2010年度書評一覧

『金融財政事情』 [2011年3月21日号] から (評者 : 吉田悦章 氏)

現代イスラーム金融論

現代イスラーム金融論

長岡慎介著 『現代イスラーム金融論』 が、『金融財政事情』 (2011年3月21日号) にて紹介されました。

 「……近年の事象紹介にとどまらない理論的な研究成果である。
 特筆すべきは、論証の丁寧さである。イスラムの教えに基づく経済システムを構成する諸要素(金利・不確実性等)に関する自身の考え方を、イスラム法・イスラム経済学に関する幅広い文献をもとに客観的に論じる。イスラムの根源的考え方から一般的な経済思想まで、筆者のこれまでの深い思索を随所に感じ取ることができる。その意味で、イスラム関係者のみならず、社会学や歴史学の研究者にとっても、有用な情報に満ちあふれた書物といえよう。また、金融や経済のあり方を再認識するうえでも、本書で紹介されるイスラム金融・経済に関する先人の考察から学べる部分は多い。
 前述のとおり、本書は流行と無関係であるだけに、廃れるところがない。この強大な理論的支柱こそ、実務家がイスラム関連ビジネスを行ううえでの基本ともいえよう。」 (2011年3月21号 『金融財政事情』 より 評者 : 吉田悦章 氏)

長岡慎介 著
価格 4,800円
A5判・上製・258頁
ISBN978-4-8158-0658-3 C3033
在庫有り


『図書新聞』 [2011年3月26日号] から (評者 : 阿部嘉昭 氏)

デジタル時代の日本映画
新しい映画のために

デジタル時代の日本映画

ミツヨ・ワダ・マルシアーノ著 『デジタル時代の日本映画』 が、『図書新聞』 (2011年3月26日号、図書新聞刊) にて紹介されました。デジタル技術は映画の製作・流通・受容を劇的に変え、日本映画をグローバル市場に押しだしました。Jホラーやアニメーションからドキュメンタリー・民族映画まで、作品に即してメディア収束下の新たな映画文化を捉えるとともに、「トランスナショナル」の実像を見つめる画期的な現代映画論です。

ミツヨ・ワダ・マルシアーノ 著
価格 4,600円
A5判・上製・294頁
ISBN978-4-8158-0657-6 C3074
在庫有り


『エネルギーフォーラム』 [2011年3月号] から
“エネルギーを通じて近現代の日本を読み解く”

日本のエネルギー革命
資源小国の近現代

日本のエネルギー革命

小堀聡著『日本のエネルギー革命』が、『エネルギーフォーラム』(2011年3月号、エネルギーフォーラム刊)にて紹介されました。

 「エネルギー関連の著作としては、近年稀に見る秀逸な本と言っても言い過ぎではない。関係者は必読すべきである。
 本書は、タイトルこそ日本のエネルギー革命と、刺激的な文言を使っているが、一読すれば、戦前から戦後のわが国の経済が、まさに “エネルギー革命” を背景にして、展開されていったことが分かる。……(中略)……
 周知のように、日本は大正期の戦前から、戦後1950年代の間に、石炭中心から、石油中心の産業、経済へと大きく変貌した。それは、日本の産業、経済全体がその期間を通じて、質的に転換していったことを意味している。戦後日本の “型” をつくった高度経済成長が、エネルギー革命というものを土台にして、初めて実現したことが、本書で細密に立証されている。
 本書は、先行きの見えない日本の経済成長策を考える上で、ひとつの解になり得るものである。」 (2011年3月号 『エネルギーフォーラム』 より)

小堀 聡 著
価格 6,800円
A5判・上製・432頁
ISBN978-4-8158-0660-6 C3033
在庫有り


『キネマ旬報』 [2011年3月下旬号] から (評者 : 森 直人 氏)
“混沌とした日本映画の 「現在」 を読む”

デジタル時代の日本映画
新しい映画のために

デジタル時代の日本映画

ミツヨ・ワダ・マルシアーノ著 『デジタル時代の日本映画』 が、『キネマ旬報』 (2011年3月下旬号、キネマ旬報社刊) にて紹介されました。

 「日本映画、もしくは同時代批評としての日本映画論の現在は、世界性の中に置いた時にどういった見え方をするのか。そのレベルを我々が知るのは非常に困難だと思うが、筆者も常々気になっていたこの点について、驚くほど正確な位相をあぶり出してくれたのが、カナダのカールトン大学で教鞭を取っておられる映画研究者、ミツヨ・ワダ・マルシアーノ女史の貴重な快著である。
 本書において最も感動したのは、主にここ10年 —— 日本の批評タームで言う 「ゼロ年代」 の日本映画を考察する際、日本国内で流通した言説というローカル・ジャーナリズムでの先端的な成果をきっちり踏まえてくれていることである。ゆえに、商業的な活字メディアで仕事をしている筆者のような人間にとっても、ここで提示されている「現在」には違和感がない。それは映画の学術書には珍しく、「一時的な仮説」 になることを恐れず、同時代のリアリティに喰らいつこうとしている著者の果敢な姿勢が可能にしたものだろう。
 そしてまた、今の日本映画について語ることは、必然的に従来の批評的枠組みを疑い映画をめぐる思考形態そのものを再編成していかねば対応できない。端的に言うと、複数のプラットフォームを流れるハイブリッドな映画の形に対して 「これは映画じゃない」 的な頭ごなしの論理を振りかざすのでは、何も議論が前に進まないということだ。著者は、デジタル技術の浸透がもたらした新たな受容環境において、ニューメディアの修辞学を鋭敏に応用した日本映画として、Jホラー、ドキュメンタリー、アニメの諸作を取り上げる。その際に、グローバル/ローカル、トランスナショナル/ナショナルなどの二項を 「対抗」 ではなく 「交渉」 として捉える視座を示すのだが、これにはまったく同感だ。インターネット動画も含む全体が液状化した今の映画/映像環境では、中間性の海を泳ぐしか真摯な批評的対応は見当たらない。
 そんな中、和製外来語である 「リアル」 を、デジタル技術がもたらした見せかけという新しい価値だと記すくだりなど、筆者が共同編者として上梓した 『ゼロ年代+の映画』 (河出書房新社) の問題設定と共振している。個人的にも 「併走している」 という嬉しい感覚を持った一冊だ。」 (2011年3月下旬号 『キネマ旬報道』 より 評者 : 森 直人 氏)

ミツヨ・ワダ・マルシアーノ 著
価格 4,600円
A5判・上製・294頁
ISBN978-4-8158-0657-6 C3074
在庫有り


「信濃毎日新聞」 [2011年3月6日付] から (評者 : 鬼頭秀一 氏)
“自然保護が利益もたらす実践”

生態系サービスという挑戦
市場を使って自然を守る

生態系サービスという挑戦

デイリー他著 『生態系サービスという挑戦』 (藤岡伸子・谷口義則・宗宮弘明 訳)が、「信濃毎日新聞」 (2011年3月6日付) にて紹介されました。

 「自然保護と経済は、トレードオフ(二者択一)の関係にあるものとして対立的に捉えられてきた。昨年、生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が名古屋で開かれた。生物多様性保全についても、声高に自然保護を叫ぶ一部の人たちの問題、あるいは遺伝子資源を巡る利権の問題と捉えられてしまうことも多い。しかし、国連の 『ミレニアム生態系評価』 のプロジェクト (2001~05年) 以来、その考え方は確実に変わりつつある。そこでは、『生態系サービス』 という経済にも関わる概念が提唱された。……(中略)……
 著者のデイリーさんは、この生態系サービスの概念構築に最初から関わり、その定量的評価の確立に大きく貢献した研究者である。それだけでなく、生態学と経済学を統合し、自然を保護することで経済的利益をもたらすことができるとする 『自然資本プロジェクト』 を立ち上げ、オーストラリア、アメリカ、カナダ、コスタリカなど世界各地で社会実践活動に取り組んできた。09年に来日したデイリーさんは、日本の里山に同じ理念を見いだし、日本政府が提唱する 『SATOYAMAイニシアティブ』 にも貢献している。
 02年に原著が刊行された本書は、デイリーさんが、自然資本プロジェクトにともに関わった環境ジャーナリストのエリソンさんと、その理念と実践について書いたものだ。自然保護と経済の関係、生物多様性保全の考え方が大きく変わろうとしている現在、ぜひ多くの人に読んでもらいたい本である。」 (2011年3月6日付 「信濃毎日新聞」 より 評者 : 鬼頭秀一 氏)

グレッチェン・C・デイリー/キャサリン・エリソン 著
藤岡伸子・谷口義則・宗宮弘明 訳
価格 3,400円
四六判・上製・392頁
ISBN978-4-8158-0649-1 C0040
在庫有り


『中央公論』 [2011年4月号] から

日中国交正常化の政治史

日中国交正常化の政治史

『日中国交正常化の政治史』 の著者である井上正也先生のインタヴュー記事が、『中央公論』 (2011年4月号、中央公論新社刊) にて掲載されました。

—— 本書は1950年代から72年の日中国交正常化へと至る、日本の政治・外交過程をたどるものです。このテーマを選んだのはなぜですか。

井上 公開まもない史料を使って最新の研究をしたいというのが大きな動機です。歴史研究者は史料がなければ書けませんが、外交文書はだいたい30年経たなければ出てきません。大学院の修士課程1年のときに、先輩に初めてアメリカ国立公文書館に連れて行ってもらったのですが、それが日中国交正常化からちょうど30年の2002年のことでした。日中関係をめぐる米国の一次史料に接して、これはおもしろいテーマだと。
 当初は英米の史料を使って研究しようと考えていましたが、幸いなことに日本でも情報公開法によって外務省の文書を見られるようになりましたし、台湾の史料も、そして最近は中国政府の史料にもアクセスできるようになりました。ですから、日中国交正常化に至る日本の中国政策を描くにはよい時期でした。
 加えて、新しい史料があるというだけでなく、当時の関係者がまだ健在でインタビューできるテーマにしたいとも考えていました。今しかできない研究をしたいということです。……(中略)……

—— 700ページにも及ぶ大著のなかで読みどころを挙げるとすると……。

井上 自信を持って書けたのは最後の第7章と第8章。1969~72年の、ニクソン・ショックや国交正常化の最終局面を描いた章です。関係者に多くインタビューできたので、当時の空気や当事者の息づかいを自分なりに理解して書くことができました。

—— 序論にも 「時代の空気を描きだすことができればと考えている」 とありますね。逆に書きにくかった時代は?

