内 容
RIからX線・放射光まで、利用にあたり必要な知識を体系的に整理。人体への影響や放射線計測法、緊急時の対応などについて、図表を多用して視覚的に解説した本書は、大学や企業などで実際に放射線を取扱う人はもちろん、中学高校で放射線教育に携わる教員にも最適のテキストである。
執筆者一覧
(執筆順)
西澤邦秀 (はじめに、序章、Ⅱ-3章3、Ⅲ-1章、Ⅲ-2章2、Ⅲ-5章、第Ⅳ部、Ⅴ-1章)
伊藤茂樹 (Ⅰ-1章1~5、Ⅴ-2章2)
松田尚樹 (Ⅰ-1章6)
山内基弘 (Ⅰ-2章)
柴田理尋 (Ⅱ-1章1~6、Ⅱ-2章1~3、Ⅱ-3章2、Ⅲ-2章1、Ⅲ-3章、Ⅲ-4章、Ⅴ-3章2・3)
熊谷 純 (Ⅱ-1章7、Ⅴ-3章3、Ⅴ-4章2)
山澤弘実 (Ⅱ-2章4、Ⅱ-3章1、Ⅴ-3章3、Ⅴ-4章2、Ⅴ-5章1)
森泉 純 (Ⅱ-4章)
小山修司 (Ⅲ-2章1、Ⅴ-2章2)
瓜谷 章 (Ⅲ-3章1、Ⅴ-3章2)
加藤克彦 (Ⅴ-2章1)
竹中千里 (Ⅴ-3章1・2、Ⅴ-4章1)
本間道夫 (Ⅴ-3章1)
小島康明 (Ⅴ-3章2・3、Ⅴ-4章2、Ⅴ-5章2)
目 次
はじめに
序 放射線とつきあう
Ⅰ 放射線の人体に与える影響
Ⅰ-1 人体への影響
1 人体に対する放射線影響の分類
1.1 早期影響と晩発影響
1.2 確定的影響と確率的影響
1.3 放射線の人体への作用機構の概要
2 確定的影響
2.1 被曝の仕方による影響の違い
2.2 線量・線量率の影響
2.3 線質の影響
2.4 確定的影響のしきい値
2.5 組織・臓器の放射線感受性
2.6 急性放射線症候群
2.7 造血器に対する影響
2.8 生殖腺に対する影響
2.9 眼の水晶体に対する影響
2.10 消化器系に対する影響
2.11 皮膚に対する影響
3 確率的影響
3.1 放射線発癌における疫学調査
3.2 放射線による発癌
3.3 小児の放射線感受性
4 胎児への影響
4.1 胎児の発育と確定的影響
4.2 胎内被曝による癌の誘発
5 遺伝的影響
5.1 遺伝的影響
5.2 遺伝的影響のリスクの推定方法
5.3 動物実験による遺伝的影響のリスク
5.4 広島・長崎の調査結果
6 低線量被曝の影響
6.1 低線量の範囲
6.2 科学的アプローチの限界
6.3 放射線応答の生物学的意味合い
Ⅰ-2 分子・細胞レベルでの影響
1 放射線によるDNA損傷と修復
1.1 放射線の生体・細胞への作用機構
1.2 放射線によってできるDNA損傷
1.3 DNA損傷の修復
2 DNA損傷の細胞への影響
2.1 DNA損傷に対する細胞応答とDNA損傷の情報伝達
2.2 放射線感受性
2.3 突然変異と染色体異常
3 放射線発癌
3.1 放射線の発癌性
3.2 癌における細胞増殖コントロールの異常
3.3 多段階発癌
Ⅱ 放射線の基礎
Ⅱ-1 放射線の性質
1 放射線・放射能の性質
1.1 放射線・放射能の基本的性質
1.2 原子核の基本的性質
2 放射性同位元素の壊変
2.1 壊変様式
2.2 原子核の安定性
2.3 壊変法則
3 放射性同位元素の製造
4 放射線と物質の相互作用
4.1 荷電粒子と物質の相互作用
4.2 γ(X)線と物質の相互作用
4.3 中性子と物質の相互作用
5 放射線の物質への作用機構
5.1 放射線化学反応の特色
5.2 放射線の物質へのエネルギー付与
5.3 放射線重合:架橋、材料改質
5.4 放射線架橋と放射線分解
Ⅱ-2 放射線の測定
1 放射線測定器と原理
1.1 気体の電離作用を利用した測定器
1.2 シンチレーション計数装置
1.3 半導体検出器
1.4 積算型の放射線測定器
2 個人被曝線量測定器
3 作業環境用の測定器
3.1 空間線量率の測定
3.2 空気中濃度の測定
4 体内放射能の測定
4.1 体外γ線測定
4.2 排泄物の測定
4.3 その他の人体試料の測定
4.4 食物中濃度の測定計算
Ⅱ-3 放射線と環境
1 環境放射能・放射線
1.1 自然界からの被曝
