2019年度書評一覧

『国際政治』 [195号、2019年3月] から(評者:衛藤安奈氏)

対中借款の政治経済史
「開発」から二十一ヵ条要求へ

対中借款の政治経済史

久保田裕次著『対中借款の政治経済史』が、『国際政治』(195号、2019年3月、日本国際政治学会)で紹介されました。戦後ODAの淵源ともいうべき対中借款は、いかにして始まったのか。草創期にあたる日清戦後から第一次大戦期の展開を多角的にたどり、帝国主義的理解の限界をこえて、国際環境と中国側の主体性も踏まえた新たな実像を描き出す。開発と侵略の間を浮彫にする新鋭の成果。

久保田裕次 著
価格 6,300円
A5判・上製・372頁
ISBN978-4-8158-0856-3 C3021
在庫有り


『史学雑誌』 [第128編第3号、2019年3月] から(評者:岸本美緒氏)

大清帝国の形成と八旗制

大清帝国の形成と八旗制

杉山清彦著『大清帝国の形成と八旗制』が、『史学雑誌』(第128編第3号、2019年3月、史学会)で紹介されました。ユーラシア東方の覇権へ ——。マンジュ(満洲)人が支配する大帝国はいかにして生まれたのか。国家=軍事システムたる「八旗制」を軸に大清帝国の構造を満漢文史料から実証的に解明、その帝国形成を中央ユーラシア世界と近世世界の交点に位置づけることで、新たな世界史像を描き出します。

杉山清彦 著
価格 7,400円
A5判・上製・574頁
ISBN978-4-8158-0798-6 C3022
在庫有り


『ピエリア』 [2019年春号] から(評者:三代川寛子氏)

アレクサンドロス変相
古代から中世イスラームへ

アレクサンドロス変相

山中由里子著『アレクサンドロス変相』が、『ピエリア』(2019年春号、東京外国語大学出版会・附属図書館)で紹介されました。大王が征服した広大な地域に流布した伝承を、宗教・政治・歴史の分野にわたって、アラブ・ペルシアの多様なテクストにたどり、語りや図像の担い手たちが求めた「真実」に迫ります。アレクサンドロスが内包する本質と、古代世界の遺産を受けいれ再解釈していくムスリムの精神史をみごとに浮かび上がらせた力作。

山中由里子 著
価格 8,400円
A5判・上製・588頁
ISBN978-4-8158-0609-5 C3022
在庫有り


「academist Journal」 [2019年4月10日・12日] から

「ボランティア」の誕生と終焉

『「ボランティア」の誕生と終焉 ——〈贈与のパラドックス〉の知識社会学』の著者である仁平典宏先生のインタビューが、「academist Journal」(2019年4月10日・12日)に掲載されました。

【前編】「冷笑的な私」はどこから? ボランティアの歴史からたどる

【後編】日本は「純度100%」を求めがち?

『「ボランティア」の誕生と終焉 ——〈贈与のパラドックス〉の知識社会学』
A5判・上製・562頁 価格6,600円
ISBN978-4-8158-0663-7 C3036
在庫有り


『図書新聞』 [2019年4月13日付、第3395号] から(評者:岡本充弘氏)

近代世界の誕生【上下巻】
グローバルな連関と比較 1780-1914

近代世界の誕生

C.A.ベイリ著『近代世界の誕生』(平田雅博・吉田正広・細川道久訳、上下巻)が、『図書新聞』(2019年4月13日付、第3395号、武久出版)で紹介されました。【上巻】欧米から日本まで全世界に及ぶ相互連関と比較を軸に、「近代世界」成立の全体像を描ききるグローバル・ヒストリーの代表作。待望の邦訳。【下巻】世界各地の相互連関を解明し、従来の地域史や一国史を見直すことで、「多中心的」な近代史を描き出すグローバル・ヒストリーの名著。

C.A.ベイリ 著
平田雅博・吉田正広・細川道久 訳
価格 各4,500円
A5判・上製・上356頁+下408頁
ISBN 上:978-4-8158-0929-4 下:978-4-8158-0930-0
C3022
在庫有り