井上 池田政権の時代ですね。この時代は池田勇人ら政府の中心にいた人物の史料や日記があまり残されていません。佐藤栄作の時代であれば、本人や側近の楠田實が日記を残していますから、読み込んでいくと佐藤の心理的な側面にかなり迫ることができます。
 池田の時代は外務省や英米の史料から、日本人の関係者の発言を拾っていかなければなりません。そのため、池田政権に取り組んだ期間と、残りの部分全部を書くのに費やした期間はほぼ同じぐらいではないかと思います。その意味で、一番思い入れもあれば、苦労もしたところです。

—— この時代を研究することで見えてきた、今日の日中関係を考える上でのヒントはありますか。

井上 「正しい歴史」 と 「正確な歴史」 は違うということですね。現在の日中関係はさまざまな争点を抱えていますが、それをそのまま歴史に投影すると 「正しい歴史」 が描かれてしまいます。けれども、日中それぞれにとって 「正しい」 というのは折り合うことができないわけで、かえって新しい対立を助長するおそれがあります。ですから本書でも、現代の問題意識を当時の状況に投影することは意識的に避けるようにしました。
 戦後史については、現在でもまだ、単純な事実関係すら確定されていない面があります。私のような歴史研究者の役割は、正確な事実を確定させることです。そうすれば、もし論争が起こったとしても生産的なものになるのではないかと。おこがましい言い方をすれば、そのような意味での 「インフラ」 の整備に貢献できると考えています。……(後略)
(2011年4月号 『中央公論』 より 聞き手 : 『中央公論』 編集部)

井上正也 著
価格 8,400円
A5判・上製・702頁
ISBN978-4-8158-0653-8 C3031
在庫有り


『週刊読書人』 [2011年2月25日号] から (評者 : 関 智英 氏)
“外交の内実とはいかなるものか”

日中国交正常化の政治史

日中国交正常化の政治史

井上正也著 『日中国交正常化の政治史』 が、『週刊読書人』 (2011年2月25日号、読書人刊) にて紹介されました。

 「……これまでも戦後日本の対中国外交に関しては様々な研究がなされてきた。しかし、著者によれば戦後日本の対中国外交は主に次の二つの立場からの批判にさらされてきたという。一つは政府間交流の無い中で行われていた 『民間』 交流の役割を重視し、政府の対中国外交を 『対米追従』 であったと評価する 『友好史観』 の立場、もう一つは、日本の対中外交には戦略的・軍事的思考が欠如しており、米国のそれと比べて戦略性に乏しかったとする国際政治研究の立場である。本書ではこうした批判はもちろんのこと、近年の研究についても、日本政府の戦略性や政策の一貫性を過度に強調するあまり、対中国外交のダイナミズムを十分に捉えきれていないものが多いとその問題を指摘する。
 ではそのダイナミズムはいかにして描き出されるものなのか。著者は日本・中国・台湾のみならずアメリカ・イギリスといった関係各国の外交文書・関係者の回想録・インタビュー等を博捜し、具体的な交渉過程を明らかにすると共に、1960年前後から顕在化する自民党内の派閥抗争といった国内要因との関係にも目を配りながら論を進める。……
 本書では近年情報公開法に則って公開された戦後日本の外交文書閲覧の成果もふんだんに活用されている。交渉の場では 『秘すれば花』 ということも当然あろうが、一定の年月を経た情報は公開を原則とし、このような形で後世の糧とすれば文句もあるまい。日中間の外交については喧しい議論が続くが、本書は外交の内実とはいかなるものかを味読できる好著でもある。」(2011年2月25日号 『週刊読書人』 より 評者 : 関 智英 氏)

井上正也 著
価格 8,400円
A5判・上製・702頁
ISBN978-4-8158-0653-8 C3031
在庫有り


『栄養学雑誌』 [2011年2月 Vol.69 No.1] から (評者 : 田中平三 氏)

肥満の疫学

肥満の疫学

フランク・B・フー著 『肥満の疫学』 (小林身哉・八谷寛・小林邦彦監訳) が、『栄養学雑誌』 (2011年2月 Vol.69 No.1、日本栄養改善学会) にて紹介されました。

「……Hu教授は、看護師健康研究 (Nurses’ Health Study。95,000人を対象とした、食物摂取頻度調査法FFQによる食事摂取量とがん等とのコホート研究・栄養疫学) で世界的に有名なWalter Willett教授 (ハーバード大学公衆衛生学大学院) の指導、薫陶を受けた先生である。Hu教授は、肥満は複雑で、面白い 『変数』 であるという。肥満は疾病そのものであるし、逆に別の疾病の原因 (あるいは危険因子) になっているし、環境と疾病との関係の交絡因子や介在因子になっているからである。このことが本書執筆のきっかけの一つとなったようである。
 この本は3部構成となっている。第Ⅰ部は、疫学の原理と方法、データの分析と解釈について記述している。そして体組成、すなわち肥満の測定方法、さらに食事調査法と身体活動調査法に触れている。第Ⅱ部では、疾病の原因としての肥満について解説されている。代謝性疾患 (メタボリック・シンドローム等)、冠動脈性心疾患や脳卒中、がん、総死亡の危険因子としての肥満である。公衆衛生学的観点から、肥満の及ぼすQOL、経済コストに言及している。第Ⅲ部においては、肥満 (疾病としての肥満) の原因を記載している。食事、身体活動は言うまでもなく、遺伝子、代謝性・内分泌性因子、環境と遺伝の交互作用、乳幼児・小児期肥満については出生時低体重 (バーカー説等)、外食・社会的・心理的要因を挙げている。さらに睡眠不足と肥満の関係は、興味がそそられる。肥満の社会的規定因子として、人種、民族、社会経済的地位、教育レベル、ストレス、社会的支援等を包括的に述べており、わが国ではあまり研究されていない領域である。
 Hu教授は、「日本語版への序文」 の中で、日本をみると、肥満の人はそう多くはなく、対岸の火事と思う人がいるかもしれないが、日本人は肥満の初期や低いBMIで、糖尿病を発症する傾向にあると、いわば警告を発している。欧米型の栄養・食生活等のライフスタイルによって、欧米人よりも容易に肥満・糖尿病を発症し、遺伝的感受性が高いと述べている。なお、補章 『日本における肥満の疫学』 は翻訳者によるもので、日本人の特徴を浮き彫りにしている。
 このように、『肥満の疫学』 というよりも 『肥満のすべて』 と言えるほどの学術書である。しかも読みやすく翻訳されている。管理栄養士養成課程の教員、大学院生、学生のみならず管理栄養士にとって座右の書として、これ以上のものはないと確信している。」 (2011年2月 Vol.69 No.1 『栄養学雑誌』 より 評者:田中平三 氏)

フランク・B・フー 著
小林身哉・八谷 寛・小林邦彦 監訳
価格 9,500円
B5判・上製・492頁
ISBN978-4-8158-0644-6 C3047
在庫有り


「讀賣新聞」 [2011/2/21付] から
“日中国交正常化 新史料で読解”

日中国交正常化の政治史

日中国交正常化の政治史

『日中国交正常化の政治史』 の著者である井上正也先生のインタヴュー記事が、「讀賣新聞」 (2011/2/21付) 文化欄に掲載されました。

 「日本外交史家で、香川大准教授の井上正也氏が初の著書 『日中国交正常化の政治史』 を刊行した。中国との早期国交回復を熱望する国内世論を受け、様々な試みを模索した日本外交の軌跡を新史料から浮き彫りにした力作だ。
 先行研究は、1972年の田中首相訪中を69~71年に進展した米中接近による“衝撃”のためであるとし、日本の対中外交には戦略が欠けていたと結論づけるものが多い。
 しかし、氏は2001年施行の情報公開法に基づき入手した2万5000枚の外交文書を分析し、『戦略がなかったわけではなく、国際社会を巻き込んで中国側にどう仕掛けるか、さまざまな構想があった』 と語る。
 『吉田茂は反共外交を掲げて日華平和条約を結び、後に課題をのこしたが、池田勇人は台湾の国民政府との関係を維持したまま中国との外交樹立を目指し、佐藤栄作は“二つの中国”の固定化を嫌って台湾問題の棚上げを図るなど、歴代政権にはそれぞれ戦略があった』。
 国交回復に20年の歳月を要したのは、『外務省内で台湾との断交積極派と消極派が激しく争い、消極派が勝つことが多かった』 ためだという。『戦略がないと一括りにするのではなく、出来たこと、出来なかったことを客観的に評価すべきだ』。
 史料から実証する古典的な手法ながら史料収集の規模を広げ、徹底して読み込む姿勢には定評がある。日本外交史研究の新鋭だ。
 償いの気持ちから世論が国交正常化を望んだ当時とは一転、尖閣事件などで対中感情が悪化している。『当時取り得た選択肢を正確に把握する。結果として歴史が歪められるのを阻止し、新たな対立の火種を消すことにつながればいい』。」 (山田恵美氏、2011/2/21付「讀賣新聞」より)

井上正也 著
価格 8,400円
A5判・上製・702頁
ISBN978-4-8158-0653-8 C3031
在庫有り


「日本経済新聞」 [2011/2/20付] から
“仕組み・理念・歴史を包括的に”

