内 容
時代の焦点で発火した思考——。相対性理論の核心にある「時計合わせ」のアイディアが、世界標準時や規約主義、電気時計や海底ケーブルなど、時代の政治・哲学・技術の焦点に位置していたことを明らかにし、「孤高の天才」とはほど遠い二人の立役者の活躍を浮き彫りにする傑作。
目 次
謝 辞
第1章 同期するということ
アインシュタインの時間 / 臨界タンパク光 / 論述の順序
第2章 鉱山、カオス、規約
鉱 山 / カオス / 規 約
第3章 電気の世界地図
空間と時間の標準 / 時間、列車、電信 / 時間の商品化 / 測定する社会 /
時間を空間へ / 中立性をめぐる争い
第4章 ポアンカレの地図
時間、理性、国家 / 時間の十進化 / 時間と地図について / キトへの派遣 /
エーテルの時間 / 三重の交差
第5章 アインシュタインの時計
時間の物質化 / 理論=機械 / 特許世界の真実 / まず時計から / ラジオ・
エッフェル
第6章 時間の位置
力学がない / 2つのモダニズム / 見上げ、見下ろす
訳者あとがき
参考文献
註
索 引
書 評
関連書
『客観性』 ロレイン・ダストン,ピーター・ギャリソン 著/瀬戸口明久・岡澤康浩・坂本邦暢・有賀暢迪 訳
『20世紀物理学史』(上下巻) ヘリガ・カーオ 著/岡本拓司 監訳/有賀暢迪・稲葉 肇 他訳
『リヴァイアサンと空気ポンプ』 S.シェイピン・S.シャッファー 著/吉本秀之 監訳/柴田和宏・坂本邦暢 訳
『科学ジャーナルの成立』 アレックス・シザール 著/柴田和宏 訳/伊藤憲二 解説