内 容
科学には「モヤモヤ」がつきまとう、されど ——。不確実性・偶然性・規範性などさまざまな形をとり、研究から組織・評価・大学・社会・未来まであらゆる次元に現れる不定性。これら避けがたいものと向きあい、科学のリアルを捉え直すことで、知と未知への態度を鍛える21世紀の学問論。
目 次
はじめに
第1章 科 学
1.1 存 在
1.2 知 覚
1.3 意味づけ
1.4 科学的推論
1.5 解 釈
1.6 人文・社会科学
第2章 研 究
2.1 対象への接近
2.2 セレンディピティ
2.3 操 作
2.4 研究者と対象との相互作用
2.5 研究者の規範
2.6 知識の形態と不定性
第3章 組 織
3.1 研究の組織化と科学の巨大化
3.2 組織としての研究実践
3.3 知識と科学の変容
3.4 学会における文脈の不定性
3.5 学会の社会的責任
3.6 学会を越えて
第4章 評 価
4.1 論文の評価とその問題
4.2 再現性の危機
4.3 公正な研究と評価
4.4 新たな研究評価に向けて
4.5 科学の戦い
4.6 2位じゃダメだったんでしょうか
第5章 大 学
5.1 大学における知識
5.2 大学研究者の現状
5.3 知識移転
5.4 大学の社会的責任
5.5 大学と社会をつなぐ
第6章 社 会
6.1 役に立つ学問?
6.2 科学の目的指向性
6.3 知識利用
6.4 アセスメント
6.5 アドボカシー
6.6 知識交流
6.7 責任ある研究・イノベーション
6.8 共同責任とガバナンス
第7章 世 界
7.1 開かれた世界における学問
7.2 科学とイノベーションのオープン化
7.3 市民と科学
7.4 ローカルナレッジと身体知
7.5 研究者の人としての責任
7.6 学問に関与する市民の責任
7.7 デジタル化とグローバル化の罠
第8章 未 来
8.1 未来研究の歴史
8.2 ダークサイエンス
8.3 知識コミュニケーション
8.4 「しま」から見えるもの
8.5 学問と未来のためのアートとデザイン
第9章 知識の不定性
9.1 不定性のまとめ
9.2 未知への態度
9.3 冒険する学問
註
あとがき
索 引
書 評
『科学技術社会論研究』(第23号、2024年12月、評者:本堂毅氏)
『図書新聞』(2021年10月16日号、第3515号、評者:種村剛氏)
関連書
『専門知を再考する』 H・コリンズ,R・エヴァンズ 著/奥田太郎 監訳/和田 慈・清水右郷 訳
『科学技術をよく考える』 伊勢田哲治・戸田山和久・調 麻佐志・村上祐子 編
『科学ジャーナルの成立』 アレックス・シザール 著/柴田和宏 訳/伊藤憲二 解説