内 容
生殖補助医療は身近になった一方で、進歩ゆえに生じた複雑な社会的・倫理的問題に直面している。本書は、最新の不妊治療法を詳しく述べるとともに、ES 細胞・iPS 細胞等の先端科学技術の応用や、代理母・配偶子提供などが抱える現代的課題も取り上げ、その光と影の両面をわかりやすく解説する。
目 次
はじめに
序 章 生殖医療の現状
1 体外受精とは
2 体外受精の普及率と施行数
3 体外受精の成功率
第Ⅰ部 卵巣刺激法の新展開
第1章 遺伝子組換え FSH
1 排卵誘発剤
2 遺伝子組換え FSH の開発
3 体外受精における排卵誘発剤
第2章 GnRH アンタゴニスト
1 GnRH アナログ
2 体外受精における GnRH アナログの意義
3 GnRH アナログの体外受精時の使用法
第Ⅱ部 新しい医学技術の適用
第3章 クローン技術
1 クローンとは
2 体細胞クローンの問題点
3 クローン技術と生殖医療
第4章 万能細胞
1 ES 細胞の発見
2 生殖医療における ES 細胞の利用
3 iPS 細胞の登場
第5章 着床前遺伝子診断
1 遺伝子と疾患
2 遺伝子診断
3 着床前診断
4 遺伝子治療
第Ⅲ部 生殖機構をめぐる倫理的課題
第6章 凍結保存配偶子
1 精子凍結
2 胚凍結
3 未受精卵・卵巣組織凍結
第7章 配偶子提供
1 卵細胞質提供
2 配偶子移植
3 精子提供
4 卵子提供
第8章 代理母
1 代理母とは
2 親権・養育権
3 代理母の現状
第Ⅳ部 社会に問われる問題点
第9章 法令とガイドライン
1 生殖医療を規制する法律
2 社会的コンセンサス
第10章 経済的サポート
1 生殖医療の費用
2 わが国の対応
第11章 生殖産業
1 臓器売買
2 生殖医療ビジネス
3 インターネットの利用
付-1 インターネット活用法
付-2 生殖医療登録施設一覧
付-3 日本産科婦人科学会会告
付-4 用語集
付-5 文献紹介
おわりに
索 引
コラム一覧
成功率の表現法 / ヒトがネズミ算で増える / 薬は社会情勢によって決まるのか /
コピーは、アナログか、デジタルか / ヒトラーは蘇るか / 遺伝子特許合戦 / 何を
選ぶべきか / 卵で病気が分かる・治る / -196℃、不老不死の世界 / IVF と IVM
/ 卵子の若返り法 / 心臓移植と胚移植の違い / 卵の親と生みの親 / 私は誰の子?
/ 日本人は法律作りが下手? / 不妊症は病気じゃない / 不妊治療は少子化対策の救
世主となり得るのか? / わが国でも腎臓売買が行われている! / すべてが商売となる
/ インターネット犯罪 / 私見 —— 病院選びのコツ
関連書
『現代の母性看護 概論』 入山茂美・春名めぐみ・大林陽子 編