内 容
軍国日本の「良心の砦」から戦後民主主義の旗振り役へ —— こうした歴史像は何を無視し、誰を排除してきたのか。総動員体制や大東亜共栄圏を理論面で支え、ナチス法学などドイツ学術界との交流をも牽引した学者たち。「記録抹消」された領域に光をあて、一面的なナラティブをこえた新たな探究の地平をひらく。
目 次
凡 例
序 章 良心の砦
——「丸山劇場」の歴史的相対化
1 『聞き書 南原繁回顧録』への疑問
2 「記録抹消」された歴史の再構成
第1章 公的機関の私的人脈
—— 大学におけるミリューの支配
1 選別としての教育
2 「大学の自治」によるミリュー形成
3 マトリョーシカ人事
4 同化圧力
5 「学問の自由」と「政治的正しさ」
6 内弁慶によるガラパゴス化
第2章 大串兎代夫と「国家権威」論の展開
1 東京帝国大学への道 —— 熊本新人会から七生社へ
2 イエナ留学 —— オットー・ケルロイターのもとでの研究生活
3 ルドルフ・オイケン・ハウス —— ドイツでの国際交流
4 日本国制史論の構想 —— カール・シュミットとの交流
5 「社会存在における国家権威」—— 国家権威論の成立
6 イエナでの日常観察 —— 日本および欧州への視線
7 国民精神文化研究所での再出発 —— 天皇機関説への攻撃
8 日本主義への加担から NS 法学の輸入へ
9 大東亜戦争の弁明と非常大権論の展開
10 「国体民主主義」論の挫折と「二重憲法体制」論の提唱
11 普遍的人権論による国益主張
12 ドイツへの最後の旅
第3章 矢部貞治と「衆民政」論の刷新
1 キリスト教信仰から政治学研究へ
2 デモクラシー論への没入 —— 議会政から独裁政へ
3 英米仏での滞在 —— 議会政治への讃嘆か「代議制の危機」の実地検分か
4 ミュンヒェン大学とオットー・ケルロイター —— ドイツ NS 体制の体験
5 帰国後のドイツ NS 国家学への傾倒
6 北支視察と東洋政治思想史講座設立
7 蓑田事件・人民戦線事件・小田村事件
8 オットー・ケルロイター来日と日独交流への参画
9 昭和研究会と近衞新体制運動への参加
10 「大学の自治」と安井郁教授昇任問題
11 「廣域生存圏」としての大東亜共栄圏の構想
12 デモクラシー専門家としての再出発
終 章 「かのように」
—— 敗戦国における知的権威の構築
注
後記 シーダー・コンツェ論争からの出発
参考文献
引用図版一覧
索 引





