内 容
文化大革命への解放軍の介入はいかにして起こり、その後の中国政治に何をもたらしたのか。新たな資料の博捜と独裁政治の制度論にもとづき、毛沢東の役割、林彪事件、中越戦争の理解を一新、改革開放に向けた大転換の知られざる道筋を示した、気鋭の著者による画期的論考。
目 次
序 章 文化大革命とは何だったのか
—— 新たな理解に向けて
1 文化大革命と人民解放軍 —— 介入から統治へ
2 人民解放軍による統治の謎
3 中国政治の転換点の新たな全体像へ
第1章 独裁政治の制度論
—— 毛沢東、人民解放軍、文化大革命
1 独裁政治の制度論
2 毛沢東、人民解放軍、文化大革命
3 文革期における軍部統治の展開
第2章 軍部統治の形成
—— 論理と実体
1 党組織の再建と軍
2 対外危機と戦時体制の圧力
3 軍部統治の構造 —— 領導の分散
小 括
第3章 軍部統治と林彪、林彪事件
1 林彪勢力と軍介入の拡大
2 軍部統治の形成と林彪事件
小 括
第4章 軍部統治の持続
—— 毛沢東のジレンマ
1 軍部統治の弊害 —— 問題の認識へ
2 初期の軍隊整頓
3 地方の権力構造の解体
小 括
第5章 軍部統治の解消へ
—— 鄧小平と軍隊整頓
1 整頓とは何か —— 機会と制約
2 軍隊整頓の決断 —— 毛沢東の思惑
3 軍隊整頓の執行 —— 鄧小平の思惑
4 軍隊整頓の成果
小 括
第6章 軍部統治の終焉
—— 革命から戦争へ
1 鄧小平の復帰と軍隊整頓の再開
2 軍隊整頓の拡大 —— 制度の回復と再建
3 軍隊整頓と中越戦争
小 括
終 章 改革開放への展開
1 軍部統治の形成、持続、消滅 —— 毛沢東と人民解放軍
2 文革、政軍関係と現代中国政治研究 —— 本書の含意
巻末資料
参考文献
あとがき
図表一覧
索 引
受 賞
書 評
『東アジア近代史』(第20号、2016年6月、評者:ノハラ・ジュン・ジュリアン氏)
『中国研究月報』(第70巻第4号、2016年4月、評者:阿南友亮氏)
『アジア経済』(第56巻第4号、2015年12月、評者:山田紀彦氏)
『アジ研ワールド・トレンド』(第240号、2015年10月、受賞記念講演)