現代イスラーム金融論

現代イスラーム金融論

長岡慎介著 『現代イスラーム金融論』 が、「日本経済新聞」 (2011/2/20付) にて紹介されました。

 「近年、日本でもイスラム金融への関心が高まり、さまざまな著書がすでにある。だがイスラム研究者の著作は概して理念に偏りがちで、実際の金融市場や取引の仕組みに疎く、金融実務家の解説は取引の仕組みに詳しい半面で、思想的な背景の認識が浅くなりがちでもあった。本書はこうした両者のミゾを埋める、包括的な概説書だ。
 著者はまず、1960年代の先駆的な試み、70年代のビジネス展開の始まりから、今日のグローバルな拡大まで、イスラム金融の歩みを時代の背景とともに概説する。イスラム法に適合するとされる各種の金融取引の基本的な仕組みと、流動性確保などの課題も比較的わかりやすく説く。
 そして、ふつう利子と訳されることが多い 「リバー」 の概念が、労働の投入による付加価値を伴わずに貨幣財を交換することだという本質的意味を指摘。なぜ、それが戒められるのかをイスラム法学をたどりながら検証する。
 そのうえで、イスラムの考え方は財の付加価値や技術革新を重視する誘因になり得ると著者は主張する。経済についてのイスラムの価値観を現代の中に位置付け直そうとする問題意識が伝わってくる。
 学術論文がベースになっており、一般読者には専門的すぎる部分も多いが、イスラムの 『経済学』 『経済学史』 『経済思想史』のテキストにもなり得る力作だ。」 (2011/2/20付「日本経済新聞」より)

長岡慎介 著
価格 4,800円
A5判・上製・258頁
ISBN978-4-8158-0658-3 C3033
在庫有り


「毎日新聞」 [2011/2/13付] から

労働時間の政治経済学
フランスにおけるワークシェアリングの試み

労働時間の政治経済学

清水耕一著 『労働時間の政治経済学』 が、「毎日新聞」 (2011/2/13付) にて紹介されました。

「副題に 『フランスにおけるワークシェアリングの試み』 とあるように労働時間を短縮し、雇用を増やそうという政策が、1998年におこなわれた。週35時間制である。著者はフランスでの現地調査を加えこれを追う。法案は成立したものの、これに反対の勢力は、骨抜きにするべく超過勤務手当に手をつけた。従来は4時間超過までは時間当り25%増し、それを超えると50%増しであったものを縮小した。こうした試みにもかかわらず、雇用者数は約30万人増加した。著者は成功と見る。参考になるのは、フランスのカレーに工場を建設したトヨタの実例である。なぜこの地を選んだのか、詳細な労働条件など、第一次資料にもとづく調査であり、政策を考える際役立つ本である。」 (2011/2/13付「毎日新聞」より)

清水耕一 著
価格 6,600円
A5判・上製・414頁
ISBN978-4-8158-0652-1 C3033
在庫有り


「朝日新聞」 [2011/2/10付、夕刊] から

中国返還後の香港
「小さな冷戦」 と一国二制度の展開

中国返還後の香港

『中国返還後の香港』の著者である倉田徹先生のインタヴュー記事が、「朝日新聞」 (2011/2/10付、夕刊) に掲載されました。

 「初めての単著 『中国返還後の香港』 で昨年末、第32回サントリー学芸賞を受賞した。
 『香港研究ここにありと大声で叫ぶような気持ちで書きあげました』。受賞後、そう述べた。
 幼稚園時代に初めて海外旅行を体験した。行く先は香港。『外国なのに漢字が使われている、と驚きました。外国といえば英語、というイメージがあったので』
 アルファベットを嫌い、中国で自転車をこぐことを夢見た小学校時代。1999年に大学院に進んだ際、香港を研究対象に決めた。
 その2年前に香港は中国に返還されていた。社会主義国の中に資本主義体制の香港がある 『一国二制度』 の始動だ。国に準じたイメージを持たれていた香港が、中国の 『一地方』 に。周囲から 『研究対象をもっと広げないと』 と心配されたが、『国の一部になったからこそ面白い』 と発奮した。
 受賞作は、大陸中国と香港との関係を 『小さな冷戦』 ととらえたうえで返還後の両者の関係を分析した力作だ。香港が大陸から離脱する方向にも大陸が香港を統合する方向にも先鋭化しない、不思議な共存状態の理由を、両者が 『繁栄と安定』 を求めて協力関係を維持しているからだ、と説く。
 『香港返還は“冷戦の終わりの始まり”だ』 とも語った。『返還以降、この冷戦のベクトルは終わりの方向へ向かっている。あとは、どのくらい時間がかかるか』
 近年は、中国の急速な経済発展で、香港の大陸への依存度が高まっている。また香港の政治的な自由が、隣接する広東省などへ浸透する傾向も見えるという。
 『今後は香港の観察を続けつつ、香港が広東省などにどのような政治的影響をもたらしているのかも調べていきたい』
 香港発の、新しい 『中国研究』 の道が開けるか。」 (2011/2/10付 「朝日新聞」 より、聞き手 : 塩倉 裕 氏)

倉田 徹 著
価格 5,700円
A5判・上製・408頁
ISBN978-4-8158-0624-8 C3031
在庫有り


『みすず』 [2011年1・2月合併号] から

「2010年読書アンケート」 より

2011年1・2月合併号 『みすず』 (みすず書房刊) の、「2010年読書アンケート」 にて下記の図書が紹介されました。

【原武史氏による紹介】
『「大東亜戦争」はなぜ起きたのか -汎アジア主義の政治経済史-』
松浦正孝 著

【宮下志朗氏による紹介】
『原典 イタリア・ルネサンス人文主義』
池上俊一 監修


『肥満研究』 [2010 VOL.16 NO.3] から (評者 : 宮崎 滋 氏)

肥満の疫学

肥満の疫学

フランク・B・フー著 『肥満の疫学』 (小林身哉・八谷寛・小林邦彦監訳) が、『肥満研究』 (2010 VOL.16 NO.3、日本肥満学会) にて紹介されました。

「……日本以上にアメリカでは肥満が蔓延し、多くの医療者が強い危機感を持って研究、診療を行っている。彼らの肥満と肥満に関わる研究、予防、治療について現在の知見を集約した本である。翻訳書であるため、日本の知見がないのではと思ったが、監訳者の心遣いで巻末に日本における肥満の疫学が補足されており、ありがたい。詳細な引用文献が各章に列挙され、それだけでも利用価値が高い。肥満・肥満症の診療、研究、指導に関わっておられる方なら、医師、コメディカル、保健事業者を問わず、座右の書として備えられることをお勧めしたい。」 (2010 VOL.16 NO.3 『肥満研究』 より 評者 : 宮崎 滋 氏)

フランク・B・フー 著
小林身哉・八谷 寛・小林邦彦 監訳
価格 9,500円
B5判・上製・492頁
ISBN978-4-8158-0644-6 C3047
在庫有り


『健康管理』 [2011/2号] から (評者 : 宮崎 滋 氏)

肥満の疫学

肥満の疫学

フランク・B・フー著 『肥満の疫学』 (小林身哉・八谷寛・小林邦彦監訳) が、『健康管理』 (2011/2号、保健文化社刊) にて紹介されました。

「……肥満の疫学的研究者として著名な中国出身のハーバード公衆衛生大学院教授フランク・B・フー (Frank B. Hu) がその大部分を執筆し、同大学院所属の研究者11名が一部を分担執筆し、2008年にオックスフォード大学出版部から英文で出版された 『Obesity Epidemiology』 ( 『肥満の疫学』 ) はNEJM、JAMA、AJE、IJEなど各種医学・疫学系雑誌の書評で絶賛を受けた。……(中略)……
……全てにおいて、欧米の大規模な研究の結果が淡々と示され、どのようにして肥満と向き合っていけばよいのかが力強く述べられている。専門分野に関わらず、健康に携わる全ての関係者が身近なところから活用できる書であろう。疫学にはなじみがない多くの保健・健康分野の読者のために監訳者たちが工夫し、日本語版のみ巻末に疫学統計学用語集が付されているのもありがたい。
 人はなぜ太ってしまうのか、どうすれば適正体重を維持することができるのか、科学的な理解のもとに王道を歩めば必ず明るい展望がひらける。本書は、肥満の予防・治療に携わるすべての人にその道を指し示している。」 (2011/2号 『健康管理』 より 評者 : 宮崎 滋 氏)

フランク・B・フー 著
小林身哉・八谷 寛・小林邦彦 監訳
価格 9,500円
B5判・上製・492頁
ISBN978-4-8158-0644-6 C3047
在庫有り


「日本経済新聞」 [2011/1/30付] から

日本のエネルギー革命
資源小国の近現代

日本のエネルギー革命

小堀聡著 『日本のエネルギー革命』 が、「日本経済新聞」 (2011/1/30付) にて紹介されました。戦後日本の高度成長への道を拓いたエネルギー革命の歴史的意義を、戦前 ~1960年に至る長期的視野で位置づけ直し、熱管理や臨海開発などの経済政策・企業活動を通じて、資源制約に需要・供給両面から効率的に対応し得た要因を示します。戦後経済史・環境史の理解に新たな扉を開く画期的成果!

