内 容
世界政治の焦点 ——。強勢外交と権威主義政治は切り離せない。グローバル大国化した中国の内政と外交を同時にとらえ、国家資本主義から「周縁」問題まで、両者のネクサスに照準を合わせつつ、革命後の70年をふまえて現在の姿を浮き彫りにした、第一人者によるエッセンシャルな一冊。
目 次
はじめに
序 章 日本における当代中国研究
—— これまでとこれから
第1章 現代中国政治の三位一体体制
1 変わる政策と、変わらない制度
2 党(共産党)
3 議会(人民代表大会)
4 軍(人民解放軍)
5 7人の統治集団
6 共産党の変化と企業家の政治化
第2章 政策決定
—— 基本パターンと天安門事件
1 政策決定の基本パターン
2 天安門事件再訪 —— 資料の紹介
3 事件前半の政策決定 —— 八老政治
4 事件収拾の政策決定 —— 北京市党委員会と4中全会
第3章 肥大化する国家
—— 国家資本主義の実相
1 市場化か、国有企業保護か
2 国有企業と「国家資本主義」
3 腐敗と反腐敗
4 中国における国家
第4章 中国外交の固有性
1 中国外交のむずかしさ —— 米国が犯した誤認と錯誤
2 中国外交はどこまで中国的か —— 6つの問いと暫定的な答え
3 現代中国外交の時期区分
4 現代中国外交の政策決定パターン
5 現代中国外交の政策決定機構
6 外交としての対外軍事行動
第5章 グローバル大国化と「強勢外交」
1 国際関係をめぐる新構想
2 アフリカに架ける夢
3 強勢外交と新アクター
第6章 中国を悩ます「国家性」問題
1 「国家性」問題とは
2 「周縁」から見えるもの
3 チベット問題
4 新疆ウイグル問題
5 台湾問題
6 香港問題 —— 雨傘運動から国家安全維持法反対へ
7 領域統合のいくつかの構想
終 章 ポスト権威主義
—— レジーム変容はあるか
1 レジームの定義 —— 民主制・全体主義・権威主義
2 権威主義の諸類型
3 統治とガバナンス
4 Deliberative democracy と「協商民主」
5 一党支配体制の歴史的役割は終わったのか
参照文献
あとがき
図表一覧
索 引
書 評
『中国研究月報』(2022年12月号、第76巻第12号、評者:真水康樹氏)