内 容
モデルとは何か? なぜ世界を捉えたと言えるのか? さまざまなモデルが果たす役割を分野横断的に分析し、その核心を哲学者と科学者の双方に向けて明解に提示。「モデル概念を軸に科学哲学を書き換える。よりスリリングでリアルな科学哲学の始まり始まり!」—— 戸田山和久。
目 次
序 文
第1章 はじめに
1 水をめぐる2つの難問
2 モデリングのモデル
第2章 3つの種類のモデル
1 具象モデル —— サンフランシスコ湾-デルタ地帯モデル
2 数理モデル —— ロトカ-ヴォルテラモデル
3 数値計算モデル —— シェリングの人種分離モデル
4 これらのモデルに共通する特徴
5 モデルは3種類だけか?
6 モデルは3種類よりも少ないか?
第3章 モデルの構成
1 構 造
2 モデル記述
3 解 釈
4 構造の表現能力
第4章 フィクションと慣習的存在論
1 数理構造中心説に反対して —— 個別化、因果、額面通りの実践、という問題
2 シンプルなフィクション的説明
3 シンプルな説を強化する
4 なぜ私はフィクション主義者ではないのか
5 慣習的存在論
6 数学、解釈、および慣習的存在論
第5章 対象指向型モデリング
1 モデルの作り上げ
2 モデルの分析
3 モデルと対象の比較
第6章 理想化
1 3つの種類の理想化
2 表現的理想と忠実度基準
3 理想化と表現的理想
4 理想化と対象指向型モデリング
第7章 特定の対象なしのモデリング
1 汎化モデリング
2 仮説的モデリング
3 対象なしモデリング
4 揺れ動く対象 —— 3つの性の生物学
第8章 類似性の説明
1 モデル-世界間関係に必要なこと
2 モデル理論的説明
3 類似性
4 トヴェルスキーの対照的説明
5 属性とメカニズム
6 特徴集合、解釈、対象システム
7 モデリングの目的と重みづけのパラメータ
8 重みづけ関数と背景理論
9 必要事項を満たす
第9章 ロバスト分析と理想化
1 ロバストネスに関する議論 —— レヴィンズとウィムサット
2 ロバスト条件を見つける
3 3種類のロバストネス
4 ロバストネスと確証
第10章 終わりに —— モデリングという行為
訳者解説
参考文献
注
索 引
書 評
『本の雑誌』(2018年12月号、特集「理系本は面白い!」、評者:山本貴光氏)
『みすず』(第667号、2018年1・2月合併号、特集「2017年読書アンケート」、評者:増田耕一氏)
『週刊読書人』(第3220号、2017年12月22日付、特集「2017年回顧総特集」、評者:横山輝雄氏)
関連書
『生命科学の実験デザイン〔第4版〕』 G.D.ラクストン,N.コルグレイヴ 著/麻生一枝・南條郁子 訳
『科学技術をよく考える』 伊勢田哲治・戸田山和久・調 麻佐志・村上祐子 編
『専門知を再考する』 H・コリンズほか著/奥田太郎 監訳/和田 慈・清水右郷 訳