内 容
ロシア専制政府の立法活動の特徴を暴いた、全く新しいロシア革命論。法対行政規則という法社会学的視点に立脚し、豊富な資料に基づいた、ロシア政府の「二重帳簿」政策についての鋭利で重厚な叙述は、優れた歴史研究であるとともに、開発独裁成立論とも言うべき論点を提出している。
目 次
凡 例
ロシアの外見的立憲制への移行
[Ⅰ]暫定内閣の基本政策
モスクワの蜂起とその鎮圧
政府の政策に及ぼした影響。政府の諸動機
白色の恐怖政治とその成果
[Ⅱ]暫定内閣の基本的政策立法の分析
(1)「出版に関する立法」
(2)「良心の自由」。1905年4月17日および1906年3月14日の宗教的寛容令
宗教的寛容令の影響
(a)古儀式派
(b)カトリック教徒
(c)正教会の改革
(3)「言語の自由」と諸民族
(4)「学問の自由」
教授たちの改革案の分析
(5)「結社の自由」
(6)「集会の自由」
(7)人身の自由の保障
総 括
[Ⅲ]専制の官僚制化の完成
これまでの状態
1905年10月21[19]日の勅令
[Ⅳ]「憲 法」
(1)ブルィギン国会
(2)1905年10月17日の詔書と1906年2月20日の詔書
1906年2月20日の国家評議会規則および国会規則の分析
(3)1906年3月8日の「予算規制」
(4)1906年4月12[23]日の新「国家基本法」
憲法の実践的意義
[Ⅴ]国会選挙法の分析
選挙法の実践的意義。選挙運動のやり方
[Ⅵ]選挙結果を規定した社会的、政治的諸条件
(1)モスクワ蜂起後の民主派の一般的状態
職能別労働組合運動と社会民主党
(2)立憲民主党の内部状態。一月大会
農業綱領の分析
(3)保守派と中間政党
(4)「社会」における反動。政府の農業政策法案
ゼムストヴォの動き
国家評議会選挙
[Ⅶ]国会選挙の分析
[Ⅷ]選挙後の経過
第一国会
原 注
訳 注
[解題Ⅰ]マックス・ウェーバーのロシア革命論(肥前栄一)
[解題Ⅱ]ウェーバーのロシア革命論に関する研究動向(小島修一)
訳者あとがき(肥前栄一)
1905年ロシア革命史年表
マックス・ウェーバーの引用した新聞・雑誌一覧
1905/06年のロシアにおける政党・団体一覧
人名一覧
人名索引
『ロシア革命論Ⅰ』
『ロシア革命論Ⅰ』 M.ウェーバー 著/雀部幸隆・小島 定 訳