内 容
半歩先のモデルか ——。民主主義の拡大を支え劣化を押しとどめるために、世界各国で注目される「政治教育」。先駆的な16歳選挙権を導入したオーストリアにおいても試行錯誤が続く。ナショナリズムに動員された過去から、現在のコンピテンシー重視の教育や「民主主義工房」の挑戦まで、変容と深化を跡づける。
目 次
はじめに —— 政治教育後発国への注目
第1章 国家市民教育の始まり
1 20世紀は政治の世紀
2 祖国教育へ
第2章 オーストリア共和国の再建
1 戦前への回帰
2 基本通知(1978年)をめぐる対立
第3章 学校における政治教育の発展
1 高校教育課程への政治教育の導入
2 16歳選挙のインパクト
第4章 民主主義の能力を育てる
1 政治的コンピテンシー
2 教科書とマトゥーラ試験
3 政治教育における教師の課題
第5章 学校の外から政治教育を支援する
1 補助教材の開発
2 民主主義工房の成功
おわりに —— 政治教育を備えた民主主義へ
あとがき
資 料
注
参考文献
図表一覧
索 引
書 評
『西洋史学』(第270号、2020年12月、評者:田口晃氏)
『教育学研究』(第86巻第1号、2019年3月、評者:坂井俊樹氏)
『図書新聞』(2018年11月24日号、第3376号、評者:水野博子氏)
朝日新聞(2018年9月22日付、読書欄「著者に会いたい」)