内 容
ナポレオン戦争後の信用制度改革期から古典的な金本位制が終結する第一次大戦までのイングランド銀行金融政策の形成・展開過程を、イギリス資本主義の確立・発展との関係で実証的に解明する。わが国で初めての本格的なイングランド銀行史研究である。
目 次
序 章 問題の所在
第1節 はじめに
第2節 研究史の回顧
第3節 課題と方法
第1章 イングランド銀行における金融政策の萌芽
第1節 ナポレオン戦争後の信用制度改革
第2節 中央銀行認識の生成と「パーマー・ルール」の登場
第3節 兌換再開後におけるイングランド銀行の位置と行動
第4節 金融政策の萌芽とその消滅への胎動
第2章 1844年イングランド銀行法
—— 金融政策の否定とその帰結
第1節 「通貨論争」と1844年イングランド銀行法の制定
第2節 1844年イングランド銀行法における「想定された機能」
第3節 「想定された機能」の検証
第4節 1844年イングランド銀行法の「現実の機能」
第3章 1844年イングランド銀行法の「定着」とイングランド銀行金融政策の生成
第1節 「銀行部自由競争理念」の後退
第2節 バンク・レート操作の発展
第3節 1844年イングランド銀行法の「定着」=形骸化と中央銀行的金融政策の生成
第4章 ロンドン金融市場の国際化とイングランド銀行金融政策の確立
第1節 W・バジョットの認識
第2節 『ロンバード街』以後のイングランド銀行金融政策
第3節 ロンドン金融市場の国際化進展とイングランド銀行金融政策
第5章 信用制度構造の変化とイングランド銀行金融政策の展開
第1節 バンク・レートの「失効」
第2節 バンク・レート低位安定化要求の出現とイングランド銀行金融政策の展開
第3節 金準備増強論とベアリング恐慌以後のイングランド銀行金融政策
第6章 国際金本位制の確立とイングランド銀行金融政策の動揺
第1節 20世紀初頭の状況
第2節 株式銀行の国際金融への進出とイングランド銀行金融政策
第3節 国際金本位制下のイングランド銀行金融政策
終 章 総括と展望
あとがき
参考文献目録
事項索引
人名索引