小堀 聡 著
価格 6,800円
A5判・上製・432頁
ISBN978-4-8158-0660-6 C3033
在庫有り


「ロイター」 ウェブサイト・コラムから (評者 : 吉田悦章 氏)

現代イスラーム金融論

現代イスラーム金融論

長岡慎介著 『現代イスラーム金融論』 が、「ロイター」 ウェブサイトのコラムにて紹介されました。グローバル化するイスラーム金融の、初の本格的研究。金融システムや金融手法の今日的展開をふまえ、イスラーム金融の実践を世界観ごと外部から理解可能なロジックで分析します。利子と利得の基準、流動性問題への対応、不確実性の扱い方などを通して、根底にある志向を把握し、近代資本主義との関係でその現代性を明らかにするとともに、経済史的な普遍性をも指し示します。

「……本書は、間違いなくイスラム金融に関する最良の邦文文献であり、高い学術的価値を有する上に実務的なインプリケーションも多く含む大作である。…… 」 (「ロイター」ウェブサイト・コラムより 吉田悦章 氏)

長岡慎介 著
価格 4,800円
A5判・上製・258頁
ISBN978-4-8158-0658-3 C3033
在庫有り


「讀賣新聞」 [2011/1/16付] から (評者 : 細谷雄一 氏)
“絡まった糸ほどく”

日中国交正常化の政治史

日中国交正常化の政治史

井上正也著 『日中国交正常化の政治史』 が、「讀賣新聞」 (2011/1/16付) に掲載されました。

「東シナ海の波が荒れている。昨秋の尖閣諸島をめぐる日中対立の激化に、不安が膨らむ。今求められることは、戦後日中関係の起源を探り、そこに潜む問題の来歴を知ることではないか。
 そのための最良の一冊が生まれた。本書は、近年公開されたばかりの膨大な史料を駆使し、戦後の日中国交正常化までの歴史を正確かつ鮮やかに活写する。ページをめくる度に新鮮な驚きがある。絡まった糸がほどけていくようだ。
 才能あふれる若き著者は、従来の 「友好史観」 としての日中関係史から離れ、戦後日本の対中政策の主体性と制約の双方をバランスよく描写する。また冷戦や日米安保体制、国連外交の歴史が、それと交錯する。それでは何が戦後の日中関係を動かしてきたのか。それは 「台湾問題」 であった。台湾の国民政府への姿勢が、日本の対中政策を規定した。結局、台湾問題の法的決着を回避した 「不同意の同意」 に辿り着くことで、日中国交正常化が実現する。それは日中関係の脆弱で不安定な基礎となった。
 本書の功績の一つは、対中政策をめぐり政府が必ずしも一枚岩ではなかったことを明らかにしたことだ。そもそも吉田茂首相と外務省の意向との間には隙間があったし、外務省内でも 「法理」 を強調する条約局と、対米関係を最優先する現実主義者との違いは大きかった。加えて、これまで十分に論じられてこなかった外務省の中国専門家の役割も大きい。
 政治指導者も、対中政策をめぐり試行錯誤を続けてきた。米国に同調しながらも、反共主義的な政治攻勢としての中国大陸への 「逆滲透」 を図る吉田茂。「思い入れ」のある対中緊張緩和に挫折してからは、逆に国民政府への肩入れを増す佐藤栄作。彼らの熱い想いと現実の閉塞感が、日中関係の難しさと複雑さを物語る。
 本書の誕生は、戦後日中関係史研究の本格的な幕開けを告げる。次世代を牽引する卓越した外交史家の登場を歓迎したい。」 (2011/1/16付 「讀賣新聞」 より  評者 : 細谷雄一 氏)

井上正也 著
価格 8,400円
A5判・上製・702頁
ISBN978-4-8158-0653-8 C3031
在庫有り


『週刊 エコノミスト』 [2011/1/18号] から (評者 : 橘川武郎 氏)
“「顔の見える関係」が日本を救う”

地方からの産業革命
日本における企業勃興の原動力

地方からの産業革命

中村尚史著 『地方からの産業革命』 が、『週刊 エコノミスト』 (2011/1/18号、毎日新聞社刊)にて紹介されました。

 「リーマン・ショック以降、地方経済の苦悩は、いっそう深刻さを増している。地方経済の活性化なくして日本経済全体の再生がないことは、誰の目にも明らかである。そのような状況下に、地方が最も輝いていた時代、つまり明治期の産業革命の時代にどのような地域経済活性化のメカニズムが作用していたかを詳しく明らかにした、「時宜を得た歴史書」 が登場した。本書が、それである。
 本書は、地方経済が産業革命初期の企業勃興の原動力となったことを示したうえで、①地域経済活性化のメカニズム、②地域経済構造の変化、という2点の解明に取り組む。……(中略)……
 本書を読むと、地域経済の最大の特質が 「顔の見える関係」 にあることが、よく分かる。「顔の見える関係」 は、資本主義の発展とともに、匿名の市場取引によって後景に追いやられ、その役割を終えたかに見える。しかし、現実には今日でも、産業集積、農商工連携、まちづくり、地方版メーンバンクシステムなどの形をとって 「顔の見える関係」 が地域ブランドを作り出し、そのブランドが、地域を超えて(場合によっては国境を超えて)、製品の注文、観光客としての来訪などの形をとって匿名の外部市場から需要を呼び込む。これが、地域経済活性化を通じた日本経済再生の途であり、本書は、その途のあり方を照らし出している。」(橘川武郎 氏)

中村尚史 著
価格 5,600円
A5判・上製・400頁
ISBN978-4-8158-0645-3 C3033
在庫有り


『週刊読書人』 [2011/1/7号] から (評者 : 早島大祐 氏)
“宗教史的視角からの研究”

日本中世社会の形成と王権

日本中世社会の形成と王権

上島享著 『日本中世社会の形成と王権』 が、『週刊読書人』 (2011/1/7号、読書人刊) にて紹介されました。

「……著者の現在の考えをもっともよく示すのが巻頭の 「序章 本書の目的と視角」 ということになる。そこでは日本中世史にかんする研究史整理が要領よくまとめられているほか、日本史全体を視野に入れた文明史論的視角の必要性など歴史学の現状に関する著者の熱い思いが率直に開陳されている。その中で特に評者に印象深かったのが、哲学・史学・文学というかつての文学部的な枠組みや個別分野史を越えて全体史を構想に主眼を置くという文章であり、「テキストの多義的な読みを追求するものではなく、逆に、ロゴスの復権を目指すものといってもよい。脱構築を唱えることは実にたやすいが、個別分散化し混沌とした研究の現状から、もう一度、秩序を取り戻そうとする、ささやかな試みである」 という一文である。この言葉がポスト戦後歴史学だと騒いで迷走するきらいのある歴史学界にあって、学問の現在を担いつつある世代の著者から発せられたことの意味は極めて大きい。冒頭で大著が出される条件として二つを挙げたが、何よりも不可欠なのは、学問の現状へのまなざしも含めた、著者の視野の広さであることはいうまでもない。本書で提示される時代区分については、摂関期を重視する立場や、南北朝期以降の展開については、今後も議論を呼ぶところであるが、歴史史料を読解するという伝統的スタイルから全体史の構築とロゴスの復権をとなえる本書を、多くの人におすすめする次第である。」(早島大祐 氏)

上島 享 著
価格 9,500円
A5判・上製・996頁
ISBN978-4-8158-0635-4 C3021
在庫有り


「讀賣新聞」 [2010/12/26付] から (評者 : 野家啓一 氏)

自我の源泉
近代的アイデンティティの形成

自我の源泉

チャールズ・テイラー著 『自我の源泉』 (下川潔・桜井徹・田中智彦訳)が、「讀賣新聞」 (2010/12/26付) の、「読書委員が選ぶ『2010年の3冊』 」 にて、野家啓一氏により紹介されました。人間という主体についての近代的な理解、すなわち <近代的アイデンティティ> の複雑さと豊かさ、偉大さと危うさがいかに形成されてきたかを、隠れた道徳的立場とともに明らかにし、その真価を救出。共同体主義・多文化主義で知られるテイラーの主著、待望の邦訳です。

チャールズ・テイラー 著
下川 潔・桜井 徹・田中智彦 訳
価格 9,500円
A5判・上製・696頁
ISBN978-4-8158-0648-4 C3010
在庫有り


『週刊読書人』 [2010/12/24号] から

「2010年回顧 -動向・収穫-」 より

2010/12/24号 『週刊読書人』 (読書人刊)の、「2010年回顧 -動向・収穫-」 にて下記の図書が紹介されました。

【政治学】 (高田宏史氏による紹介)
『自我の源泉 -近代的アイデンティティの形成-』
チャールズ・テイラー 著/下川 潔・桜井 徹・田中智彦 訳

【イタリア文学】 (古賀弘人氏による紹介)
『原典 イタリア・ルネサンス人文主義』
池上俊一 監修

【英米文学】 (木下卓氏による紹介)
『クリティカル・モーメント -批評の根源と臨界の認識-』
高田康成 著

【日本古代史】 (木本好信氏による紹介)
【日本中世史】 (高橋秀樹氏による紹介)
『日本中世社会の形成と王権』
上島 享 著

【東洋史】 (関智英氏による紹介)
『文書行政の漢帝国 -木簡・竹簡の時代-』
冨谷 至 著

【2010年 書店動向】 (阪根正行氏による紹介)
『自我の源泉 -近代的アイデンティティの形成-』
チャールズ・テイラー 著/下川 潔・桜井 徹・田中智彦 訳


『図書新聞』 [2010/12/25号] から (評者 : 青木孝平 氏)

自我の源泉
近代的アイデンティティの形成

自我の源泉

チャールズ・テイラー著 『自我の源泉』 (下川潔・桜井徹・田中智彦訳) が、『図書新聞』 (2010/12/25号、図書新聞刊) の、「’10年下半期 読書アンケート」 にて紹介されました。

「……歴史・伝統・文化を異にする人間相互がどのように共同性を保持しうるのかという難問に、マルチ・カルチュラリズムの視点から挑んだ労作である。複合的アイデンティティを担う近代的自我は、偉大で豊饒な真価とともに脆弱な危うさを併せ持つ。この点を、関係性による道徳的負荷から探る独自の 「哲学的人間学」 は、宇野派的 「科学」 観や柄谷的 「アソシエーショニズム」 論の浅薄性をも焙り出さずにはおかない。」 (青木孝平 氏)

