内 容
〈善〉の存在論 ——。人間という主体についての近代的な理解、すなわち〈近代的アイデンティティ〉の複雑さと豊かさ、偉大さと危うさがいかに形成されてきたかを、隠れた道徳的立場とともに明らかにし、その真価を救出。共同体主義・多文化主義で知られるテイラーの主著、待望の邦訳。
【ALL REVIEWS】『社会思想史研究』書評(第36号、2012年、評者:中野剛充氏)
目 次
序 文
凡 例
第Ⅰ部 アイデンティティと善
第1章 不可避の枠組
第2章 道徳空間における自我
第3章 不明確な倫理
第4章 道徳的源泉
第Ⅱ部 内面性
第5章 道徳の地形学
第6章 プラトンの自己支配
第7章 「内なる人に」
第8章 デカルトの距離を置いた理性
第9章 ロックの点的自我
第10章 「人間の条件」の探究
第11章 内なる自然
第12章 歴史的説明についての補足
第Ⅲ部 日常生活の肯定
第13章 「神は副詞を愛し給う」
第14章 合理化されたキリスト教
第15章 道徳感情
第16章 神意による秩序
第17章 近代の文化
第Ⅳ部 自然の声
第18章 砕かれた地平
第19章 ラディカルな啓蒙
第20章 源泉としての自然
第21章 表現主義的転回
第Ⅴ部 より繊細な言語
第22章 ヴィクトリア朝に生きたわれらが同時代人
第23章 ポスト・ロマン主義時代のヴィジョン
第24章 モダニズムのエピファニー
第25章 結論 —— 近代の対立軸
訳者あとがき
注
索 引
書 評
『社会思想史研究』(第36号、2012年、評者:中野剛充氏)
『週刊読書人』(2010年12月24日号、評者:高山宏史氏、阪根正行氏)
関連書
『世俗の時代』(上下巻) チャールズ・テイラー 著/千葉 眞 監訳
『チャールズ・テイラーの思想』 ルース・アビィ 著/梅川佳子 訳
『この生』 マーティン・ヘグルンド 著/宮﨑裕助・木内久美子・小田 透 訳