内 容
もし「アウシュヴィッツ」以後もウェーバーが生きていたとしたら……。ナチス史研究・ワイマル史研究に優れた業績を挙げた歴史家が、ウェーバーによる「近代の病理学」の根幹を掴み出し、その診断の可能性を展開した卓抜な論考。「神なく予言者なき時代」の正統性は何処にあるのか?
目 次
Ⅰ 序論 「神なく予言者なき時代に」
Ⅱ 「昼のざわめきが絶え、今すべてのものに黄昏が訪れる」
マックス・ウェーバーによる文化科学の「反時代的」樹立
Ⅲ 「最後の人々」
1 マックス・ウェーバーの歴史像に見える文化批判の考察
2 マックス・ウェーバーの世界史的パースペクティヴ
Ⅳ 「理性の夢」
1 近代のヤヌスの顔
2 合理化 —— ユートピア的構想と危機による撤回とのあいだ
Ⅴ 生にとっての学問の「利益と不利益」
1 ウェーバー対プレッツ —— ドイツの野蛮の前史における価値判断論争の
史的位置
2 科学の精神からの「最終的解決」の誕生
原 注
訳者解説 運命としてのモデルネ —— ポイカートのウェーバー論(雀部幸隆)
原著初出一覧
人名索引
関連書
『ロシア革命論Ⅰ』 M. ウェーバー 著/雀部幸隆・小島 定 訳