書籍の内容
アメリカ経済学はいかにして今日の地位を築き得たのか? 建国期の躍動感あふれる初期経済学から、最新理論までを包括的に叙述、現代世界に圧倒的な影響を与えるアメリカ経済学の源流とその多様な展開を示し、激しい理論的角逐の底に流れるアメリカ独自の世界を一望する好著。
書籍の目次
プロローグ
1 アメリカ経済思想史の意義と時期区分
2 本書の構成
第1章 建国初期の経済思想
——ハミルトン体制とトマス・ジェファスン
1 ハミルトン体制の経済学
2 「製造業に関する報告書」 (1791年) の経済思想
3 トマス・ジェファスンと商業的アグレーリアニズム
第2章 北東部および南部自由主義経済学
—— J.マクヴィッカーとT.クーパー
1 アメリカの大学と経済学の講義
2 初期アメリカ経済学の諸類型
3 ジョン・マクヴィッカー —— 北東部 「牧師派」 自由主義経済学
4 トマス・クーパーの経済学 —— 南部自由主義経済学
第3章 アメリカ資本主義成立期の経済思想
—— 「アメリカ体制」 派経済学の展開
1 アメリカ産業資本と保護主義
2 ダニエル・レイモンドの保護主義経済学
3 フリードリッヒ・リストのアメリカ経済学
4 H.C.ケアリの経済学
第4章 アメリカ資本主義の確立と独占段階の経済学 (1)
—— 新しい流れと近代経済学の成立・展開
1 ドイツ歴史学派の導入と 「新学派」
2 「アメリカ経済学会」 の創設
3 アメリカにおける新古典派経済学の成立 —— J.B.クラークの経済学
4 アーヴィング・フィッシャーの経済学
5 アメリカ限界主義と自由主義的社会改革
6 アメリカ新古典派経済学の展開 —— F.W.タウシッグ、F.H.ナイト、J.ヴァイナ
第5章 アメリカ資本主義の確立と独占段階の経済学 (2)
—— 制度派経済学の形成と展開
1 制度学派の成立とその歴史的背景
2 ヴェブレンの進化論的経済学
3 ミッチェルの数量経済学
4 コモンズの集団行動の経済学
5 J.M.クラークの社会経済学
6 旧制度学派から新制度学派へ
第6章 「黄金の1920年代」、大恐慌、およびニューディール
1 「黄金の1920年代」 —— アメリカ経済の光と影
2 大恐慌
3 フーヴァーの経済思想と不況対策
4 ニューディールの展開
第7章 ニューディール期のアメリカ経済学
—— 破産と革新
1 大恐慌に対する最初の反応
2 ニューディール期アメリカ経済学の4類型
3 新古典派経済学
4 制度派経済学
5 構造主義的改革論者 —— タグウェルの 「実験的経済学」
6 マネタリスト —— フィッシャーの貨幣政策
7 ケインズ的財政政策への転換
8 経済学の破産と革新
第8章 ケインズ経済学の導入とケインズ派経済学の盛衰
1 アメリカへのケインズ経済学の導入
2 アメリカ・ケインズ派経済学の展開 —— サムエルソンと 「ニューエコノミックス」
3 ケインズ派経済学の衰退とその後 —— マネタリズムの復活から新ケインズ派経済学まで
第9章 新制度派経済学の展開
—— C.E.エアーズとJ.K.ガルブレイス
1 数理経済学と正統派経済学の危機
2 C.E.エアーズの技術と儀式の経済学
3 ガルブレイスの制度主義経済学
第10章 制度主義経済学の新しい流れ
1 「新しい制度経済学」 の台頭と制度派経済学の展開
2 新しい制度経済学
3 ラディカル派制度主義経済学
4 制度主義経済学の現状
エピローグ
付 録
アメリカ経済思想史参考文献リスト
歴代大統領の一覧表
統計データ (図・表・地図等)
関連書籍の紹介
『アメリカン・システムから大量生産へ』 D.A.ハウンシェル 著/和田一夫・金井光太朗・藤原道夫 訳
『現代制度派経済学宣言』 G.M.ホジソン 著/八木紀一郎・橋本昭一・家本博一・中矢俊博 訳