チャールズ・テイラー 著
下川 潔・桜井 徹・田中智彦 訳
価格 9,500円
A5判・上製・696頁
ISBN978-4-8158-0648-4 C3010
在庫有り


「朝日新聞」 [2010/12/19付] から (評者 : 姜 尚中 氏)

自我の源泉
近代的アイデンティティの形成

自我の源泉

チャールズ・テイラー著 『自我の源泉』 (下川潔・桜井徹・田中智彦訳) が、「朝日新聞」 (2010/12/19付) の、「書評委員お薦め 『今年の3点』 」にて、姜尚中氏により紹介されました。人間という主体についての近代的な理解、すなわち <近代的アイデンティティ> の複雑さと豊かさ、偉大さと危うさがいかに形成されてきたかを、隠れた道徳的立場とともに明らかにし、その真価を救出。共同体主義・多文化主義で知られるテイラーの主著、待望の邦訳です。

チャールズ・テイラー 著
下川 潔・桜井 徹・田中智彦 訳
価格 9,500円
A5判・上製・696頁
ISBN978-4-8158-0648-4 C3010
在庫有り


「毎日新聞」 [2010/12/12付] から (評者 : 五百旗頭 真 氏)
“2010年 「この3冊」”

日中国交正常化の政治史

日中国交正常化の政治史

井上正也著 『日中国交正常化の政治史』 が、「毎日新聞」 (2010/12/12付) に掲載されました。「不同意の同意」 へと至る20年の交渉を、台湾問題の決定的重要性や国内政治との相互連関を再評価して解明。友好史観、外的衝撃論、「二つの中国」 政策論などの通説を正すとともに、激しい外交闘争と和解の模索の両面からその政策過程を捉え直して、歴史的交渉の新たな全体像を描き出します。

井上正也 著
価格 8,400円
A5判・上製・692頁
ISBN978-4-8158-0653-8 C3031
在庫有り


『週刊読書人』 [2010/12/3号] から (評者 : 辻 康夫 氏)
“西洋文明を支配する 〈善〉 の変遷”

自我の源泉
近代的アイデンティティの形成

自我の源泉

チャールズ・テイラー著 『自我の源泉』 (下川潔・桜井徹・田中智彦訳) が、『週刊読書人』 (2010/12/3号、読書人刊) にて紹介されました。

「……日本ではこれまで、テイラーは 「コミュニタリアン」 「多文化主義者」 としてのみ言及されることが多かったが、本書の刊行によって、テイラーの思想への理解が大きく進むことが期待される。たとえば(しばしば誤解されるところとは異なり)、テイラーが近代自由主義の価値を高く評価していることがよく理解されるであろう。また、文化の断絶を超える 「地平の融合」 が何を意味するかについては (その困難もふくめて)、本書という実例を通して明確なイメージが与えられるであろう。訳文はよく練られ、訳者解説は大変有用である。……」(辻 康夫 氏)

チャールズ・テイラー 著
下川 潔・桜井 徹・田中智彦 訳
価格 9,500円
A5判・上製・696頁
ISBN978-4-8158-0648-4 C3010
在庫有り


『医道の日本』 [2010/12号] から

痛み学
臨床のためのテキスト

痛み学

ジェニー・ストロング他編 『痛み学』 (熊澤孝朗監訳・山口佳子編訳) が、『医道の日本』 (2010/12号、医道の日本社刊) にて紹介されました。医療の現場では避けて通れない痛みのメカニズム・評価・マネジメント、痛みと心理・生活スタイル等を包括的に解説し、エビデンスに基づいた効果的な介入・治療を促します。作業療法士・理学療法士ほか、痛みの治療・研究に携わる人のための、国際的テキストの邦訳新版。

ジェニー・ストロング 他編
熊澤孝朗 監訳/山口佳子 編訳
価格 6,600円
B5判変型・並製・578頁
ISBN978-4-8158-0646-0 C3047
在庫有り


『看護教育』 [2010/12号] から

看護師の熟練形成
看護技術の向上を阻むものは何か

看護師の熟練形成

下野恵子・大津廣子著 『看護師の熟練形成』 が、『看護教育』 (2010/12号、医学書院刊) にて紹介されました。わが国の看護師の熟練形成がうまくいっていないのはなぜか? 看護師は本当に不足しているのか? —— 医療と看護の現在を、各種調査にもとづく国際比較や内在分析から冷静に捉え、真の“医療崩壊”を防ぐために、看護師の仕事とスキルアップを支援する制度を提言します。

下野恵子・大津廣子 著
価格 4,200円
A5判・上製・264頁
ISBN978-4-8158-0647-7 C3047
在庫有り


「讀賣新聞」 [2010/11/14付] から (評者 : 片山杜秀 氏)
“人間は本当に偉いのか”

自我の源泉
近代的アイデンティティの形成

自我の源泉

チャールズ・テイラー著 『自我の源泉』 (下川潔・桜井徹・田中智彦訳) が、「讀賣新聞」 (2010/11/14付) にて紹介されました。

「 「人命は地球より重い」。かつて福田赳夫首相はそう述べた。日本国憲法も個人の尊厳と人格の絶対を基調としている。福沢諭吉は 「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」 という名言を残した。
 とにかく人間は人間様なのだ。みんなが等しくものすごく偉い。日本に限らず近代世界の常識だ。
 誰がそんな常識を拵えたか。本書によればデカルトやロックやカントという。人間には等しく偉大な理性がある。道徳律にしたがい、善悪を判断できる。ひとりひとりが神にも匹敵する知性だ。だから偉い。
 この常識に著者は異を唱える。デカルトの『精神指導の規則』やロックの 『人間知性論』 は、人間を機械になぞらえすぎていないか。扱い方を誤らねば誰しも理性を満遍なく発揮できる? そんなことがあるか。
 著者は考える。人間精神は機械のように、最初から出来上がってはいない。説明書通りにすれば一丁上がりではない。大切なのは時間だ。長い人生に様々な経験を重ねて迷い続け、ついに真の理性に触れられるかどうか。人間なんてその程度。
 そこで著者の共感するのは、ルソーの 『エミール』 やモンテーニュの 『エセー』 やプルーストの 『失われた時を求めて』。どの本にも明快な結論がない。自己省察や観想が続くばかり。ああ言えばこう言う。
 人間の真実はマニュアルにならない。自我の源泉は道徳や善を求め彷徨するところにある。ところが、デカルトらには彷徨し成長する時間の思想がない。人間を完璧な神になぞらえ、最初から十分な理性があって当然と思っている。間違いだ。
 人間には、彷徨の経験の度合いによって、上下貴賤がある。そして魂を賤から貴へと常に鍛錬してゆく義務もある。その義務を放棄している人間に権利も尊厳もへちまもない。
 人間は、はなから人間様ではない。錯覚するな! 自由主義と個人主義の上に居直り、奢り高ぶった現代人への警告の書。」 (片山杜秀 氏)

チャールズ・テイラー 著
下川 潔・桜井 徹・田中智彦 訳
価格 9,500円
A5判・上製・696頁
ISBN978-4-8158-0648-4 C3010
在庫有り


「日本経済新聞」 [2010/11/14付] から (評者 : 中林真幸 氏)
“温かくしたたかな企業家たち”

地方からの産業革命
日本における企業勃興の原動力

地方からの産業革命

中村尚史著『地方からの産業革命』が、「日本経済新聞」 (2010/11/14付) に掲載されました。

「……地方経済を語るとき、私たちはともすると、経済合理性とは違う何か別のものの方が大切であるかのように思ってしまう。しかし、産業革命を駆け抜けた企業家たちは、そんな幻想には囚われなかった。仲間内の濃密なネットワークは、より早く、深く事業機会を発見するための情報網であった。たとえば山口発のファーストリテイリングがそうであるように、敏速かつ冷徹に、のろまな中央を出し抜く企業家が、「地方からの産業革命」 を支えたのである。」(中林真幸 氏)

中村尚史 著
価格 5,600円
A5判・上製・400頁
ISBN978-4-8158-0645-3 C3033
在庫有り


「朝日新聞」 [2010/11/7付] から (評者 : 姜 尚中 氏)
“善と結びつき広がる近代的自我の可能性”

自我の源泉
近代的アイデンティティの形成

自我の源泉

チャールズ・テイラー著 『自我の源泉』 (下川潔・桜井徹・田中智彦訳) が、「朝日新聞」 (2010/11/7付) に掲載されました。

「本書を読みながら思い出したのは、夏目漱石のことである。小説 『こころ』 で、自殺する主人公の先生に、自由と独立と己をほしいままにして現代に生きるわれわれはこの寂しさを味わわなければならないと語らしめている漱石は、近代的な自我の迷路の中で懊悩し続けた。本書には、まるでそのような漱石の苦悩に応えようとする哲学的人間学の趣があるのだ。
 筆者は、いま最も旬な哲学者として名高いマイケル・サンデルの師匠とも言えるチャールズ・テイラーである。ドイツの哲学者、ヘーゲルに関する研究で名高いテイラーは、哲学史的洞察と分析的方法を駆使しながら、わたしたちが主体や自我、人格として呼び習わしている 「近代的アイデンティティ」 を明確化し、その明と暗、偉大さと不幸の複雑に入り交じった諸相を明らかにしていく。……(中略)……
 テイラーのみるところ、こうした近代的なアイデンティティには、三つの特徴が備わっている。「内面性の感覚」 「日常生活の肯定」 「自然についての表現主義的な考え方」 である。テイラーに言わせると、問題なのは、近代 (その延長にある現代) を支配するリベラリズムや 「自然主義」 の思想では、自我や主体、人格が 「善」 (good) から切り離され、わたしたちの欲望や傾向、選択とは独立した 「善き生」 (good life) の感覚が失われていることである。……
 このような自我と自我とのぶつかり合いは、内面性の尊重による乾いた、何事にも距離を置く理性による 「道具的制御」 に基づいて、自己と他者をも手段の地位に貶めてしまわざるをえない。……(中略)…… 自我は善と結びつけられることで、正しい行いという狭苦しい道徳から解き放たれ、自分の尊厳や価値ある生き方や人生の意味と生き生きとした関連を見いだすことができることになる。
 浩瀚だが決して難解ではない本著は、わたしたちが見失いつつある、望ましい人生の意味に伴う畏敬や尊重の感情を取り戻すヒントを与えてくれる。訳者たちの労を多としたい。」(姜 尚中 氏)

