内 容
現代社会のキーワードとして君臨する「イノベーション」。いかにして考え出され、政策や経営に組み込まれていったのか。また、研究はどのように商業化に巻き込まれたのか。国際機関や省庁・企業の実務家たちに焦点を合わせ、科学・技術の「有用性」を問い直す、私たちの時代の概念史。
著者紹介
ブノワ・ゴダン
(Benoît Godin)
1958年生まれ。サセックス大学にて博士号を取得。1994年よりカナダ国立科学研究所教授を務め、2021年逝去。「イノベーション」概念史の第一人者として知られ、イノベーション研究のネットワークや学術雑誌の立ち上げなど、数多くの学際的活動を主導した。著書に Innovation Contested(Routledge, 2015), The Invention of Technological Innovation(Edward Elgar, 2019)などがある。
(所属などは本邦訳刊行時のものです。)
目 次
序 章
第1章 前 史
技術的失業
技術変革
技術的進歩
第Ⅰ部 技術イノベーション
第2章 応用された科学としてのイノベーション
英国学術協会
科学産業研究庁
第3章 成果としてのイノベーション
第4章 過程としてのイノベーション
OECD
米商務省
英国科学技術中央諮問評議会
国立研究開発公社
第5章 システムとしてのイノベーション
米商務省
OECD
第Ⅱ部 アイデアからアクションへ
第6章 イノベーション政策の発明
イノベーションに対する障害となる政策
産業イノベーションのための政策
米商務省
イノベーションを測定する
第7章 今日のイノベーション政策
イノベーション戦略
概念の拡張
終 章
付 録
註
解説(隠岐さや香)
参考文献
索 引
書 評
『科学史研究』(2023年1月号、第Ⅲ期第61巻、評者:綾部広則氏)
『IDE現代の高等教育』(2022年11月号、第645号、評者:吉岡知哉氏)
『みすず』(2022年1・2月合併号、読書アンケート特集、評者:重田園江氏)
関連書
『アインシュタインの時計 ポアンカレの地図』 ピーター・ギャリソン 著/松浦俊輔 訳
『戦争国家イギリス』 デービッド・エジャトン 著/坂出 健 監訳/松浦俊輔ほか訳
『知識経済の形成』 ジョエル・モキイア 著/長尾伸一 監訳/伊藤庄一 訳