2019年度受賞一覧
第44回「中小企業研究奨励賞準賞」
日本の電子部品産業
国際競争優位を生み出したもの
中島裕喜著『日本の電子部品産業』が、第44回「中小企業研究奨励賞準賞」(一般財団法人商工総合研究所主催)を受賞しました。大手家電メーカーの落日やモジュール化の波に直面してなお、圧倒的な国際競争力を獲得できたのはなぜか。戦後復興期の組立ラジオの隆盛から今日まで、荒波の中で培われた多様な顧客への志向と、部品の汎用性をめぐる戦略の決定的役割を捉え、グローバルサプライヤーへの軌跡を示します。
中島裕喜 著
税込5,940円/本体5,400円
A5判・上製・388頁
ISBN 978-4-8158-0942-3 C3033
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第32回「和辻哲郎文化賞」
キュビスム芸術史
20世紀西洋美術と新しい〈現実〉
松井裕美著『キュビスム芸術史』が、第32回「和辻哲郎文化賞」(姫路市主催)を受賞しました。絵画、彫刻、文学、建築などの作品においても、理論や批評の言説においても、多面的かつ国際的な拡がりをもつキュビスム。「幾何学」的表現の誕生・深化から、二度の世界大戦を経て、歴史的評価の確立へと至る曲折に満ちた展開を、美術と〈現実〉との関係を軸に描ききります。
松井裕美 著
税込7,480円/本体6,800円
A5判・上製・692頁
ISBN 978-4-8158-0937-9 C3071
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第19回(2019年)「人文地理学会学会賞」
胃袋の近代
食と人びとの日常史
湯澤規子著『胃袋の近代』が、第19回(2019年)「人文地理学会学会賞」(一般社団法人人文地理学会主催)を受賞しました。人びとは何をどのように食べて、空腹を満たしてきたのか。一膳飯屋、残飯屋、共同炊事など、都市の雑踏や工場の喧騒のなかで始まった外食の営みを、日々生きるための〈食〉の視点から活写、農村にもおよぶ広範な社会と経済の変化をとらえ、日本近代史を書き換えます。
湯澤規子 著
税込3,960円/本体3,600円
四六判・上製・354頁
ISBN 978-4-8158-0916-4 C3021
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第62回「日経・経済図書文化賞」
帝国後のインド
近世的発展のなかの植民地化
小川道大著『帝国後のインド』が、第62回「日経・経済図書文化賞」(日本経済新聞社・日本経済研究センター共催)を受賞しました。インドはなぜ英領となったのか。ムガル帝国の衰退と後継国家の群雄割拠のもと生じた在地の大変動をとらえ、中間層権力をめぐる状況の変遷から植民地化の起源を解明、イギリス統治政策の浸透過程を丹念にたどるとともに、近代インドを近世史の発展との連続性のなかに位置づけます。
小川道大 著
税込7,480円/本体6,800円
A5判・上製・448頁
ISBN 978-4-8158-0939-3 C3022
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第8回「ゲスナー賞 『本の本』部門 金賞」
日本語活字印刷史
鈴木広光著『日本語活字印刷史』が、第8回「ゲスナー賞 『本の本』部門 金賞」(丸善雄松堂株式会社主催)を受賞しました。西洋式活版印刷術に内在する論理とのせめぎあいのなか、漢字と仮名による多様な書字活動は、どのように活字化されたのか。技術のみならず文字の性質や書記様式・言語生活等に注目し、嵯峨本など古活字版から、宣教師らによる明朝体活字の鋳造を経て、近代日本の活字組版まで、グローバルな視野で描きだす力作。
鈴木広光 著
税込6,380円/本体5,800円
A5判・上製・358頁
ISBN 978-4-8158-0795-5 C3021
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第31回「アジア・太平洋賞特別賞」
台湾外交の形成
日華断交と中華民国からの転換
清水麗著『台湾外交の形成』が、第31回「アジア・太平洋賞特別賞」(毎日新聞社、アジア調査会主催)を受賞しました。「一つの中国」という原則と、国際社会での地位存続との板挟みのなかで、台湾は何を選択してきたのか。安全保障をめぐる米国との交渉、国連の中国代表権問題、日中国交回復とその裏での対日断交などを、台湾側の動向を軸にたどり、今日の台湾外交の真の根源を浮き彫りにする画期的著作。
高原明生氏による書評:“……… 50年代から70年代に至る台湾の外交に関する基本文献となりうる好著である。台湾の国史館などが所蔵する文書を多用し、多くの回顧録やインタビューに基づいて行われる考察は大いに読み応えがある。特に国連脱退にいたる台湾内部での意思決定過程の分析は、従来の日中関係や東アジア国際関係史の理解を深める内容となっている。叙述は丁寧で、かつすっきりしている。各章の結論も明快で、長年の研究が成熟してよく練られた作品であることが見て取れる。………” (「毎日新聞」2019年11月13日付、第19面から)
清水 麗 著
税込5,940円/本体5,400円
A5判・上製・344頁
ISBN 978-4-8158-0935-5 C3031
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第12回(2019年度)「生協総研賞 研究賞」
胃袋の近代
食と人びとの日常史
湯澤規子著『胃袋の近代』が、第12回(2019年度)「生協総研賞 研究賞」(公益財団法人生協総合研究所主催)を受賞しました。人びとは何をどのように食べて、空腹を満たしてきたのか。一膳飯屋、残飯屋、共同炊事など、都市の雑踏や工場の喧騒のなかで始まった外食の営みを、日々生きるための〈食〉の視点から活写、農村にもおよぶ広範な社会と経済の変化をとらえ、日本近代史を書き換えます。
湯澤規子 著
税込3,960円/本体3,600円
四六判・上製・354頁
ISBN 978-4-8158-0916-4 C3021
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2019年「アントニー・ロウレイ賞」