チャールズ・テイラー 著
下川 潔・桜井 徹・田中智彦 訳
価格 9,500円
A5判・上製・696頁
ISBN978-4-8158-0648-4 C3010
在庫有り


『日経サイエンス』 [2010/12号] から

宇宙史を物理学で読み解く
素粒子から物質・生命まで

宇宙史を物理学で読み解く

福井康雄監修 『宇宙史を物理学で読み解く』 が、『日経サイエンス』 (2010/12号、日本経済新聞出版社刊) にて紹介されました。すべての始まりビッグバン、ダークエネルギーにより膨張する宇宙、星や銀河の形成、そして私たち生命の誕生……137億年の宇宙史を、最新の研究成果に基づき、わかりやすく語ります。天体物理や物性物理といった枠を越え、理論と実験とが連携して宇宙と物質の起源を探る旅。

福井康雄 監修
飯嶋 徹・杉山 直・平島 大・伊藤 繁 編
価格 3,500円
A5判・上製・256頁
ISBN978-4-8158-0639-2 C0042
在庫有り


「日本経済新聞」 [2010/10/17付] から (評者 : 佐々木卓也 氏)

グローバル冷戦史
第三世界への介入と現代世界の形成

グローバル冷戦史

O・A・ウェスタッド著 『グローバル冷戦史』 が、「日本経済新聞」 (2010/10/17付) に掲載されました。

「……現在アメリカ、そして国際社会が焦眉の対応を迫られているアフガニスタン、イラン、パキスタン、さらにはソマリア等の問題を見る時、それらの多くが冷戦期アメリカとの関係に派生していることがわかる。まさに冷戦の負の遺産である。20年前冷戦に勝利を収めたことを確信したアメリカは冷戦外交の成果を自画自賛したが、第三世界政策の失敗については検証することがなく、それらを都合の悪いエピソードとして片付けて、ほとんど忘却してしまった。著者はその知的健忘が第三世界、とくにイスラーム諸国におけるアメリカ外交の苦しい現状を説明していると示唆する。本書は第三世界諸国と冷戦の相互関係の単なる再検討に止まらない知的刺戟を与えてくれる、実に骨太の力作である。」 (佐々木卓也 氏)

O・A・ウェスタッド 著
佐々木雄太 監訳
小川浩之・益田 実・三須拓也・三宅康之・山本 健 訳
価格 6,600円
A5判・上製・508頁
ISBN978-4-8158-0643-9 C3031
在庫有り


『週刊現代』 [2010/10/23号] から (評者 : 原 武史 氏)

「大東亜戦争」 はなぜ起きたのか
汎アジア主義の政治経済史

「大東亜戦争」はなぜ起きたのか

松浦正孝著 『「大東亜戦争」はなぜ起きたのか』 が、『週刊現代』 (2010/10/23号、講談社刊) にて紹介されました。

「多くの歴史家は『なぜ』を封印してしまうが、著者はまず問いありき。学者らしい堅実な文体の裏にある『誰も答えたことがない問いに挑戦するんだ』という熱い思いが胸を打つ。同じ学者として著者の真摯な姿勢に大いに学びたい」

松浦正孝 著
価格 9,500円
A5判・上製・1,092頁
ISBN978-4-8158-0629-3 C3021
在庫有り


「朝日新聞」 [2010/10/10付] から

帝国の研究
原理・類型・関係

帝国の研究

山本有造編 『帝国の研究』 が、「朝日新聞」 (2010/10/10付) にて紹介されました。帝国の多様な歴史を貫く原理とは何か? 史上にあらわれた帝国群の存立構造とその核心 を、グローバルヒストリー研究の潮流や国民国家形成との関連を踏まえて掴み出す。帝国の肖像を、経済・思想・政治・文化の面からトータルに浮かび上がらせた、第 一線の論者による画期的帝国論です。

山本有造 編
価格 5,500円
A5判・上製・406頁
ISBN978-4-8158-0473-2 C3022
在庫有り


「朝日新聞」 [2010/10/6付、夕刊] から

生態系サービスという挑戦
市場を使って自然を守る

生態系サービスという挑戦

『生態系サービスという挑戦』 (グレッチェン・C・デイリー/キャサリン・エリソン著) の訳者の一人である宗宮弘明先生 (名古屋大学名誉教授) のインタヴュー記事が、「朝日新聞」 (2010/10/6付、夕刊) に掲載されました。

「市場主義で自然守る ——
……宗宮さんも市場主義には抵抗があった。「それこそ自然破壊の元凶じゃないか」 と。しかし、「自然の恵み」 と一言で表現せず、食物や水の供給、洪水調節、文化といった多様な生態系サービスととらえ直し、市場評価によって保護のてこ入れをしようという発送の斬新さにひかれた。……」

グレッチェン・C・デイリー/キャサリン・エリソン 著
藤岡伸子・谷口義則・宗宮弘明 訳
価格 3,400円
四六判・上製・392頁
ISBN978-4-8158-0649-1 C0040
在庫有り


『ソトコト』 [2010/11号] から

生態系サービスという挑戦
市場を使って自然を守る

生態系サービスという挑戦

グレッチェン・C・デイリー/キャサリン・エリソン著 『生態系サービスという挑戦』 (藤岡伸子・谷口義則・宗宮弘明 訳) が、『ソトコト』 (2010/11号、木楽舎刊) にて紹介されました。

「……1990年代から生物多様性条約や気候変動枠組み条約を制定するなど、持続可能な開発のためのルールづくりを進めようとしている。しかし、十分な成果をあげているとはまだ言い難い。その理由の一つが「経済」の問題だ。環境保全にかかる「コスト」を一方的な出費と考え、自然の利用に関して、各国の利害関係の話になってくると、歩みが遅くなる。
 本書は、……(中略)……自然を 「市場価値」 で判断し、経済活動と自然保護を融合させるような、世界各地で現れてきている新しい試みを現地で取材をし、レポートをしている。
 COP10では、環境保全とビジネスの問題が大きなテーマとなってくる。会議の行き先を見守るためにも、世界の先進的事例が網羅された本書は、格好のガイド本となるはずだ。」

グレッチェン・C・デイリー/キャサリン・エリソン 著
藤岡伸子・谷口義則・宗宮弘明 訳
価格 3,400円
四六判・上製・392頁
ISBN978-4-8158-0649-1 C0040
在庫有り


「東京新聞」 [2010/10/3付] から

生態系サービスという挑戦
市場を使って自然を守る

生態系サービスという挑戦

グレッチェン・C・デイリー/キャサリン・エリソン著 『生態系サービスという挑戦』 (藤岡伸子・谷口義則・宗宮弘明 訳) が、「東京新聞」 (2010/10/3付) にて紹介されました。善意に頼った運動だけでは行きづまりつつある環境保全・自然再生にとって、切り札といえる 「生態系サービス」。本書は、従来の枠を大きく超えたスタイルで、世界各地で自然保全に取り組む人々を、ピューリッツアー賞作家らが鮮やかな筆致で描き出します。自然を経済に組み込む新しい試み。

グレッチェン・C・デイリー/キャサリン・エリソン 著
藤岡伸子・谷口義則・宗宮弘明 訳
価格 3,400円
四六判・上製・392頁
ISBN978-4-8158-0649-1 C0040
在庫有り


『図書新聞』 [2010/9/18号] から (評者 : 米田綱路 氏)

グローバル冷戦史
第三世界への介入と現代世界の形成

グローバル冷戦史

O・A・ウェスタッド著 『グローバル冷戦史』 が、『図書新聞』 (2010/9/18号、図書新聞刊) にて紹介されました。

「……本書は、この時期にあって両超大国が第三世界に対してどのような政策をとり、介入したか、その原因と動機、背景にいたるまでを詳細に跡づけた大著である。冷戦期における両超大国の介入を推進したイデオロギー的起源と、その介入を促した第三世界の政治的変容の関係史を読み解き、冷戦構造をダイナミックにえがく点に、本書の最大の特徴がある。……(中略)……
 米ソのイデオロギー対立の対立点に主眼を置き、冷戦の終結を共産主義に対する自由民主主義と市場経済の勝利と捉える勝利主義に拘束された冷戦史観を、ウェスタッドはモラルとパワーを混同したイデオロギーだとしてしりぞける。むしろ彼は、冷戦期に米ソを規定した介入政策が現在もなお継続しているという認識から、両超大国に共通する近代化イデオロギーとそれによって推進された第三世界への介入が、多くの国を破壊的な内戦状態に導いた経緯を明らかにしている。そして、介入を善の輸出・注入として疑わない両超大国のイデオロギーが、介入先の社会を荒廃させ、自力では対応できないような困難を根づかせた原因を歴史的に分析したのである。……(中略)……
 ウェスタッドは、米ソによる支配の様式を 「帝国」 と捉えるよりも、冷戦期という特定の時間的文脈のなかで、それらの様式を記述することを目的とする。そして冷戦を、20世紀後半を特徴づけた歴史的な一時期として捉えると同時に、共産主義と資本主義・自由民主主義という二つの対立するヨーロッパ近代思想に基礎を置いた、きわめて特徴的な国際システムを形成させた現象としても捉える。……(中略)……
 ただしウェスタッドは、介入をめぐる両超大国と第三世界との関係を、たんに対立的にのみ記述するわけではない。むしろ第三世界各地のエリートが、介入を助長する重要な役割をはたしたことに注目する。エリートたちは、両超大国のイデオロギーを信奉し、それを自国内で達成すべき目標と結びつけた。つまり超大国の介入によって、それなくしては達成できない経済的、軍事的、政治的目標を達成することを狙ったわけである。……(中略)……
 ウェスタッドはグローバル冷戦史をえがいた末に、一つの教訓を導き出している。それは、一方的な軍事介入は誰の利益にもならず、国境を開いて文化的相互作用を進め、多様性を認めつつ相互交流を活性化させることが、すべてにとっての利益となるという基本的な教訓である。「冷戦は、これとは反対の事態が生じ、グローバルな介入の仕組みが根を下ろした時に、世界はどうなってしまうかを示すおぞましい前例として歴史に残るだろう」。この前例への考察を深めるために、最新の冷戦史研究を読む意義は大きい。」

