内 容
朝鮮はなぜ、東アジア政治の焦点となるのか。中華と近代の結節点に位置し、摩擦のなかから生み出されていった外交の論理をその起源から解明。外政機構の形成から大韓帝国の成立までを一貫した視座でとらえ、激動の東アジア国際関係史のなかで決定的な位置を占めた姿を浮かび上がらせる。
目 次
序 章 朝鮮外交形成の論理
はじめに
1 これまでの朝鮮近代史研究
2 本書の課題
3 本書の構成
第Ⅰ部 宗属関係の変容
—— 二元的中華の時代
第1章 宗属関係の中の条約関係
—— 領選使から駐津大員へ(1883~86年)
はじめに
1 駐津大員の位置づけ
2 駐津大員の活動
おわりに
第2章 宗属関係と条約関係の交錯
—— 駐津大員から駐津督理へ(1886~94年)
はじめに
1 駐津大員から駐津督理へ
2 『駐津督理公署章程底稿』の分析
3 駐津督理の活動
おわりに
第3章 対外実務の条約関係への対応
—— 統理交渉通商事務衙門の形成
はじめに
1 『続章程』の内容の再検討 ——『章程』との違いを中心に
2 主事の勤務実態
3 『続章程』以後の外衙門の運営実態
おわりに
第4章 宗属関係の可視化と朝鮮政府
—— 神貞王后逝去をめぐって
はじめに
1 神貞王后の逝去前の情勢
2 神貞王后の逝去
3 神貞王后の葬礼 —— アメリカ兵による霊輿の班送
4 勅使の迎接
おわりに
第Ⅱ部 大韓帝国の成立
—— 一元的中華の時代
第5章 朝鮮からみた日清開戦過程
はじめに
1 宗属関係における交渉
2 近代国際関係における交渉
おわりに
第6章 対外実務の条約関係への特化
—— 宗属関係の終焉
はじめに
1 日清開戦過程の統理交渉通商事務衙門
2 外政機構の改編
3 主事の勤務実態
おわりに
第7章 大韓帝国の成立と中華
—— 一元化の帰結
はじめに
1 高宗皇帝即位に至る日韓関係
2 宗属関係廃棄後の対清関係
おわりに
附 章 朝鮮政治・外交の変容と朴定陽
はじめに
1 「開化」政策の基礎固め —— 二度の暗行御史
2 近代外交の出発 —— 駐米全権大臣
3 甲午改革への参与 —— 内閣総理大臣
4 大韓帝国と独立協会のはざまで
おわりに
終 章 中華のゆくえと朝鮮近代
註
あとがき
文献一覧
図表一覧
索 引
受 賞
書 評
『歴史評論』(2019年9月号、第833号、評者:李穂枝氏)
『東洋史研究』(第77巻第3号、2018年12月、評者:古結諒子氏)
『週刊読書人』(2017年12月22日号、第3220号、特集「2017年回顧総特集」、評者:関智英氏)