978-4-8158-0935-5 C3031
在庫有り


『歴史評論』 [2020年7月号、第843号] から(評者:畑野勇氏)

海軍技術者の戦後史
復興・高度成長・防衛

海軍技術者の戦後史

沢井実著『海軍技術者の戦後史』が、『歴史評論』(2020年7月号、第843号、歴史科学協議会編)で紹介されました。戦後日本の復興と発展に、海軍技術者たちが果たした役割とは何か。造船、自動車、新幹線開発、土木などで高度成長を下支えした技術継受の全体像を復元、防衛生産も視野にその質的・量的インパクトを客観的に叙述するとともに、技術者たちの敗戦経験の歴史的特質をも浮き彫りにします。

“…… 本書を手に取り頁を繰った者で、いくつもの詳細かつ巨大な表に結実した、著者が手がけた調査領域の広大さと成果の巨大さに驚嘆しない者はいないであろう。そして、この分野の研究者で、その成果を享受できることに喜びを感じない者も、おそらく絶無と思われる。一万名を超えるすべてではないにせよ、その主要な人数のほぼすべての動向を系統的にまとめあげた著者の学識の広さと深さに、まずは敬意を表したい。ただ、本書の価値はまた別の個所にもある。評者が、本文の記述とその典拠をたどって読み進むにつれて逐一感じたことであるが、本書は、各章における代表的な人物の選定がきわめて的確であり、その説明に使用される典拠も、(記述の信頼度や歴史的価値において)これ以上望めない水準にある。……”(『歴史評論』2020年7月号、p.94)

沢井 実 著
価格 4,500円
A5判・上製・256頁
ISBN978-4-8158-0943-0 C3021
在庫有り


『経営史学』 [第55巻第1号、2020年] から(評者:湯澤規子氏)

飲食朝鮮
帝国の中の「食」経済史

大陸関与と離脱の狭間で

林采成著『飲食朝鮮』が、『経営史学』(第55巻第1号、2020年、経営史学会編)で紹介されました。牛肉、明太子、ビールなど、帝国による「食」の再編は日韓の食文化を大きく変えた。収奪論をこえて、帝国のフードシステムの歴史的意義をはじめてトータルに解明、生産・流通から植民地住民の身体に与えた影響まで、帝国の統治にはたした「食」の決定的な役割を浮かび上がらせます。

“…… 本書に新知見が見出せるのは、著者が7つの飲食物を「食料産業」という視点から分析することで、経営史、経済史の強みを遺憾なく発揮しているからである。様々な統計分析の厚みのうえに史料読解を重ね、それを大局的な視点、すなわち帝国、東アジア、市場、日韓関係史と絶えず交差させながら進められる議論には手堅い説得力がある。……”(『経営史学』第55巻第1号、p.53)

林 采成 著
価格 5,400円
A5判・上製・388頁
ISBN978-4-8158-0940-9 C3022
在庫有り


東京財団政策研究所ウェブサイト [2020年5月20日] から(評者:菅原健志氏)

大陸関与と離脱の狭間で
イギリス外交と第一次世界大戦後の西欧安全保障

大陸関与と離脱の狭間で

大久保明著『大陸関与と離脱の狭間で』が、東京財団政策研究所ウェブサイト(2020年5月20日)で紹介されました。大国が後退するとき ——。平和を維持する仕組みはいかに構想され、なぜ脆弱化したのか? 国際連盟を含む複数の安全保障観やヨーロッパ派と帝国派のせめぎ合い等のなか、西欧への関与の揺らぐイギリスの外交姿勢と諸国との交渉過程を、膨大な史料から精緻に描き出し、現在への示唆に富む気鋭による力作。

大久保 明 著
価格 6,800円
A5判・上製・532頁
ISBN978-4-8158-0918-8 C3022
在庫有り


『国際安全保障』 [第47巻第2号、2019年9月] から(評者:小川浩之氏)

大陸関与と離脱の狭間で
イギリス外交と第一次世界大戦後の西欧安全保障

大陸関与と離脱の狭間で

大久保明著『大陸関与と離脱の狭間で』が、『国際安全保障』(第47巻第2号、2019年9月、国際安全保障学会編)で紹介されました。大国が後退するとき ——。平和を維持する仕組みはいかに構想され、なぜ脆弱化したのか? 国際連盟を含む複数の安全保障観やヨーロッパ派と帝国派のせめぎ合い等のなか、西欧への関与の揺らぐイギリスの外交姿勢と諸国との交渉過程を、膨大な史料から精緻に描き出し、現在への示唆に富む気鋭による力作。

大久保 明 著
価格 6,800円
A5判・上製・532頁
ISBN978-4-8158-0918-8 C3022
在庫有り


『史潮』 [新87号、2020年6月] から(評者:髙綱博文氏)

対日協力者の政治構想
日中戦争とその前後

対日協力者の政治構想

関智英著『対日協力者の政治構想』が、『史潮』(新87号、2020年6月、歴史学会編集/同成社発売)で紹介されました。日中戦争には、抗日と同時に、占領地における協力の側面もあった。しかし多様な協力者たちは戦後、漢奸として糾弾され、その歴史も未完の政治構想とともに葬り去られた。本書はこの影の側面に光を当て、戦争の全体像に迫るとともに、占領から始まった戦後日本に鋭い眼差しを投げかけます。

