内 容
互いに武力闘争を繰り返す城塞化した村落 ——。それは王朝交替や辛亥革命などを経ても変わらぬ、明末以来の基層社会の姿であり、共産主義へと向かう農民運動の凄惨な暴力に極まる。宣教師文書を駆使しつつ、初めてその生成・展開・終焉を跡づけ、新たな中国史像を提示した渾身の力作。
目 次
凡 例
巻頭地図
序 章
1 「闘う村落」の時代
2 史料と先行研究
3 本書の構成
第Ⅰ部 華南農村社会の基本構造
第1章 村落と械闘
はじめに
1 明から清初へ
2 械闘と村落連合
3 紅黒旗の成立
4 抗捕抗糧
小 結
第2章 西洋の到来
はじめに
1 キリスト教の伝来
2 布教ステーションの展開
3 汕頭開港から治安回復へ
4 教会と械闘
小 結
第Ⅱ部 変革期
第3章 日清戦争と教会
—— 高まる不安
はじめに
1 1890年代
2 教会に押し寄せる人々
3 中国全土に広がる教会熱
4 社会的、政治的救い
小 結
第4章 義和団事件から辛亥革命へ
—— 活性化する結社
はじめに
1 大峰会
2 黄岡の義和団事件
3 結社の成長
4 広東東部の辛亥革命
小 結
第5章 青年と改革の時代
はじめに
1 秘密結社の消滅
2 青年の登場とYMCA
3 1910年代
4 農民運動
小 結
第Ⅲ部 武装闘争のゆくえ
第6章 国共合作から東征へ
はじめに
1 農村の武装化
2 民間武装統制問題
3 東征と武力
4 越権行為
小 結
第7章 海陸豊ソヴィエト政権
はじめに
1 農民運動と宗族
2 抵抗する強大宗族
3 人頭大会
4 群衆化路線の陥穽
小 結
終 章
あとがき
注
参考文献
図版一覧
索 引
中文要旨
受 賞
書 評
『史学雑誌』(第132編第7号、2023年7月、評者:片山剛氏)
『歴史学研究』(2021年11月号、第1016号、評者:村上衛氏)
『中国研究月報』(2021年9月号、第75巻第9号、評者:阿南友亮氏)
『図書新聞』(2021年2月6日号、第3482号、評者:宮内肇氏)