2024年度受賞一覧
第15回「鉄道史学会住田奨励賞」
日本帝国圏鉄道史
技術導入から東アジアへ
沢井実著『日本帝国圏鉄道史』が、第15回「鉄道史学会住田奨励賞」(鉄道史学会主催)を受賞しました。帝国日本の「骨格」はいかに形成されたのか。欧米から吸収した最先端の鉄道技術が朝鮮・満洲といった外地において固有の仕方で実践され、戦後へとつながる一大鉄道ネットワークの構築に至る歩みを、技術者など人的資源の移転を軸に隅々まで捉え、比類なきスケールで鉄道史を描き直します。
沢井 実 著
税込6,380円/本体5,800円
A5判・上製・340頁
ISBN 978-4-8158-1135-8 C3021
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第46回「サントリー学芸賞」
近代チベット政治外交史
清朝崩壊にともなう政治的地位と境界
小林亮介著『近代チベット政治外交史』の、第46回「サントリー学芸賞」(サントリー文化財団主催)受賞が決定しました。仏教を介して中国と特別な関係を結び、広大な領域を治めたダライ・ラマ政権。東アジア国際秩序の構造転換を前に、彼らは勢力を維持すべくいかに行動したのか。そこで主張された「独立」「自治」の意味とは何か。現代に至るチベット問題の起源を、チベット語を中心とする貴重な一次史料にもとづき究明した画期的成果。
小林亮介 著
税込7,920円/本体7,200円
A5判・上製・430頁
ISBN 978-4-8158-1146-4 C3022
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2024年度 第19回「女性史学賞」
口述筆記する文学
書くことの代行とジェンダー
田村美由紀著『口述筆記する文学』の、2024年度 第19回「女性史学賞」(奈良女子大学アジア・ジェンダー文化学研究センター主催)受賞が決定しました。谷崎潤一郎をはじめ、口述筆記を行った作家は実は多い。だが、ディスアビリティやケアが絡み合う空間で、筆記者、特に女性の役割は不可視化されてきた。大江健三郎、多和田葉子、桐野夏生らの作品をも取り上げ、書くことの代行に伴う葛藤とジェンダー・ポリティクスを鋭く分析した力作。
田村美由紀 著
税込6,380円/本体5,800円
A5判・上製・318頁
ISBN 978-4-8158-1129-7 C3095
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第36回「アジア・太平洋賞特別賞」
健康朝鮮
植民地のなかの感染症・衛生・身体
林采成著『健康朝鮮』が、第36回「アジア・太平洋賞特別賞」(主催:毎日新聞社、アジア調査会)を受賞しました。スペイン・インフルエンザのパンデミックを経験した植民地は、いかにしてその医療衛生システムを構築し、人々の健康を管理しようとしたのか。学校・工場・農村・軍・遊郭などの実態を、スポーツやレクリエーションも視野にトータルに解明、帝国下での医療の社会化の光と影をとらえた渾身の成果。
林 采成 著
税込7,480円/本体6,800円
A5判・上製・564頁
ISBN 978-4-8158-1144-0 C3022
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第6回「西脇順三郎学術賞」
聖母の晩年
中世・ルネサンス期イタリアにおける図像の系譜
桑原夏子著『聖母の晩年』が、第6回「西脇順三郎学術賞」(慶應義塾大学文学部主催)を受賞しました。聖書には、彼女がどのように生を終えたかについての記述がない。しかし、マリア崇敬の高まりとともに、外典や伝承などにもとづき晩年伝の多様な図像が生み出されてきた。地中海圏の聖堂壁画からチマブーエやドゥッチョ、ジョットらの作品までをその背景とともに跡づけ、知られざる聖母の美術史をよみがえらせます。
桑原夏子 著
税込16,500円/本体15,000円
A5判・上製・904頁
ISBN 978-4-8158-1141-9 C3071
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第29回(2023年度)「地中海学会ヘレンド賞」
聖母の晩年
中世・ルネサンス期イタリアにおける図像の系譜
桑原夏子著『聖母の晩年』が、第29回(2023年度)「地中海学会ヘレンド賞」(地中海学会主催)を受賞しました。聖書には、彼女がどのように生を終えたかについての記述がない。しかし、マリア崇敬の高まりとともに、外典や伝承などにもとづき晩年伝の多様な図像が生み出されてきた。地中海圏の聖堂壁画からチマブーエやドゥッチョ、ジョットらの作品までをその背景とともに跡づけ、知られざる聖母の美術史をよみがえらせます。
桑原夏子 著
税込16,500円/本体15,000円
A5判・上製・904頁
ISBN 978-4-8158-1141-9 C3071
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第45回(2024年度)「アジア経済研究所発展途上国研究奨励賞」
都市化の中国政治
土地取引の展開と多元化する社会
鄭黄燕著『都市化の中国政治』の、第45回(2024年度)「アジア経済研究所発展途上国研究奨励賞」(ジェトロ・アジア経済研究所主催)受賞が決定しました。改革と開放後、独自の不動産市場の展開に伴い都市空間の急拡大をみた中国において、都市と農村で分断された従来の社会構造がいかに変容したのかを、徹底したフィールド調査で解明。土地収用による一方的収奪を超えた農村のしたたかな対応も捉え、今日に及ぶ政治経済の核心的問題に迫ります。
鄭 黄燕 著
税込5,940円/本体5,400円
A5判・上製・268頁
ISBN 978-4-8158-1133-4 C3031
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第40回「大平正芳記念賞」
国際法を編む
国際連盟の法典化事業と日本
高橋力也著『国際法を編む』の、第40回「大平正芳記念賞」(大平正芳記念財団主催)受賞が決定しました。大国中心の法創造プロセスに風穴をあけ、初めて幅広い主体に国際法を開いた国際連盟の法典化事業。特に積極的な貢献をみせた日本を軸に、失敗とされたハーグ会議の意義を再評価、国益の追求にとどまらない法律家の実像を活写し、国際法の歴史を外交史的アプローチもふまえて描き直します。
高橋力也 著
税込9,900円/本体9,000円
A5判・上製・546頁
ISBN 978-4-8158-1111-2 C3032
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第18回(2023年度)「日本科学史学会学術賞」
ツベルクリン騒動
明治日本の医と情報
月澤美代子著『ツベルクリン騒動』が、第18回(2023年度)「日本科学史学会学術賞」(日本科学史学会主催)を受賞しました。欧米では「フィーバーからスキャンダルへ」と化した、コッホによる「結核新治療薬」。日本社会はそれをどのように受け止めたのか。多様な医療雑誌による「情報」の伝達・普及・切り分けを軸に、近代日本の医学・医療の風土が形成される転換期の実相を描き、今日への示唆に富む労作。
月澤美代子 著
税込6,930円/本体6,300円
A5判・上製・504頁
ISBN 978-4-8158-1101-3 C3021
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2023年度「日本比較経営学会 学術賞」
中国国有企業の政治経済学
改革と持続
中屋信彦著『中国国有企業の政治経済学』が、2023年度「日本比較経営学会 学術賞」(日本比較経営学会主催)を受賞しました。非効率なはずの企業群はなぜ存続し、成長できたのか。グローバル企業ランキングを席捲し、存在感を示し続ける国有企業が、市場経済への適応と共産党支配を両立すべく実施した改革の成果を、腐敗などの副作用も含め解明、「普通の」資本主義体制に抗いながら発展する中国経済の実像に迫ります。
中屋信彦 著
税込6,930円/本体6,300円
A5判・上製・366頁
ISBN 978-4-8158-1095-5 C3033
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