“…… 本書が扱う対日協力者は汪精衛のような著名人もいるが、そのほとんどが日中戦争の帰趨が定まらない状況にあって日中双方の狭間に生きたグレーゾーン的な人物であり、これまで本格的な実証研究がない人々である。著者はこれまで無視されてきた対日協力者たちを発掘し、彼らの経歴と政治思想について戦前・戦後を通して詳細に調べ上げ、対日政権を担った彼らの政治的な言説を同政権の刊行物等から復元する作業を行った。著者は日本占領地における対日協力者や占領地政権に新たな光を当て、「日中戦争、さらに近代日中関係を捉えなおす」ことを意図している。…… 日本の占領下の中国における協力者の「主体に寄り添う」具体的な分析を通じて、現代史における協力者(collaborator)のような白黒で評価出来ない存在を普遍的に論じる視点と素材を提供し、私たちが世界的に共有可能な新たな歴史認識を構築することに大きく貢献するものと期待される。”(『史潮』新87号、p.63, 71)

関 智英 著
価格 7,200円
A5判・上製・616頁
ISBN978-4-8158-0963-8 C3022
在庫有り


「読売新聞」 [2020年6月28日付] から(評者:佐藤信氏)

朝貢・海禁・互市
近世東アジアの貿易と秩序

朝貢・海禁・互市

岩井茂樹著『朝貢・海禁・互市』が、「読売新聞」(2020年6月28日付)で紹介されました。朝貢体制論を超えて ——。「天下を統べる皇帝と朝貢する蕃夷諸国」という美しい理念の外形を辛うじて保っていた明代の通商外交体制も、海と陸の辺縁からの衝撃で転換を迫られ、やがて清代には互市が広がっていく。西洋とは異なる「もう一つの自由貿易」への構造変動を、日本の役割も含めて跡づけ、新たな歴史像を実証する労作。

“東アジアにおける14~19世紀の中国明・清時代の通商と外交を、朝貢・海禁・互市のキーワードから読み解き、歴史像をとらえ直す研究。…… 今日、自国中心理念の硬直性と、交流・経済の柔軟性との関係を考える際に、参考となるように思う。”(「読売新聞」2020年6月28日付、第10面)

岩井茂樹 著
価格 5,400円
A5判・上製・432頁
ISBN978-4-8158-0984-3 C3022
在庫有り


『図書新聞』 [2020年7月4日号、第3454号] から(評者:中島楽章氏)

朝貢・海禁・互市
近世東アジアの貿易と秩序

朝貢・海禁・互市

岩井茂樹著『朝貢・海禁・互市』が、『図書新聞』(2020年7月4日号、第3454号、武久出版発行)で紹介されました。朝貢体制論を超えて ——。「天下を統べる皇帝と朝貢する蕃夷諸国」という美しい理念の外形を辛うじて保っていた明代の通商外交体制も、海と陸の辺縁からの衝撃で転換を迫られ、やがて清代には互市が広がっていく。西洋とは異なる「もう一つの自由貿易」への構造変動を、日本の役割も含めて跡づけ、新たな歴史像を実証する労作。

“……「朝貢から互市へ」という大きな流れを基軸に、明清時代の貿易秩序の理念と実態、その時代的変遷を、多数の一次史料にもとづき従来の研究よりもはるかに精緻かつ体系的に解明した、きわめて重要な業績である …… 今後は本書が、明清時代だけではなく中国王朝の外交や通商を論じるうえでの基本文献となるだろう。”(『図書新聞』2020年7月4日号、第4面)

岩井茂樹 著
価格 5,400円
A5判・上製・432頁
ISBN978-4-8158-0984-3 C3022
在庫有り


「朝日新聞」 [2020年6月25日付、「あすを探る 科学技術」(内田麻理香氏)] から

専門知を再考する

専門知を再考する

H・コリンズ/R・エヴァンズ著『専門知を再考する』(奥田太郎監訳/和田慈・清水右郷訳)が、「朝日新聞」(2020年6月25日付)の「あすを探る 科学技術」(内田麻理香氏)で紹介されました。<専門家 vs 素人>を超えて ——。科学技術の浸透した世界で物事を決めるとき、専門家を無視することも、絶対的に信頼することもできない。では専門知とは何か。会話や「農民の知」から、査読や科学プロジェクト運営まで、専門知の多様なあり方を初めてトータルに位置づけます。対話型専門知の可能性に光をあて、現代社会に展望をひらく名著。

H・コリンズ/R・エヴァンズ 著
奥田太郎 監訳
和田 慈/清水右郷 訳
価格 4,500円
A5判・上製・220頁
ISBN978-4-8158-0986-7 C3030
在庫有り


『ドイツ研究』 [第54号、2020年] から(評者:伊藤実歩子氏)

政治教育の模索
オーストリアの経験から

政治教育の模索

近藤孝弘著『政治教育の模索』が、『ドイツ研究』(第54号、2020年、日本ドイツ学会発行)で紹介されました。半歩先のモデルか ——。民主主義の拡大を支え劣化を押しとどめるために、世界各国で注目される「政治教育」。先駆的な16歳選挙権を導入したオーストリアにおいても試行錯誤が続く。ナショナリズムに動員された過去から、現在のコンピテンシー重視の教育や「民主主義工房」の挑戦まで、変容と深化を跡づける。

近藤孝弘 著
価格 4,100円
A5判・上製・232頁
ISBN978-4-8158-0913-3 C3037
在庫有り


『史林』 [第102巻第6号、2019年11月] から(評者:村上衛氏)

