内 容
彼らはなぜ人々を魅了したのか ——。夜の街路をさまよいゴミを集める者たちは、ボードレールはじめ作家や美術家により、哲人、王、詩人、悪魔など様々な姿で描かれた。彼らを時代の隠れた主役としたものは何か。文化・政治・経済・環境が交錯する特異な存在を焦点に、華やぐ大都市の芸術と社会に新たな光をあて、現代へと問いかける。
著者紹介
アントワーヌ・コンパニョン
(Antoine Compagnon)
1950年生まれ。ソルボンヌ大学教授を経て、現在、コレージュ・ド・フランス名誉教授、コロンビア大学教授。2022年よりアカデミー・フランセーズ会員、2023年より日本学士院客員。専門はフランス文学・比較文学。主な邦訳に、『近代芸術の五つのパラドックス』、『第二の手、または引用の作業』、『アンチモダン』、『文学史の誕生』、『文学をめぐる理論と常識』、『寝るまえ5分のパスカル』がある。
(所属等は邦訳初版第1刷発行時のものです)
目 次
凡 例
序 章
ぼろ屑が脚光を浴びたとき
「領収書類の隙間にごっそり丸まっている毛髪」
感傷的な引き出し式箪笥
第1章 車輪よけ石の隅で
車輪よけ石と歩道
零落の常套句
「彼女はテレーズと呼ばれ」
「だけどほら、わしも日曜にはこうなるぞ!」
第2章 汚泥運びの放下車
沈殿泥
汚泥の詩
「そぞろ歩きの小さな不幸」
汚穢の中の匙
汚泥と黄金
第3章 汚物用捨て場
近代版パリの〈奇跡小路〉
クロード・ベルナールとマタガトス親父
死んだ馬
闘獣の市門
体解体業者に似つかわしい詩句
第4章 背負い籠、鉤棒、角灯
哲人の屑拾い
職業の神話と現実
抑圧と扇動の狭間で
バリケード上の屑拾いたち
老兵と密偵
文明の未開人
第5章 屑拾い業と大革命
パリは特別
バルザックは「一度だけ」
情報調査委員会のメンバー
青派か白派か?
「両極端は相通ず!」
第6章 屑拾いの生態研究
変わらぬ典型
パントマイムと仮装舞踏会
ジャン親父
ゴミの山の中の王冠
ボードレールとフェリックス・ピア
第7章 皇帝のマントと鉄の王杖
一枚の芸術写真
犠牲の理論
神なる《産業》
「セント=ヘレナ島で最期を迎えるブオナパルト」
ポール・ニケの店
フォーブール・デュ・タンプルのヴェネツィア橋
第8章 悪魔の屑拾い
恐ろしい背負い籠持ち
《さまよえるユダヤ人》
痛ましくも、山と積まれた国王たち
キマイラ、カシミヤ
第9章 文芸の滓浚いたち
シャンソニエと言えば、シッフォニエを意味する
文学ぼろ着
ペンと鉤棒
バルザックの靴
王の耳
運命の女神あるいは報復の女神
支配の終わり
第10章 奇妙な剣技
隠された一突き
放下車謀反事件
7、王杖、亡霊
イギリス製のペン、あるいは象牙製の耳かき
トレドのペン
死者たちの舞踏
第11章 廃物だった判じ物
総裁政府時代のモード
金言つき手提げ
芸術家たちの部屋
「小さな老婆たち」の秘密
終 章
「屑屋タチニハ、各自ノ運命ガアル」
我々はみな、屑拾いである
謝 辞
訳者あとがき
注
図版一覧
索 引
関連書
『アンチモダン』 アントワーヌ・コンパニョン 著/松澤和宏 監訳/鎌田隆行・宮川朗子・永田道弘・宮代康丈 訳





