内 容
科学革命の前夜、数学や関連する諸学はどのように捉えられていたのか。それらは果たして確実なものなのか。数学の対象や認識・論証の特質、学問全体における位置づけ、教育的意義などをめぐって、当時の思想家たちのテキストを精緻に読み解き、見失われて久しい知の相互連関を問い直す、白眉の学問論。
*本書フランス語版は、2019年にアカデミー・フランセーズ・マルセル閣下賞を受賞(ミシェル・セール氏が激賞!)。
【ALL REVIEWS】インタビュー(「東海イズム」2020年4月1日)
目 次
凡 例
序
第1章 背景としてのアリストテレス主義
1 アリストテレス主義的学問論
2 ルネサンスとアリストテレス主義
第2章 ツィマラとアラビア・中世数学論の伝統
1 数学的事物をめぐって
2 数学的論証論とイブン=ルシュドの遺産
第3章 ピッコローミニと数学的事物の理論
1 数学的事物の分析
2 量の不定性をめぐって
3 数学的諸学の意義と位置づけをめぐって
第4章 ピッコローミニの数学的論証論
1 ピッコローミニの問題提起
2 数学的論証は最強論証か
3 ピッコローミニに先駆者はいたか
第5章 バロッツィと数学的諸学の精神的意義
1 数学的諸学の中間性論
2 学問分類論と霊魂の上昇説
3 数学的論証の学問性
第6章 イエズス会哲学者たち
1 数学者たちによる数学擁護
2 ペレリウス
3 フォンセカ
4 トレトゥスとコインブラ注釈
結
あとがき
注
参考文献
索 引
受 賞
書 評
『週刊読書人』(2021年4月9日号、第3385号、評者:三浦伸夫氏)
読売新聞(2020年12月27日付、読書欄特集「読書委員が選ぶ『2020年の3冊』」、評者:山内志朗氏)
関連書
『リヴァイアサンと空気ポンプ』 スティーヴン・シェイピン,サイモン・シャッファー 著/吉本秀之 監訳