内 容
現代中国の原型をかたちづくるとともに、東アジア史の転機ともなった明代。世界的危機の狭間で展開した財政経済や社会集団のありようを、室町期や大航海時代との連動もふまえて彩り豊かに描くとともに、民間から朝廷まで全体を貫く構造を鋭くとらえ、新たな時代像を提示する。
目 次
はじめに
王朝系図
地 図
第Ⅰ部 形 成
第1章 明朝の誕生
1 モンゴル帝国の構造
2 大元ウルスの体制
3 「14世紀の危機」
第2章 政権の構築
1 権力集中
2 疑獄事件
3 南と北
第3章 南京から北京へ
1 建文政権
2 永楽帝
3 完 成
第Ⅱ部 体 制
第4章 財政経済
1 現物主義
2 財政体系
3 幣 制
第5章 華夷秩序
1 華夷殊別
2 朝貢一元体制
3 体制の確立
第Ⅲ部 乖 離
第6章 銀財政へ
1 宝鈔の運命
2 現物主義の帰趨
第7章 流通経済へ
1 白銀化の前提
2 江南の発展
3 幣制と貿易
第Ⅳ部 社 会
第8章 構造とその変容
1 構 成
2 再 編
3 郷 紳
第9章 思想・文化の展開
1 蘇 州
2 陽明学
3 社会の趨勢
第Ⅴ部 混 迷
第10章 正統から嘉靖まで
1 英宗朝
2 安定期
3 激動の嘉靖
第11章 「明末清初」
1 「北虜南倭」
2 改 革
第Ⅵ部 崩 潰
第12章 滅亡への道
1 万 暦
2 縮 図
3 党 争
4 終 焉
第13章 後を継ぐもの
1 反抗の時代
2 明清交代
3 世界と中国
むすび —— 文献解題を兼ねて
あとがき
略年表
文献目録
索 引
訂正情報(初版第1刷 正誤表)
書評等
「考える人」(新潮社ウェブマガジン、リレー書評「たいせつな本 —— とっておきの10冊」、2023年5月19日)
『史林』(第105巻第6号、2022年11月、評者:彭皓氏)
『週刊エコノミスト』(2022年11月1日号、評者:服部茂幸氏)
毎日新聞(2022年6月18日付、読書欄、評者:三浦雅士氏)