内 容
ロシアに近代的な司法制度を導入した試みと言われる1864年の司法改革を軸として、帝政ロシアの司法制度の展開過程を一次史料に基づき分析 —— これによって制度史研究の欠落を埋め、従来の「非法社会」というイメージには収まりきらない帝政末期のロシア法の動態的な姿を提示する。
目 次
第1章 課題と視角
1 「改革」論の現在
2 予備的考察 —— 司法改革の歴史的前提
第2章 1864年の司法改革
1 司法改革前史
2 司法改革の起点 —— 1857年『新民事訴訟法草案』
3 司法改革作業の進展
4 急進的改革論の台頭
5 旧構想の限界 —— 1860/61年『新刑事訴訟法草案』
6 転 換 —— 1862年「司法部改造の大綱」
7 裁判諸法の成立
第3章 裁判諸法の構造と動態
1 改革の基調
2 裁判組織
3 法曹諸制度
4 裁判諸法の施行
5 新法の動態
第4章 裁判諸法の変容
1 裁判諸法とその批判
2 司法政策の展開過程
3 裁判諸法の再検討
第5章 20世紀司法への展望
1 ムラヴィヨーフ委員会の遺産
2 在野法曹の世紀末
3 司法再改革の構図
文献略解
あとがき
人名索引
関連書
『ロシア革命論Ⅰ』 M.ウェーバー 著/雀部幸隆・小島 定 訳