『美食家の誕生』の著者である橋本周子先生が、2019年「アントニー・ロウレイ賞」(Anthony Rowley、フランス)を受賞されました。『美食家の誕生』のフランス語版 La naissance du gourmand. Grimod de la Reynière et la Révolution française(Presses universitaires François-Rabelais)での受賞です。
『美食家の誕生』
橋本周子 著
税込6,160円/本体5,600円
A5判・上製・408頁
ISBN 978-4-8158-0755-9 C3022
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第8回(2019年)「三島海雲学術賞」
イスラームのロシア
帝国・宗教・公共圏 1905-1917
長縄宣博著『イスラームのロシア』が、第8回(2019年)「三島海雲学術賞」(公益財団法人三島海雲記念財団主催)を受賞しました。もう一つの市民社会 ——。多数のイスラーム教徒が存在したロシア帝国。彼らはいかに生きたのか。日露戦争から第一次世界大戦・革命へと至る時代に、政治・行政・教育・出版・戦争・慈善等に積極的に関与し、言論と行動によって自らの「公共圏」を生み出したムスリム社会の苦闘を、かつてない深度で描き出します。
長縄宣博 著
税込7,480円/本体6,800円
A5判・上製・440頁
ISBN 978-4-8158-0888-4 C3022
在庫有り
第5回「三笠宮オリエント学術賞」
イブン・バットゥータと境域への旅
『大旅行記』をめぐる新研究
『イブン・バットゥータと境域への旅 ——『大旅行記』をめぐる新研究』の著者である家島彦一先生が、このたび、第5回「三笠宮オリエント学術賞」(日本オリエント学会主催)を受賞されました。本書が、日本におけるオリエント研究の発展に大きな学術的貢献をなす業績と評価され、このたびのご受賞となりました。
家島彦一 著
税込6,380円/本体5,800円
A5判・上製・480頁
ISBN 978-4-8158-0861-7 C3022
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第24回「アメリカ学会清水博賞」
『外交と移民』の著者である上英明先生が、第24回「アメリカ学会清水博賞」(アメリカ学会主催)を受賞されました。2018年6月にケンブリッジ大学出版会より出版された Diplomacy Meets Migration: US Relations with Cuba during the Cold War での受賞で、『外交と移民』の基となった著書です。
『外交と移民』
上 英明 著
税込5,940円/本体5,400円
A5判・上製・366頁
ISBN 978-4-8158-0948-5 C3022
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第35回「大平正芳記念賞」
朝鮮外交の近代
宗属関係から大韓帝国へ
森万佑子著『朝鮮外交の近代』が、第35回「大平正芳記念賞」(公益財団法人大平正芳記念財団主催)を受賞しました。朝鮮はなぜ、東アジア政治の焦点となるのか。中華と近代の結節点に位置し、摩擦のなかから生み出されていった外交の論理をその起源から解明。外政機構の形成から大韓帝国の成立までを一貫した視座でとらえ、激動の東アジア国際関係史のなかで決定的な位置を占めた姿を浮かび上がらせます。
川島真氏による選評:“……… 従来、19世紀の朝鮮の対外関係史研究は条約体制への適用と清との宗属関係との双方が明確に関連付けられずに、それぞれの観点で議論が展開していた面がある。それを克服すべく、著者は、岡本隆司の諸研究に代表される昨今の東アジアの宗属関係研究の成果を取り入れた。特に、清自身がいかなる論理で宗属関係を変容させていたのか、また清でおこなわれた対外政策、制度の近代的再編がいかに認識されていたのかということを踏まえ、では朝鮮の側はどうであったのか、と議論を進める。また、この点について従来の研究が、条約関係と宗属関係を対立的に描いたり、あるいは宗属関係から近代的な条約関係の移行として記したがために見失っていた論点を見出そうとした。特に、分析対象を大韓帝国成立期にまで広げることで、従来のやや単純化された議論を退け、当時の朝鮮に即した豊かな歴史像を提供することに成功したといえるだろう。………” (大平正芳記念財団パンフレット(「第35回『大平正芳記念賞』受賞作の紹介」から)
森 万佑子 著
税込5,940円/本体5,400円
A5判・上製・360頁
ISBN 978-4-8158-0883-9 C3022
在庫有り
第35回「大平正芳記念賞」
『外交と移民』の著者である上英明先生が、第35回「大平正芳記念賞」(公益財団法人大平正芳記念財団主催)を受賞されました。2018年6月にケンブリッジ大学出版会より出版された Diplomacy Meets Migration: US Relations with Cuba during the Cold War での受賞で、『外交と移民』の基となった著書です。
『外交と移民』
上 英明 著
税込5,940円/本体5,400円
A5判・上製・366頁
ISBN 978-4-8158-0948-5 C3022
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2019年度「日本農業経済学会学術賞」
産業化する中国農業
食料問題からアグリビジネスへ
宝剣久俊著『産業化する中国農業』が、2019年度「日本農業経済学会学術賞」(日本農業経済学会)を受賞しました。製造業など工業の高度成長の陰で見過ごされてきた農業。しかしその経済発展を可能にしたのは、飢饉の経験を乗り越えて、厖大な人口への食料供給を実現した農業であった。龍頭企業の台頭など、アグリビジネスでも世界的地位を築きつつある中国農業の現状を、新たな視座で描き出します。
宝剣久俊 著
税込6,380円/本体5,800円
A5判・上製・276頁
ISBN 978-4-8158-0886-0 C3033
在庫有り