『東京人』 [2019年5月号、第410号] から(評者:苅部直氏)

吉野作造と上杉愼吉
日独戦争から大正デモクラシーへ

吉野作造と上杉愼吉

今野元著『吉野作造と上杉愼吉』が、『東京人』(2019年5月号、第410号、都市出版)で紹介されました。「民本主義」対「国家主義」の単純な枠組みに収まりきらない、近代社会科学最大のライバルの共通基盤と真の分水嶺はどこにあったのか。ドイツ経験などの見過ごされた契機も手掛かりに、近代日本政治の現実の焦点を捉え、デモクラシーと帝国をめぐる議論に新たな地平を拓きます。

“……著者の筆致はどちらかと言えば吉野のきびしく、上杉に対する再評価が目立つ。しかしこれは、戦後になって民主主義の先駆者として吉野が顕彰されるかたわら、上杉の活躍が忘れられた状況に対して、均整のとれた叙述をめざす姿勢の表れである。アカデミズムにおいて、異なる立場・学統が競い共存する闊達さが、戦後には失なわれ、閉塞と抑圧を再生産してきた。そうした問題意識が叙述の底に流れている。西洋の学問と日本の伝統とをいかに関係づけるかという問題も含め、現代の学問のあり方についても考えさせられる本である。……”(『東京人』2019年5月号、p.136)

今野 元 著
価格 6,300円
A5判・上製・484頁
ISBN978-4-8158-0926-3 C3031
在庫有り


『建築史学』 [第72号、2019年3月] から(評者:元岡展久氏)

〈モータウン〉のデザイン

〈モータウン〉のデザイン

堀田典裕著『〈モータウン〉のデザイン』が、『建築史学』(第72号、2019年3月、建築史学会)で紹介されました。クルマと交通システムによって創り出された環境 —— 現代の〈モータウン〉はどのようなカタチをしているのか。自動車工場や住宅から、高速道路や物流ターミナル、レジャーセンターやショッピングモールまで、生産・居住・移動・消費の観点で車社会を捉え直し、環境デザインの可能性を問う力作。

堀田典裕 著
価格 4,800円
A5判・上製・424頁
ISBN978-4-8158-0910-2 C3052
在庫有り


「書標 ほんのしるべ」 [2019年4月号] から

パチンコ産業史
周縁経済から巨大市場へ

パチンコ産業史

『パチンコ産業史』の著者・韓載香先生による自著紹介が、「書標 ほんのしるべ」(2019年4月号、丸善ジュンク堂書店)の「著書を語る」に掲載されました。本書誕生のプロセスがつぶさに語られています。【本書の内容】戦前以来の縁日娯楽はなぜ、30兆円産業となりえたのか。見過ごされてきた周縁経済の躍動を、ホール、メーカー、規制の動向からダイナミックに捉え、「地下経済」論を超えた等身大の姿を浮き彫りにします。産業が存続可能となる条件を新たな視点で照射し、日本経済論の盲点に迫った初の通史。

韓 載香 著
価格 5,400円
A5判・上製・436頁
ISBN978-4-8158-0898-3 C3033
在庫有り


「日刊ゲンダイ」 [2019年4月4日付] から

胃袋の近代

『胃袋の近代 —— 食と人びとの日常史』の著者である湯澤規子先生のインタビューが、「日刊ゲンダイ」(2019年4月4日付)の HOT Interview に掲載されました。2019年3月に刊行された新刊『7袋のポテトチップス —— 食べるを語る、胃袋の戦後史』(晶文社刊)について語られています。

『胃袋の近代
  —— 食と人びとの日常史』
四六判・上製・354頁 価格3,600円
ISBN978-4-8158-0916-4 C3021
在庫有り


『社会経済史学』 [第84巻第4号、2019年2月] から(評者:鍛冶博之氏)

