内 容
多文化社会から宗教、AIまで、「哲学的人間学」の全景 ——。多様性と統合への渇望とのあいだで思考し、「承認の政治」やコミュニタリアニズムなど現代の思想を牽引してきた哲学者テイラー。自己論や道徳論から、言語論、認識論、政治哲学、宗教論まで、その巨大な思想の全体を体系的に理解するために最善の入門書。
著者紹介
ルース・アビィ
(Ruth Abbey)
カナダのマギル大学にてチャールズ・テイラーのもとで博士号(政治学)を取得。アメリカ合衆国のノートルダム大学で政治学の教鞭をとる。2019年よりオーストラリアのスウィンバーン大学社会科学部長。主な著作に,Nietzsche’s Middle Period (Oxford University Press, 2000),The Return of Feminist Liberalism (McGill-Queen’s University Press, 2011),Feminist Interpretations of John Rawls (The Pennsylvania State University Press, 2013) など。
目 次
凡 例
序 章
第1章 道徳を説明する
はじめに
道徳の領域
多元主義
強評価
道徳的実在論
宗 教
不可避のフレームワーク
高位善
物 語
明確化
構成善
理論と歴史
第2章 自己を解釈する
はじめに
自己の存在論的な面
自己解釈
目 的
対話的自己
自己の歴史主義的な面
方法論
明確な近代的自己
解放された自由
内的な深さ
本来性の表現
日常生活
実践的博愛
複数の自己
政治と自己
第3章 政治を理論化する
テイラーとコミュニタリアンの伝統
原子論
自 由
共和主義
愛国心
共有善
公的空間
限定的コミュニタリアニズム
権 利
市民社会
承認の政治
国家の中立性
結 び
第4章 知識を理解する
自然科学 対 人文科学
実践理性
科学革命
認識論を克服する
言 語
第5章 結び —— 世俗性の源泉
謝 辞
訳者あとがき
註
文献一覧
索 引
書 評
『図書新聞』(2019年9月14日号、第3415号、評者:高田宏史氏)
『図書新聞』(2019年7月20日号、第3408号、特集「2019年上半期 読書アンケート」、評者:山本圭氏)
関連書
『世俗の時代』(上下巻) チャールズ・テイラー 著/千葉 眞 監訳
『自我の源泉』 チャールズ・テイラー著/下川 潔・桜井 徹・田中智彦 訳