O・A・ウェスタッド 著
佐々木雄太 監訳
小川浩之・益田 実・三須拓也・三宅康之・山本 健 訳
価格 6,600円
A5判・上製・508頁
ISBN978-4-8158-0643-9 C3031
在庫有り


『日経サイエンス』 [2010/10号] から

宇宙史を物理学で読み解く
素粒子から物質・生命まで

宇宙史を物理学で読み解く

福井康雄監修 『宇宙史を物理学で読み解く』 が、『日経サイエンス』 (2010/10号、日本経済新聞出版社刊) にて紹介されました。すべての始まりビッグバン、ダークエネルギーにより膨張する宇宙、星や銀河の形成、そして私たち生命の誕生……137億年の宇宙史を、最新の研究成果に基づき、わかりやすく語ります。天体物理や物性物理といった枠を越え、理論と実験とが連携して宇宙と物質の起源を探る旅。

福井康雄 監修
飯嶋 徹・杉山 直・平島 大・伊藤 繁 編
価格 3,500円
A5判・上製・256頁
ISBN978-4-8158-0639-2 C0042
在庫有り


『文藝春秋 オール讀物』 [2010/9号] から (評者 : 丸谷才一 氏)

「満洲」 の成立
森林の消尽と近代空間の形成

「満洲」の成立

安冨歩・深尾葉子編 『 「満洲」 の成立』 が、『オール讀物』 (2010/9号、文藝春秋刊) にて紹介されました。

 「……この本は、満州は中国のほかの地域とどう違ふか、なぜ違ふかといふ研究である。七人のいろんな方面の学者 (経済学者が多い) による学際的著作で、じつにおもしろい。いはゆる経済学書とはまるで違ふ。
 たとえば序章は編者の一人である深尾葉子さんが書いてゐて、「バイコフに捧ぐ」。わたしはこれを見て何が何だかわからなくなり、え? あのバイコフ? 虎のバイコフ? とびつくりした。
 ……(中略)……著者たちは言ふ。近代満州社会の成立は、商品作物としての満州大豆の成立過程である。まづ漕運 (水上運輸) といふシステムの副産物として華中の木綿の商品生産が満州大豆と結びつき、これに端を発して満州大豆が華南の甘蔗畑にもたらされることになつた。日露戦争のせいで、日本の水田、ヨーロッパの搾油工業、牧畜業と結びついたが、第二次大戦で衰へることになる。
 かうして満洲大豆は世界史とかかはりあつた。
 近代日本が国内の農業生産性を急にあげることができた一因は、満州大豆の粕を水田に入れたことであつた。つまり近代日本の成功 (とまで著者たちは言つてゐないけれど) はどうやら満州大豆のおかげらしい。
 まして満州それ自体への作用はすさまじい。満洲の人口爆発も、森林消滅も、県城経済システムの出現も、張作霖政権の成立も、さらには満州国の出現も、みな大豆のたまものであるとこの本の著者たちは説く。いや、満鉄の繁盛だつて大豆のおかげなので、もしも大豆がなければあんなに利益をあげることができなかつた。たしかに、運ぶべきものがほかにあんまりないのだから、大豆あつての満鉄であつたといふのは納得できる。
 わたしはなるほどなあと大きくうなづき、これで幼少のころ以来の疑問がかなり解けたと喜んだ。そして、これはおもしろい共同研究だ、環境問題を含む新しい特異な角度から近代アジア史を眺望している、彼らが尊敬するブローデルの学風をじつによく学んでゐる、この共同研究の中心となった安冨歩さんといふ学者はよほど偉い人に相違ない。この本について司馬さんと語りあひたかつたなあと思ひながらわたしは缶ビールを飲み、枝豆 (満州大豆にあらず、鶴岡は白山のダダチヤ豆) を口にする。……」(丸谷才一 氏)

安冨 歩・深尾葉子 編
価格 7,400円
A5判・上製・576頁
ISBN978-4-8158-0623-1 C3022
在庫有り


「日本経済新聞」 [2010/8/22付] から

公立大学の誕生
近代日本の大学と地域

公立大学の誕生

吉川卓治著 『公立大学の誕生』 が、日本経済新聞 (2010/8/22付) にて紹介されました。大学と地域の関係はいかにあるべきか? —— 初の公立大学である大阪医科大学の学長、佐多愛彦の大学論に着目し、公立大学理念の形成過程と内実を解明します。大学令の成立経緯を考察するとともに、各地での公立大学設立への動きを周到にたどり、近年急増した公立大学を根源から見つめ直す力作です。

吉川卓治 著
価格 7,600円
A5判・上製・408頁
ISBN978-4-8158-0641-5 C3037
在庫有り


「朝日新聞」 [2010/7/27付、夕刊] から

アレクサンドロス変相
古代から中世イスラームへ

アレクサンドロス変相

『アレクサンドロス変相』 の著者である山中由里子先生のインタヴュー記事が、「朝日新聞」 (2010/7/27号、夕刊) に掲載されました。大王が征服した広大な地域に流布した伝承を、宗教・政治・歴史の分野にわたって、アラブ・ペルシアの多様なテクストにたどり、語りや図像の担い手たちが求めた 「真実」 に迫ります。アレクサンドロスが内包する本質と、古代世界の遺産を受けいれ再解釈していくムスリムの精神史をみごとに浮かび上がらせた力作です。

山中由里子 著
価格 8,400円
A5判・上製・588頁
ISBN978-4-8158-0609-5 C3022
在庫有り


『週刊エコノミスト』 [2010/8/3号] から

世界経済の歴史
グローバル経済史入門

世界経済の歴史

金井雄一・中西聡・福澤直樹編 『世界経済の歴史』 が、『週刊エコノミスト』 (2010/8/3号、株式会社毎日新聞社刊) にて紹介されました。世界の経済はどのような軌跡をたどってきたのか?—— グローバル・ヒストリーなどの最新の成果と経済史研究の蓄積をもとに、欧米・アジアなど世界各地域の発展過程をバランスよく記述、通史編とテーマ編の二部構成で学ぶ経済史入門の新たなスタンダードです。

金井雄一・中西 聡・福澤直樹 編
価格 2,800円
A5判・並製・368頁
ISBN978-4-8158-0642-2 C3033
在庫有り


『週刊読書人』 [2010/7/23号] から (評者 : 関 智英 氏)

「大東亜戦争」 はなぜ起きたのか
汎アジア主義の政治経済史

「大東亜戦争」はなぜ起きたのか

松浦正孝著 『 「大東亜戦争」 はなぜ起きたのか』 が、『週刊読書人』 (2010/7/23号、読書人刊) の 「上半期の収穫から」 にて紹介されました。なぜ日本は 「アジア解放の聖戦」 という理念を掲げながら、アジア諸国を植民地とし侵略したのか?—— 本書は、これまで誰も正視してこなかった松井石根と大亜細亜協会を中心とする汎アジア主義の視角から、「大東亜戦争」 への道を読み解きます。植民地との連動やグローバルなヒト・モノの動きも含め、首相・大将・博士から最底辺の労働者に至るまで、日本社会を戦争へと導いたものを初めてトータルに把握し、新たな歴史像を提示した渾身の力作です。

松浦正孝 著
価格 9,500円
A5判・上製・1,092頁
ISBN978-4-8158-0629-3 C3021
在庫有り


「中日新聞」 [2010/6/28付、夕刊] から

宇宙史を物理学で読み解く
素粒子から物質・生命まで

宇宙史を物理学で読み解く

福井康雄監修 『宇宙史を物理学で読み解く』 が、中日新聞 (2010/6/28付) にて紹介されました。すべての始まりビッグバン、ダークエネルギーにより膨張する宇宙、星や銀河の形成、そして私たち生命の誕生……137億年の宇宙史を、最新の研究成果に基づき、わかりやすく語ります。天体物理や物性物理といった枠を越え、理論と実験とが連携して宇宙と物質の起源を探る旅。

福井康雄 監修
飯嶋 徹・杉山 直・平島 大・伊藤 繁 編
価格 3,500円
A5判・上製・256頁
ISBN978-4-8158-0639-2 C0042
在庫有り


『図書新聞』 [2010/6/26号] から (評者 : 伊達政保 氏)

「大東亜戦争」 はなぜ起きたのか
汎アジア主義の政治経済史

「大東亜戦争」はなぜ起きたのか

松浦正孝著 『 「大東亜戦争」 はなぜ起きたのか』 が、『図書新聞』 (2010/6/26号、図書新聞社刊) にて紹介されました。なぜ日本は 「アジア解放の聖戦」 という理念を掲げながら、アジア諸国を植民地とし侵略したのか?—— 本書は、これまで誰も正視してこなかった松井石根と大亜細亜協会を中心とする汎アジア主義の視角から、「大東亜戦争」 への道を読み解きます。植民地との連動やグローバルなヒト・モノの動きも含め、首相・大将・博士から最底辺の労働者に至るまで、日本社会を戦争へと導いたものを初めてトータルに把握し、新たな歴史像を提示した渾身の力作です。