パチンコ産業史
周縁経済から巨大市場へ

パチンコ産業史

韓載香著『パチンコ産業史』が、『社会経済史学』(第84巻第4号、2019年2月、社会経済史学会)で紹介されました。戦前以来の縁日娯楽はなぜ、30兆円産業となりえたのか。見過ごされてきた周縁経済の躍動を、ホール、メーカー、規制の動向からダイナミックに捉え、「地下経済」論を超えた等身大の姿を浮き彫りにする。産業が存続可能となる条件を新たな視点で照射し、日本経済論の盲点に迫った初の通史。

“…… 本書の意義は、戦後から1990年代に至るパチンコ産業の内的発展動向が初めて学術的観点から解明された点にある。これまでにもパチンコの歴史を扱う書籍や論文が散見されたが、それらの多くは「史実の収集と整理」に終始し、まらその史実の多くを伝聞や先行研究からの引用などに依存する傾向が見られた。本書では、先行研究を踏まえながら業界関係者へのインタビュー内容を織り交ぜ、さらに一般的には入手困難な業界内の一次データを活用し、客観的数値に基づいた史実の抽出を徹底する。「一次データが極少で実態把握が難しい」と言われるパチンコ産業研究において、本書による貫徹した実証分析による表出した多くの史実がもつ意味は極めて大きく、著者の丹念で緻密な資料分析は高く評価される。……”(『社会経済史学』第84巻第4号、鍛冶博之氏評、pp.114-115から)

韓 載香 著
価格 5,400円
A5判・上製・436頁
ISBN978-4-8158-0898-3 C3033
在庫有り


『社会経済史学』 [第84巻第4号、2019年2月] から(評者:江夏由樹氏)

産業化する中国農業
食料問題からアグリビジネスへ

産業化する中国農業

宝剣久俊著『産業化する中国農業』が、『社会経済史学』(第84巻第4号、2019年2月、社会経済史学会)で紹介されました。製造業など工業の高度成長の陰で見過ごされてきた農業。しかしその経済発展を可能にしたのは、飢饉の経験を乗り越えて、厖大な人口への食料供給を実現した農業であった。龍頭企業の台頭など、アグリビジネスでも世界的地位を築きつつある中国農業の現状を、新たな視座で描き出します。

“…… 本書のなかでは、農協と農民専業合作社との比較が論じられるなど、日本と中国の農業の対比がしばしばなされている。農村における高齢化の進行、農産品の消費構造の変化など、中国の向き合う問題の多くは日本の場合と共通するところが少なくない。農村社会の高齢化が農業の将来に難しい問題を投げかけていることは、中国も日本も同様である。「食の高度化」は飼料の輸入増加をもたらし、農業は国際市場の動きに大きく左右されている。本書が論じた中国農業の試みは日本の農業の将来にとって、どのような示唆をあたえるのであろうか。本書は中国経済の専門家だけではなく、日本の農業問題に関心をもつ人々にとっても貴重な内容を含んでいる。”(『社会経済史学』第84巻第4号、江夏由樹氏評、p.126から)

宝剣久俊 著
価格 5,800円
A5判・上製・276頁
ISBN978-4-8158-0886-0 C3033
在庫有り


『比較教育学研究』 [第58号、2019年] から(評者:木戸裕氏)

政治教育の模索
オーストリアの経験から

政治教育の模索

近藤孝弘著『政治教育の模索』が、『比較教育学研究』(第58号、2019年、日本比較教育学会)で紹介されました。半歩先のモデルか ——。民主主義の拡大を支え劣化を押しとどめるために、世界各国で注目される「政治教育」。先駆的な16歳選挙権を導入したオーストリアにおいても試行錯誤が続く。ナショナリズムに動員された過去から、現在のコンピテンシー重視の教育や「民主主義工房」の挑戦まで、変容と深化を跡づけます。

