内 容
古くから東西交易の要衝として栄えた「レヴァント」。中世から近世への転換のなか、イスラーム国家とヨーロッパ商人の「共生」を支えてきた秩序の行方は? オスマン条約体制や海港都市アレクサンドリアのありようから、異文化接触の実像を明らかにするとともに、東アジアに及ぶ「治外法権」の淵源をも示した力作。
目 次
凡 例
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序 章
1 中世から近世へ
2 条約、貿易、海港
3 主要史料と論述構成
第Ⅰ部 商業特権と条約体制の規範構造
第1章 マムルーク朝最末期エジプトにおけるヴェネツィア人の商業特権
1 史料 —— 勅令および合意書
2 マムルーク朝領の内と外
3 マムルーク朝領内のヴェネツィア人の処遇
むすび
第2章 オスマン帝国・ヴェネツィア間の条約規範の展開
1 史料 —— ヴェネツィアへのアフドナーメ
2 勢力関係と空間構成
3 オスマン領内のヴェネツィア人の処遇
むすび
第Ⅱ部 エジプトの支配体制と海港社会
—— アレクサンドリアの事例研究
第3章 マムルーク朝とエジプトのヴェネツィア人
1 海港の行政と商業
2 積極化する海港政策
3 ヴェネツィア人・スルタン政権の軋轢と交渉
むすび
第4章 オスマン帝国とエジプトのヴェネツィア人
1 オスマン支配体制の形成
2 新たな海港政策
3 オスマン体制下のヴェネツィア人
むすび
終 章
あとがき
注
参考文献
図表一覧
索 引
書評等
『歴史学研究』(2024年3月号、第1046号、評者:高田良太氏)
『イスラム世界』(第99号、2023年9月、評者:末森晴賀氏)
『日伊文化研究』(第61号、2023年3月、評者:飯田巳貴氏)
『西洋史学論集』(第60号、2023年3月、評者:藤内哲也氏)
関連書
『ヴェニスのユダヤ人』 リッカルド・カリマーニ 著/藤内哲也 監訳/大杉淳子 訳