2012年度受賞一覧
花王芸術・科学財団 第7回 「美術に関する研究奨励賞」
イメージの地層
ルネサンスの図像文化における奇跡・分身・予言
水野千依著 『イメージの地層』 が、このたび、花王芸術・科学財団第7回 「美術に関する研究奨励賞」 (公益財団法人花王芸術・科学財団) を受賞することが決定しました。奇跡像、蠟人形、幻視 …… 近代の 「芸術」 からはこぼれ落ちる、「迷信」 に満ちたイメージの力を無視することなく、人々がそこに残した痕跡や文化の記憶が織りなす複雑な地層を、図像・文書の丹念な解読によって辿りなおし、ルネサンスの多元性を蘇らせた 「イメージの歴史人類学」 の試み。
水野千依 著
価格 13,000円
A5判・上製・920頁
ISBN 978-4-8158-0673-6 C3071
在庫有り
第4回 「鮎川信夫賞」
性が語る
20世紀日本文学の性と身体
坪井秀人著 『性が語る』 が、このたび、第4回 「鮎川信夫賞」 を受賞しました。性の政治性を問題化することをフェミニズム批評と共有しながらも、思想の道具化を排し、20世紀日本文学がとらえる性のすがたを、語る主体に焦点を当てることで、個々のテクストに即して描き出します。語り書く男性そして女性の、愉悦と葛藤を内包した声や身体を 〈私〉 へと奪還する試み。
なお、2013年4月号 『現代詩手帖』 に、坪井先生による受賞の言葉、そして岡井隆氏、北川透氏、吉増剛造氏ら選考委員による選評が掲載されています。
坪井秀人 著
価格 6,000円
A5判・上製・696頁
ISBN 978-4-8158-0694-1 C3095
在庫有り
第9回 (平成24年度) 「日本学士院学術奨励賞」
科学アカデミーと 「有用な科学」
フォントネルの夢からコンドルセのユートピアへ
『科学アカデミーと 「有用な科学」』 の著者である隠岐さや香先生が、このたび、第9回 「日本学士院学術奨励賞」(日本学士院) を受賞されました。パリ王立科学アカデミーを中心とした18世紀フランスの科学技術史的、社会史的研究が評価されての受賞であり、その成果が 『科学アカデミーと 「有用な科学」』 にまとめられています。
隠岐さや香 著
価格 7,400円
A5判・上製・528頁
ISBN 978-4-8158-0661-3 C3040
在庫有り
第9回 「日本学術振興会賞」
科学アカデミーと 「有用な科学」
フォントネルの夢からコンドルセのユートピアへ
『科学アカデミーと 「有用な科学」』 の著者である隠岐さや香先生が、このたび、第9回 「日本学術振興会賞」(日本学術振興会) を受賞されました。パリ王立科学アカデミーを中心とした18世紀フランスの科学技術史的、社会史的研究が評価されての受賞であり、その成果が 『科学アカデミーと 「有用な科学」』 にまとめられています。
隠岐さや香 著
価格 7,400円
A5判・上製・528頁
ISBN 978-4-8158-0661-3 C3040
在庫有り
第38回 「山崎賞」
科学アカデミーと 「有用な科学」
フォントネルの夢からコンドルセのユートピアへ
『科学アカデミーと 「有用な科学」』 の著者である隠岐さや香先生が、このたび、第38回 「山崎賞」(山崎賞奨学会) を受賞されました。18世紀のフランスを中心に科学技術史を研究してきた業績が評価されての受賞であり、その研究成果が 『科学アカデミーと 「有用な科学」』 にまとめられています。
隠岐さや香 著
価格 7,400円
A5判・上製・528頁
ISBN 978-4-8158-0661-3 C3040
在庫有り
第34回 「サントリー学芸賞」 (政治・経済部門)
鮎川義介と経済的国際主義
満洲問題から戦後日米関係へ
井口治夫著 『鮎川義介と経済的国際主義』 が、このたび第34回 「サントリー学芸賞」 (政治・経済部門、サントリー文化財団) を受賞することが決定しました。日産自動車を創業し、日産財閥を満洲に移駐してその経済開発を一手に担った男の、経済的自由主義のヴィジョンとは何か。統制経済と闘い、米国資本導入による日満の開発によって日米開戦回避のために死力を尽くした希代の経営者の活動を、日米双方の一次史料からダイナミックに描き出します。
井口治夫 著
価格 6,000円
A5判・上製・458頁
ISBN 978-4-8158-0696-5 C3031