“…… 本書の特色を挙げれば次のようになろう。それは、ある特定の時期に限定された政治教育とその環境に見られる特質を論じるのではなく、連続的に百数十年の歩みを大きな流れの中で把握し(第1-3章)、その上で現在のオーストリアにおける政治教育が直面する課題に論及している点である(第4、5章)。このように政治教育に見られる発展過程を長期間にわたって観察しつつ、その意味するところが解明されている点は、われわれが日本における状況を相対的に捉える上で少なからぬ重要な手がかりを与えてくれるように思われる。…… 著者も指摘しているように、近年の諸外国の政治状況と歴史教育に目を向けるとき、歴史教育において自国史を讃える傾向が強い諸国で、いわゆるナショナル・ポピュリズムによる民主主義の劣化が早く進行している傾向がみられるようである。こうした動きを見ると、著者も言っているように、歴史教育と政治教育のより緊密な協力が求められよう。世界各地の歴史を学ぶことは、それ自体が貴重な政治的学習にほかならないからである。……”(『比較教育学研究』第58号、木戸裕氏評、pp.147-148から)

近藤孝弘 著
価格 4,100円
A5判・上製・232頁
ISBN978-4-8158-0913-3 C3037
在庫有り


「朝日新聞」 [2019年3月23日付] から(評者:間宮陽介氏)

セレブの誕生
「著名人」の出現と近代社会

セレブの誕生

アントワーヌ・リルティ著『セレブの誕生』(松村博史・井上櫻子・齋藤山人訳)が、「朝日新聞」(2019年3月23日付)で紹介されました。スキャンダラスな公共性 ——。称賛と批判につつまれた「セレブ」とは、現代のメディアが作り上げた虚像なのか、それとも新たな威光の形なのか。王族・政治家から作家・俳優・音楽家まで、近代の始まりとともに生まれた「セレブリティ」の展開をたどり、公共圏が孕むパラドックスを問います。

アントワーヌ・リルティ 著
松村博史・井上櫻子・齋藤山人 訳
価格 5,400円
A5判・上製・474頁
ISBN978-4-8158-0933-1 C3022
在庫有り


『史学雑誌』 [2019年2月、第128編第2号] から(評者:大黒俊二氏)

公共善の彼方に
後期中世シエナの社会

公共善の彼方に

池上俊一著『公共善の彼方に』が、『史学雑誌』(2019年2月、第128編第2号、史学会)で紹介されました。公共善の政治的理想のみならず、近隣・家族・職業・遊興・霊性による結びつきから、裁判記録にみられる噂と評判の世界、人間関係の結節点としての都市空間や諸々のイメージまで、中世都市に生きる人々の社会的絆を、多様な文書の丹念な解読によって描きだし、人間の共同性を更新していく力のありようを探った労作。

“…… 歴史上シエナがもっとも輝いていた13-14世紀を中心に、本書はこの時期のシエナのあらゆる局面に光を当て、政治構造から社会団体まで、遊興から宗教運動まで、都市形成の過程から絵画・建築の特徴まで明らかにしようとする。1つの中世都市についてこれほど詳細な実証研究はわが国では例がなく、彼の地でも稀であろう。本格的な中世シエナ史研究者を志す者にとって、また中世シエナに魅せられた一般読者にとって本書は最初に参照すべき基本文献といってよい。……
…… 本書はたとえていえば中世シエナという一本の巨木のようなものである。中心の公共善という太い幹が左右に枝を伸ばし、その枝がさらに小枝をつけている。そうした枝や小枝の各々が幹の公共善と微妙なつながりを保ちながらも独立した議論となっていることが多い。たとえば一大金融機関と化していくサンタ・マリア・デッラ・スカーラ施療院、自家の莫大な富を遊興に使い果たしわずか10カ月で貧窮の底に落ち込んでしまった「浪費連」、「幻の河」あるいは「ディアーナと呼ばれる水」を求めて掘り進められた地下水路のエピソードなどは、幹の議論を離れても読者をひきつけてやまない。こうした細部の充溢が幹の議論とともに本書を600頁の大著にしている。……”(『史学雑誌』第128編第2号、大黒俊二氏評、pp.84-85、p.90から)

