内 容
戦前以来の縁日娯楽はなぜ、30兆円産業となりえたのか。見過ごされてきた周縁経済の躍動を、ホール、メーカー、規制の動向からダイナミックに捉え、「地下経済」論を超えた等身大の姿を浮き彫りにする。産業が存続可能となる条件を新たな視点で照射し、日本経済論の盲点に迫った初の通史。
【ALL REVIEWS】『パチンコ必勝ガイド メガ盛』(Vol.15、2019年2月)「パ知の巨人」著者インタビュー
目 次
序 章 存続可能性をかけて
1 存続可能性とは
2 パチンコへのまなざし
3 本書の視点 —— 再び供給側から
4 課題と時期区分
第1章 パチンコ産業の胎動
—— 縁日娯楽の事業化への道
はじめに
1 パチンコブーム
2 M商会の成長
3 射幸性の高い機械は儲かるのか
4 行き過ぎた射幸性のゆくえ —— パチンコと規制
5 連発式機械禁止令の影響 —— 機械メーカー
6 ホールの収益基盤安定化の模索
7 M商会の事業再編
おわりに —— 歩み出した産業発展
第2章 パチンコ機械メーカーの組織化
—— なぜ特許プールは成立したのか
はじめに
1 翻弄される市場 —— 日特連設立の背景
2 メーカーの組織化と日特連の設立
3 日特連の仕組み
4 日特連の役割
5 「競争者を排除しないこと」の経済的意味
おわりに
第3章 パチンコ機械市場における競争構造
—— 促された開発競争
はじめに
1 制度変化と日特連の機能
2 開発競争へ
3 日特連と競争構造
おわりに
第4章 パチンコ産業の巨大市場化
はじめに
1 フィーバー機出現の前夜 —— ホール経営の収益基盤と釘調整
2 フィーバー機と著しい市場成長
3 取引慣行に生じた亀裂
4 新規参入とホール間競争の激化
おわりに
第5章 パチンコホールにおける大規模経営の出現
はじめに
1 郊外型ホールの歴史的展開
2 日常生活とパチンコ消費
3 フィーバー機導入と大型化の進行
4 多店舗展開にかけた期待
5 大規模経営の可能性 —— マルハンの多店舗展開の実態分析
おわりに
補 論 パチンコと在日韓国・朝鮮人
はじめに
1 パチンコを生業とする人々
2 企業成長、産業発展、そして在日韓国・朝鮮人企業
3 パチンコはもはやビジネスチャンス
4 変わる社会環境
おわりに
終 章 ブラックボックス化されてきた産業
はじめに
1 各章のまとめ
2 日特連の解散 —— 一つの時代の終焉
3 規制と産業発展
おわりに —— M商会とマルハンの間
注
あとがき
図表一覧
索 引
受 賞
書 評
朝日新聞be on Saturday(2023年6月10日付)
『大原社会問題研究所雑誌』(2020年5月号、第739号、評者:五十嵐千尋氏)
『社会経済史学』(第84巻第4号、2019年2月、評者:鍛冶博之氏)
『パチンコ必勝ガイド メガ盛』(Vol.15、2019年2月、著者インタビュー)
『PLAY GRAPH』(2018年7月号、第54巻第7号)
『週刊エコノミスト』(第96巻第16号、2018年4月17日号、評者:橘川武郎氏)