内 容
創造的破壊の時代に、資本主義の本質を透徹したヴィジョンで語り尽くした刺激的論集。企業家、貨幣制度、恐慌、社会主義をめぐる議論、また時々の経済状況を分析した的確な診断は、経済社会学の観点からなされたシュンペーターの理論的探究の方向性を示唆するとともに、その人と思想をも浮かび上がらせる。
目 次
解説 シュンペーターの経済学と社会学
第1章 社会科学をいかに学ぶか
第2章 利子率と貨幣制度
第3章 企業家の機能と労働者の利害
第4章 資本主義の不安定性
第5章 所得税の経済学と社会学
第6章 今日の世界不況 —— 試論的診断
第7章 価格システムの本性と必要性
第8章 資本主義は生きのびるか
第9章 社会科学における合理性の意味
第10章 われわれの時代の経済的解釈 —— ロウエル講義
第11章 現代の社会主義的傾向のもとでの私企業の将来
第12章 企業家精神の研究のためのプランへの論評
第13章 社会の過渡的状態における賃金および課税政策
第14章 アメリカの制度と経済進歩
付 録 シュンペーターに関するヴィーン大学資料
関連書籍の紹介
『新版 社会経済システムの制度分析』 植村博恭・磯谷明徳・海老塚 明 著
『ケインズ経済学の再生』 P. デビッドソン 著/永井 進 訳
『現代制度派経済学宣言』 G.M. ホジソン 著/八木紀一郎・橋本昭一・家本博一・中矢俊博 訳
『新版 経済思想史』 大田一廣・鈴木信雄・高 哲男・八木紀一郎 編
『ハイエク、ハイエクを語る』 S. クレスゲ,L. ウェナー 編/嶋津 格 訳
『ピグー 富と厚生』 A.C.ピグー 著/八木紀一郎 監訳/本郷 亮 訳