帝国後のインド
近世的発展のなかの植民地化

帝国後のインド

小川道大著『帝国後のインド』が、『史林』(第102巻第6号、2019年11月、史学研究会発行)で紹介されました。インドはなぜ英領となったのか。ムガル帝国の衰退と後継国家の群雄割拠のもと生じた在地の大変動をとらえ、中間層権力をめぐる状況の変遷から植民地化の起源を解明、イギリス統治政策の浸透過程を丹念にたどるとともに、近代インドを近世史の発展との連続性のなかに位置づけます。

“…… 本書は手書きの現地語一次史料を駆使することによって、植民地側の記録からはみえてこなかった中間層の存在とその弱体化によるライヤットワーリー制の導入の過程を明らかにし、近世から近代への移行期を連続的に把握することを可能にした。これは、インドの在来社会をより動的に理解することにつながるから、本書は、イギリス植民地政府と静的な村落共同体の関係から描かれてきたインド植民地化の研究に大きな転換をせまるものである。また、共同体内における職商集団の農業兼業から、農民と職人の分業像にも大きな疑問を投げかけた。……”(『史林』第102巻第6号、p.90)

小川道大 著
価格 6,800円
A5判・上製・448頁
ISBN978-4-8158-0939-3 C3022
在庫有り


『日本史研究』 [第692号、2020年4月] から(評者:林尚之氏)

吉野作造と上杉愼吉
日独戦争から大正デモクラシーへ

吉野作造と上杉愼吉

今野元著『吉野作造と上杉愼吉』が、『日本史研究』(第692号、2020年4月、日本史研究会編集)で紹介されました。「民本主義」対「国家主義」の単純な枠組みに収まりきらない、近代社会科学最大のライバルの共通基盤と真の分水嶺はどこにあったのか。ドイツ経験などの見過ごされた契機も手掛かりに、近代日本政治の現実の焦点を捉え、デモクラシーと帝国をめぐる議論に新たな地平を拓きます。

“…… 本書は、ドイツ留学経験やドイツ学との格闘が、吉野と上杉の政治や社会に関する分析、さらには国際社会に関する認識、思想形成にいかに相関していたのかを実証的に明らかにしながら、立憲学派と君権学派、民本主義と反民本主義といった「二元論的な対立構図」に収まらない両者の思想的側面を炙り出している。とりわけ、吉野の国家主義的側面、上杉の直接民主主義的側面に分析の焦点をあてることで、両者の多様な可能性を考察している点に本書の特長がある。……”(『日本史研究』第692号、pp.65-66)

今野 元 著
価格 6,300円
A5判・上製・484頁
ISBN978-4-8158-0926-3 C3031
在庫有り


『Voice』 [2020年7月号] から(評者:奈良岡聰智氏)

「国家総動員」の時代
比較の視座から

「国家総動員」の時代

森靖夫著『「国家総動員」の時代』が、『Voice』(2020年7月号、PHP研究所発行)で紹介されました。第一次大戦後、大正デモクラシー下の日本において模索された民間主体の国家総動員構想を解明、同時代の英米で展開された政策も初めて精査して、その驚くべき重なりを跡づける。ファシズムや軍部独裁をその必然的帰結とみなす通説を大きく書き換え、近代史理解の新たな地平を拓く。

“…… 従来日本の国家総動員体制は、ナチスのそれと類似しているとみられることが多かったが、本書はむしろ英米との共通性を強調している。また、日中戦争勃発以降の国家総動員は、軍、官僚、政党などが認識のずれを抱えたまま、ちぐはぐな状態で進行したのであり、軍部独裁といえるようなものではなかったとも指摘している。目下世界では、新型コロナウイルスとの戦いが続いている。日本を含む先進諸国は、いかに自由で民主的な社会を維持しながら、このウイルスと戦い抜くかに苦心している。「総力戦」下にあるいま、本書から得られる示唆は大きい。”(『Voice』2020年7月号、p.241)

森 靖夫 著
価格 5,400円
A5判・上製・432頁
ISBN978-4-8158-0975-1 C3031
在庫有り


UTokyo BiblioPlaza から

反転する環境国家
「持続可能性」の罠をこえて

反転する環境国家

『反転する環境国家』の著者・佐藤仁先生による自著紹介が、UTokyo BiblioPlaza(東京大学)に掲載されました。国家に依存した自然保護の急速な展開は何をもたらしたのか ——。東南アジアをフィールドに、灌漑や森林、漁業資源をめぐって起こる思いがけない「人の支配」への転化や、開発と保護の連鎖する関係をあぶりだし、その解決策を現場の人々のしたたかな戦略や日本の経験に見出す。環境論の新たな地平を拓く著者の到達点。

佐藤 仁 著
価格 3,600円
四六判・上製・366頁
ISBN978-4-8158-0949-2 C3031
在庫有り


「朝日新聞」 [2020年6月10日付、「折々のことば」] から

反転する環境国家
「持続可能性」の罠をこえて

反転する環境国家

佐藤仁著『反転する環境国家』の一文が、「朝日新聞」(2020年6月10日付)の「折々のことば」(鷲田清一氏)で紹介されました。【内容】国家に依存した自然保護の急速な展開は何をもたらしたのか ——。東南アジアをフィールドに、灌漑や森林、漁業資源をめぐって起こる思いがけない「人の支配」への転化や、開発と保護の連鎖する関係をあぶりだし、その解決策を現場の人々のしたたかな戦略や日本の経験に見出す。環境論の新たな地平を拓く著者の到達点。

佐藤 仁 著
価格 3,600円
四六判・上製・366頁
ISBN978-4-8158-0949-2 C3031
在庫有り


『月刊ラティーナ』 [2020年5月号] から(評者:岸和田仁氏)

