内 容
日清戦争から大韓帝国への移行、植民地化へと到る時代の朝鮮ナショナリズムの勃興を、民族主義と植民地主義の交差する地点から捉え、歴史や国境、「文明化」などをめぐる激しい葛藤を浮かび上がらせる。ナショナル・アイデンティティの形成とその今日に及ぶ影響を捉えた画期的研究。
目 次
謝 辞
序 章 広開土王碑の物語
1 文明と東洋
2 植民地主義と歴史
3 民族の境界
第1章 文明という普遍の風
1 内憂外患
2 民族の世界化と世界の民族化
3 国家の賢人たち
4 国家の耳目
第2章 中国の非中心化と東洋の再編
1 中国の降格
2 真正の文化、純粋なアイデンティティ
3 民族主義の言語
4 王から皇帝へ
5 国 旗
6 失われた朝鮮と東洋の文明
7 人種的に定義された東洋における平和と連合
8 東洋の団結の崩壊
第3章 文明化する日本との格闘
1 日本の権威
2 民族主義者の対話
3 両班のイメージ
4 「事大主義」の危険
5 植民地化という決着
第4章 精神、歴史、正統性
1 精神的な民族
2 古代帝国の神話から近代の植民地化の神話へ
3 論争的な歴史
4 国際舞台における日本植民地主義
第5章 民族という語り
1 「民族」の語源
2 「民族」の語りとしての正統性
3 系譜としての歴史
4 歴史としての国家
5 人から神へ
第6章 半島の境界線
1 清との国境策定
2 公式の国境
3 風水の衰退と白頭山
第7章 半島を越えて
1 朝鮮人の満洲
2 失地回復主義者の意見
3 離散する国民
4 国家を外に出して
5 国家の後見人
終 章
1 言語の純粋性
2 脱植民地化の歴史に向けて
3 北方への凝視
註
訳 註
訳者あとがき
参考文献
事項索引
人名索引
書 評
【朝日新聞書評】