在庫有り
第34回 「サントリー学芸賞」 (芸術・文学部門)
イメージの地層
ルネサンスの図像文化における奇跡・分身・予言
水野千依著 『イメージの地層』 が、このたび第34回 「サントリー学芸賞」 (芸術・文学部門、サントリー文化財団) を受賞することが決定しました。奇跡像、蠟人形、幻視 …… 近代の 「芸術」 からはこぼれ落ちる、「迷信」 に満ちたイメージの力を無視することなく、人々がそこに残した痕跡や文化の記憶が織りなす複雑な地層を、図像・文書の丹念な解読によって辿りなおし、ルネサンスの多元性を蘇らせた 「イメージの歴史人類学」 の試み。
水野千依 著
価格 13,000円
A5判・上製・920頁
ISBN 978-4-8158-0673-6 C3071
在庫有り
第34回 「サントリー学芸賞」 (芸術・文学部門)
「二重国籍」 詩人 野口米次郎
堀まどか著 『「二重国籍」 詩人 野口米次郎』 が、このたび第34回 「サントリー学芸賞」 (芸術・文学部門、サントリー文化財団) を受賞することが決定しました。〈沈黙〉 の言葉を英語でつづり日本文化の紹介や諸芸術の融合を試みながら、「戦時メガフォン」 として文学史から消された 「世界的詩人」 の生涯・思想・作品を、初めてトータルに明らかにした知的伝記。東西の文化翻訳への志はなぜ挫折しなければならなかったのか。
堀まどか 著
価格 8,400円
A5判・上製・592頁
ISBN 978-4-8158-0697-2 C3095
在庫有り
第16回 「日本流通学会賞」
戦後日本の資源ビジネス
原料調達システムと総合商社の比較経営史
田中彰著 『戦後日本の資源ビジネス』 が、このたび第16回 「日本流通学会賞」 (日本流通学会) を受賞しました。資源メジャーの台頭、新興国向け需要の急拡大のもと、日本の原料資源調達はどのような方向を目指すべきか? 総合商社を軸とした戦後資源調達方式の成功を新たな視点で実証するとともに、曲がり角を迎えた戦後日本の資源調達システムの再構築へのヒントを、歴史的視野で提示します。
田中 彰 著
価格 5,700円
A5判・上製・330頁
ISBN 978-4-8158-0688-0 C3033
在庫有り
「日本社会学会第11回奨励賞」
「ボランティア」 の誕生と終焉
〈贈与のパラドックス〉の知識社会学
仁平典宏著 『「ボランティア」 の誕生と終焉』 が、このたび 「日本社会学会第11回奨励賞」 (日本社会学会) を受賞しました。人々を社会参加へと枠づける言葉は、どのような政治的・社会的文脈で生まれ、いかなる帰結をもたらしてきたのか。その言葉がまとう形はどのように作動するのか。動員モデルと意味論分析を介して日本におけるボランティア言説の展開をたどり、参加型市民社会のあり方を鋭く問いなおします。シニシズムを脱することはできるのか。
仁平典宏 著
価格 6,600円
A5判・上製・562頁
ISBN 978-4-8158-0663-7 C3036
在庫有り
第7回 「政治経済学・経済史学会賞」
「在日企業」 の産業経済史
その社会的基盤とダイナミズム
韓載香著 『「在日企業」 の産業経済史』 が、このたび第7回 「政治経済学・経済史学会賞」 (政治経済学・経済史学会) を受賞しました。エスニック・マイノリティの経済発展を可能にするものとは何か? 在日韓国・朝鮮人による製造業・土木業・パチンコ産業などへの集中と、迅速な産業転換によるダイナミックな発展過程を、差別など既存の説明を乗り越えて鮮やかに解明、世界的視野で移民の経済理論に新たな展望を拓きます。
韓 載香 著
価格 6,000円
A5判・上製・450頁
ISBN 978-4-8158-0631-6 C3033
在庫有り
2012年度 「国際ビジネス研究学会賞」
戦後日本の資源ビジネス
原料調達システムと総合商社の比較経営史
田中彰著 『戦後日本の資源ビジネス』 が、このたび2012年度 「国際ビジネス研究学会賞」 (国際ビジネス研究学会) を受賞しました。資源メジャーの台頭、新興国向け需要の急拡大のもと、日本の原料資源調達はどのような方向を目指すべきか? 総合商社を軸とした戦後資源調達方式の成功を新たな視点で実証するとともに、曲がり角を迎えた戦後日本の資源調達システムの再構築へのヒントを、歴史的視野で提示します。