移民と徳
日系ブラジル知識人の歴史民族誌

移民と徳

佐々木剛二著『移民と徳』が、『月刊ラティーナ』(2020年5月号、ラティーナ発行)で紹介されました。ブラジルへの貢献と移民の成功をともに導いた徳=内面的資質と、それを体現する人々としての日系人は、いかにして生みだされたのか。移民知識人がはたした決定的役割から、日系コロニア構築の100年を超える歴史をとらえ、デカセギや世代交代とともに失われゆくその姿をも映し出します。

“…… 若き人類学徒が「ブラジルの日本移民たちが行うローカルな知識実践に着目しながら、人々が知識を通じて発現させた行為主体性を理解することを試み」ようと、この土曜会・人文研に結集した日系知識人たちの活躍の事例を子細に考察し、これを「移民的徳の誕生」と捉え、さらに移民史が70年史、80年史から百年史となるにつれ、その叙述を巡って様々な齟齬・亀裂が生じた経緯を “生き証人” として記録している。こうした「移民的徳」を歴史民族誌的に明らかにしたのが本書である。目配りの行き届いた著者のマクロ視線に読者は感心することになろう。”(『月刊ラティーナ』2020年5月号、p.66)

佐々木剛二 著
価格 6,300円
A5判・上製・398頁
ISBN978-4-8158-0978-2 C3036
在庫有り


『IDE現代の高等教育』 [2020年6月号、第621号] から(評者:羽田貴史氏)

大学論を組み替える
新たな議論のために

大学論を組み替える

広田照幸著『大学論を組み替える』が、『IDE現代の高等教育』(2020年6月号、第621号、IDE大学協会発行)で紹介されました。何を守り、何を見直していけばよいのか ——。なしくずしの政策追随に陥る大学。なぜこんなことになっているのか。価値や理念や規範をめぐる議論を避けることなく、教育の質、評価、学問の自由など具体的なトピックを通して、よい改革論とダメな改革論を区別し、大学が公共的な役割を果たし続けられる道を拓きます。

“…… 本書は、現在の高等教育をめぐる多様なトピックについて、高等教育研究の多様な成果をもとにした比較考察を行っており、読者が問題を考察する手助けになる。高等教育研究も細分化が進み、原理的な分析よりは、時々の政策をどう具体化するかというスタンスが多い。また、批判的考察を目的とする研究は、依拠する資料の選択に難があるが、著者はバランスよく文献を取り上げており、こうした姿勢は貴重である。……”(『IDE現代の高等教育』2020年6月号、p.62)

広田照幸 著
価格 2,700円
四六判・並製・320頁
ISBN978-4-8158-0967-6 C3037
在庫有り


『歴史学研究』 [2020年6月号、第997号] から(評者:岩間俊彦氏)

家族の命運
イングランド中産階級の男と女 1780~1850

家族の命運

L・ダヴィドフ/C・ホール著『家族の命運』(山口みどり/梅垣千尋/長谷川貴彦訳)が、『歴史学研究』(2020年6月号、第997号、歴史学研究会編集/績文堂出版発行)で紹介されました。現在、没落を言われる「中間層」は、どのように形成されたのか。—— 経済・政治・社会が急激に変動する産業革命の中心国を舞台に、家族とジェンダーに注目し、そのイデオロギー・制度・実践を、さまざまな男女の生き様を通して、鮮やかに描き出した名著、待望の邦訳。

L・ダヴィドフ/C・ホール 著
山口みどり/梅垣千尋/長谷川貴彦 訳
価格 7,200円
A5判・上製・520頁
ISBN978-4-8158-0955-3 C3022
在庫有り


『大原社会問題研究所雑誌』 [2020年5月号、第739号] から(評者:五十嵐千尋氏)

パチンコ産業史
周縁経済から巨大市場へ

パチンコ産業史

韓載香著『パチンコ産業史』が、『大原社会問題研究所雑誌』(2020年5月号、第739号、法政大学大原社会問題研究所編集兼発行)で紹介されました。戦前以来の縁日娯楽はなぜ、30兆円産業となりえたのか。見過ごされてきた周縁経済の躍動を、ホール、メーカー、規制の動向からダイナミックに捉え、「地下経済」論を超えた等身大の姿を浮き彫りにする。産業が存続可能となる条件を新たな視点で照射し、日本経済論の盲点に迫った初の通史。

“…… 本書は産業が存続することは自明ではないという考えに基づき、本書を通底するキーワードとして「存続可能性」があげられている。著者はパチンコ産業の特徴の一つに「規制産業」であることをあげている。揺籃期のパチンコ産業の様子は、著者があとがきで述べているように、在留期限更新の著者の様子と重なるものがある。著者が研究を重ね、在留期限更新に対する不安感が薄れていったように、規制され、いつ潰えるともしれない、産業ともみなされない「周縁」経済の一端であったパチンコ産業がいかに存続し、拡大しえたのか。規制に対していかに対応したのかがM商会の一次資料を用いて丹念に綴られている。……”(『大原社会問題研究所雑誌』2020年5月号、pp.66-67)

韓 載香 著
価格 5,400円
A5判・上製・436頁
ISBN978-4-8158-0898-3 C3033
在庫有り


「毎日新聞」 [2020年5月30日付] から(評者:内田麻理香氏)

