書籍の内容
比較政治制度論からのアプローチにより、戦後の議会と首長の個別公選制下における地方政府の政策選択の大きな変化を実証、大規模なデータ分析と事例分析をもとに、知られざる地方政府の政治的ダイナミクスをかつてない水準で描き出す。地方政治論に新たなフロンティアを拓く画期的論考。
書籍の目次
序 章 課題としての地方政治
1 地方自治研究の新たな焦点
2 戦後地方政治の制度形成
3 戦後地方政治の展開
4 本書の構成と方法
第1章 地方政府の比較政治学
—— 理論的検討とモデル
1 地方政治研究の系譜
2 二元代表制政府への比較政治学アプローチ
3 日本の地方政府のモデル化
4 本書の仮説
第2章 戦後日本の知事と議会
—— 独立変数の基礎データ
1 知事と議会の党派性の把握
2 知事の党派的構成の時系列変化
3 議会の党派的構成の時系列変化
4 都道府県別の異同
5 小 括
第3章 財政と政策の長期的変化
—— 従属変数の基礎データ
1 財政データについての考え方
2 歳入歳出構造の長期的変化
3 項目別の特徴
4 小 括
第4章 革新自治体隆盛期の政策変化
—— 1960年代-70年代前半
1 革新自治体の登場
2 革新自治体の政策選択
3 保革対立の計量データ分析
4 革新系知事と政策転換 —— 東京都と滋賀県の比較事例分析
5 小 括
第5章 保守回帰期の政策変化
—— 1970年代後半-80年代
1 保守回帰と地方財政危機
2 中央統制の強化と政策選択
3 合意争点化の計量データ分析
4 保守系知事と政策転換 —— 東京都と京都府の比較事例分析
5 小 括
第6章 無党派知事期の政策変化
—— 1990年代以降
1 変化と改革の時代
2 新しい政治勢力の登場と政策選択
3 「小さな政府」 化の計量データ分析
4 無党派知事と政策転換 —— 東京都の事例分析
5 小 括
終 章 結論と展望
1 本書は何を明らかにしたか
2 残された課題は何か
補論 計量データ分析に関するいくつかの注意点
付表 都道府県別の地方政党・会派一覧 1955-2005年
受賞紹介
書評紹介
『週刊エコノミスト』(08/1/22付、評者:土居丈朗 氏)