内 容
野党政治家の挑戦と挫折、そして金泳三・金大中ら新しい世代の登場 —— 歴史的成功事例といわれる韓国の民主化過程の苦難を、朴正煕政権期の徹底的見直しにより描出、民主化の成否を分けた前提条件を指し示し、脱植民地化過程の政治的困難をも捉えた刮目の政治分析。
目 次
序 章 「民主化」と政治文化
—— 韓国の事例から考える
第1章 クーデタから民主化へ
—— 理論的枠組みに対する小考察
1 韓国における2つの「民主化」
2 「民主化」と「文化」
3 クーデタの正統化
第2章 軍事クーデタと知識人
—— 正統化なき不安定な勝利
1 革命公約
2 民族革命の論理とその起源
3 「軍事革命」をめぐる人々
4 知識人と世代交代論
5 「軍事革命」の中の知識人
6 民族改造の失敗
7 正統化なき勝利
第3章 反政府イデオロギーとしてのナショナリズムの登場
—— 日韓国交正常化と学生運動をめぐって
1 ナショナリズムと民主主義
2 四月革命期の学生運度
3 四月革命以後の学生運動
4 1961年入学生たちの視点から
5 運動の再建
6 日韓国交正常化反対運動
7 学生運動と野党の分裂
8 ナショナリズムを敵に回した民主主義
第4章 野党は何故に分裂したか
——「上からの民主化」にどう対処するか
1 「上からの民主化」と野党のディレンマ
2 クーデタ後の「旧政治人」
3 野党再編の開始
4 野党勢力の流動化
5 国民の党と旧政治人の敗北
6 敗因をめぐって
7 第一次珍山波動
8 「上からの民主化」にどう対処するか
第5章 野党政治家の経歴的限界
—— 時代状況という名の制約
1 兪鎮午待望論はどこから来たか
2 尹潽善 ——「有閑階級」出身の強硬派
3 柳珍山 ——「寝業師」の限界
4 兪鎮午 ——「希代の秀才」ゆえの紆余曲折
5 「人材の枯渇」とその原因
第6章 40代旗手論という突破口
—— 金泳三と金大中の台頭
1 転換点の到来
2 1967年選挙 —— 野党の惨敗
3 兪鎮午の転向
4 三選改憲反対運動
5 40代旗手論の登場
6 韓国社会の世代変化
7 維新体制と柳珍山の退場
終 章 エピローグとしての維新体制
1 朴正煕の陥った袋小路
2 金泳三と金大中 —— 80年代へ向けて
3 「民主化」とイデオロギーの政治学
注
あとがき
図表一覧
事項索引
人名索引
書 評
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【エコノミスト書評】
【毎日新聞書評】