1.2 環境放射能
1.3 環境放射線
2 環境レベルの放射線測定
3 福島第1原子力発電所事故のよる環境汚染と対策
3.1 汚染拡散のメカニズムと汚染分布の特徴
3.2 事故による環境汚染の推移
3.3 除 染
3.4 食品中Csの基準濃度と摂取限度
Ⅱ-4 被曝低減の枠組み
1 放射線防護の基本的な考え方
2 線量と補助的な量
2.1 放射線防護に関係する物理量
2.2 防護量
2.3 実用量
3 線量限度
3.1 線量限度の役割
3.2 線量限度の意味
3.3 線量限度の根拠
Ⅲ 放射線安全取扱の実際
Ⅲ-1 放射線を扱うに当たって
1 予防と事故対策
2 使用資格
3 被曝管理と防護
4 管理区域入退方法
Ⅲ-2 放射性同位元素の安全取扱
1 密封線源
1.1 密封線源とは
1.2 密封小線源
1.3 密封中線源
1.4 密封大線源
2 非密封線源
2.1 非密封線源の特徴
2.2 非密封線源取扱施設
2.3 非密封線源の安全取扱
2.4 管理区域の入退
2.5 実 験
2.6 汚染検査
2.7 除 染
2.8 廃 棄
2.9 記 録
Ⅲ-3 放射線発生装置の安全取扱
1 加速器
1.1 加速器の種類
1.2 加速器施設の利用上の注意
1.3 放射化を伴う大型の加速器施設
2 シンクロトロン光
2.1 シンクロトロン光発生の原理と特性
2.2 シンクロトロン光施設
2.3 シンクロトロン光施設の利用上の注意
Ⅲ-4 X線発生装置の安全取扱
1 X線装置の概略
1.1 X線装置の構成
1.2 X線発生機構
1.3 連続X線
1.4 特性X線
2 X線の吸収と遮蔽
2.1 吸収係数
2.2 連続X線の吸収
2.3 X線の遮蔽
3 X線装置の安全取扱
Ⅲ-5 緊急時の対応
1 緊急時とは
2 緊急時対応の原則
3 業務従事者が取るべき具体的対応
Ⅳ 放射線安全に関わる法令
Ⅳ-1 法令間の関係
1 法律制定の背景
2 主要な法律の規制対象
Ⅳ-2 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律
1 障害防止法の構成
2 用 語
3 安全管理体制
3.1 使用者の役割
3.2 放射線取扱主任者とその代理者
3.3 放射線障害予防規程
3.4 記帳・記録
4 人の安全管理
4.1 教育訓練
4.2 健康診断
4.3 被曝・汚染管理
4.4 事故届
4.5 危険時の措置
5 施設の管理
5.1 許可と届出
5.2 施設の位置・構造・設備
6 線源の管理
6.1 使用の基準
6.2 保管の基準
6.3 運搬の基準
Ⅳ-3 電離放射線障害防止規則
1 電離則と除染電離則の関係
2 電離則の構成
3 用 語
4 安全管理体制
4.1 事業者の責務
4.2 X線作業主任者の選任を要する放射線作業
4.3 X線作業主任者の職務
5 人の安全管理
5.1 教育訓練
5.2 健康診断
5.3 被曝管理
5.4 管理区域の管理
5.5 緊急措置
6 外部被曝対策
6.1 X線装置
6.2 特定X線装置および非特定X線装置
6.3 工業用等の特定X線装置
6.4 非特定X線装置の安全対策
6.5 工業用等の特定X線装置の安全対策
7 汚染の防止対策
8 施設の管理
9 手 続
Ⅴ 放射線の利用例
Ⅴ-1 放射線利用の概要
Ⅴ-2 医 療
1 医療での利用
2 医療被曝
Ⅴ-3 学術研究
1 放射性同位元素の利用
2 放射線の利用
2.1 X線
2.2 加速器・シンクロトロン光
2.3 中性子
3 自然放射性同位元素および自然放射線の利用
3.1 自然放射性同位元素
3.2 自然放射線
Ⅴ-4 産 業
1 農畜水産業
2 工 業
2.1 検査・計測
2.2 材料改質
2.3 工業用製品
Ⅴ-5 市民生活
1 セキュリティ
2 消費材
参考文献
索 引
書 評
『アイソトープニュース』(第754号、2017年12月、評者:中島覚氏)
『日本放射線安全管理学会誌』(第16巻2号、2017年、評者:渡部浩司氏)