池上俊一 著
価格 7,200円
A5判・上製・602頁
ISBN978-4-8158-0765-8 C3022
在庫有り


『パチンコ必勝ガイド メガ盛』 [Vol.15、2019年2月] から

パチンコ産業史
周縁経済から巨大市場へ

パチンコ産業史

『パチンコ産業史』の著者である韓載香先生のインタビューが、『パチンコ必勝ガイド メガ盛』(Vol.15、2019年2月)の「パ知の巨人」に掲載されました。研究のきっかけ・プロセスから本書の誕生まで、当インタビューならではの貴重な内容となっています。【本書の内容】戦前以来の縁日娯楽はなぜ、30兆円産業となりえたのか。見過ごされてきた周縁経済の躍動を、ホール、メーカー、規制の動向からダイナミックに捉え、「地下経済」論を超えた等身大の姿を浮き彫りにします。産業が存続可能となる条件を新たな視点で照射し、日本経済論の盲点に迫った初の通史。

韓 載香 著
価格 5,400円
A5判・上製・436頁
ISBN978-4-8158-0898-3 C3033
在庫有り


「日本経済新聞」 [2019年3月12日付] から

現代中国の財政金融システム

『現代中国の財政金融システム』の著者である梶谷懐先生のインタビューが、「日本経済新聞」(2019年3月12日付)のオピニオン欄(「複眼」)に掲載されました。「減速する中国経済」“インフレ目標 実行に注目”

『現代中国の財政金融システム
  —— グローバル化と中央-地方関係の経済学』
A5判・上製・256頁 価格4,800円
ISBN978-4-8158-0678-1 C3033
在庫有り


「日本経済新聞」 [2019年3月9日付] から

台湾外交の形成
日華断交と中華民国からの転換

台湾外交の形成

清水麗著『台湾外交の形成』が、「日本経済新聞」(2019年3月9日付)で紹介されました。「一つの中国」という原則と、国際社会での地位存続との板挟みのなかで、台湾は何を選択してきたのか。安全保障をめぐる米国との交渉、国連の中国代表権問題、日中国交回復とその裏での対日断交などを、台湾側の動向を軸にたどり、今日の台湾外交の真の根源を浮き彫りにする画期的著作。

清水 麗 著
価格 5,400円
A5判・上製・344頁
ISBN978-4-8158-0935-5 C3031
在庫有り


『図書新聞』 [2019年3月9日付、第3390号] から(評者:大中真氏)

法と力
戦間期国際秩序思想の系譜

法と力

西平等著『法と力』が、『図書新聞』(2019年3月9日付、第3390号、武久出版)で紹介されました。「国際法 vs 現実政治」を超えて——。第一次大戦後の国際法学の中から「国際政治学」的思考は誕生した。〈国際紛争は裁判可能なのか〉という連盟期の最重要課題を軸に、法と力の関係をダイナミックに捉える諸学説の系譜をたどることで、モーゲンソーやE・H・カーらの思想を新たに位置づけ直す力作。

“挑戦の書である。…… 「新しい国際法思想史叙述の道を切り拓く」ことを本書の目的の1つとして掲げ、ラッソン、カウフマン、ブライアリの3人の国際法学者と、モーゲンソーとカーという一般には国際政治学者に分類される2人の、合計5人に主に焦点を当て、国際法学の中からいかに国際政治学的思考が誕生したのかを、探究する。すでにこの時点で読者には、本書が大きな学問的挑戦であることが充分に窺えるであろう。…… 本書の強みは、国際法学説の歴史を、自然法論と実証主義との対抗という伝統的構図のみに拘泥せず、実証主義と反実証主義(モーゲンソーは後者に自らを位置付けていたという)の方法論上の対立をも踏まえている点にある。著者は、従来の戦間期研究が紛争の裁判可能性問題に焦点を当ててこなかったことをたびたび指摘するが、新たな視角の提示がここに活かされている。例えば第4章では、国際関係史でよく扱われるロカルノ条約やパリ不戦条約ではなく、ジュネーヴ議定書(1924年)についての精緻な考察が目を引くが、これも著者の興味関心と問題提起を反映しているように思われる。……”(『図書新聞』2019年3月9日付、大中真氏評、第3面から)