専門知を再考する

専門知を再考する

H・コリンズ/R・エヴァンズ著『専門知を再考する』(奥田太郎監訳/和田慈・清水右郷訳)が、「毎日新聞」(2020年5月30日付)で紹介されました。<専門家 vs 素人>を超えて ——。科学技術の浸透した世界で物事を決めるとき、専門家を無視することも、絶対的に信頼することもできない。では専門知とは何か。会話や「農民の知」から、査読や科学プロジェクト運営まで、専門知の多様なあり方を初めてトータルに位置づけます。対話型専門知の可能性に光をあて、現代社会に展望をひらく名著。

“…… 新型コロナウイルスは、論争的な科学であり、専門知とは何か、誰を専門家として鑑定するか、市民としてどう関わるべきか、などの問題を突きつけている。専門知の正体を見極めようと探求する本書は、いまの時代に必読であると考える。”(「毎日新聞」2020年5月30日付、第12面)

H・コリンズ/R・エヴァンズ 著
奥田太郎 監訳
和田 慈/清水右郷 訳
価格 4,500円
A5判・上製・220頁
ISBN978-4-8158-0986-7 C3030
在庫有り


『週刊読書人』 [2020年5月29日号、第3341号] から(評者:安高啓明氏)

徳川日本の刑法と秩序

徳川日本の刑法と秩序

代田清嗣著『徳川日本の刑法と秩序』が、『週刊読書人』(2020年5月29日号、第3341号、読書人発行)で紹介されました。江戸の裁きにおいて、罰せられるべき者はいかにして決まったのか。具体的な判例から江戸期固有の法理を探り出し、西洋法を規範とする刑法理解を塗り替えるとともに、幕政を基礎づけた統治原則をも浮き彫りにします。今日に及ぶ日本人の法観念への新たな理解を開く力作。

代田清嗣 著
価格 6,300円
A5判・上製・386頁
ISBN978-4-8158-0980-5 C3032
在庫有り


『アステイオン』 [第92号、2020年6月] から(評者:苅部直氏)

丸山眞男の教養思想
学問と政治のはざまで

丸山眞男の教養思想

西村稔著『丸山眞男の教養思想』が、『アステイオン』(第92号、2020年6月、サントリー文化財団アステイオン編集委員会編集)の時評「丸山眞男研究の新たな動向」(苅部直氏)で紹介されました。「知」が問い直される時代に ——。教養と学問が関係することは、実は自明ではない。教養とは何か。また学問と思想はどのように関わるのか。知識人として、学者として、丸山が発し続けた問いと思考の展開を、遺された言葉の総体から精緻に読み解き、「丸山論」をこえて現代日本に提示。

“…… 知識人と政治との関係、および「教養思想」の展開という角度から、丸山の思想を分析する。もともと西洋法制史の研究から出発して、近代社会を支える「教養と作法」の重要性に関心をもち、大正時代以降の「教養思想」の流れのなかに、丸山の思想を位置づけようとした仕事である。…… ”(『アステイオン』第92号、p.181)

西村 稔 著
価格 6,800円
A5判・上製・566頁
ISBN978-4-8158-0953-9 C3010
在庫有り


『図書新聞』 [2020年5月30日号、第3449号] から(評者:池上英洋氏)

ヨーロッパ中世の想像界

ヨーロッパ中世の想像界

池上俊一著『ヨーロッパ中世の想像界』が、『図書新聞』(2020年5月30日号、第3449号、武久出版発行)で紹介されました。西洋中世の人々が生きた豊穣なる世界 ——。動植物や人間から、四大や宇宙、天使や魔女、仲間と他者、さらには楽園と煉獄まで、文学・図像・伝説・夢を彩る広大な想像界を縦横無尽に論じ、その全体構造を解明する。心性史・社会史を刷新する「イマジネールの歴史学」の集大成。

“…… わが国の西洋研究の水準を示す記念碑的作品と評しても、決して大げさではないだろう。…… 心性史や思想史などと書くと、教父たちがのこしたような堅苦しく単調な文献が想像されると思うが、本書で出くわす事例は、傷つけられた心臓の図像のように、非常に珍奇なものであることが多い。それらは時にグロテスクであり、ユーモラスである。あるいはハートマークのように、これまで疑問を抱かなかったことがらにひそむ不可思議さに気付かせてくれる楽しさを有している。大著でかつ高度な学術書ではあるのだが、同時に読み物としても面白く、知的好奇心を大いに刺激してくれることだろう。”(『図書新聞』2020年5月30日号、第4面)

池上俊一 著
価格 9,000円
A5判・上製・960頁
ISBN978-4-8158-0979-9 C3022
在庫有り


『図書新聞』 [2020年5月23日号、第3448号] から(評者:山崎聡氏)

ピグー 財政学

ピグー財政学

本郷亮訳『ピグー 財政学』が、『図書新聞』(2020年5月23日号、第3448号、武久出版発行)で紹介されました。公平原則から説き起こし、課税の原理、各種租税の比較、公債、雇用政策など、財政学の核心を明晰に論じた古典。実際的有用性の観点から今なお評価が高い、ピグー厚生経済学体系の三部作の一つを、重要論文とともに、第一人者が初めて邦訳し現代に問いかけます。

“…… 歴史的に先駆けて、税に関する公平性を規範経済学的観点から明瞭に議論している点で、古典として不朽の意義を持つ……”(『図書新聞』2020年5月23日号、第4面)

本郷 亮 訳
価格 6,300円
A5判・上製・338頁
ISBN978-4-8158-0969-0 C3033
在庫有り


Journal of Japanese and Korean Cinema [2020年3月24日オンライン公開] から(評者:花田史彦氏)

