内 容
今日的な通貨金融政策への飛躍をもたらした連邦準備制度独立(=アコード)への道程を、ニューディール銀行制度改革とその課題の克服過程をめぐる新史料から捉え直し、現代の金融革新へと帰結するアメリカ固有の銀行制度の歴史的意義を解明、戦後金融政策史に新たな局面を拓いた労作。
目 次
はしがき
序 章 大恐慌から戦後通貨金融改革構想へ
Ⅰ. 大恐慌と再建金本位制の崩壊
Ⅱ. 国際金本位制の崩壊と金融制度改革
Ⅲ. ロンドン通貨経済会議の破綻と三国通貨協定
Ⅳ. ロンドン通貨経済会議後の為替管理 —— 戦後への連続と断絶
Ⅴ. 大恐慌後の通貨金融政策に関する研究動向
第1章 銀行規制の歴史的展開
—— 大恐慌と金融制度改革
はじめに
Ⅰ. 金融規制の始まり
Ⅱ. 金融規制の政府間分業の開始
Ⅲ. 大恐慌と金融規制の新たな展開
おわりに —— 第2次世界大戦後の金融自由化と金融規制
第2章 ニューディール金融政策とマネタリズム
—— ミーンズ、カリー、ホワイト
はじめに
Ⅰ. 大恐慌期の金融制度改革構想 —— シカゴ・プラン
Ⅱ. 1935年銀行法とカリーの役割
Ⅲ. 1937年不況と連邦準備政策の課題
Ⅳ. ワグナー委員会アンケート調査と「100%準備」案
おわりに —— モンペルラン協会の通貨改革プラン
第3章 金融制度改革と連邦準備政策の限界
—— ワグナー委員会「全国銀行通貨政策」調査
はじめに
Ⅰ. ニューディール銀行制度改革後の信用政策
Ⅱ. ワグナー委員会「全国銀行通貨政策」調査
Ⅲ. ワグナー委員会調査の挫折
おわりに
第4章 銀行監督・検査体制と二元銀行制度
—— ワグナー委員会アンケート調査の分析
はじめに
Ⅰ. 銀行の公共性
Ⅱ. 銀行の監督・検査体制
Ⅲ. 巨大銀行持株会社の支店網と金融監督機関
おわりに
第5章 戦時期における連邦準備制度理事会の改革構想
—— ワグナー委員会調査から立法化プログラムへ
はじめに
Ⅰ. 連邦準備制度理事会の回答書と法改正案の作成
Ⅱ. 国内金融政策に関する「立法化プログラム」
Ⅲ. 連邦準備制度理事会の国際通貨政策構想
おわりに
第6章 戦後対外通貨金融政策と国際通貨金融問題国家諮問会議
—— ヨーロッパ決済同盟の創設
はじめに
Ⅰ. 国際通貨金融問題国家諮問会議の創設と連邦準備制度
Ⅱ. ヨーロッパ援助とNACの政策調整
Ⅲ. ヨーロッパ間貿易決済機構の模索
Ⅳ. ヨーロッパ決済同盟の創設とNACの政策調整
おわりに
第7章 「アコード」の成立と金融システムの再編
—— 連邦準備政策の独立性をめぐって
はじめに
Ⅰ. 国債固定金利構造の形式から戦後構想へ
Ⅱ. アコードの成立 —— 国債固定金利構造の解除
Ⅲ. アコード後の連邦準備政策 ——「特別小委員会」報告
おわりに
終 章 金融グローバル化と銀行構造の変化
はじめに
Ⅰ. 金融の自由化とグローバル化
Ⅱ. 銀行構造の変化
Ⅲ. 地域社会と銀行の公共性 —— コミュニティ銀行のゆくえ
おわりに
参考文献
あとがき
図表一覧
人名索引
事項索引
受 賞
書 評
【週刊東洋経済書評】
【日本経済新聞書評】