西 平等 著
価格 6,400円
A5判・上製・398頁
ISBN978-4-8158-0919-5 C3032
在庫有り


「中国新聞」 [2019年2月24日付] 他から

吉野作造と上杉愼吉
日独戦争から大正デモクラシーへ

吉野作造と上杉愼吉

今野元著『吉野作造と上杉愼吉』が、「中国新聞」(2019年2月24日付)ほか11地方紙で紹介されました。「民本主義」対「国家主義」の単純な枠組みに収まりきらない、近代社会科学最大のライバルの共通基盤と真の分水嶺はどこにあったのか。ドイツ経験などの見過ごされた契機も手掛かりに、近代日本政治の現実の焦点を捉え、デモクラシーと帝国をめぐる議論に新たな地平を拓きます。[掲載紙:中国新聞・東奥日報・四国新聞・大分合同新聞(2月24日付)、新潟日報・山陽新聞(2月17日付)、日本海新聞(2月11日付)、河北新聞・福井新聞・愛媛新聞(2月10日付)、沖縄タイムス(2月9日付)、琉球新報(2月3日付)]

“……明治日本が模範とし、若き日の2人が共に留学したドイツという補助線を引いて、彼らの思想を丹念にたどり、単純な善悪二元論からの脱却を図る。2人は「一君万民的秩序を理想とし、国民の政治参加を推進しようとした点で、共に『大正デモクラシー』の担い手だった」のだと。普通選挙を支持する一方で、大衆への不信を隠さず、晩年には「東洋モンロー主義」を唱え、英米への対抗心をあらわにした「西洋派日本ナショナリズム」の吉野。他方、議会を敵視し続けながら、社会政策や人民投票に関心を示し、朝鮮人ら有色人種との連携など「対西洋自立のための日本回帰」を志向した上杉。日中戦争前後に没した2人の評価は、戦争と敗戦で目まぐるしく揺れ動いた。著者は、両者の対立構造は「今も本質的には解消されていない」とみる。トランプ米政権の誕生や、中国の台頭などにより、「リベラルな国際秩序」の終焉が議論される現在だからこそ、じっくり読みたい。”(「中国新聞」2019年2月24日付、第14面から)

今野 元 著
価格 6,300円
A5判・上製・484頁
ISBN978-4-8158-0926-3 C3031
在庫有り


「日刊工業新聞」 [2019年2月22日付] から

パチンコ産業史
周縁経済から巨大市場へ

パチンコ産業史

韓載香著『パチンコ産業史』が、「日刊工業新聞」(2019年2月22日付)の「話題の本」で紹介されました。戦前以来の縁日娯楽はなぜ、30兆円産業となりえたのか。見過ごされてきた周縁経済の躍動を、ホール、メーカー、規制の動向からダイナミックに捉え、「地下経済」論を超えた等身大の姿を浮き彫りにします。産業が存続可能となる条件を新たな視点で照射し、日本経済論の盲点に迫った初の通史。

韓 載香 著
価格 5,400円
A5判・上製・436頁
ISBN978-4-8158-0898-3 C3033
在庫有り


年度別書評一覧

近刊案内

2019年5月8日出来予定

外交と移民

上 英明 著
A5判・上製・368頁
価格  5,400円
ISBN 978-4-8158-0948-5
Cコード 3022

2019年5月10日出来予定

チャールズ・テイラーの思想

ルース・アビィ 著
梅川佳子 訳
A5判・上製・332頁
価格  4,500円
ISBN 978-4-8158-0947-8
Cコード 3010

2019年5月17日出来予定

桃源の水脈

芳賀 徹 著
四六判・上製・374頁
価格  3,600円
ISBN 978-4-8158-0946-1
Cコード 3090

2019年5月24日出来予定

反転する環境国家

佐藤 仁 著
四六判・上製・368頁
価格  3,600円
ISBN 978-4-8158-0949-2
Cコード 3031

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