映画観客とは何者か
メディアと社会主体の近現代史

映画観客とは何者か

藤木秀朗著『映画観客とは何者か』が、Journal of Japanese and Korean Cinema(2020年3月24日オンライン公開、Taylor & Francis Group)で紹介されました。民衆・国民・東亜民族・大衆・市民 ——。映画館でシネマを観る「数」であるにとどまらず、映画や社会と多様な関係をとりむすぶ人々のあり様を、大正期から現在まで、社会主体をめぐる言説に注目することで、変容する政治やメディア環境との交渉のうちに浮かび上がらせた、映画観客100年史。

藤木秀朗 著
価格 6,800円
A5判・上製・680頁
ISBN978-4-8158-0938-6 C3074
在庫有り


「中日新聞」 [2020年4月24日付、夕刊] から

歴史としての日教組【上下巻】

歴史としての日教組

『歴史としての日教組』(上下巻)の編者・広田照幸先生による自著紹介が、「中日新聞」(2020年4月24日付、夕刊)に掲載されました。過剰な期待と歪んだ批判の狭間で、実像とかけ離れたイメージが作られてきた日教組。膨大な非公開史料や関係者へのインタビューに基づき、学術的にその歴史を徹底検証 ——。上巻では、戦後の労働運動での立ち位置から、独自の教育理念や「教師の倫理綱領」の作成まで、初期の模索を跡づけ、下巻では、1980年代の労働戦線の再編から、教育運動の転換、文部省との「歴史的和解」まで、新たな路線選択の時代に迫ります。

“…… 研究を通じて浮かび上がってきたのは、その時代の情勢を多元的に分析し、内部で議論を戦わせ、慎重に運動方針を選び取っていた日教組の姿である。…… たとえば、結成直後の時期の日教組は、革命運動に邁進していた当時の日本共産党の支配下にあったわけでもないし、「教師の倫理綱領」は階級闘争の綱領として作られたのでもなかった。教育運動や平和運動、裁判など、まだこれからまとめていくべきテーマはたくさん残っている。だが、本書によって、日教組という組織の本質に迫り得たと自負している。……”(「中日新聞」2020年4月24日付、第7面)

広田照幸 編
価格 各3,800円
A5判・上製・上336頁+下326頁
ISBN 上:978-4-8158-0972-0 下:978-4-8158-0973-7 C3037
在庫有り


『史学雑誌』 [第129編第3号、2020年3月] から(評者:池田嘉郎氏)

イスラームのロシア
帝国・宗教・公共圏 1905-1917

イスラームのロシア

長縄宣博著『イスラームのロシア』が、『史学雑誌』(第129編第3号、2020年3月、史学会編集兼発行)で紹介されました。もう一つの市民社会 ——。多数のイスラーム教徒が存在したロシア帝国。彼らはいかに生きたのか。日露戦争から第一次世界大戦・革命へと至る時代に、政治・行政・教育・出版・戦争・慈善等に積極的に関与し、言論と行動によって自らの「公共圏」を生み出したムスリム社会の苦闘を、かつてない深度で描き出します。

“…… 本書の何よりの長所は、所与の社会の実態に関する、手堅い実証である。それがあってはじめて、ムスリム公共圏という構想が説得力をもって立ち上がってくるのである。本書から伝わってくるのは、史料調査に割かれた膨大な労力であり、緻密な実証と斬新な構想との両立に向けられた知的な誠実さと並外れた能力である。……”(『史学雑誌』第129編第3号、p.89)

長縄宣博 著
価格 6,800円
A5判・上製・440頁
ISBN978-4-8158-0888-4 C3022
在庫有り


「毎日新聞」 [2020年4月25日付] から(評者:本村凌二氏)

ヨーロッパ中世の想像界

ヨーロッパ中世の想像界

池上俊一著『ヨーロッパ中世の想像界』が、「毎日新聞」(2020年4月25日付)で紹介されました。西洋中世の人々が生きた豊穣なる世界 ——。動植物や人間から、四大や宇宙、天使や魔女、仲間と他者、さらには楽園と煉獄まで、文学・図像・伝説・夢を彩る広大な想像界を縦横無尽に論じ、その全体構造を解明する。心性史・社会史を刷新する「イマジネールの歴史学」の集大成。

池上俊一 著
価格 9,000円
A5判・上製・960頁
ISBN978-4-8158-0979-9 C3022
在庫有り


『図書新聞』 [2020年5月2日号、第3446号] から(評者:西垣鳴人氏)

郵政民営化の政治経済学
小泉改革の歴史的前提

郵政民営化の政治経済学

伊藤真利子著『郵政民営化の政治経済学』が、『図書新聞』(2020年5月2日号、第3446号、武久出版発行)で紹介されました。戦後日本の発展と軌を一にし、隠れた福祉・再分配機能をはたした郵便貯金が、その巨大化の過程で抱え込んだ問題の核心とは。金融財政史の展開から民営化論の虚実を捉え直し、熱狂と混迷を生み出した小泉改革の歴史的位置を、政治手法やイデオロギーをめぐる議論をこえて初めて描き出します。

“…… もっとも重要な点は、郵貯における「7~80年代膨張と90年ショック」「主力商品である定額貯金の意義の変遷」「2000年問題」およびその後の民営化プロセスが国債消化問題や政治的派閥争いと絡めて歴史動態的に右の命題に連結されることで「小泉改革の歴史的前提」が詳らかにされていることである。この「前提」に鑑みれば、何らかの改革は必然だったとしても、観念的・情動的な小泉の民営化とは別な、さまざまな可能性(ナローバンク化はその一つ)があり得たことを本書はわれわれに教えてくれる。長大な歴史的分析から導き出されたこうした示唆にこそ、本書の真価は存在する。……”(『図書新聞』2020年5月2日号、第5面)