松浦正孝 著
価格 9,500円
A5判・上製・1,092頁
ISBN978-4-8158-0629-3 C3021
在庫有り


『週刊エコノミスト』 [2010/6/1号] から

「大東亜戦争」 はなぜ起きたのか
汎アジア主義の政治経済史

「大東亜戦争」はなぜ起きたのか

松浦正孝著 『 「大東亜戦争」 はなぜ起きたのか』 が、『週刊エコノミスト』 (2010/6/1号、毎日新聞社刊) にて紹介されました。なぜ日本は 「アジア解放の聖戦」 という理念を掲げながら、アジア諸国を植民地とし侵略したのか?—— 本書は、これまで誰も正視してこなかった松井石根と大亜細亜協会を中心とする汎アジア主義の視角から、「大東亜戦争」 への道を読み解きます。植民地との連動やグローバルなヒト・モノの動きも含め、首相・大将・博士から最底辺の労働者に至るまで、日本社会を戦争へと導いたものを初めてトータルに把握し、新たな歴史像を提示した渾身の力作です。

松浦正孝 著
価格 9,500円
A5判・上製・1,092頁
ISBN978-4-8158-0629-3 C3021
在庫有り


『週刊エコノミスト』 [2010/6/1号] から (評者 : 橘川武郎 氏)

「在日企業」 の産業経済史
その社会的基盤とダイナミズム

「在日企業」の産業経済史

韓載香著 『 「在日企業」 の産業経済史』 が、『週刊エコノミスト』 (2010/6/1号、毎日新聞社刊) にて紹介されました。

「……(省略)……本書の登場によって、日本の民族マイノリティー研究は、一挙に世界的なレベルへ到達したと言うことができる。
 本書の第1の特徴は、高い実証性にある。……(中略)……
 第2の特徴は、経済的視点に立って分析を進めていることである。その結果、本書では、……(中略)…… 「サービス産業化に対する能動的な対応の結果としての速い変化」 という在日企業の特質の析出に成功している。これは、在日コミュニティーに関して、「差別」 ではなく 「区別」 を重視する視角であり、やや 「差別」 を強調し過ぎるきらいがあった既存研究の主張に比べて、本書の立論がより大きなリアリティーを持つ理由は、この視角に求めることができる。
 第3の特徴は、歴史的視点を貫いていることである。……(中略)……戦後日本社会においては、「開かれた市場における在日企業および在日産業の成長の結果、一般社会との関係が深まるとしても、その関係の深まりが同時にコミュニティの産業経済を底上げして活力を生み出しうるのであり、コミュニティとの関連が弱くなったわけではなかった」。これは、本書が新たに発掘した、戦後日本史の重要な実相であろう。……(省略)……」 (橘川武郎 氏)

韓 載香 著
価格 6,000円
A5判・上製・450頁
ISBN978-4-8158-0631-6 C3033
在庫有り


朝日新聞 [2010/5/9付 (日)] から

「在日企業」 の産業経済史
その社会的基盤とダイナミズム

「在日企業」の産業経済史

韓載香著 『 「在日企業」 の産業経済史』 が、朝日新聞 (2010/5/9付) にて紹介されました。エスニック・マイノリティの経済発展を可能にするものとは何か? 在日韓国・朝鮮人による製造業・土木業・パチンコ産業などへの集中と、迅速な産業転換によるダイナミックな発展過程を、差別など既存の説明を乗り越えて鮮やかに解明、世界的視野で移民の経済理論に新たな展望を拓きます。

韓載香 著
価格 6,000円
A5判・上製・450頁
ISBN978-4-8158-0631-6 C3033
在庫有り


『週刊読書人』 [2010/4/30付] から (評者 : 丸川哲史 氏)

「大東亜戦争」 はなぜ起きたのか
汎アジア主義の政治経済史

「大東亜戦争」はなぜ起きたのか

松浦正孝著 『 「大東亜戦争」 はなぜ起きたのか』 が、『週刊読書人』 (2010/4/30付、読書人刊) にて紹介されました。

 「本書序論の直前に、竹内好が1942年9月に書いた 「新しい支那文化」 の一節が掲げられている。……(中略)…… その引用では、「大東亜戦争」 (及び 「支那事変」) なる言葉が括弧に括られることなく踊っている。本書は、まさにそれら現場的発話を研究者として慎重に括弧で括りながら分析するという一つの自覚的な選択の上に成立しており、それは成功している。
 つまりそれは、太平洋戦争、またアジア太平洋戦争といった歴史概念の外来性、事後性を突破したいがためであり、また、戦後におけるいわゆる右派イデオロギーによる 「開き直り」 からも距離を置くための戦略的施策である。時間を置いた今だからこそできるのは、サブタイトルにもあるように、政治経済過程として 「大東亜戦争」 に到る道筋を誠実に分析することである。……(中略)……
 さらに、本書が重視する政治経済過程を駆動するイデオロギー装置たる、「汎アジア主義」 の展開動力としての中間団体 (大亜細亜協会など) や個人 (松井石根など) の活動に目を配ったのも本書のメリットである。しかしそこは、また多く批評される可能性も潜在する。その 「汎アジア主義」 がどれほど 「戦争」 に到る原因の実体たるのか、という反論である。しかし実体は、実体のままでは保存できないものであり、「その後」 の時間を生きる人間が生み出すものである。その意味でも、本書は、「大東亜戦争」 の戦略的決着としての東京裁判内部の力関係や意図といったものとの関連でも、「大東亜戦争」 の意味を深く考察しており、その姿勢に共感できる。
 今日東アジアでは、ポスト冷戦、ポストコロニアルと言いながら、実はほとんど脱冷戦が実現せず、植民地責任が果たされていない中、「東アジア共同体」 なる概念が、また政府筋、経済界筋などによって立ち挙げられんとしている。その最中、著者は、そのような 「 (現世利益的) アジア」 であっても現在に繋がる歴史的負荷 (過去) とともに想起されることは無視できない、とする立場を採っている。まさにそのとおりである。……(後省略)」 (丸川哲史 氏)

松浦正孝 著
価格 9,500円
A5判・上製・1,092頁
ISBN978-4-8158-0629-3 C3021
在庫有り


毎日新聞 [2010/4/25付 (日)] から (評者 : 白石 隆 氏)

体制移行の政治経済学
なぜ社会主義国は資本主義に向かって脱走するのか

体制移行の政治経済学

中兼和津次著 『体制移行の政治経済学』 が、毎日新聞 (2010/4/25付) にて紹介されました。

 「1989年のベルリンの壁の崩壊と旧東欧の民主化、1991年のソ連邦の解体から20年、1978年の中国の改革・開放からは30年以上の時が経過した。これらの国々の中には、中国、ベトナムのように党国家体制を維持しているところもあれば、中欧諸国のように民主制のところ、またロシアのように党国家とは違うタイプの権威主義体制に転換したところもある。しかし、経済体制としては、すべての国で社会主義から資本主義への転換が起こった。なぜか。その過程はどのようなものだったのか。その首尾はどう評価できるか。
 これが本書の目的である。したがって、本書では、この30年の社会主義から資本主義への体制移行の経験が、社会主義の理念、社会主義経済の現実、社会主義崩壊の理論的根拠、体制移行戦略、移行過程、移行の結果と評価といった観点から、体系的に論じられる。その意味で、本書は、体制移行研究を概観する上で非常に貴重である。……」(白石 隆 氏)

中兼和津次 著
価格 3,200円
A5判・上製・354頁
ISBN978-4-8158-0636-1 C3033
在庫有り


朝日新聞 [2010/4/4付 (日)] から

「大東亜戦争」 はなぜ起きたのか
汎アジア主義の政治経済史

「大東亜戦争」はなぜ起きたのか

松浦正孝著 『 「大東亜戦争」 はなぜ起きたのか』 が、朝日新聞 (2010/4/4付) にて紹介されました。なぜ日本は 「アジア解放の聖戦」 という理念を掲げながら、アジア諸国を植民地とし侵略したのか?—— 本書は、これまで誰も正視してこなかった松井石根と大亜細亜協会を中心とする汎アジア主義の視角から、「大東亜戦争」 への道を読み解きます。植民地との連動やグローバルなヒト・モノの動きも含め、首相・大将・博士から最底辺の労働者に至るまで、日本社会を戦争へと導いたものを初めてトータルに把握し、新たな歴史像を提示した渾身の力作です。

松浦正孝 著
価格 9,500円
A5判・上製・1,092頁
ISBN978-4-8158-0629-3 C3021
在庫有り


『週刊読書人』 [2010/4/2付 (金)] から

原典 イタリア・ルネサンス人文主義

原典 イタリア・ルネサンス人文主義

池上俊一監修 『原典 イタリア・ルネサンス人文主義』 が、『週刊読書人』 (2010/4/2付) にて紹介されました。豊饒なる知の泉へ —— 文芸から政治論・教育論・家族論・宇宙論にわたる、ルネサンスの多彩な思想は、ヨーロッパ文化そして近代世界の血肉となって今なお息づいています。古典の教養を通して徳ある市民としての生き方を模索したイタリア人文主義思潮の精髄を集成、見通しよい解説を加えて、人文知の新たな再生を期した空前にして待望の邦訳選集です。

池上俊一 監修
価格 15,000円
A5判・上製・932頁
ISBN978-4-8158-0625-5 C3010
在庫有り

年度別書評一覧

近刊案内

2017年9月4日出来予定

東アジアの社会大変動

末廣 昭・大泉啓一郎 編
A5判・上製・352頁
価格  5,400円
ISBN 978-4-8158-0884-6
Cコード 3036

2017年9月7日出来予定

産業化する中国農業

宝剣久俊 著
A5判・上製・280頁
価格  5,800円
ISBN 978-4-8158-0886-0
Cコード 3033

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