田中 彰 著
価格 5,700円
A5判・上製・330頁
ISBN 978-4-8158-0688-0 C3033
在庫有り
第55回 「日経・経済図書文化賞」
近世米市場の形成と展開
幕府司法と堂島米会所の発展
高槻泰郎著 『近世米市場の形成と展開』 が、このたび第55回 「日経・経済図書文化賞」 (日本経済研究センター) を受賞しました。日次データによる大坂米相場の復元により、効率的価格形成の具体的様相と、そのダイナミックな地方への波及を解明、幕府の米切手政策を軸に世界的先駆をなす市場の成立を新たな水準で描きます。幕府の政策を失敗とのみ位置づけた従来の評価を覆し、近世市場の到達点を捉え直した画期的成果。
高槻泰郎 著
価格 6,000円
A5判・上製・410頁
ISBN 978-4-8158-0692-7 C3033
在庫有り
第25回 (平成24年度) 「日本産業技術史学会賞」
ものづくりの寓話
フォードからトヨタへ
和田一夫著 『ものづくりの寓話』 が、このたび第25回 (平成24年度) 「日本産業技術史学会賞」 (日本産業技術史学会) を受賞しました。日本で自動車の大量生産はいかにして成し遂げられたのか。誤解に満ちたフォード・システムの実態を明らかにすることからはじめ、その日本への導入について考察。事実を見つけ出し一つひとつ積み上げていくことで、出来合いのイメージの向こうから、トヨタが構築してきた生産方式のまったく新たな相貌が浮かび上がります。
和田一夫 著
価格 6,200円
A5判・上製・628頁
ISBN 978-4-8158-0621-7 C3034
在庫有り
第28回 (平成24年度) 「大平正芳記念賞」
大恐慌下の中国
市場・国家・世界経済
城山智子著 『大恐慌下の中国』 が、このたび第28回 (平成24年度) 「大平正芳記念賞」 (公益財団法人大平正芳記念財団) を受賞しました。未曾有の危機は中国に何をもたらしたのか? 看過されてきた大恐慌の中国への影響を初めて体系的に叙述、銀本位制の特質と市場・政府の役割を捉え直し、中華帝国から現代中国への大きな転換を浮き彫りにします。近代の中国経済をグローバル・ヒストリーのなかに位置づけた画期的成果。
【中兼和津次氏による選評】
「…… 本書は、金融、企業、農村、財政、さらには貿易といった幅広い視角から、大恐慌前、中、後の民国期中国経済の様相を整理しており、革命前中国の経済体制や構造を理解する上での一級の参考書ともなっている。著者の大きな関心は、大恐慌が中国経済に与えた影響を論じることにあるが、このテーマはこれまで内外の研究者によってはそれほど注目されてこなかった。多くは個別テーマに関する狭い分析に止まっており、大恐慌が中国経済をどのようなメカニズムで破壊していったのか、本書が初めて広い視野から本格的に追求したものといえる。…… (中略) ……
さらに、一般に中国経済史の研究者による研究は、えてしてある歴史的時点のある特定問題に集中しがちであるが、著者は現代への啓示まで取り上げており、歴史的視野から現代経済を論ずることの必要性を強調してきた評者として、意気投合するところがあり、同時大いに啓発されるところがあった。そのうえ、多くの経済史家とは違って、しっかりした経済理論的基礎を備えており、少なくとも近代中国を専攻する歴史学者として、我が国における数少ない本格的経済史家といえよう。……」
城山智子 著
価格 5,800円
A5判・上製・358頁
ISBN 978-4-8158-0662-0 C3033
在庫有り
第102回 (平成24年) 「日本学士院賞」
海の富豪の資本主義
北前船と日本の産業化
『海の富豪の資本主義』 の著者である中西聡先生が、このたび、第102回 (平成24年) 「日本学士院賞」 (日本学士院) を受賞されました。対象となった研究成果が本書にまとめられています。近世を代表する遠隔地取引の担い手・北前船商人の経営展開と日本の産業化を、その活動が頂点を迎えた近代を視野に、徹底的な一次資料の精査により描出。北前船商人たちの活躍を幅広く捉えて、現代にまで及ぶ、日本および日本海地域の産業発展にもたらした影響を示した成果です。
中西 聡 著
価格 7,600円
A5判・上製・526頁
ISBN 978-4-8158-0626-2 C3033
在庫有り