伊藤真利子 著
価格 5,400円
A5判・上製・358頁
ISBN978-4-8158-0968-3 C3033
在庫有り


『中国21』 [第51巻、2019年12月] から(評者:藤原貞朗氏)

中国芸術というユートピア
ロンドン国際展からアメリカの林語堂へ

中国芸術というユートピア

範麗雅著『中国芸術というユートピア』が、『中国21』(第51巻、2019年12月、愛知大学現代中国学会編/東方書店発売)で紹介されました。中華文人の生活芸術か、想像された国民芸術か ——。第二次世界大戦前、中英の協力により一大展覧会が開かれた。様々な出版や外交を伴い東西文化交流の転換点となったイベントを軸に、日本の影響深いウェイリーらの研究から、在英中国知識人の活動、パール・バックの後押しした林語堂の傑作まで、中国芸術とは何かを問いかけます。

範 麗雅 著
価格 11,000円
菊判・上製・590頁
ISBN978-4-8158-0909-6 C3070
在庫有り


「読売新聞」 [2020年4月19日付] から(評者:三中信宏氏)

結核の文化史
近代日本における病のイメージ

結核の文化史

福田眞人著『結核の文化史』が、「読売新聞」(2020年4月19日付)の「新型コロナ 読書対談 下」で紹介されました。明治維新以降1千万人以上の犠牲者を出すという苛酷な現実の一方で、『不如歸』に代表される小説等に描かれ、「上流」「天才」「美人」といった甘美なイメージを喚起した結核という独特な病の、近代日本における文化的位相を、史資料の博捜によって描き出した力作。

福田眞人 著
価格 4,500円
四六判・上製・440頁
ISBN978-4-8158-0246-2 C3095
在庫有り


『自由思想』 [第156号、2020年4月] から(評者:杉浦勢之氏)

郵政民営化の政治経済学
小泉改革の歴史的前提

郵政民営化の政治経済学

伊藤真利子著『郵政民営化の政治経済学』が、『自由思想』(第156号、2020年4月、石橋湛山記念財団発行)で紹介されました。戦後日本の発展と軌を一にし、隠れた福祉・再分配機能をはたした郵便貯金が、その巨大化の過程で抱え込んだ問題の核心とは。金融財政史の展開から民営化論の虚実を捉え直し、熱狂と混迷を生み出した小泉改革の歴史的位置を、政治手法やイデオロギーをめぐる議論をこえて初めて描き出します。

“…… 本書を第一に、これまで研究史の空白をなしてきた戦後郵貯の歴史を系統的に明らかにする研究書として読むことをお勧めしたい。これにより、郵貯が国債不発行主義の下、戦後高度成長を支えてきた財投というシステム、国債大量発行時代における国債市場といかに深く関係していたかに理解が及び、郵政民営化の歴史的位相を踏まえた上で、残された課題の深刻さに思いを致すことができるだろう。第二に、田中政治を通じて戦後を形づくってきた団塊世代、特に著者のいう「都市新中間層」が田中的なものを否定し、無党派層として「革新」から「改革」へと流動し、政治的「ブーム」を生み出すことで小泉旋風となっていく姿に「歴史のイロニー」を感じられるかもしれない。本書はロストジェネレーションを自負する著者による団塊世代へのオマージュ、あるいは「世代の経済史」として読むことも可能であろう。……”(『自由思想』第156号、p.65)

伊藤真利子 著
価格 5,400円
A5判・上製・358頁
ISBN978-4-8158-0968-3 C3033
在庫有り


『週刊読書人』 [2020年4月3日号、第3334号] から(評者:宮下規久朗氏)

ヨーロッパ中世の想像界

ヨーロッパ中世の想像界

池上俊一著『ヨーロッパ中世の想像界』が、『週刊読書人』(2020年4月3日号、第3334号、読書人発行)で紹介されました。西洋中世の人々が生きた豊穣なる世界 ——。動植物や人間から、四大や宇宙、天使や魔女、仲間と他者、さらには楽園と煉獄まで、文学・図像・伝説・夢を彩る広大な想像界を縦横無尽に論じ、その全体構造を解明する。心性史・社会史を刷新する「イマジネールの歴史学」の集大成。

池上俊一 著
価格 9,000円
A5判・上製・960頁
ISBN978-4-8158-0979-9 C3022
在庫有り


『中日新聞』 [2020年4月1日付、夕刊文化欄「黒板」] から

エコロジーの世紀と植民地科学者
イギリス帝国・開発・環境

エコロジーの世紀と植民地科学者

水野祥子著『エコロジーの世紀と植民地科学者』が、「中日新聞」(2020年4月1日付、夕刊文化欄「黒板」)で紹介されました。新たな知はどこで生まれ、何をもたらしたのか。—— 20世紀における科学・開発・環境の関係を問い、生態環境をめぐる知の生成と帝国ネットワークによる循環から、植民地開発の思想と実践、国際開発援助への展開をたどり、植民地科学者を軸に「エコロジーの世紀」の成り立ちを描く力作。

水野祥子 著
価格 5,400円
A5判・上製・268頁
ISBN978-4-8158-0971-3 C3022
在庫有り


『図書新聞』 [2020年4月11日号、第3443号] から(評者:崎山直樹氏)

大学論を組み替える
新たな議論のために

大学論を組み替える

広田照幸著『大学論を組み替える』が、『図書新聞』(2020年4月11日号、第3443号、武久出版発行)で紹介されました。何を守り、何を見直していけばよいのか ——。なしくずしの政策追随に陥る大学。なぜこんなことになっているのか。価値や理念や規範をめぐる議論を避けることなく、教育の質、評価、学問の自由など具体的なトピックを通して、よい改革論とダメな改革論を区別し、大学が公共的な役割を果たし続けられる道を拓きます。

“…… 本書の特徴はどこにあるのか。それは広田が、教育社会学の泰斗であるだけでなく、例えば本書でもその意義や活用方法が論じられている分野別参照基準の作成にも深く関わっているように、政策のレベルにおいても現在大学が置かれた困難な状況を深く理解している一人であり、その見地からの大学論となっている。…… 本書のように、様々な論点から大学が直面している困難を紹介し、共に考えていくための議論のたたき台を提示していくことは、「組み替える」ためのはじめの一歩となるだろう。またこのような議論の枠組みを検討し、より妥当な方向を目指すために、議論そのものを組み替えていく必要がある領域は、何も大学だけではない。新自由主義改革によってもたらされた歪みは、社会のありとあらゆる部分に存在している。そういう社会のあり方を考え直すためにも、大学論は一つのケーススタディとして有効であるかもしれない。”(『図書新聞』2020年4月11日号、第4面)

広田照幸 著
価格 2,700円
四六判・並製・320頁
ISBN978-4-8158-0967-6 C3037
在庫有り


『中国研究月報』 [2020年3月号、第74巻第3号] から(評者:中村みどり氏)

中国芸術というユートピア
ロンドン国際展からアメリカの林語堂へ

中国芸術というユートピア

範麗雅著『中国芸術というユートピア』が、『中国研究月報』(2020年3月号、第74巻第3号、中国研究所発行)で紹介されました。中華文人の生活芸術か、想像された国民芸術か ——。第二次世界大戦前、中英の協力により一大展覧会が開かれた。様々な出版や外交を伴い東西文化交流の転換点となったイベントを軸に、日本の影響深いウェイリーらの研究から、在英中国知識人の活動、パール・バックの後押しした林語堂の傑作まで、中国芸術とは何かを問いかけます。

“…… 本書の特色は、国民政府の外交史、ヨーロッパにおける東洋美術の受容史、中国人欧米留学史など細分化された研究領域を超えて、さらに中国近現代文学研究の視点をくわえた広い視野から「中国芸術国際展覧会」をめぐる文化的ネットワークを総体的に捉えようと試みたところにある。厖大な中国語・英語・日本語の一次資料と二次資料(巻末の注釈は100頁を越す)を用いて、論を組み立ててゆくのにあたり、多くのエネルギーと時間が費やされたことが想像される。その成果である本書は、それぞれの研究分野の読者に新たな知見をもたらしてくれる。……”(『中国研究月報』2020年3月号、p.28)

範 麗雅 著
価格 11,000円
菊判・上製・590頁
ISBN978-4-8158-0909-6 C3070
在庫有り


『東洋史研究』 [第78巻第4号、2020年3月] から(評者:宇野伸浩氏)

モンゴル時代の「知」の東西(上下巻)

モンゴル時代の「知」の東西

宮紀子著『モンゴル時代の「知」の東西』(上下巻)が、『東洋史研究』(第78巻第4号、2020年3月、東洋史研究会編集兼発行)で紹介されました。日本からヨーロッパまで、人・モノ・情報が行き交う ——。世界史上、空前のレベルで展開したユーラシアを貫く「知」の交流。百科事典や辞書・地図から宗教・政治・経済の諸制度まで、モンゴル帝国によるダイナミックな革新と統合の実像を、多言語の文献・美術品・出土文物を駆使して描き出す記念碑的労作。

宮 紀子 著
価格 各9,000円
菊判・上製・上574頁+下600頁
ISBN 上978-4-8158-0900-3 下978-4-8158-0901-0
C3022
在庫有り

年度別書評一覧

近刊案内

2020年11月27日出来予定

海のロシア史

左近幸村 著
A5判・上製・356頁
価格  5,800円
ISBN 978-4-8158-1008-5
Cコード 3022

2020年12月7日出来予定

現代アート入門

デイヴィッド・コッティントン 著
松井裕美 訳
四六判・並製・224頁
価格  2,700円
ISBN 978-4-8158-1009-2
Cコード 3070

2020年12月10日出来予定

歴史教育の比較史

近藤孝弘 編
A5判・上製・328頁
価格  4,500円
ISBN 978-4-8158-1011-5
Cコード 3022

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重版案内

2020年11月16日出来

統計学を哲学する

大塚 淳 著
A5判・並製・248頁
価格  3,200円
ISBN 978-4-8158-1003-0
Cコード 3010

2020年11月10日出来

専門知を再考する

H・コリンズ/R・エヴァンズ 著
奥田太郎 監訳/和田 慈・清水右郷 訳
A5判・上製・220頁
価格  4,500円
ISBN 978-4-8158-0986-7
Cコード 3030

2020年10月12日出来

ローマ政治家伝Ⅰ カエサル

マティアス・ゲルツァー 著
長谷川博隆 訳
A5判・上製・432頁
価格  4,600円
ISBN 978-4-8158-0735-1
Cコード 3022

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